演:森島律斗
概要
マブセ・イチロウの息子。12歳。小学六年生にして国際科学コンクール優勝経験がある天才少年。
予告を見る限りゴンギルガンに取り込まれてしまうようだが……。
余談
演者の森島氏は『ウルトラマンタイガ』第20話冒頭にていじめっ子役で出演している。
元々、大のウルトラマン好きのオタクだったようで、クランクアップの際に号泣している。
また、美術スタッフの稲付正人氏に自分で描いた怪獣の絵を渡しており、稲付氏は森島氏が描いた絵にデザインを付け足して「いつか出るといいね」と激励している。
田口清隆監督からはユウキ役のオーディションの段階からに来てた受けに子役達の中で一番演技がうまかったと絶賛された。
関連タグ
以下、ネタバレ注意
実は今作における黒幕でダムノー星人の正体である。
星人の姿は自作のお面と藁製のスーツを着て得意のVR技術によるホログラフで撮影したもの。
その目的は、家庭を顧みなかった父親と自分達子どもの未来を奪い、問題を押し付けてくる「汚い大人たち」が作った社会を否定し破壊すること。ある種の革命ともいえるものだった。
大人たちの社会に抱えている怒りと失望は相当なもので父の研究であるダムドキシンを「地球を破壊する技術」と糾弾しており、「政府はこの危険な研究に何十億もの税金を費やしている」「そんな研究に税金を払い続けているすべての日本人も同罪」と叫び、自らゴンギルガンに取り込まれ、「今だけよければいい」と考えている大人社会と腐った大人の象徴である国会議事堂を破壊するという自身の目的を果たそうとした。
ハッキング技術も高く、民間のコンピューターから軍事用コンピューターにまでアクセスし電波ジャックを行ったりミサイルを誤射させることが出来るほどである。
その主張は、一見すると「少子高齢化に伴う子供世代への負担増」という現代の社会問題に通じているようにも見えるが、その本心は「偉大過ぎるも仕事を理由に自身に対して愛情を注いでこなかった父親に自分を認めてもらいたい」という感情に起因するものだった。
父親が科学者という似たような家庭環境で育ったアオベ・エミはユウキが起こした今回の事件を起こした動機に理解を示していたものの、「自分の不満を社会全体の不満に置き換えているだけ」と指摘する意見も述べていた。
ゴンギルガンに取り込まれた事で幼児退行と言われたほど抱え込んでいた負の感情が暴走してしまったが、SKaRDの作戦により、ヒルマ・ゲントがゴンギルガンの体内に侵入、無事救助された。
その後、父親からの叱責と謝罪を受け、自身も涙ながら謝罪し互いの本心を吐露したことで和解することができた。
後日談となるボイスドラマでは、一度ダムドキシンの塊であるゴンギルガンに取り込まれているため、当分の間除染も含めた隔離処分という形で処罰された様である。
父イチロウもゴンギルガンの破片から生まれた小型ゴンギルガンに対処してるSKaRDに協力する時間の合間を縫って会いに来ているが、ダムドキシンの除菌や検査の隔離生活中の為窓越しでしか会えてないようである。
余談
令和ウルトラマンどころか新世代ヒーローズでは初となる子供の悪役である。
子供の悪役は『ウルトラマンコスモス』のミトル以来だが、こちらは宇宙人なので純粋な地球人だったユウキはウルトラシリーズ全体で見ても極めて異色な存在である。
さらに、産業スパイだったニトウなどゴンギルガンによる死人が出たとされる描写がある為、あまりに重い十字架を背負ってしまうことになった…(尤も、ニトウの劇中での行為は悪質な作戦妨害にあたるので、生きていたとしても極刑は免れなかった可能性もある)。
それでも隔離処分でこれ以上の重い罰が降りずに済んだのは父親の監督不届き責任と未成年の子供が起こした事件だからと思われる(加えて、防衛軍と民間企業とのやりとりを証拠として取引した可能性もある)。
ゴンギルガン第二形態の膝の模様はよく見るとハートの形に見えるが、これはユウキが求めているものを表しているともとれる。
円谷プロ関連
鹿島田浩:ガイアの映画に登場した小学生。こちらも負の感情を起因に怪獣を生み出し、街に被害を出してしまった。
古田鉄工所の面々:ユウキと同様、架空の宇宙人を名乗っていた。だが、犯行の動機や能力はユウキと比較して雲泥の差があり、怪獣による被害も殆どなかった。
新条アカネ:6年前の円谷特撮ヒーロー作品に登場した直近の先輩と言える人物。
タツヤ少年:ライブステージに登場した子供。経緯は違えど父親になかなか相手にしてもらえないという負の感情が原因で怪獣達を呼び出してしまった経緯が酷似している。
男の子(ウルトラマンブレーザー):タツヤ少年と同じくライブステージに登場した子でこちらもタツヤ同様両親に相手にして貰えなかったという負の感情から怪獣を呼び出してしまった等の共通点がある。
ウルトラマンタイガ:偉大な父親に認められたいと願っていたウルトラ戦士でこちらはそれを悪(それも父親の親友にして光の国の裏切り者)に付け込まれると言う事態に陥った。
他作品
MCチェケラ:人間の汚さに失望した共通点がある。
芹沢蓮:仕事人間の父親に蔑ろにされたことで、父親を憎み、父親の研究対象を否定した人物繋がり。
ユノア・アスノ:父親に蔑ろにされた事で非行に手を染めてしまったという共通点がある。ただし、これは小説版のみの設定であり、アニメ版ではここまで堕ちていない(それでも父親に蔑ろにされている事に変わりはないが)。
比良坂綾奈:自らの目的の為に怪獣を使って暴れさせようとして、その怪獣の体内に閉じ込められた人物繋がり。こちらは自分の両親を殺した仇への復讐ではあるが、(不本意とはいえ)その目的の為に多くの無関係な人物を死に追いやってしまうという、ある意味ユウキ以上の十字架を背負ってしまった。
瀬奈みこと:こちらも親に蔑ろにされた挙句に世界に絶望し、怪物を使ってぶち壊そうとした人物(それでも生前の頃はまだまともだった)。こちらは数多くの人々の人生や運命を狂わせており、その横暴ぶりはユウキや綾奈の比ではないほど悪質である。