狩猟笛とは『モンスターハンター』シリーズに登場する武器の一種である。
概要
『モンスターハンター2(dos)』で初登場。トライでは登場せず。
俗称は「かりかりぴー」、あるいはもう少し短く「かりぴー」。
狩(かり)猟(かり)笛(ぴー)。そのまんまと言えばそのまんまである。
狩猟笛を愛用する人のことを俗に「カリピスト」と言う。
サポートに重きを置いた巨大な笛。ハンマー同様、ほとんどの攻撃が打撃攻撃である。
この武器の特徴ともいえる行動が『演奏』である。
決まった組み合わせの旋律を奏でることで、攻撃力アップや風圧無効など、数々の効果を味方全員に
付与することができ、狩猟を一段楽にしてくれる。
ある作品まではどのシリーズにおいても扱いが難しいとされ、演奏して能力を高めることが可能である分、他の武器よりも攻撃力が低く設定されていた。
しかし、それでもモンスターの頭を殴って気絶させたり、体を殴って疲弊させたりもでき、演奏での能力アップを巧みに活用することで、一人でモンスターに挑んでも他の武器と変わらない討伐タイムを叩き出すことができる。(逆に言えば演奏での能力アップを常に切らさないことがまともに戦うための前提条件であり、気絶値や疲労値も低いので、狙った場所を攻撃し続ける技量がなければ話にならない。)
よく初心者が勘違いして、演奏で仲間の能力アップが可能という点に着目し、
敵と離れた場所で演奏だけに専念している姿があるが、能力アップの上昇値(効果時間)は味方一人分の攻撃手数を欠いていいほど高いものではなく、モンスターに攻撃を当てた上での演奏でなければ高い効果は期待できない。
また、演奏中は無防備になる上、かなり高い確率でモンスターに狙われる。逃げ回りながら笛を吹くという行為は、モンスターを縦横無尽に走らせ、追いかけっこモードになりかねない上、仲間の攻撃チャンスを減らす為、あまり効率の良いものとは言えない。
(オンラインでは「吹き専」と呼ばれ、嫌がられる行為である。
そもそも、能力アップだけという他力本願な行為は、手数を重視するこのゲームでは好まれない。)
演奏せずに攻撃すれば威力が低く、攻撃に参加せずに演奏をするだけでは恩恵が薄い。
どちらかというと、いろいろな武器に遊び飽きて、モンスターの行動もある程度把握できており、攻撃の合間に効率的な行動が挟める人が手に取るとハマれる武器と言われている。
仲間の能力アップを選択した人のための武器とも言われる。
ちなみに狩猟笛と聞くと巨大な笛だと想像すると思うが、笛以外にもギターやハープ、琵琶にエレキギター等の弦楽器、太鼓やシンバルにカスタネット等の打楽器、果てはピアノ、スピーカー、鐘まで存在する。
弦楽器型は息で弦を震わせているとすれば納得できるが、太鼓やピアノは最早吹いて鳴らせる代物ではない。
しかし設定ではあくまでも全て管楽器らしいので、ここは単に「ハンターの肺活量が尋常ではない」とこじつけるしかないだろう。
↑吹いて弦を震わせれば何とかなりそうな武器の一例
MHP3から全体的に仕様が変わり、通常攻撃のそれぞれに音符が配置され、
そのアクションをすると楽譜に音符が付くようになっている。
また一回の旋律で効果の重ねがけができるようになり、以前より狩猟がスムーズになった。
MHXでは、重音色というシステムが追加され、モンスターを攻撃して演奏をすると
効果が2つ発動するようになった。これによって狩猟笛=サポート用ではなくなった。
また、笛から強力な衝撃波を繰り出す「音撃震」、空振りでも重音色になる「奏纏(そうまとう)」、装備した狩猟笛の旋律効果を同時に発動させる「オルケスタソウル」の3つの狩技が追加された。
…しかし、前述の「重音色」は効果の組み合わせによっては4行の文字が画面中央に出てくる。
本作のUIや文字が従来より比較的大きめであるために、それがモンスターやハンターを隠してしまうため、「文字が邪魔で大技をかわせずにやられた」、なんてケースが起きてしまうことも・・・
そのため、サポート能力が高いのにオンラインでは担ぎにくい武器になってしまった。
拡張版であるMHXXでは余程その不満が大きかったのか、UIがスマートになり旋律効果に至っては表示箇所が画面の左下になった。
MHWorldでは常に音色のガイドが画面に表示されるようになったため、どの音色の組み合わせで何が発動するかわかりやすくなったが、代わりに旋律の効果が弱体化しており自分強化による移動速度も下がってしまっていてやや不遇。
拡張版のMHW:Iでは移動速度に上方修正が入って機動力が戻った。
また第4の音「響音符」が追加され、同様に追加された響音攻撃によって奏でられる。こちらも様々な攻撃と混ぜて演奏することで様々な効果を発揮する。
しかし使用率最下位は脱出できないでいた。
MHRiseでは魔改造と言って良い程の仕様変更を施されて登場。
一つの武器で使える旋律が僅か3つのみとなり、演奏の方式が2種類の中から選択式となった。1つは、攻撃によって譜面に音符を並べ、演奏によってそれらの効果を発動させる響モード。もう一つは譜面に同じ色の音符を連続で並べれば演奏無しでも効果の発動する奏モード。加えて3種類の攻撃を混ぜた状態だと、回転しながら武器と衝撃波で連続攻撃を与える「三音演奏」によって3種類の旋律を同時に発動させることが可能。
演奏は奏モードの場合はダブルクロスのアニマートハイの動きで自分強化(以前で言う白or紫2つの旋律)を施すアクションへと変わった。
また専用のゲージが追加された。攻撃を当てる度にゲージが溜まっていき、MAXになると三音演奏(もしくは鉄蟲糸技のスライドビート)から響音演奏に繋がり、攻撃力特大UPの「気炎の旋律」が発動する。これによってどの武器でも攻撃力を上げる旋律が奏でられるようになった。
ただし旋律を発動させやすくなった分、効果時間が短くなり重ねがけもオミット。この仕様で重ねがけまで可能だったら流石に強すぎるので妥当な調整だろう。味方に演奏が届く範囲もかなり狭くなっている。
また新システム鉄蟲糸技にも恵まれ、スライドビートはハイパーアーマー付きの突進攻撃で、響モードなら最後に溜めた旋律の効果も発動する優秀な小技、共鳴音珠はその場に繭を作り出す技で、旋律効果が発動した際に攻撃力UPを自動で発動してくれる優れ物、そして震打は前動作こそ少し長めなものの、2発当たる上気絶値、威力が非常に高く、なんと1発目のモーション値は90、2発目に至っては肉質無視のモーション値100、気絶値は合計で60(ハンマーのアッパー以上)とこれまでの狩猟笛の常識を覆す高火力を実現できる。
直接的には強さには関係ないのだが、狩猟笛の最大の強みである肉質無視の音波攻撃には属性、会心共に乗らないが斬れ味、攻撃力は適用される都合上会心系スキルを捨てて攻撃スキルを盛ることが多い上、溜め攻撃やガードも無いため必須スキルが少なく、スキルの自由度が高い点も嬉しいポイント。
この仕様変更によって狩猟笛の使いやすさ・戦闘能力は劇的に向上し、体験版時点のタイムアタックにて太刀と首位争いをし、初心者にお勧めする武器の筆頭候補というまさかの事態に。
この事態を見て「長い冬を越えて春がやってきた」と喜ぶ者もいれば
「あの通好みな感じが良かったのに」と複雑な胸中を明かす者もいたとか。
余談
前述の通り『演奏』を最大の特徴として持つ狩猟笛だが、奏でられる音色は武器ごとに異なっている。
基本的に専用BGMを持つモンスターから作られた狩猟笛はそのBGM(例:クシャルダオラの「嵐に舞う黒い影」)、そうでない狩猟笛は素材に縁深いBGM(例:オサイズチの「神が去りし、廃忘の社」)が演奏される。