概要
平安時代、鎌倉時代に多く見られた、「琵琶(びわ)」を演奏することを職業としていた法師(僧侶)のこと。
琵琶は、東アジアで多く流通した弦楽器で、東大寺正倉院に聖武天皇御物として納められていることから、奈良時代にはすでに渡来していたと思われる。三味線などと同じく弦を弾いて演奏する。
呼び方は「びわ」の他に「ビバ」「ピーパー」と言われることも。
演奏の系統は大きく分けて2種類存在し、楽器演奏のみの「器楽」と、琵琶を伴奏に経文や語りものを語る「声楽」が存在する。
とくに後者は、鎌倉時代に成立したとされる『平家物語』を琵琶の演奏に合わせて語る「平曲」が有名。
また、琵琶法師には盲僧(盲目の僧侶)が多かったとされ、創作作品において登場する琵琶法師の多くも盲人であることが多い。有名ドコロでは怪談「耳なし芳一」など。『太平記』の作者ではないかとの説のある小島法師(児島高徳と同一人物との説もある)は盲目ではなく、伴奏楽器も用いずに物語を語ったため「物語僧」であったといわれている。
楽器を演奏しながら語りものを大衆に伝えることから吟遊詩人に近いものとされる。