解き放て、狩猟魂
製品情報
プラットフォーム別発売日一覧
Nintendo Switch | 2021年3月26日(金) |
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Steam | 2022年1月13日(木) |
PlayStation4/PlayStation5/Xbox Series X|S | 2023年1月20日(金) |
概要
2020年9月17日のNintendo Directで発表されたモンスターハンターシリーズのメインシリーズ15作品目。
同シリーズの新作が任天堂ハードに登場するのはMHXX以来。また、ナンバリングではないタイトルとしてはMHX(MHXX除く)、MHWorld(MHW:I除く)を含めると3作品目となる。
REエンジンで開発されており、それを活かして本作はPC/PS4/PS5/Xbox Series X|Sと展開プラットフォームも幅広くなっている。
販売本数は2024年9月末時点で1600万本。MHWorld程ではないものの、カプコンの作品としては1500万本超え二番手なので十分多い。
MHXXでは国内海外で展開時期が約1年もずれてしまっていたが、今度は同時展開(MHWorldの前例があるということもあるかもしれないが、Switch全体で見ると珍しくもなく、どちらかというとMHXXの方がイレギュラーケース)。
グラフィックスはMHWorld準拠で、フィールドはマップごとにオープンワールドになっており、そのフィールド上でのハンターが行えるアクションの一部にもMHWorldから継承されていると思しき部分が見受けられ、MHW:Iにおけるクラッチクローをさらに発展させた新要素である「翔蟲(かけりむし)」を利用した、より自由で機敏な忍者のごとき立体機動が可能になっている。
登場人物たちの会話シーンはフルボイスで行われている。主人公も例外ではなく、今作ではNPCと同様、クエスト中に非常によくしゃべる(ただし、ボイス調整機能により主人公の話す頻度を自由に調整することができる。このため、調整の仕方によっては過去作と同様にまったくしゃべらない主人公にすることも可能。また、しゃべるのはあくまでクエスト中のみで、ストーリーに挿入されるムービーなどでは相変わらず言葉を一切発さない)。
オトモにはお馴染みのオトモアイルーに加え、本作初登場となるハンターが騎乗可能な犬のような姿をした「ガルク」が実装されている。アイスボーンのモンスターライドと違い、完全にプレイヤーが操作できるため非常に快適な移動が可能になった。
オリエンタル風の世界にあるカムラの里を拠点にハンターや里の人々のストーリーが展開され、「百竜夜行」という現象がキーワードのようである。
新たに登場するモンスターの名前や通称も、和風になっているものが多い。
Switch版、Steam版、およびPS4/PS5版には、本作と同じ場で発表された『モンスターハンターストーリーズ2』と連動要素があり、互いにセーブデータがあると特殊な重ね着装備が入手できるという特典がある。
Switch版では「超大型拡張コンテンツ」が配信されるまで、体験版が配信されていた。
しかし、当初は配信期間が2020年1月8日~2021年2月1日までの期間限定とされており、配信終了が近いタイミングで発表された限定版本体とは別に本体がないと特典が両立できないという、よく分からないことになっていた。
ただし、2021年3月12日から"Version2"と称してアップデート版が再配信されており、こちらが本来の体験版の役割をするようになった。ただし、クエスト出発回数の制限はあるので使い切ったらそれまで。
Steam版では2020年10月14日より体験版が配信されていたが、Steam版ではクエスト出発回数の制限は設定されていなかった。
本作の「超大型拡張コンテンツ」として、『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が発売、配信されている。
新要素
- 翔蟲(かけりむし)
ハンターが使役する光る虫。この虫の力を借りたワイヤーフックのようなアクションが可能となっており、移動とアクションの幅が格段に広がっている。
MHWorldにおけるスリンガーのロープアクションが楔虫(くさびむし)無しでどこでも使用可能になったような要素である。
画面下部に虫の姿のゲージが2つ表示され、これが再使用までの時間を表している。
移動だけでなく被弾時の受け身や拘束攻撃からの脱出、下記の鉄蟲糸技などさまざまな用途で活躍する。
- 鉄蟲糸技(てっちゅうしぎ)
翔蟲の出す光る糸を鉄蟲糸と言い、それを攻撃に利用した各武器専用の技。
MHX系列の狩技のようなもので、各武器カテゴリに数種類ずつ存在している模様。
上記の翔蟲を使うためゲージも共通だが、技によって消費ゲージ数やゲージ回復速度が変わる。
回避に使うためにゲージを残すか、ゲージ全部を攻撃に回すか、プレイヤーの選択に委ねられる。
モンスターを鉄蟲糸で拘束したまま背中に乗り、少しのあいだモンスターを意のままに操ることができる技術。鉄蟲糸技やジャンプ攻撃を何回か当てて特殊ダウンを奪うことで使用できる模様。
操竜中はほかのモンスターを攻撃したり、壁にぶつけてダメージを与えるなどできる。
MH4から登場した「乗り」を発展させた要素といえる。
モンスター同士の縄張り争いが起きることでも操竜できるようになるため、MHWorldとは正反対に乱入にメリットが生じるようになった。
オトモアイルーに次ぐハンターの新たな相棒。
狼のような外見をしており、その背にハンターを乗せてフィールドを縦横無尽に駆け回る。オトモガルクに乗っているあいだ、ハンターはスタミナを消費することなく高速移動が可能となり、回復など一部のアイテムも使用できる。ダッシュやジャンプはもちろん、崖のツタなども高速で登れたりと非常に自由度が高い。戦闘へも積極的に参加する攻撃型のオトモである。
また、ハンター1人につきオトモを2匹連れていくことができ「アイルーとアイルー」「アイルーとガルク」はもちろん「ガルクとガルク」という組み合わせも可能。
ガルク自体にスタミナはないため無制限に乗り回し続けられる。
その他仕様
基本的にはMHWorld準拠だが、特にSwitchのハード特性と相性がいい『どこでも手軽に出来るモンハン』というコンセプトで調整されているとのこと。
そのほかにも不満要素のあったシステムは廃止、修正されていたり、MHWroldで進歩させた部分を敢えて旧来作の仕様に戻したといった部分もある。
オンライン回り
ロビーの最大人数が4人に戻された。また、クエスト進行が従来通りの村クエストと集会所クエストに分かれた形式となった。
救難は参加要請という形式になり、現在出されている要請を一覧として取得できなくなってしまっている。
ダメージエフェクトやSE
MHP2Gまでの旧シリーズを彷彿とさせる血しぶきのエフェクトが戻り、斬撃音やクリティカルヒット音など各種攻撃ヒットSEが再度変更された。火花が散るようなエフェクトも加わっている。
MHWorldと同様に、オプションでオンオフ切り替え可能なダメージ表示は続投されている。
しかしながら、このエフェクトは眩しかったり飛び散る範囲が広いなどでマルチプレイ時に視界を妨げるという不評がかなり多かったため、『サンブレイク』でさらに細かく範囲を調節できるようになった。
モンスターの攻撃
ハンターの機動力が飛躍的に上昇したことや操竜による操作性のためもあってか、モンスターの攻撃の軸合わせが途轍もなく強化されている。
変更点としてフィーチャーされたことはないものの、実のところMHWorldから変更された要素としては、翔蟲と同等かそれ以上に根幹的な戦闘のレスポンスに影響を与えている部分である。
アオアシラでいえば、時事ネタに絡めて悪質タックルと称されたほどがっつりハンターを狙ってくるため、従来の回避アクションは使用するタイミングの難化や無敵時間の減少ではっきり弱体化しており、プレイフィールがかなり変化している。
また、高低差がフィールドに組み込まれた影響で、段差ハメ対策として遠距離攻撃が追加されたり、高所にいると直接被弾しなくても一定範囲内の地面にモンスターの攻撃が被ると強制的に落下させられる仕様なども追加されている。
環境生物の活用方法
基本的にすべての環境生物に攻略上の活用法を追加。
MHWorld同様のその場でインタラクトして即時効果を発動する物の他、猟具生物という使用アイテムとして回収できる物であったり、罠型生物と呼ばれる設置型の種類も登場。
翔蟲そのものも野生で配置されていて取得すれば一時的にゲージを増やすことができる。
また、ヒトダマドリという、触れることでクエスト期間中永続的にステータスを増加させる環境生物のカテゴリーも登場した。
現地で散策しなくともいつも通り強化アイテムも用意されている。
一方で、MHWorldのようにハードパワーを活かしてフィールドに野生生物を生息させることは困難であったため、これに関連した要素は全て削除されている。
マップ単位のオープンフィールド化
MHWorldがシームレスではあるが広場と広場が細い道で繋がったアリの巣状のマップだったのに対し、今作はマップひとつが完全なるオープンフィールドになった。崖も谷も山も、狩場の中ならば見渡す限りすべて移動可能となり、翔蟲や壁走りを駆使して縦横無尽に駆け回ることができる。
シリーズでは珍しく結構な広さのエリアだが、従来通りにエリア番号が振られた大型モンスターが侵入するメインエリアと、大型モンスターが侵入しないサブエリアに内部的に分離されており、
メインエリアは比較的広くて戦いやすく戦闘するためのパート、サブエリアは複雑な構造であったり環境生物が多く集まっているなど探索を意識したパートと区別されている。
痕跡集めと導蟲の廃止
今作は痕跡を集めずとも、最初からモンスターの居場所が分かる。設定的にはクエスト開始時にフクズクというフクロウを飛ばして偵察しているかららしい。
また、オープンフィールド化に伴い迷うこともなくなったために導蟲(しるべむし)も廃止されている。
モンスター素材のテキスト修正
MHWorld(MHW:I)出身やその他のモンスター素材には「汎用性の高い」と手抜きな説明しかなかったものの、今作からは従来作の説明文に戻り、MHWorld出身のモンスター素材のテキストが一新、書き直されている。
武器アクションの調整
MHW:Iの武器アクションを基本に、より軽快にテンポよく戦えるように調整している。
太刀の兜割りや居合抜刀気刃斬りの仕様変更など細かい変更がなされている。
一方で、上記クラッチクローに絡まない部分であってもMHWorld系列から完全に削除された技も一部に存在する(操虫棍の強襲突きなど)。
特に狩猟笛は旋律と演奏、攻撃の派生など大幅な仕様変更を受けて様変わりした。
ハウジング機能
MHWorldにあった自宅のリフォーム機能は廃止されてしまった。内装は固定だが、室内にインテリアとして小物を配置できる。
置物の中には過去作のファン向けのネタも存在する。
オトモ
固定の相棒ではなく、何頭ものオトモを雇用する従来の形式に戻った。MHWorldから変更された部分はハードパワーによるものも多いが、これは純粋に作品としてシステムやコンセプトが別々なだけである。
百竜夜行
リンク先を参照。
登場人物
カムラの里の記事を参照。
登場モンスター
和をモチーフにした作品らしく、新登場のモンスターには日本の妖怪を彷彿(ほうふつ)とさせるような雰囲気を持つ種類が多く、再登場および続投するモンスターも和風を基調としたモンスターが多い傾向にある。
一方で、本作に登場する群れを束ねるボスや小型モンスターおよび中型モンスターが成長することで大型モンスターとして扱われるようになる種の中には、なぜか幼体はいるのに成体が未参戦に終わっているものが多い(前者はドスジャギィ・ドスファンゴ・ドスジャグラス、後者はグラビモス・アグナコトル・ザボアザギルなど)。
また、亜種モンスターは1体も確認されていないが、いわゆる強化個体としてヌシがいる。
その他、本作ではこれまでどのフィールドにも必ずといっていいほど顔を出していたイビルジョーや、最初のフィールドで見かけることが多かった生肉アプトノスは全く登場しない。
このため、本作は(2021年9月30日の時点で)歴代作品の中でもモンスターの登場数が比較的少な目(大型全39種。MHWorldのVer6.00(35種)と同程度)の部類になってしまっており、ボリューム不足を指摘する声も上がっていた。
ただ、本作はアップデートの際に無料DLCとして過去作のモンスターが登場することが発表されているため、上記のモンスターも今後DLCとして実装される可能性は残されている(実際、バサルモスのモンスターリストの説明文にはグラビモスに関する記述があるほか、砂原でフィールド上のある場所に隠されている古めかしい書物には、とあるモンスターが関与したと思しき災厄により周辺にあった集落のひとつが滅ぼされた記録が綴られているなど、今後追加されるモンスターのヒントと思われる要素が随所に見られた)。
なお、本作でもMHWorldと同様にモンスター同士の縄張り争いが発生する。
モンスターリスト
太字は新モンスター。 - (モチーフ妖怪名)
※1 Ver.2.0にて追加
※2 Ver.3.0にて追加
狩猟マップ
鎮護の御廟も 今は昔
獣の咆哮 山野を揺るがす
凶禍幾千 お覚悟めされよ
神が去りし、廃忘の社
本作のメインフィールド。
その名のとおり、寂れた神社を思わせる廃屋や石塔が立ち並んでいる。
手記に残された記録によれば、かつてはここにも集落が存在していたが、突如発生した百竜夜行により壊滅し、住人たちはここを離れざるを得なかったのだという。
フィールド内には川も流れており、かつての“渓流”を彷彿とさせる雰囲気を持つ。
寒冷群島
心魂戦く 雪の獄
強者 勇んで海藻屑
渡れば戻れぬ 果ての死地
雪風に浮かぶ、龍の墓標
雪の降り積もる寒冷地域。
過去作における“雪山”や“凍土”などに相当する場所。
かつて巨大な龍が巣窟としていた場所でもあり、数多くの強者たちがその龍に挑み散っていったという。島々の中央には、その激戦を物語る巨大な龍の骨と、龍に挑みに来たハンターたちのものと思われる、朽ち果てた撃龍船が雪風にさらされている。ちなみに、この“巨大な龍”の正体はいまのところ不明だが、その頭骨はゾラ・マグダラオスのものと酷似している。
水簾 絶えず 大地を浸す
淀みに潜むは 巨万の獣
呑まれりゃお仕舞い 御用心
湿地に広がる、新緑の秘境
MH3シリーズに登場したものと同じ場所。
水中エリアのないMHP3版をベースにしつつも、フィールドがオープンワールド形式になったことでかなり手が加えられており、かつては足を運ぶことができなかった遺跡の頂上部などにも行けるようになっている。
命 少なし 満目荒涼
不毛の原野 血肉に飢えた
獣の群れが牙を剥く
砂塵きらめく、荒漠の地
こちらもMH3シリーズに登場したものと同じ場所。
水没林と同様、フィールドの形式が変わったことに合わせてさまざまなアレンジがなされている。
八熱の艱難
水禍の辛苦
亡者が手招く 地獄門
玉水と灼熱が彩る、蒼紅の巌窟
過去作における“火山”に相当するフィールド。
溶岩が流れる上層と冷水が流れる下層洞窟地帯に分かれ、ときには流れるマグマが冷水とぶつかり合う幻想的な風景を眺められる。
関連イラスト
関連動画
モンスターハンター Direct 2020.9.17
プロモーションビデオ第1弾(2020年9月)
プロモーションビデオ第2弾(2020年12月)
プロモーションビデオ第3弾(2021年1月)
プロモーションビデオ第4弾(2021年2月)
プロモーションビデオ第5弾(2021年3月)
タイトルアップデート(Ver.2.0)紹介映像(2021年4月)
タイトルアップデート(Ver.3.0)紹介映像(2021年5月)
関連タグ
モンスターハンター/モンハン/モンスターハンターシリーズ一覧
MHP3…和風をメインに押し出したシリーズつながり。看板モンスターが牙竜種なのも同じ。
SEKIRO…和の世界観や翔虫が鉤縄を使ったアクションに似ていると話題になった。ちなみにフゲンの中の人は梟。
Ghost of Tsushima(ゴースト・オブ・ツシマ)…和風オープンワールドアクションゲームつながり。騎乗システムやロープアクション、イベントムービー時に流れる琵琶法師の前口上といった共通点も多い。Switch版以外にはGhost of Tsushimaでいう『黒澤モード』のようなフィルター機能もある。
Pokémon LEGENDS アルセウス…和風オープンワールドアクションゲームつながり。忍者風の装いや騎乗システムなどの共通点も多い。
進撃の巨人…ワイヤーアクションで怪物と闘う繋がり。ただし世界観は日本ではない。
WILDHEARTS…EA版モンハン。しかも開発はコーエー。和風のガワでハンティングアクションという、表面的な部分で極めて似通った商品。