解説
見下ろし型視点(トップビュー)の2Dアクションゲーム。シリーズ第3作目。略称は神トラ。今まで謎だったガノンやトライフォースについて掘り下げられている。
スーパーファミコン用ソフトとして発売され、後にゲームボーイアドバンスやWiiのバーチャルコンソールなど他機種にも移植された。
次回作となる『時のオカリナ』以降も利用される様々な要素(魔法メーター、魔法のメダル、空きビン、マスターソード、細かなアクションなどなど)が盛り込まれた意欲作でもある。
時系列上の続編は『夢をみる島』。本作の後日談を描いており、登場するリンクも同一人物である。更に2013年に、本作の数百年後の続編として『神々のトライフォース2』が作られた。
なお、当初は『ふしぎの木の実』も本作の続編とされていたが、2017年のハイラル百科にて「神トラのリンクとは別人」と紹介された。
ストーリー
ある雨の夜、プレイヤー(リンク)は夢で不思議な声を耳にした。声の少女はゼルダと名乗り、城の地下牢へ閉じ込められ、司祭の手によってまもなく生け贄にされてしまうことを告げた。声によって目を覚ましてまもなく、いつもはもう寝ているはずの叔父が「朝までには戻る」との言葉を残して夜中に家を出て行った。何故かその手に剣と盾を持って……。かつて聖地に封じ込められた魔王ガノンと伝説の退魔の剣マスターソード。「光の世界」と、トライフォースの魔力で魔界と化した聖地「闇の世界」を行き来しながら、ハイラルを救う新たな冒険の旅が今まさに繰り返される。
登場人物
主人公。名前は自由に決められる。ハイラル城の近くでおじさんと暮らしていたが、ゼルダ姫のテレパシーを聞いたことで冒険に出る。正体は封印戦争時代に絶滅したと言われるナイトの一族の末裔。
ヒロイン。ハイラルの王女。かつて光の世界と闇世界の通路を閉ざした7賢者の末裔。アグニムによって城の牢屋に幽閉されている。
数世紀前に起きた封印戦争の黒幕であり、元々はガノンドロフと呼ばれる男がトライフォースを手にして変異した。
大ボス。ガノンに憑依されて先兵にされた司祭。ハイラルの厄災を鎮めて国王の信頼を得るが、国を任されるようになった途端に本性を現して城を乗っ取った。
リンクと一緒に暮らしている剣士のおじさん。ある日の夜、ゼルダ姫の救出に向かうが……。
ワールドガイドによれば彼もナイトの一族の血を引くと記されている。しかし剣の腕はそれほどでもないとのこと。
名前は特に設定されていないがメディアミックスでは「アトラス」「デミー」「ザンジ」などの名前が付けられている。
7賢者の末裔の1人。カカリコ村に妻と暮らしていたが、アグニムがイケニエを集め始めた頃に村を出て別居している。接触して来たリンクにアドバイスを送る。
あれこれ
オリジナル版 | GBA版 | バーチャルコンソール | |
---|---|---|---|
機種 | スーパーファミコン | ゲームボーイアドバンス | Wii |
ジャンル | アクションアドベンチャー | 同左 | 同左 |
発売日 | 1991年11月21日(木) | 2003年3月14日(金) | 2006年12月2日(土) |
価格 | 7,700円+税 | 4,800円+税 | 900Wiiポイント |
販売元 | 任天堂 | 同左 | 同左 |
GBA「神々のトライフォース&4つの剣」
2003年3月14日に4つの剣とセットで発売された移植版。
基本的にSFC版と変わりはないが、以下の変更&追加がなされている。
- アイテム「ソマリアの杖」が「ソマソアの杖」に変更(効果は同じ)。
- とあるダンジョンの一部のマップが変更されている。
- リンクに声が追加されている(クレジットは表記されていないが、声優はこどもリンクを演じた瀧本富士子だと思われる)。
また、神々のトライフォースをクリアし、4つの剣をある程度進めると入れるようになる隠しダンジョン「4つの剣の神殿」が追加されている。
メディアミックス
絵本「リンクの大冒険」
小学一年生で連載していた絵本。リンクがショタ化しているのが特徴。
コミックス化はしていない模様。
ゲームブック「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」
ゲームブック。選択肢によって結末が変化する。エンディングは3種類。
作者がガノンドロフの名前を間違って覚えていたのか「ガノンドルフ」と誤記されている。
小説「ゼルダの伝説②_神々のトライフォース」
上記のゲームブックの続編ではなく、原作のストーリーを元にしたオリジナル小説。設定はゲームブックから一部取っている。カバーイラストは藤原カムイ、口絵・挿絵は柳草一郎。
主人公の名前がリンクではなくポールだったり、ゼルダ姫とアグニムのデザインが大きく変えられているなど変更がある。オリジナルキャラクターには主人公の仲間である槍の名手サハラが登場する。
一目惚れした姫を助ける勇者のポール。姫に恋い焦がれているのに勇者の立場になれないサハラ。この二人の立場の違いに主題を置いている。
余談だが柳は4コマまんが王国1巻にも参加しており、ゼルダ姫のデザインもほぼ同じである。ただしデフォルメのため作画がかなり異なる。性格も凄まじいお転婆になっている。
アグニムも登場しているが普通の中年っぽいデザインともはや別物。
神々のトライフォース(石ノ森章太郎)
全1巻。
米国ゲーム誌「NINTENDO POWER」で連載されていた作品で、後に翻訳され日本でも読めるようになった。初出が米国という事で、左から読むアメコミ仕様となっている。
オリジナルキャラとしてロームという名称のキャラが石ノ森氏の他作からのスターシステムとして登場している。
一時期電子書籍化していたのだが、現在では配信終了している。
クオークと妖精女王(フェアリークイーン)
小野敏洋のデビュー作。1992年2月の別冊コロコロスペシャル44号に掲載された読み切り。
神々のトライフォースの初期段階のプロットをモデルにしており、リンクの名前が「トップ・クオーク」になっている。時期的にはお城を抜け出して紋章を集める前となる。
オリジナルキャラクターには妖精の女王、戦士レプトン、アグニムの手先グラビトンが登場。
神々のトライフォース(田口順子)
全1巻。93年に連載された。冒頭にてガノンがトライフォースを手にするまでの過程が描かれた。なお名前は「ガノンドルフ」と誤記されている。
キャラクターの性格などが原作より大幅にアレンジされ、リンクがひねくれ者、ゼルダがお転婆、アグニムが黒人風の美男子となっている。
カカリコ村の仲間たち
93年~94年にかけて火の玉ゲームコミックVol.1~3まで連載されていた漫画。著者は阿川あけみ。
平和になったハイラル(光の世界)を舞台としており、リンクの平穏かつドタバタな日常を描いている。
夜麻みゆきのようなデフォルメ作画で描かれており、シリアスシーンだけリンクが8頭身のイケメンになる。
4話の予告もされていたが掲載紙が打ち切りになったため全3話となった。コミックス化はしていない。
神々のトライフォース(かぢばあたる)
全3巻。95年に連載。
他作と比べてオリジナルキャラが多く、リンクの味方だけでもリンクの幼馴染の少年拳闘士ラスカ(画像左下)、王室騎士団長アルジュナ(画像左上)、2巻からはガノンの元参謀カニカ(画像右上)がいる。
当時主流だった熱血バトルマンガを重視しているのか全体的に戦闘シーンが多く、雰囲気はジャンプ漫画に近い。戦闘シーンも現代の武術を参考にしており丁寧な仕上がり。
作者のあとがきによると、本作から『同作者による漫画版夢をみる島』に繋がるとの事。
リルトの誓い
全4巻。
正確には神々のトライフォースのコミカライズではなく、神々のトライフォースを原案としたオリジナル作品。
神々のトライフォースのエンディングから遠い未来という設定。詳細は上記記事にて。
ゲームブック「ゼルダの伝説」
初代ゼルダの伝説ではなく、神々のトライフォースをベースにしたゲームブック。選択肢を間違えると敗北してしまうが、サハスラーラがワープさせたり、体力を回復させてくれるので死亡はせずやり直しになるだけとゲームブックとしては優しい方。
ゼルダの伝説のゲームブックとしては最後の作品となった。
神々のトライフォース(姫川明)
全1巻。2005年に連載。ストーリーはほぼ原作通りだがオリジナルキャラクターとして盗賊少女ガンティが登場する。
小ネタ
- 劇中では「幼い」と言われているリンクだがゲームブック版では16歳とされている。
- リンクの髪はイラストでは金髪だが、ドット絵ではピンクになっている。
- ♪出る出る、ゼルダの伝説…というラップに乗ってリンク達が乱舞する、スチャダラパーが監修したダンサブルなCMで有名。このCMのオーディションでリンク役に選ばれたのは当時16歳の女子高生で今は一般人であるが、同時に最終選考に残った男性は後にジャニーズ事務所入りしたTOKIOの長瀬君である。
- 当時の雑誌などでは本作は「初代ゼルダの伝説より昔の物語らしい」として紹介されていた(トライフォースの第一発見者となったガノンが登場するため)。しかし時のオカリナ発売当時の宮本茂は「時のオカリナ、初代ゼルダの伝説&リンクの冒険、神々のトライフォースの順番で話が繋がる」とインタビューに答えている。ただし宮本自身もゼルダシリーズの設定を完全に把握していないという旨を述べている。
関連イラスト
関連動画
関連タグ
キャラクター
用語
シリーズの時系列(大人リンク敗北ルート)
神々のトライフォース→古代の石盤→夢をみる島→ふしぎの木の実→神々のトライフォース2→トライフォース3銃士→初代ゼルダの伝説→リンクの冒険