「言っとくけどなあ おまえを助けようってんじゃあないぜ
ホラ せっかく拳法やってんだし 実戦経験つんどくのもいいかもなーって」
曖昧さ回避
- かぢばあたる著漫画版『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』の登場キャラクター。本項で解説。
- ゲーム『ドラゴンクエストⅩ』の登場キャラクター。
概要
カカリコ村で暮らす武道家の少年。リンクの幼馴染にしてライバル。
気が強く礼儀知らず。口癖は「インチキ」。
リンクと同い年(13、14歳)だが、リンクより背が低くショタ寄りの見た目。途中から顔つきが変化して生意気さが増した。
性格
何かにつけてリンクと張り合っており、当初は自分がマスターソードの使い手になるつもりだった。
基本的にリンクとは仲が良いのだが、彼がマスターソードを引き抜いてからは悪い意味で突っかかって来ることが多くなった。それでも内心ではリンクを認めているが素直になれず、リンクの前では決して褒めたりしない。
リンク以上に生意気で口が悪いため、当初は病み上がりのアルジュナに対して「自分たちより敵を倒せていないからもっと頑張った方がいい」と下に見る発言をしたり、戦う力がないから頭脳労働で役立つと言ったカニカに対して「強くなる努力もしていないのに諦めてる奴は嫌いだ」と侮蔑を露わにしている。
実力
天分八心拳(てんぶはっしんけん)という拳法の使い手。
必殺技は、両手に気を込めて放つ掌底《暗打双撞掌(あんだそうとうしょう)》。
また天分飛毛脚練法(てんぶひもうきゃくれんぽう)で脚力を鍛えたと語り、地上におけるスピード・機動力はリンクを上回る。
活躍
1巻
初登場ではリンクとマスターソードの探索に行こうとするなど子供らしい面を見せたが、父親から怒られたことで連れ戻されてしまう。この直前、リンクはアグニムの悪人面が信用出来ないと言ったため、ラスカは保身から注意している。
その後、リンクがゼルダ姫を誘拐したとして手配書が回ってしまう。ラスカはリンクを信じていたが、自分までお尋ね者になるのは嫌だと保身に走ってしまっていた。
リンクから事情を聞いた父親はアグニムに対する怒りに燃えていたが、側にいたラスカはどっちつかずの態度で黙ったままであった。
そのことに気づいた父親から稽古という体で一発入れられ、吹っ切れると同時に怒ったラスカは父親の下を飛び出だすのだった。
リンクは3体のデグアモスを前に窮地を迎えていたが、ラスカが駆け付けたことで形勢逆転。二人の同時攻撃でデグアモスたちを撃破した。ここからラスカが仲間に加わり、上記の台詞はその時のものである。
王室騎士団長アルジュナと合流後は、リンクと魔物を倒した数で勝負する。しかし負けてしまい、ラスカは剣と拳では殺傷能力の違いから不利だとリンクに食って掛かる。またアルジュナが自分たちより魔物を倒せていないから「もうちょっと頑張った方がいいね」と冷たく言い放っている(リンクから「団長は病み上がりなんだよ」と窘められている)。
ラスカは自分がマスターソードの使い手になるつもりだったが、アルジュナは既にリンクの方に勇者の資格があると見ていたのか相手にされなかった。
最後の紋章は二人で取りに行かせ、デグテールと対決させることに。頑強な皮膚の前にはあらゆる攻撃が弾き返され、ラスカは渾身の必殺技を放つも全く通用しなかった。しかも長い胴体に締め上げられてピンチになる。だが回転斬りを放ったリンクに救われ、死の恐怖というものを始めて思い知ったのであった。
こうしてマスターソードを手にするための紋章が揃ったが、ゼルダ姫が教会に乗り込んで来たアグニムに連れ戻されてしまう。そこでアルジュナの提案により、彼とラスカは城に突入し、その間にリンクがマスターソードを引き抜きに向かうこととなった(ラスカは自分がマスターソードを手にすると意見したがアルジュナにスルーされた)。
2巻
アルジュナと共にハイラル城に乗り込むも兵士たちを殺さないように戦っていたため多勢に無勢となる(兵士たちはアグニムに操られているに過ぎないため)。
アルジュナの背後から狂人が迫ったその時、ラスカの父親が門下生たちを率いて参戦。場外での戦いは父親たちに任せ、ラスカとアルジュナはアグニムの下まで突入する。
既にアグニムはリンクと対峙していた。アルジュナは加勢しようとしたが、ラスカは男同士の対決に水を差すのはと止めに入る。死闘の末、アグニムは魔法弾をマスターソードで跳ね返され消滅した。
しかし死の間際に3人とも聖地へと落とされてしまう。
聖地はガノン配下の魔物たちであふれかえる闇の世界だった。敵に追われる中、青年カニカの手引きで隠れ家に案内される。彼は封印戦争時代にガノンの参謀をしていたが、無理やり聖地まで連れて来られた被害者でありハイラルに帰りたいと願っていた。
仲間に加わったカニカだが、ラスカは自分で戦おうとしない彼を露骨に軽蔑する。強くなる努力もしないで最初から諦めている、と。
リンクに対しても伯父の仇討ちをしてから覇気が薄れていると突っ掛かり険悪になってしまう。だがそれを見咎めたカニカが「お互いを想い合っているのになぜ喧嘩をするのか」と止めに入り、自分たちはいがみ合っているわけではないと自覚して拳を納める。
その後、賢者の末裔救出のためダンジョンに入るが、カニカが作動させたトラップによって天井に押し潰されそうになる。絶体絶命の中、マスターソードの力を一瞬だけ引き出したリンクの斬撃によって壁を破壊され助けられた。
ガモース戦では話に夢中になっているリンクとカニカを怒鳴り付けたものの、空を飛ぶガモースに届かないジャンプをするなど三枚目なところを披露した。だがカニカの策によって周囲のトゲトラップをリンクが斬り落とし、ラスカが無数の針として飛ばしたことで遠距離攻撃が誕生。ガモースの顔面を刺してダメージを与え、リンクを援護した。
次のダンジョンでは盗賊ブラインドが化けた娘に騙され「賢者の末裔たちはガノンの手に落ちた。もうハイラルには戻れない」と信じ込んでしまう。
ここでまたしてもリンクと言い争いになってしまい「リンクは待っている人が誰もいない(家族がいない)」と口走ってしまう。言い過ぎたと思ったが時すでに遅く、激怒したリンクに胸倉を掴まれる。ラスカも追われる身だったリンクを助けてやったのにと言いながら拳を繰り出し、アルジュナに止められる。
ここで調子付いたブラインドが正体を現し、ラスカとリンクの怒りは彼へと向かう。口上中のブラインドをラスカが殴り飛ばし、続けてリンクが投げ技でトドメを刺して戦闘不能にさせた。
しかしブラインドは置き土産を遺していた。それはガノンを模したレプリカモンスターだった。魔術で生み出したモンスターをゴーレムドライバーの術で操るというもので、封印戦争時代に使われていた技術である。
レプリカガノンの力は凄まじくリンク、ラスカ、アルジュナの3人がかりでも歯が立たない。あらゆる攻撃が通用せず一方的に打ちのめされるが、リンクの斬撃が頭部の制御帯をたまたま破壊したことでレプリカガノンは機能停止した。
しかしリンクは崖下へと落とされ離れ離れになってしまう。カニカもいつの間にか姿を消していた。
3巻(最終巻)
リンクが死んだと思ったラスカは恐慌状態になるがアルジュナに励まされ、リンクが生きていると考え直し、次に合流する時に備え末裔たちの救出に向かう。
アルジュナとのコンビネーションは抜群で次々と末裔たちの救出を果たして行った。ゲルドーガ戦ではアルジュナが小さな目玉を倒し、ラスカが3連撃で本体を倒すという連携を見せた。
一方、別行動中のリンクもマスターソードを覚醒させ、末裔たちを救い出して行っていた。
そして最後の末裔であるゼルダ姫の救出にて一行は合流。3人の同時攻撃でデグロックを撃破した。
ラスカはどうしても謝罪の言葉を口に出せず、リンクに対して自分を殴るように訴える。これは幼馴染同士の間で取り交わした決まりであり、一発殴ったらそれでチャラというものだった。
ガノン陣営最後の砦であるガノンの塔に乗り込むが、そこで待ち受けていたのは囚われのカニカと黒幕であるアグニムだった。実は光の世界でリンクが倒したアグニムはレプリカモンスターであり、このアグニムこそがオリジナルだという。
カニカが人質に取られているためリンクはマスターソードを手放してしまうが、実はカニカもアグニムの配下であり間者として一向に近づいていた。カニカは申し訳なさそうな顔をしていたがラスカは非難し、アグニムを倒したら落とし前を付けると言い放つ。
アグニムは2体のレプリカアグニムを率いて戦力を固め、対するラスカたちはマスターソードがなく劣勢を強いられる。だがそれでも戦う姿に勇気を見たカニカは離反。レプリカアグニムの制御装置を破壊し、リンクにマスタソードを投げ渡した。この機を逃さなかったラスカとアルジュナは、レプリカアグニムたちを撃破。直後カニカはアグニムの魔法で心臓を貫かれるが、アグニムもまた怒れるリンクの剣に貫かれ絶命した。
カニカは無理やりハイラルに連れて来られた上に村を焼き払われ両親を殺されていた。トライフォースの力で両親を生き返らせハイラルにも返してやると言われ、アグニムに従っていたのであった。そういう事情なら仕方ないとラスカは無理に笑みを作り、カニカの最期を看取った。
しかしガノンの封印に乱れが起こり、いつ復活してもおかしくない状態となる。
一行は光の世界の7賢者と、聖地の末裔たちの力によって転移術を起動。ガノンを迎え撃つべく戦力を整えにハイラルに戻ろうとする。
そこへアグニムの残党である魔物の群れが現れる。リンク、ラスカ、アルジュナは3人で敵勢を相手に大立ち回りを演じ、ついに術の起動に成功する。しかしリンクだけは変えることを拒み、たった1人でガノンとの決着をつけに向かう。
ハイラル王はマスターソードの勇者でも魔王に勝てるのかと不安になっていたが、ラスカは「肩書きならリンクだって負けていない」と言い放ち王の不安を取り除いた。
そして皆で声援を送ることを提案する。それは次元を超えてリンクへと届き、マスターソードの真の力を解放させ勝利へと導いたのだった。
『ケッ! やっぱ、おめーはインチキ勇者だぜ。ひっこんでな! オレがぶっ倒してやる!』
エンディングにてリンクは英雄としてハイラルに迎えられたが、ガラじゃないとして抜け出してしまう。これを見越していたラスカは旅立つリンクを見送り、涙を浮かべながら「絶対に帰って来い!」と笑顔で告げるのだった。
余談
作者のお気に入りであり、描いてて楽しいキャラにしたいということで格闘系にし、リンクと丁々発止を演じてほしいということではねっ返りになった。
名前の由来は「JR平塚駅でふと上を見上げたら、そこにあったのは駅ビルの“ラスカ”」とのこと。
かぢば自身も空手を習っていたことがあり、初めて試合に参加した時の緊張感をラスカに反映させたが、担当から「これ格闘マンガじゃないのよ」とクギを刺され、マニアックな部分はカットしている。
口癖の「インキチ」は連載開始後に設定された。当時の編集がギャグマンガ思考のため強烈なキャラを出してほしいとかぢばに訴え、そこで編集部内の人間(W氏)が格ゲーで負けた時の「インチキだ!」から取った。ただしかぢばは、特徴的な語尾・口癖・キメ台詞を持つキャラを出すことには抵抗があったという。
かぢばは感情の推移にこだわったと語っており、ラスカはストレートに損得を考える即物的なキャラにしたという。またギャグを求める担当に対する反発からラスカがリンクに突っ掛かることが多くなった。
関連タグ
ゼルダの伝説 ゼルダの伝説のキャラクター一覧 漫画版神々のトライフォース(かぢばあたる)
リンク(コミックス版ゼルダの伝説) アルジュナ(ゼルダの伝説) カニカ
サハラ(ゼルダの伝説):小説版『神々のトライフォース』のオリジナルキャラクター。リンクの親友にして恋のライバル。
ガンティ:姫川明著『神々のトライフォース』のオリジナルキャラクター。リンクの相棒。
ミド(ゼルダの伝説):時のオカリナにおけるリンクの幼馴染でケンカ友達。姫川の漫画版ではよりラスカに近いキャラ付けがされている。
リーバル:ブレスオブザワイルドにおけるリンクのライバル。リンクより背が低い、高い機動力が売り、自分を差し置いてマスターソードの使い手になったリンクに突っ掛かる、リンクを認めているが本人の前では絶対に口にしない、厄災ガノンに1人で挑むリンクに1番最初に声援を送る、ガノンの偽者に圧倒されるなど、かなり意識したのか共通点が非常に多い。