タイ王国
たいおうこく
インドシナ半島中央部とマレー半島北部に位置する立憲君主制国家。
南はマレーシア、東はカンボジア、北はラオス、西はミャンマーと隣接する。
1939年までは『シャム王国』と呼ばれていた。
現国王はチャクリー王朝のラーマ10世。
(フルネームはマハ-・ワチラロンコン・プラワチラクラーオチャオユーフア)
国民の信仰の自由は憲法で保障されているが、国王は仏教徒でなければならないと定めている。
昔は「白象」を描いた物だったが、現在は「赤・白・青」の三色を使った旗になっている。「赤は国民」「白は仏教」「青は王族」を意味する。
1990年代辺りまでのテレビのバラエティ番組では「ニューハーフ」「ムエタイ」といったステレオタイプが蔓延しており、一種の魅力的なイメージとしてお遊び的に消費されてきたが、2020年代から民主化の過渡期にある国として国際社会から真剣に注目されている。一方で、治安の悪さや強権的な王政などのマイナスイメージも目立つように。
起源
現在のタイ王国の国家的起源は、13世紀にカンボジアのアンコール王朝から独立したシーインタラテット王が開いたスコータイ王朝である。
その後アユタヤ王朝(14~18世紀)、トンブリー王朝(1767~1782)を経て、1782年以降は現在のチャックリー王朝となる。
近代化
19世期後半に東南アジアにおける欧米諸国の帝国主義による植民地時代の絶頂期を迎えると、時の国王(ラタナコーシン朝)の判断により近代化への移行を開始する。
東西に迫る英仏との巧みな外交で独立を維持し、日本と共にアジアにおける植民地化を免れた。(タイには手を出さないことで英仏は植民地を捲る戦争を避けたいという思惑もあり、「英仏宣言」が出されている。)
1932年に立憲君主制へ移行。
第二次世界大戦中は日本と同盟を結び連合国に宣戦布告をするが、その裏でアメリカなどと二枚舌外交を展開。
1945年には、長期に渡って日本に手を焼きソ連の台頭を危惧していた米英に対して、タイ軍が占領した地域の返還などを条件として停戦講和を成立させた。
現在はスプーンやフォーク、箸が日常的に使われるが、「手で食事を食べる文化」を守っている地域もある。
タイ、特にバンコクなど中部の料理は、基本的に「甘味」「辛味」「酸味」の三つを重視している。
出された料理をすぐ自分好みに調整しても良い文化があるため、飲食店や屋台には様々な調味料が並ぶ。
国土全体的には山岳地帯よりも平地や台地の割合がやや多い。最高峰は北部のドーイ・インタノン山(2576m)。
地域の地形や土壌などで異なる場合もあるが、基本的には年間を通じて気温と湿度が高く、雨季になると降水量が非常に多く深刻な洪水化にもなりやすい。
タイは工業国として製造業がGDPの約34%、輸出額の90%弱を占める。
しかし就業者の約40%は農業が占めており、世界的にも知られている米を中心にキャッサバ、天然ゴム、サトウキビなどを生産している。
沿岸部では日本など国外向けのブラックタイガーなどの養殖も盛ん。
東南アジアでは、インドネシアに次いでGDPの大きな国であり、1人あたりGDPもシンガポール、ブルネイ、マレーシアについで4番目に位置する。
一部の大企業は日本やイタリアなどを超える賃金を与える企業も生まれている。一方、貧富の差が非常に激しく、2014年、クレディ・スイス銀行は、タイについて、ロシア、インドに次いで世界で3番目に不平等な国であるという調査を発表している。富裕層の上位1%が、タイ国内の資産の58%を保有しているとされ、同じ東南アジアにあるフィリピンやインドネシアにも同じことが言える。
一方でタイには競馬が存在するが、「無敗馬」が生まれにくい構造上の問題から国内ではあまり人気ではない。
20世紀後半から徐々に衰退し、2020年にはタイで初めてアフリカ馬疫の発生が報告され、全サラブレッドの9割が死滅したとも伝われる壊滅的被害が発生した。
近年では肥満が社会問題と化しつつある。
元々タイ料理が高カロリー・高糖質であることに加えて運動嫌いの国民性、時代を追うごとに加速する国民全体における運動量の低下がその背景にある。
僧侶ですら砂糖菓子やスナック菓子を布施として貰うことから、肥満増加の波に晒されている。さらに、托鉢で貰った食べ物を残してはいけないという戒律の関係もある。
麻薬に死刑などの極刑が課される厳罰主義を敷く傾向にある東南アジアにおける唯一の大きな例外がタイである。
タイは2022年にアジアで初めて大麻を事実上の合法化した。その後の社会的な混乱を受けて、2025年には医療・研究目的以外での使用を、法律上は禁止している。
しかし現実には、2022年の大麻合法化以来タイは大麻王国と化しており、今尚それが続いている。大麻合法化以降、大麻の購入に身分証、診断書、処方箋は不要で、未成年や妊婦などの明らかに医学的なリスクのある層を除けば誰でも購入でき、外国人も同様であった。バンコクの観光地では歩き大麻が横行し、飲食店やホテルでの大麻吸引は黙認され、大麻吸引を明確に容認する焼肉屋が話題になったこともある。
2025年の再規制以降も、首都圏の観光地のディスペンサリーですら、形だけの処方箋のフォームに「名前/症状/パスポート番号」を適当に記入するだけで簡単に大麻が購入できる状況であり、首都圏から少し離れた郊外以降ではそれすらも要求されない状況であり、事実上の大麻吸引スペースの存在する飲食店などが無数に存在する(参考1、参考2
)。
なお海外旅行保険などの観光者向け医療保険は、加入者が本国の法律に違反する薬物を現地で過剰摂取して現地の病院の診療を受けた場合、保険適用外となる。日本人がタイで大麻を過剰摂取して病院の世話になった場合も同様である(参考)。
観光目的なら査証は不要。パスポートが破けてたりメモ書きがあると入国拒否の可能性あり。入国スタンプの押し忘れにも注意。
日本の外務省は、マレーシア国境は分離独立を掲げるイスラム武装勢力による襲撃や爆破事件が頻発しているため絶対に近づかないように。その他の地域も詐欺などお金に関するトラブルが頻発しているため用心してほしいとのこと。
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