概要
本名はエリザベス・アレクサンドラ・メアリー・オブ・ウィンザー(Elizabeth Alexandra Mary of Windsor)。
グレートブリテン及び北アイルランド連合王国並びに英連邦王国の元女王である。また、イングランド国教会の首長を務める父ジョージ6世の死にともなって1952年2月6日に25歳の若さで戴冠、崩御する2022年9月8日まで女王として在位した。
2015年には在位年数がヴィクトリア女王を抜いてイギリス君主の中で最長となり、2016年のタイのプミポン国王の死去後は存命で在位している国王・女王の中で最も高齢であった。
90歳を越えた晩年も勢力的に活動しており、英国国民ならず他国民の間でもエリザベス女王へ好感を持つものは少なくなかった。
リズ・トラスを首相に任命した2日後の2022年9月8日(日本時間9日)、静養先のスコットランド・バルモラル城にて「女王の健康状態が懸念される状態」となり、老衰で崩御。満96歳没。
同月19日には各国の要人も参列し国葬が執り行われ、2021年に死去した夫のフィリップ王配が葬られたウィンザー城内のセントジョージ礼拝堂に埋葬された。
王位は継承権1位の長男である王太子のチャールズ3世が継承、新国王に即位。これを受けて70年に渡り「God Save the Queen」であったイギリス国歌は「God Save the King」へと変更された。
余談
- エリザベス2世の在位期間は、70年7か月と世界史上でも第2位の記録となった。中世以降の国家元首として史上最長の在位記録を持つのは、フランスのルイ14世で72年と110日。2024年5月までエリザベス2世の在位が続いていれば、約300年ぶりのギネス記録更新となり、母のエリザベス王太后が101歳の大往生だったために可能性も高かったが、結局それが叶うことはなかった。
- 次期国王にチャールズ王太子が即位したことで、かつてのロマノフ家(実質ホルシュタイン・ゴットルプ・ロマノフ家)やハプスブルク家(実質ハプスブルク・ロートリンゲン家)同様に王朝名はウィンザー朝のままながら、家名がマウントバッテン=ウィンザー家となるために、エリザベスは実質的にウィンザー(旧ザクセン・コーブルク・ゴータ(サクス=コバーグ=ゴータ))朝男系最後のイギリス君主でもあった。
- 戴冠前の第二次世界大戦中は、イギリス陸軍の女子国防軍に入隊。名誉第二准大尉となり軍用車両の整備や軍用トラックの運転なども行っていた。それまでの女性王族は肩書として軍人の地位を得ても名誉職に過ぎなかったが、エリザベス2世は慣例を破って他の学生同様に訓練も受けていた。
- 大の競馬好きでも知られる。近代競馬発祥の地でもあるイギリスの競馬界を手厚く庇護し、馬主・生産者としても多数の名馬を所有した。名牝ハイクレアの牝系からは日本で三冠馬ディープインパクトが誕生している。競馬界とのつながりの強さから世界中に女王の名を冠したレースがあり、日本では1975年の女王訪日を記念して最強牝馬決定戦「エリザベス女王杯」を創立、現在まで続いている。
- 亡くなる直前まで自身の所有馬のことを気にかけていたというから、筋金入りの競馬好きである。女王の競馬好きエピソードは筆舌に尽くし難いほど限りなくあるので、各自調べて見て欲しい。
- 大衆の前に姿を現す際は頻繁にハットとコートの色を原色に揃えたワントーンスタイル(雨の日は加えて同色に揃えたビニール傘も)に黒の手提げ鞄というコーディネートをしており、これは目立つことで女王の存在をアピールし、ボディーガードにも位置を知らせやすくするためとのこと。そのカラフルさから国民に親しまれ、即位60周年の際には測色機器メーカーのパントン社でエリザベス2世をモチーフにした色見本帳なども作られていた。
- 自動車を運転するのが好きでジャガーやランドローバーを始め数々の車種を所有してたエピソードがあり、自ら運転するエピソードがある。
- 2012年ロンドンオリンピック開会式ではジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)に会場までエスコートされるという設定で本人が出演。会場上空へ着いたヘリコプターからボンドと一緒にパラシュート降下した(さすがに実際にパラシュート降下したのは代理のスタント役者だったが)。
外部リンク
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エリザベス女王:他の「エリザベス女王」についてはこちらを参照。