概要
読んで字のごとく、回りながら放つ斬撃。
基本的にはその場でくるりと一回転して、周囲の敵へ水平方向に剣で斬る技である。
ごく稀に空中で縦に回転しながら垂直に斬りつけたり、斜め方向への回転斬りを使う奴もいたりする。
現実の剣技では「その場で回転する=相手に背中を見せ、大きな隙を晒す」ということで実戦で用いられる事はほぼないが、
中国武器術の演舞や祭事など、見栄えが重視される場では演出として採用されることがあるようだ。
ゲームやアニメーション作品では躍動感ある動きと「周囲の敵をまとめて一掃する」というシチュエーションの爽快さから、剣士キャラクターのアクションとしてよく採用される。
特に、ゼルダの伝説シリーズにおいては主人公リンクの代表的な必殺技として設定されており、pixivでは大抵の場合こちらを指す。
『ゼルダの伝説』の回転斬り
初登場は『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』。
その場で剣を構えてエネルギーをチャージし、体の軸を中心に回転して斬り裂く。敵を一掃したり、敵の攻撃を跳ね返したり、物を壊したり、草を刈ったりと謎解きや攻略などにも関わっている冒険には欠かせない必殺技である。
シリーズ作品の中で回転斬りに多くの派生技もある。(詳しくは後述参考)
以降はリンクの代名詞とも言える技になっており、もちろんこどもリンクやトゥーンリンクも使える。
そして『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』ではゼルダ姫がふしぎな剣の力で変身するとリンクのコスチュームにチェンジし、回転斬りが使えるようになっている。
リンクが参戦しているコラボ作品の『ソウルキャリバーⅡ(ゲームキューブ版)』、『ゼルダ無双』、『ゼルダ無双 厄災の黙示録』でも使える。
前方向に踏み込みながら放つため範囲が広い。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズではリンク・こどもリンク・トゥーンリンクの上必殺ワザとして採用されており、地上ではその場で回転するが空中だと上昇する、いわゆる復帰ワザにもなっている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS Wii U』ではカスタマイズ必殺ワザとして「電撃斬り」と「回転ジャンプ」が追加されている。
派生技
- 空中回転斬り
『ゼルダの伝説 夢をみる島』ではチャージした後でロック鳥のはねでジャンプすると空中回転斬り(縦回転)になる。
移動しながら攻撃できるので普通に放つより広範囲を攻撃しやすい。
『知恵のかりもの』のPVではリンクがガノンにトドメを刺す際に使用している。
- 大回転切り
初登場は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』。
Bボタンを長押し(剣のオーラが赤⦅厳密に言えば薄いオレンジのような色⦆になるまで)することで、魔法力(魔力)を消費してリンクの周囲を大きく薙ぎ払うことが出来る。
続編の『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』では、スティックを回転させながら放つ「クイック回転斬り」が大回転斬りと同じ攻撃範囲になったためより強化されている。
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』では普通の回転斬りに加え古の勇者から授かる最終奥義「大回転斬り」も登場。範囲は狭まったが出が早く、囲まれた際にすぐに発動できる。
さらに大回転斬りの発動条件としてライフゲージが満タンであればよいので最終奥義でありつつ簡単に使うことができる。ちなみにライフが1/4でも削れていると普通の回転斬りになる。
WiiU版では剣を構える(チャージしているかのような)演出がある。
『ゼルダの伝説 風のタクト』をはじめとするトゥーンリンクが主役の作品では仕様が変わっており、発動するとリンクが悲鳴とともに剣に振り回されるように連続で回転斬りを放つという技になっている。
複数の敵を一気に蹴散らすことが出来るが、技が終了するとリンクが目を回して大きなスキが出来るため注意が必要である。
- 縦回転斬り
『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』でのリンクが使用する。
通常の回転斬りでカバーできない頭上や足元にも攻撃できる。
- ウルボザの怒り
『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』のリンクが使用。派生技と言うよりは付加効果。
回転斬りを放つと同時に周囲に落雷を落としてダメージを与える。喰らった相手は長い時間の麻痺を受ける。
基本的にはボス戦で使うのがミソ。またラスボスの無敵効果を解除して麻痺させたり、隠しボスの分身たちを一瞬で潰せたりとここぞという時に真価を発揮する。
ただしリキャストが長いため多用は禁物。通常では12分だがDLCストーリーを進めると4分に短縮できる。
漫画版
リンクの冒険(乱丸)
リンクの大冒険
第1話で使用。剣を両手で握り締めることで輝きを帯びさせ、全力で振り下ろして周囲に光を炸裂させる技として描写された。
本作は小学一年生向けの絵本なので、回転して敵を斬るのではなく魔法的な力で倒すことでファンタジーらしさを強調させたと思われる。
夢をみる島(かぢばあたる)
前方に1回転することで勢いを付けながら一閃を放つという技になっている。このため擦れ違い様に斬るという表現が多く用いられた。ただし回転する動作が省かれていることが多い。
この他、下記のバリエーションが存在する。
- 飛翔回転斬り
大ジャンプから降下しながら回転斬りを放つ。ゲームでの空中回転斬りを再現したような技。
- 二段回転斬り
縦方向への回転斬り。ジャンプと同時に一撃目の縦回転斬りを放ち、降下と同時に二撃目の縦回転斬りを放つ。地上での回転斬りと飛翔回転斬りを組み合わせたような技。
神々のトライフォース(かぢばあたる)
ハイラル最強の剣士である伯父ザンジがリンクに授けた奥義という設定。
突進して斬撃を放ち、その軌跡が渦を描くという表現がされるようになった。ガノンとの戦いでは胸を貫いて怯ませ、その状態から回転斬りを放つことで逆転勝利を果たした。
実はラスボスを回転斬りで倒すという初の例だったりする。
リルトの誓い
主人公リルトの必殺技として幾度も使用された。
ただしこの技で倒したのは中ボスのガルゲくらいであり、しかも全身をバラバラに斬り裂くという残酷表現が用いられている。
こちらもリルトが回転して斬るという表現は省略され「斬撃の軌跡が回転を描く(擦れ違い様に回転して斬った)」という表現がされている。ラスボスを崖から落としたものの決定打にはならなかった。
ちなみに回転斬りをマスターする前は、自分がコマのように回転して斬るというギャグ的表現が用いられていた。それを見ていたリンクには「スキだらけだ!」と怒りのゲンコツをお見舞いされている。
- 素手回転斬り
リンクが使用。片手を手刀に構え、周囲に衝撃を撒き散らしながら木を真っ二つにした。
- 背面飛び回転斬り
リルトが使用。金網デスマッチの際、金網の弾力をジャンプ台にすることで相手の背後に回り込みながら回転斬りを放った。
姫川明版
『ゼルダの伝説 ふしぎの木の実 時空の章』ではオリジナルキャラクターのレバンと共に回転斬りを披露している。ベランに大ダメージを与えた。
- ダブル回転斬り
リンクがゴーリガン戦で使用。トライフォースの力を無意識に発動させ、2回転して斬撃を放ち、ゴーリガンの巨体を一撃で破壊した。
『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計』では、ラスボスに対して大回転斬りで勝利している。
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス』では終盤に古の勇者から習得する。これ以前に最終奥義を伝授されるための試練を受けたが、実力差があり過ぎるためか後回しにされた。
ラストバトルではリンクと一緒に回転斬りを放つという、レバンのセルフオマージュが見られた。
他作品の回転斬り
人喰いの鬼を狩る組織鬼殺隊に伝えられる鬼狩りの剣術、全集中の呼吸の剣技には回転斬りに類するものがある。
例を挙げると主人公・竈門炭治郎の使用した水の呼吸には縦回転斬りの「弐ノ型 水車(みずぐるま)」、横回転斬りの「陸ノ型 ねじれ渦(ねじれうず)」「拾ノ型 生生流転(せいせいるてん)」が、
同じく『ヒノカミ神楽』には「円舞」などの舞うような動きの回転斬りが多数見られる。
主人公クロノの必殺技として登場。序盤に習得できる。
敵に肉薄し、コマのように回転しながら斬撃を見舞う。対象とその周囲にいる敵に「たたかう」の1.25倍のダメージを与える。
仲間との連携では強力な範囲攻撃になる上にバリエーションも豊富。
装備武器が「両手剣」カテゴリーのキャラクターに採用される技。
重撃(溜め攻撃)を使った時の汎用モーションであり、ハンマー投げのように遠心力を乗せて両手剣をぶん回す。入力をやめるか、一定以上のスタミナを消費するとフィニッシュに薙ぎ払いを繰り出せる。
プレイヤーにもっとも馴染み深いのはノエルの攻撃モーションだろうか。
一方、ディルックや北斗など、一部のキャラクターの重撃モーションは「少しずつ前進しながらの乱れ斬り」というユニーク仕様となっている。また、中には重撃が回転斬りでありながらも、あの手この手で非力ながら両手剣をぶん回す奴らもいたりする。
ガス圧の推進装置とアンカー射出装置を組み合わせた立体機動装置により、回転の勢いをつけながら巨人の唯一の弱点、うなじへと超硬質ブレードの一撃を叩き込む。
兵団最強の男リヴァイ兵長は回転斬りの名手であり、コマのような高速回転から放たれる斬撃は巨人の肢体をまたたく間に斬り刻んでしまう。
主に強力なボスの技として登場。
深淵歩きアルトリウスが横回転斬り、ジャンプ縦回転斬りを繰り出すほか、彼の剣技を再現した灰色の大狼シフや深淵の監視者なども軽快なステップから強烈な回転斬りを放ってくる。
一方、「戦技」システムによりプレイヤー側にも戦技「回転斬り」が実装された。くるりと回って一回斬りつけ、追加入力でさらに2ヒットの回転斬りを繰り出す……という、この手の「回転斬り」としては珍しいくらいに地味な技。
『3』では曲剣の一部のみに採用されていたが、『エルデンリング』では様々な刀剣や小型の斧、槌でも使用可能に。
他に広義の回転斬りと呼べるものでは、
かのアルトリウスのように強烈なジャンプ縦回転斬りを放つ「獅子斬り」や、
前方へステップしながら、下から上へと掬い上げるように3連続の縦回転斬りを放つ「剣舞」、
頭上に掲げた槍系武器をグルグル振り回す「回転撃」、
力強く一歩踏み出し、追加入力で周囲を大剣で薙ぎ払う「踏み込み(回転薙ぎ)」などがある。
小型ロボットLBXが使用する「必殺ファンクション」に、竜巻を生じるほどの勢いで高速回転しながら相手を斬りつける「ソードサイクロン」「ストームソード」がある。
アニメ版では山野バンの愛機アキレスがガトー戦で「ソードサイクロン」を、マスクドJが自身の専用機で「ストームソード」を使い、鮮やかな戦いぶりを披露するなど、メインキャラクターにたびたび使用された印象深い技である。
ゲーム版ではソード / レイピアの武器カテゴリで使用可能で、自機を中心とした広範囲に多段ヒットの斬撃を浴びせる技となっている。特に「ストームソード」は火力とヒット数、当てやすさに秀でており、やりこむプレイヤーにとっても頼れる必殺ファンクションであった。
また、同じくソード系の必殺ファンクションには、満月と桜吹雪を背に舞うような三連続の回転斬りを繰り出す超必殺ファンクション「月下乱舞」もある。
アニメ版では海道義光の愛機月光丸の専用技といった扱いで、メインキャラクターの機体だろうが容赦なしにバラバラにしてしまう、けた違いの威力を見せつけている。
カービィのコピー能力の一つ「ソード」や、メタナイト等が使用する剣技。
当初はダッシュジャンプで空中で放つ縦回転の「スピニングソード」だけだったが、シリーズが進むとリンクに倣い地上で溜めて放つ横回転の「回てんぎり」も使えるようになった。
多段ヒットかつ発動中は無敵、更にわずかながら横移動もできる高性能な技。
スペシャル能力のジョブのひとつである「ヒーローソード」では必殺技のような扱いになっており、3段階のチャージが可能。
上記の「ヒーローソード」などこの能力と同等の技が使える派生能力や、メタナイトとその派生キャラ、ソード能力のヘルパーとなるブレイドナイトも同じ技を使用可能。
尋常な人間には扱えない鉄塊さながらの剣「ドラゴン殺し」を縦横に振るう怪力の持ち主たるガッツだが、そんな彼も流石にこれを一回転ぶん回すのは容易ではない。
ある戦いで2体の強力な魔物に挟み撃ちにされた時、ガッツは不利を覆す奇策として「左の義手に仕込んだ小型大砲をぶっ放し、その反動で大剣の薙ぎ払いを繰り出す」という荒業を実行。みごと魔物達の同時撃破に成功した。
後に仲間に加わった少年イシドロによって「大砲回転斬り」と名付けられたこの技は、それからも様々な場面で披露され、立ち塞がる敵を豪快にぶった斬っている。
プレイヤーが使用できる14種類の武器のうち、いくつかに回転斬りのモーションが採用されている。
自己強化を兼ねた太刀の大技「気刃大回転斬り」を筆頭に、広い攻撃範囲と発動中の無敵時間が売りの片手剣の必殺技「ラウンドフォース」「旋風」、
変わり種では相手の弱点へと飛び込むように突進し、高速回転で相手をドリルのように切り刻む双剣の必殺技「ラセンザン」、
巨大な矢じりで回転斬りを放ちながら後ろに下がり、相手の攻撃をいなしつつ反撃の威力を高める、弓の「身躱し矢斬り」など。
また刀剣ではないが、ハンマーや狩猟笛などの打撃武器は回転の勢いで強烈に相手を殴打するモーションが多い。
主人公・緋村剣心の振るう剣技「飛天御剣流」の一つ、「龍巻閃」がある。
体を回転させて相手の攻撃を躱しながら背後に回り込み、遠心力を加えた一撃を背中や後頭部に食らわせる。
作中キャラの見立てでは「返し技として使って最も威力を発揮する」とのことで、先手を取って使うにはあまり向いていない。
派生技に「龍巻閃・木枯」「龍巻閃・旋」「龍巻閃・嵐」などがあり、それらを繋げて連続攻撃することが可能。
特殊なゲームシステムの都合上、長らく回転斬りを行えるバトルチップは存在していなかった。
『5』よりエンゲツクナイが登場。周囲1マスを全て切り裂くソード系チップ。
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マスターソード コキリの剣 ダイゴロン刀 ホワイトソード(ゼルダの伝説)