「全ては難波重工のために!」
演:越智友己
変身する仮面ライダー
リスクはあったが、最高の概要だった。
東都先端物質学研究所所長・氷室幻徳の秘書。28歳。元は優秀な科学者だったらしい。
パンドラボックスの解析を行うことになった桐生戦兎を監視している。
第7話でナイトローグとブラッドスタークの小競り合いを無言で傍観しており、彼もまたファウストの一員である様子。
第9話では研究員たちに研究の成果を一晩で纏めるように命じる等ブラックな一面を見せており、戦兎に「サイボーグ」と揶揄されていた。
第19話のあらすじでは露骨にコラージュされた「サイボーグ内海」が登場する。
更に大活躍した第39話のあらすじで再び「サイボーグ内海」が登場する。
第12話で幻徳の指揮のもと、東都政府のファウスト壊滅作戦が開始された。多くのテレビカメラや報道陣が集まる前で、必要以上に派手な立ち回りを見せるナイトローグの姿に、駆け付けた戦兎と滝川紗羽は「パフォーマンスのような違和感」を感じる。
それでも放っておくわけにもゆかず、戦兎はビルドに変身して新兵器カイゾクハッシャーでローグを撃破するが、変身解除して現れた素顔は何と内海だった。彼は報道陣に向けて「武力を行使してでも、かつての誇り高き日本を取り戻したかった」ともっともらしい動機を叫び、桑田のようにフルボトル内のネビュラガスを振りかけることで自決しようとするも、ビルドに止められる。
彼はこの「ファウスト壊滅作戦」という茶番のためにナイトローグに仕立て上げられ、捨て駒にされたのだ。
そして逃げ出した内海は、追ってきたビルドに本音を告白する。
「どこで道を間違えたんだろうな…。俺はただ、たわいのないことで笑って…人の思いに泣いて…そうやって普通に生きたかっただけなのに…」
と後悔の念に打ちひしがれながら呟く内海。そしてビルドに、
「俺のようにはなるなよ、桐生戦兎」
と語りかける。彼はビルドの正体を知っていたのである。
だが「今ならまだ引き返せる」と言いかけた内海の肩を幻徳の撃ち放ったライフル弾が貫く。彼は谷川に転落し、姿を消した。
後日、幻徳の「自分の秘書がしでかした不祥事」に関しての謝罪会見があり、 アジトからも様々な証拠物件が発見されたが、東都政府や難波重工とのつながりを示す痕跡は何一つなかった。
幻徳は内海一人を生贄にして、表向きはファウストを壊滅させた形にし、「仮面ライダー軍事兵器化計画」を水面下で推し進めていくのであった。
お久しぶりです、氷室さん(第18話で再登場時の行動)
しかし第18話のラストでは、死んだはずの彼が難波重工の代表として幻徳の前にその姿を現した。実は、幻徳に狙撃されて谷川に転落した後、流された先でスタークに助けられていたのである。なお正式には、難波重工開発担当とのこと。
これ以降は彼が難波重工の窓口となったが、「何故北都がファウストのノウハウを得ているのか」という幻徳の問いかけには何も答えようとしなかった。
なお、仮面ライダーグリスが使用しているスクラッシュドライバーは難波重工に移った内海が開発したと幻徳は推測しており、後述のネットムービーで彼が作ったことが確定した。なお戦兎に開発した理由を問い詰められた時には「あの設計図を見て血の騒がない科学者はいない」と即答しており、筋金入りの科学者であることが窺える。
ハザードレベルを上げる7つのベストマッチ(時系列上、第21話~第22話の間に当たる)
- 前編
スタークの指示で、グリスとの代表試合に臨む戦兎のため、スマッシュのホログラムを呼び出すなどして彼の特訓に付き合う。
その後、ハザードフォームの自動変身解除機能の追加に必要なデータを取るため、自らナイトローグに変身してスマホウルフハザードフォームに変身したビルドと対決。案の定途中で暴走されるが、呼び出したスマッシュのホログラムを盾にしながら上手く立ち回り、何とかハザードトリガーを外してビルドの変身を解除させることに成功、十分なデータを収集することもできた。
「リスクはあったが、最高の実験だった」と実験結果に満足する姿は、間違いなく一人の純粋な研究者のそれであった。
なお、このエピソードの冒頭ではコーヒーを淹れるのが上手いという意外な特技が判明。戦兎からも「カフェ開けますよ」と絶賛されている(ただし、内海自身は「それは首相補佐官の秘書にも科学者にも向いてないという皮肉か?」とあまり嬉しくなさそうだった)。
- 後編
ビルドクジラジェットフォームがボルテックフィニッシュでネビュラヘルブロスを倒した後、戦兎と合流し、戦兎に「何故戦うのか」と問う。その際に戦兎が告げた「自分が発端となった戦争を何としてでも終わらせないといけない」という言葉には何か思うところがあったようで…。
戦兎がネビュラヘルブロスに変身していた(正確には人体実験により無理やり変身させられていた)青年を病院に送る一方、内海はその場に残されていたネビュラスチームガンを回収する。
その後は難波重工実験室にて、先程の戦闘データからバイカイザーのバージョンアップ版であるヘルブロスを完成に至らせたのである。更に完成したヘルブロスから変身者のいらないクローンヘルブロスを造り出しており…?
なお、内海がこのエピソードでヘルブロスに変身したことから、もしかしたら彼もバグスターウイルスの抗体を持っているのではないかという可能性が浮上している。
この時、彼がこのストーリー中で変身に使用したバット(ナイトローグ)とエンジン(ヘルブロス)の二つは、後に彼がマッドローグに変身するのにも使われることとなる(ボトル自体は別物だが)。
第23話以降の行動
第23話では、かつて最上魁星が作り出したカイザーシステムを元に、その改良型であるリモコンブロスとエンジンブロスのシステムを開発していたことが判明する。
第24話では自分の野心のために仮面ライダーになる事を要求した幻徳に対して、土下座を要求した上に土下座した幻徳の手を踏みつけて嘲笑うというエグいシーンを見せる。
もっとも、上記のように幻徳は内海を替え玉に仕立て上げて射殺しようとした上に、すべての罪をなすりつけた経歴がある為、その事を根に持っていたと考えればこうした行動に走った彼の気持ちもわからなくはない(実際にアドバイスしたのは難波重工の会長であるが)。第18話で幻徳と再会した際にかなり冷淡な態度を取っていたのも、これが原因と考えれば辻褄が合うだろう。
内海も案外と執念深い性格の持ち主なのかもしれない。
その後は幻徳に対して敬語を使わなくなり、「お前」呼ばわりするなど完全に立場が逆転することとなった。
第25話で石動惣一から、幼い頃から難波重三郎に忠誠を誓うよう洗脳され、「難波チルドレン」として動いていた事が明かされた。その為、初めから難波重工のスパイとして幻徳の秘書を務めていた事も判明する。
第26話から第28話で行われた東都と西都による代表戦では、同じ難波チルドレンである紗羽から渡された戦兎側の要であるラビットラビットフォームのデータを仮面ライダーローグこと幻徳に送り、ラビットラビットフォームの動きを封じる事に成功する。
しかし内海とは違い、戦兎たちと過ごす時間を通じて難波の手先である自分と決別する気になっていた紗羽は戦兎に事情を白状してしまっていた。
紗羽がデータを渡しに来たことも、戦兎がラビットラビットフォームでの苦戦を演出したことも全ては2人の計画の内であり、猿渡一海が人質にされていた鍋島の家族を解放すると、戦兎はもう一つの隠し玉であるタンクタンクフォームに変身。
内海が集めたデータでも対応できない猛攻に、ついにローグは倒れ、代表戦は東都の勝利に終わってしまった。
怒った御堂首相は難波を責めるが、難波は部屋にスタークを招き入れて御堂を殺害させ、自分の顔を御堂に仕立て上げて西都を乗っ取ってしまう。
この計画は内海には知らされていなかったようで、流石の彼も一部始終を見ながら動揺して後退りする事しか出来なかった。
その後は難波重工の恐ろしさに改めて恐怖を感じたためか、第32話では奪われたパンドラボックスと人質にした北都の人間と交換を一海に要求し、要求を拒否した為人質を殺そうとするという非情な行動を行う。第33話ではエボルドライバーとの交換の為に氷室泰山首相を仮面ライダーローグこと氷室幻徳に誘拐させる。
ただ上記の作戦は両方とも幻徳によって阻止され、怒った幻徳に詰め寄られた際には怯えて後ずさりするが、幻徳に仕込んだ消滅チップの作動によって事なきを得る。第32話では倒れた幻徳に小走りで向かって情けない蹴りを浴びせる等、殺されかけたので当然ではあるが幻徳への恨みは非常に根深い。
その幻徳に「間違ってると知りながら難波の洗脳から抜け出せない愚か者」と指摘された時に図星のような態度を見せたり、氷室首相に「お前らに国をまとめる資格はない」と言われた時に「黙れ!」と激昂するなど彼の中に迷いが見られる描写もある。
第33話の終盤で美空が持っていたエボルドライバーを力づくで奪い、「全ては難波重工の為に」と叫んで惣一に渡し、最凶の仮面ライダーである仮面ライダーエボルが誕生。幻徳もローグに変身して立ち向かうが、手も足も出ず、とどめを刺そうとした瞬間に氷室首相が幻徳の前に立ちはだかり、首相は死亡。その様子を不敵な笑みを浮かべて眺めていた。
第35話にて「パンドラボックスはまだ開けない」と話す重三郎ともどもフルボトルを回収するエボルの様子を見物していたが、エボルが勝手にパンドラボックスを開け始めた為、止めに入り、一蹴され吹き飛ばされてしまった。
ならば答えは一つ!(第38話以降のネタバレ注意)
第38話では、エボルトから科学者としての能力を買われ、自分の部下になるように2本目のエボルドライバーを見せられるが一度はこれを拒否する。その後、難波の命令でエボルトを抹殺するべく、幻徳たちにも協力を仰ぎ総力を挙げてエボルトを倒そうとするが、彼の圧倒的な実力になすすべもなく鷲尾兄弟と難波重三郎は殺害されてしまう。難波重工が事実上の壊滅に至り、再び決断を迫られる内海は…
「ハッハッハッ…!」
「ならば 答えは1つだ!」
「変身!」
狂ったような笑いを上げながら、エボルトから渡された難波の遺品である杖を破壊。彼に忠誠を誓い、エボルドライバーとフルボトルを受け取り仮面ライダーマッドローグへと変身を遂げた。
(※エボルドライバーが人間が扱うには強力過ぎるのか、変身の際に苦しみ、顔に血管のようなものが浮き上がっている)
今まで忠誠を誓ってきた存在がエボルトによって消され、科学の道を誤った方向へ進んでしまった挙げ句、エボルトに忠誠を誓い始めるなど、名前通りのマッド(=気の狂った人)、あるいはキャラクターモチーフ通りの"コウモリ"になってしまった。
(※彼の名誉のために補足すると、元々難波チルドレンだった彼は強大な権力者の下で生きる以外の生き方を知らず、その難波が消えたとあればより強大なエボルトに付くのも無理からぬ話である。また、自分のために命をかけて死んだ部下のことなど屁とも思わず、「自分の命だけ助かればよし」という難波の自己中な内心が大っぴらになった聞くに堪えない醜すぎる命乞いを聞いてしまった直後だったことも考慮すべきだろう。しかも皮肉なことに、内海はエボルトに人間の面白さを感じさせることによって間接的とはいえ地球を救っている。)
尚、これ以降、基本的に冷静沈着で口数の少なかった性格は、エボルドライバーによって手に入れた絶大な自信に満ち溢れて、狂気的なまでにハイテンションになり、エボルトと自分以外の全てを露骨に見下したり、戦闘では意味なく奇声や笑い声を上げながら、相手を必要以上に甚振る事で自分の力を誇示するかの様な攻撃を繰り出すなど、エボルト同様の傲慢且つ残虐で好戦的なものへと豹変した(これを裏付けるように、変身時には常に狂気に満ちた笑みを浮かべている)が、この性格の豹変の原因がエボルドライバーを使用した事による副作用のものなのか、それとも前述の発狂によるものなのかは現段階では不明。
翌39話でローグを徹底的に痛めつけた後西都官邸へ撤収。以降はエボルトの指示に従い、仮面ライダーを国家反逆者に仕立て上げるべくハードガーディアンやクローンスマッシュを率いて各地で暴動を起こして回り、またエボルドライバーの調整係も務める。そしてエボルト同様、「戦兎の科学への、幻徳の権力への執着が戦争を引き起こした」と主張し、ライダーたちの心を揺さぶり、抉っていく。
一方、御堂死亡以降の難波重工時代と同じく、自分が間違っているという自覚こそあるものの、上述のように、人に支配される以外の生き方について知らないが為に、「俺は間違ってない」と自分に必死に言い聞かせているかのような節も見受けられる。
東都、難波、エボルト、主人を転々としていく彼の行く末は…
第47話のネタバレ注意
戦兎たちとエボルトのパンドラタワーでの最終決戦。エボルトの遺伝子から複製されたエンジンブロス/リモコンブロスを相手に、幻徳は戦兎たちを先に行かせるため1人で立ち向かう。
エボルトの遺伝子から生まれただけあってオリジナルをはるかに上回る力を持つブロス兄弟に幻徳は苦戦を強いられるが、そこに内海が現れる。
「人体実験まで受けたのに…無様なもんですねえ!」
内海は幻徳に罵声を浴びせ、マッドローグに変身。これで3対1となり、さらに状況が悪化したと思われたが…
「強がっても無駄ですよ。あなたは終わりだ…」
「私がいなければ」
そう言って内海は突如ブロスを攻撃する。困惑する幻徳に、内海は内に秘めていた真の目的を語る。
「現行のライダーシステムでは勝ち目がない…だからエボルトにくだったんです」
「難波会長の敵を討つために…」
そう、内海は難波への恩義を忘れてはいなかった。エボルトの側に付いたのは、エボルドライバーを入手するとともに、エボルトのデータを間近で収集し、彼を倒す為、難波の仇を討つ為だったのである。
これまでの狂気的な言動も、全てはエボルトに心から忠誠を誓っていると思わせるための芝居であり、それを知った幻徳は思わず「フッ…相当マッドだよ内海」と苦笑。
内海も「難波チルドレンですから」と自虐気味に言葉を返す。
かくして、かつてのファウストでの上司と部下は再度手を組み、ブロス兄弟を圧倒。しかし合体したヘルブロスにはローグコンビでも苦戦した。しかしそこに事前に連絡をしておいた同じ難波チルドレンの滝川紗羽が到着。彼女からヘルブロスの攻撃を無効化出来るよう密かに調整していたサメフルボトルとバイクフルボトルを受け取り、合体攻撃でヘルブロスを撃破した。
ヘルブロスを退けたローグコンビだったがそこに「ブラボー!さあ、そのボトルを渡してもらおうか」と擬態した石動惣一の姿でエボルトが登場。エボルトはコブラフォームに変身。ローグコンビを相手に優勢に戦いを進めていく。
内海はエボルトのデータをエボルドライバーへインプットするために味方の振りをしていたが、エボルトもそれには勘付いており、なにより自分の力を人間が使うことは不可能だと思っていた。
ところが内海は自身のフェーズを次々と上げフェーズ3の時点で高速移動を使った攻撃によりエボルトを翻弄、さらにブラックホールフォームと同じフェーズ4の力まで発動させる。分離&擬態能力を使用しフェーズ1の姿だったこともあり流石のエボルトもこれには動揺するが、内海が渾身の一撃を放とうとした瞬間、突如彼の身体がショートし、逆にエボルトの反撃を食らってしまう。
そしてその様子を見たエボルトは、納得した様子で呟いた。
エボルト「あぁ、そうだった…お前はサイボーグだったな」
実は第12話で幻徳に撃たれ川へと落下し瀕死の重傷を負っていた内海は、当時ブラッドスタークとして活動していたエボルトによって回収され(恐らくは難波重工の手によって)彼の身体は本当にサイボーグへと改造されていたのである(その事を忘れていたあたり、エボルトにとって内海がどれほど眼中にない存在だったかが窺える)。
しかしサイボーグの身体をもってしてもフェーズ4の力は容量オーバーであり、内海の最後の策は失敗に終わってしまった。
用済みとばかりに内海を蹴り飛ばしたエボルトはロストボトルを奪うため幻徳にスチームブレードを振り下ろすが、内海は最後の力を振り絞り、彼を庇う。
「あなたを…助けたわけじゃない。ロストボトルを…守っただけだ…」
この一言とともに内海は活動を停止。その様を見た幻徳は、悲痛な叫びをあげながらもネビュラスチームガンの煙幕で離脱する。
こうして、狂った悪党の仮面を被りながら戦った男の復讐劇は、かつて自分の人生を狂わせた男とその仲間達に望みを託す形で幕を閉じた。(※)
※ジーニアスフォームとの初戦で必殺技を受けたとき、内海の体内になんらかの変化が起こった描写があったが結局この点は言及される事は無かった。だが、後にジーニアスの必殺技にはあのエボルトにすら「感情が芽生える」効果があることが判明したため、この時既にサイボーグとなっていた内海にも「幻徳に対する一種の“情”」のようなものが湧くほどに感情が芽生えていたのかもしれない。
最終回
スカイウォールの無くなった新世界では、「難波機械製作所」に勤務している。スカイウォールの惨劇自体がなかったことになっているため、難波重工もそれまでのような秘密組織ではなく、ごく普通の会社であると思われる。
完成した「難波スティック」の出来栄えに満足いかず、「作り直しだー!」と叫びながらへし折ろうとしたが、失敗し、膝を痛めていた。
なお、周りにいる人が完全にノーリアクションだった状況を見ると、新世界の内海がこの手の奇行に走るのは日常茶飯事のようである。
「どこで道を間違えたんだろうな・・・。俺はただ、たわいのないことで笑って・・・、人の思いに泣いて・・・、そうやって普通に生きたかっただけなのに・・・。」
仮面ライダービルド ファイナルステージ
新世界構築の影響で記憶が一時的に復活。当初はロボットのようなカクカクとしたヘンテコな言動でクローズチャージを困惑させる。物理的に目を覚まさせられると、戦兎達に合流して共にエボルトに立ち向かった。ちなみに彼が落としたロストフルボトルはバットロストフルボトルと思われる。
また、彼の欲しかった日常の体現者である猿渡一海に内心憧れていたのか、彼の愛称であるカズミンに倣った『うつみん』と呼ばれたかったという。そのため、『サイボーグ』と呼ばれるのはあまり好んではない模様。
『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』
最終回後の新世界でも変わらず「難波機械製作所」で「難波スティック改」の製作に勤しんでいた。
しかし、キルバスが生成した新しいパンドラボックスの影響を受け、他の面々が記憶を取り戻す中、過去にエボルドライバーを使用したことが影響したためか、記憶を取り戻すことはなかった。
『ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス』
「全ては難波重工の・・・、いや、民衆のために!」
新しいパンドラボックスの影響で元難波チルドレンたちが旧世界の記憶を取り戻す中、自分だけ記憶が取り戻せないことに業を煮やし、難波製作所の更なる発展を目論んで戦兎の研究所に押しかけ、ネビュラガスの投与を要求した。制止も聞かず難波ステッキを抱えたまま投与装置に入ってしまう。
その後はダウンフォールの襲来や失った変身能力への対応に追われていたせいで、周囲から忘れられていたが、記憶を取り戻した戦兎によって目覚めると、最終決戦で仮面ライダーマッドローグに変身する。記憶を取り戻した影響で以前のようにテンションが上がっているものの、旧世界で対立していたビルド・クローズ・グリス・ローグと共闘してダウンフォールの軍勢を迎え撃った。
戦いの後、幻徳と紗羽が親密な関係になっている状況を目の当たりにした際、幻徳達の間に現れ、
「旧世界で私をサイボーグにしておきながら・・・、そんな幸せを掴んでいたのか・・・!」
持っていたスティックをへし折ろうとして膝を痛めるが、「さすがは難波スティック改だぁー!」とその出来栄えに感動した。
余談
- 幻徳と同じようにナイトローグに変身して戦えている事から、彼もまた3以上の高いハザードレベルに達している事がうかがえる。ただし戦闘力は本物のナイトローグほど高くはない様子。
- と思われていたが、上述のようにネットムービーでは機転を利かせてハザードフォームを相手に深手を負わずに立ち回っている(ハザードフォームは所謂「初登場・販促補正」全開の頃である)。対して幻徳のナイトローグは初登場から話数が経過し、北都陣営相手に陰りを見せていたラビットタンクスパークリングフォームに手も足も出せずに惨敗しており、トランスチームシステムはハザードレベルの上昇がなく変身者の経験が強さに直結するため、用意があったとはいえ知略面も考慮すれば本当は彼の方が強いのではないかという可能性も。
- 北都のスクラッシュドライバーや西都のカイザーシステムなど葛城巧が関わったものを安易に作成できる事や、目的がない限り人助けをするはずがないブラッドスタークが彼を助けた事などから一時期は内海が本当の葛城巧ではないかとも言われていたが、その後の展開から桐生戦兎=葛城巧が本当であった事が証明された。
- 冷徹な印象が強い一方で、ネットムービーや本編などでフルボトルを振る手つきや蹴りを入れるシーンなどのアクションがやけにぎこちなく、ネタにされる一方でそこが可愛らしいという意見も。
- 悪の道へ進んだ本編でも幻徳に浴びせた妙なフォームの蹴りや、難波会長の演説を流すためにドローンを操縦してるシュールなシーンなど、大嫌いな元上司と同じく一部の視聴者からネタ扱いされている。
- そしてマッドローグに初変身した第38話では上記の台詞を発した際に叫んだ時の顔芸&主題歌が流れているという状況が前作の神と被った事でネット上では半ば祭りと化した。因みに変身ベルトの開発技術を持つ点も似ている。
- この豹変をエボルトは大いに気に入り「この星を滅ぼすのはやめた!」とまで言ったため、「自分の株を下げて地球を救った男」とも言われる。
- まあ、Be the oneの歌詞とは逆に侵略者の仲間になることによって明日の地球を思いっきり投げ出してるけどな!(注:上記の通り、この行動は明後日の地球を拾うためです)
- 放送終了から約2ヶ月が経った2018年10月には、その神共々台詞及びキャラクター(マッドローグとエボルト怪人態)がプリントされたシャツが「答えはひとつTシャツ」としてプレミアムバンダイで販売された。
- 以前あらすじにて「サイボーグ内海」とネタで呼ばれていたことがあったが、それがまさかの伏線だったことが第47話で判明した。また、この語が出て来た第19話の前の回にして再登場となった第18話のラストは幻徳の前に内海が現れてエンディングのカットインが入るという構成であり、その時表示されたフルボトルの組み合わせは不死鳥とロボットと、さながら死の淵より蘇った彼の有り様を暗示しているかのようだった。
- 前述のネットムービーでの立ち回りやヘルブロスへの変身、さらにたった数回変身しただけで重度の昏睡状態に陥る使用者が出るエボルドライバーを、調整されているとはいえ使いこなせていること(内海のエボルドライバーは人間が扱えるように調整されているとは言え)など、本編や番外編でいくつか伏線は存在していた。(※)
- ※ただし、これらの伏線はネットムービーを視聴していることが前提になっているので、視聴していない人やDVDを買って貰う事が出来ない子供達、そしてDVDを視聴していない人達にとっては非常に分かりにくく、「サイボーグ」と言う明確な言葉がアバンのコントでしか取り扱われていない事と紗羽がコントでしかしていないはずの会話を「アレ本当だったんだ…」と発言して当たり前の様に知っており、DVDを視聴していない人達から見るとギャグから引っ張ってきたようにも見えなくは無い。その為、本編上では実質ギャグでしか取り扱っていなかった内容を果たして伏線と言っていいのか疑問に思う視聴者も居り(しかもド終盤で)、賛否両論になっている。
- 更にこのあらすじトークは「NEW WORLDで記憶を取り戻したみんなで収録した」可能性が挙げられていたが実際は記憶を取り戻す前に「声の似ている人を集めて収録した」と言う形だったので内海の事は聞いたのだろうがやはりどうやっても矛盾が生じてしまうので劇中的には話が若干ややこしい事になっており、そう言う細かい事が気になる視聴者からの意見もあり、更に賛否両論に分かれている。
- 余談だがこのあらすじトークの収録の真相を考えると戦兎達は「記憶を取り戻す前の人たちの事を言いたい放題言っている」事になる。
- 難波が死に、エボルトに忠誠を誓った時に難波の遺品のステッキを折った彼だが、後年、エリザベス2世の国葬の際に「侍従長が職務で使用していた杖を折って棺に捧げ、主君への奉仕が終わったことを示す」という儀式が取り上げられたことで、一部ファンからこの儀式を意識した行動だったのではないか、という声が上がっている。(もっと古い『指輪物語』でも王に仕えるゴンドールの執政デネソールが色々あって自害する前に執政の杖を折っている)
- ただしこれらの儀式は「従者の仕事に使う杖を折る」ことで従者としての役目を終えたことを亡き主人に示してケジメを付ける行為であり、高貴な主人が使っていた杖を折るのとは意味合いが大きく変わってくる。
- 因みにこれらの事実を鑑みるなら、仮面ライダーマッドローグは仮面ライダーJからおおよそ24年ぶりとなる改造人間が変身する仮面ライダーだったという事になる(草加雅人/仮面ライダーカイザ、擬態天道/仮面ライダーダークカブトのように改造人間に近い設定を持つケースはあった)。
- なお、第47話の活躍は「幻徳と共にあり」「難波チルドレンで」「相手のデータを集め対策を立て」「土壇場で主人を裏切り」「サイボーグだった」と、これまでの彼の立ち位置や行動などの全ての要素が一つになって現れている。
関連タグ
仮面ライダービルド ファウスト 氷室幻徳 難波重工 難波チルドレン 仮面ライダーマッドローグ
ブレン:外見や組織での地位の他、自分を陥れた相手に正当な報復攻撃を作中で行った点や一部の視聴者からネタ扱いされてる点も類似。ただし、主人をコロコロと変えていった内海と正反対に、ブレンはただ一人に忠義と愛を注ぎ続けたと思われていたが、実は内海も最後まで難波会長を裏切ってはいなかった。ネタキャラ扱いされながら最後の最後に他人を庇って命を落とした点でも共通している事から比較される事が多い。
チェイス:当初は主人公達の敵、疑似ライダーに変身していたが後に仮面ライダーの変身能力を得る、ラスボスとの戦いで味方のライダーを庇って散る、サイボーグ(マシン)である点が共通している。