「来たーっ!!
来た来た来ましたぞ―――っ!!
やはり神は あわれな子羊を見捨てはしなかった!
我が輩には今こそ見えますぞォ 頭上に輝くラッキースターが!!」
概要
2巻のみパーティーに加わる。肉体年齢28歳。ラスカ、アルジュナに続く4人目の仲間。
元々はとある村の出身で、本来なら王室学士として王宮に迎えられるはずだった。しかしその話を聞きつけたのかガノン率いる盗賊団によって村を焼き払われ家族を殺される。以後は無理やりガノンの配下にされ、聖地まで連れて行かれて600年の時を過ごすことに。
聖地にやって来たリンクたちを匿い、ハイラルに帰るために共闘を持ち掛ける。
性格
90年代のオタクっぽい言動の青年で、テンションが上がるとリンクも引くレベルで騒がしくなる。しかしながらメガネの下は優しい顔立ちのイケメン。
戦闘力はない分、頭脳労働で貢献するとうたっているが内心ではリンクたちの強さに嫉妬しており、何より無力な自分にコンプレックスを抱いている。
活躍
2巻
アグニムによって聖地に落とされ魔物たちに追い掛けられていたリンク、ラスカ、アルジュナを地下のアジトに匿う。ハイラルに帰るため協力し合わないかと持ち掛ける。
カニカ「我が輩だってハイラルに…元の世界へ帰りたかったんですぞォ~!」
カニカ「そのために600年もの間コツコツと地図を作り! 情報を集め! 分析し! 方法論も確立した……しかし」
カニカ「しかし!!」
カニカ「我が輩には戦う力がないのであるよ~~!!」
カニカ「方法がわかっていながら実現できぬもどかしさ! ああァ~~明晰な頭脳がうらめしィ~!」
ラスカ「試してみたの?」
ラスカ「方法は わかってるって言ったよね? ソレ試したの?」
カニカ「え…? あ…いや…」
ラスカ「やってみもしねえことを できねえなんて言う奴ぁ」
ラスカ「オレぁキライだね」
カニカ「確かにキミの言うことにも一理ありますな…しかし それは強者のエゴというものであるよ」
ラスカ「なんだと この…っ!」
リンクがラスカを止めたことで言い争いは終わり、手を組むという方向で話が進む。
しかし、ガノンの元側近という過去と600年以上も生きていることからアルジュナに疑いの目で見られる。
そこでカニカは無理やり参謀にされただけの被害者であることを訴える。そしてトライフォースで叶えたガノンの願いによる歪んだエネルギーが影響し、聖地の時間が止まっていることを告げる。
……というのは事実だが、アルジュナの疑惑は的を射ていた。カニカはリンクを監視するために遣わされた間者であった。カニカもアルジュナに疑われていることには気付いており、護衛という体で監視を受ける。こうして二人は、狸と狐の化かし合いをすることに。
まんまとリンクたちの仲間になったカニカは、リンクがマスターソードの使い手になれているか探りを入れる。というのも七賢者の娘たちは“血族封鎖の術”によってクリスタルに身を包んでしまい手が出せなくなっていた。マスターソードの剣ビームならそれを破壊することが出来るのだ。
しかしリンクは使い手としては未覚醒であり、剣ビームを撃つどころか剣の威力すら引き出せていなかった。
カニカは最初のダンジョンでガモースとリンクたちの戦いを観戦。空中から攻撃するガモースに苦戦する一向に策を授ける。
それはラスカが針を投げ続けて注意を引き、アルジュナが死角から壁をよじ登ってガモースの背中を剣で貫き、高度が下がったところをリンクが一刀両断にするというものだった。
見事ガモースを討ち取り、リンクからさすがと称えられた。
その後、ハイリア人が築いた古代研究施設に行くことを提案する。そこならマスターソードに関する文献があるかもしれない、と。
というお題目で施設に入ったカニカは、トラップを起動させてラスカとアルジュナを天井が迫って来る部屋に閉じ込める。絶体絶命の二人を前にしてリンクはマスターソードを輝かせ、威力を引き上げることで壁を破壊して救出した。
カニカは3人が寝入った頃合いを見計らい、密かに抜け出してアグニムに報告を行っていた。しかし焦れたアグニムは、盗賊ブラインドを次の刺客として送り込む。ブラインドはラスカとリンクに呆気なく敗れたが、本命は彼が呼び出した“ガノンを模したレプリカモンスター”であった。
ガノンの偽者であるが実力は凄まじく、リンクたち3人を文字通り圧倒する。しかし頭部の制御帯を偶然マスターソードで破壊され、レプリカは機能停止する。その間にカニカか姿を消していた。
3巻(最終巻)
姿を消したカニカはガノンの塔に潜伏していた。
塔を落としに来たリンクたちの前で人質の演技をし、リンクがマスターソードを手放すとオリジナルアグニムの側から離れなかったため、ついに患者であることが露見する。
更にアグニムは2体のレプリカを従え一気に戦力を増強。マスターソードの無いリンクたちでは到底勝ち目がない。
カニカ(アグニム様のレプリカ…!)
カニカ(マスターソードを手放した今 対魔法用の装備も技もない…)
カニカ(こんな…こんなことで我が望みがかなって…我が輩は…我が輩は…!)
ラスカ「んな悪びれた顔したってダメだぜカニカぁ!」
ラスカ「おめーはオレ達をだまし続けた…後できっちりスジ通してもらうからな! 覚悟しとけよ!」
劣勢の中、決して膝を折ることなく戦い続ける3人。その姿を目の当たりにしたカニカは――
カニカ(力の差は明白…戦力差は圧倒的…状況は最悪…)
カニカ(それでもまだ…まだやると言うのですか…!?)
カニカ(我が輩は今――)
カニカ(本物の勇者を見ているというのですか――)
カニカ(我が輩は…我が輩は…)
己の過ちを受け入れたカニカはレプリカの制御装置である水晶を破壊。更にマスターソードをリンクに投げ渡す。
直後、アグニムの怒りを買ったことで魔法で心臓を貫かれてしまう。しかしアグニムもまた怒れるリンクのマスターソードによって胸を貫かれ最期を迎えるのだった。
余命幾ばくもなくなったカニカは、仲間たちと最後の会話をする。
カニカ「我が輩は…己の保身ばかり考えて600年間生きてきました…」
カニカ「いえ…違いますね…」
カニカ「死んでいなかっただけで生きてきたとは とても言えませんな…」
カニカ「諸君らは重い使命を背負い…しかし それにつぶされずに実に堂々と戦っていましたな…」
カニカ「今にして思えば…我が輩は…諸君らに嫉妬していたのかもしれません…」
ラスカ「でも…戦えたじゃねーか これ以上ねえくらい立派によォ…」
ラスカ「カッコよかったぜ カニカ」
カニカ「そ…そうですか…戦ってましたか…ハ…ハハハ…」
カニカ「や…やれば…できるものですね…」
リンク「カニカ 一つだけ答えてくれるかい?」
リンク「あんたのことだ…何かがあって奴の…アグニムの命令をきいちまったんだろ?」
カニカ「死んだ両親を生き返らせハイラルへ帰してやる…そう言われました…」
事情を知ったリンクたちはカニカを許し、その最期を涙しながら看取るのだった。
「ありがとう………皆さん…本当にありがとう…」
両親を生き返らせることもハイラルに帰ることも出来なかったカニカだが、最後に勇気を持って行動した自分を誇りに思うことが出来た。
こうしてカニカは、600年の呪縛から解放されたのだった。
余談
後に『時のオカリナ』を手掛ける姫川明だが、独自設定としてある人物がガノンドロフの配下として登場する。リンクに味方しながらも罠に掛けるという二重スパイの役割を演じた。
また最終決戦ではマスターソードを手放してしまったリンクにゼルダ姫が投げ渡すという独自展開が描かれた。
見ての通りいずれもカニカがやったことである。
関連タグ
ゼルダの伝説 ゼルダの伝説のキャラクター一覧 漫画版神々のトライフォース(かぢばあたる)
リンク(コミックス版ゼルダの伝説) ラスカ アルジュナ(ゼルダの伝説)
ラヴィオ:『神々のトライフォース2』の登場人物。元々はある人物に仕えていたが現在は離反している、リンクを保護して協力者になる、ローブ姿の非戦闘員、自分が如何に可哀そうか語って同情を買う、弱い自分と比較にしてリンクに憧れを抱いてるなど、オマージュ要素が窺える。