「ホッホッホ、よくぞここまで参られました、リンク殿。
もう1度お会いできてわたくし、とてもうれしゅうございます。
しかし、3度目はないと、思い知りなさいっ!」
解説
光の司祭を名乗る男。本家において初めて登場した敵幹部的存在となる。
ハイラルに原因不明の災害が続いたある時、突如として彗星のごとく現れ、その強大な魔力で瞬く間に災いを鎮め、七賢者の再来とまでウワサされた男。
その正体は、かつて七賢者により闇世界に封印された魔王ガノンの分身(ガノンに憑依された人間)。
自らを「魔族」と自称し、伝説の勇者としてマスターソードを手に入れたリンクと対峙する。作中では中盤と終盤(ラスボス前)の2度対峙することになる。
説明書などの公式ビジュアルでは赤い服だが、ゲームでは白色となっている。また公式ビジュアルイラストでは布で口元は覆われている間から見える目元や鼻の特徴は青白い肌ではあるが、後の作品の「時にオカリナ」のガノンドロフの特徴と酷似している。GBA版『神々のトライフォース&4つの剣 』からのビジュアルイラストの方では更に鮮明になっている。
劇中では序盤の神父との会話から「アグニムには魔物が取り付いている」と語られている。
なお、闇世界にいるはずのガノンがどうやって光の世界にいるアグニムに憑依したのかは不明。アグニムの過去も一切語られていない。
活躍
聖地の封印を解いて魔族の世を招くため、闇世界と光の世界をつなげることを目論む。
手始めに先の活躍で民衆の心を掌握した彼は、ハイラル王の信頼を手に入れ、国政を預かりハイラルへの影響力を強めた。そして国王を暗殺し、さらには国の兵士たちを魔術で操り、人知れず王国の実権を握る。
一方で七賢者の子孫に懸賞金を掛け、ゼルダ姫を含む七賢者の子孫の娘たちを次々と連れ去り、聖地解放の生贄とした(用済みとなった後は、娘たちをクリスタルに封じ闇世界の各ダンジョンボスに与えていた)。
ハイラル城での戦いではリンクがゼルダ姫を助けに来たタイミングで、ゼルダ姫をイケニエとして闇世界に送り込んでしまう(このタイミングでゼルダを送り込んだのはリンクへの嫌がらせである)。
用が済むとカーテンの向こうに姿を消すが、追いかけて来たリンクと戦いを繰り広げることに。
当初はリンクを侮っていたが、聖剣の勇者の実力は伊達ではなく敗北。しかしハイラル城に闇世界との通路を築き、リンクを闇世界へと放逐する形で姿を消す。
しばらく出番がなかったが、闇世界の最終ダンジョン・ガノンの塔でボスとして再び登場。今度こそ決着をつけることとなる。今回は二体の分身を引き連れている。
死闘の末にアグニムは討ち取られたが、死体から半透明のガノンが抜け出して飛び去って行く。それ追いかけたリンクはピラミッドの内部へと足を踏み入れ、真の黒幕であるガノンとの最終決戦に移る。
戦法
1回目
部屋の中を影の姿になって移動し、停止してから通常の魔法弾、剣で斬ると拡散する魔法弾、特定の場所から放つ電撃の魔法の3種類の攻撃を仕掛けてくる。マスターソードによる直接攻撃はリンクにダメージが入るだけで無効。通常魔法弾を剣(虫取り網でも可能)で跳ね返してアグニムにぶつけることでダメージを与えることができる。拡散する魔法弾は跳ね返してダメージを与えることはできないため、素直に回避することを推奨する(剣で斬って拡散した魔法弾はレベル2の盾なら防ぐことも可能)。電撃は剣で斬ることも盾で防ぐこともできないので、アグニムの側面に移動して回避することを推奨。
2回目
1回目と戦法はほとんど変化していないが、二体の分身を引き連れているため、攻撃の激しさは増大している(分身は本体と比較すると少し透けているため判別は容易)。分身体はどうやってもダメージを与えることができない。分身体は通常の魔法弾しか放たず、この分身体からの攻撃を跳ね返して本体にぶつけてもダメージを与えられるので、慣れたプレイヤーは2回目の方が楽という意見もある。
メディアミックス版
大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL
HOPEランクのスピリッツで登場、この設定を反映してか飛び道具の反射ダメージが大きくなっている。またガノンの塔での戦いを再現してか二体の憑依ファイターと戦う事になる。
なお憑依ファイターはガーネフやマホロアなどの狡猾な悪役を当てはめられる事が多いルフレ。
余談
直接攻撃の届かないアグニムは、彼の魔弾を剣で弾き返すことで唯一ダメージを与えられる。
占い屋で「マスターソードはアグニムを斬るためのものではない」というアドバイスがもらえるのだが、これに気づかないと直接斬りつけようとして失敗する結果になる。
ストーリー上、アグニムの魔術に対抗する力として“退魔の剣”であるマスターソードが必要不可欠とされていたが、実は虫取り網で弾き返すことが可能である。
一応、アグニムのいるダンジョンに入るには、マスターソードで封印を破らなければならないので、取らなくても進行が可能なわけではない。また、虫取り網は剣よりリーチが長い反面動作は遅いので、普通に剣で弾き返した方が安全である。
『夢をみる島』のラスボス、シャドーの第二形態はアグニム姿を模したものとなる。相手の攻撃を弾き返すという攻略法も同じ。
『ふしぎの木の実大地の章』には『アグニマ』というパチモンがいる。能力はまったく似ておらず、攻撃を跳ね返すことはできず、部屋を明るくして状態を見破ることで初めて攻撃ができる。