DATA
全高(身長) | 108.2m(355ft)~119.8m |
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尾長 | 177.4m |
体重 | 90000t~99634t |
学名 | Titanus Gojira(タイタヌス・ゴジラ) |
概要
原典では「中生代のジュラ紀から白亜紀にかけて極めて稀に生息していた、海生爬虫類と陸上獣類の中間的生態を持つ生物」とされていたが、近年の古生物学の発展により、設定に大幅な変更が加えられている。
地上が今よりも濃い放射能で満ち溢れ、様々な巨大怪獣が跋扈していた古生代ペルム紀(約2億7000万年前)にその生態系の頂点に君臨していた「王たる種族」の末裔。ペルム紀末の大量絶滅やそれに端を発した放射能濃度の低下に伴い、地球の奥深くへと逃れ、現代まで生き延びていたらしい(実際、『髑髏島の巨神』では地球の深部に巨大な地下空間が存在しているらしいことが語られているため、おそらくそうした場所で生きながらえていたものと推測される)。以降は地球内部のエネルギーを吸収しながら目立たず密かに暮らしていたが、第二次世界大戦後に世界各地で行われた核開発や核実験の影響で地球全体の放射線濃度が上がったため、地上への再進出を図ったと考えられている(前日譚にあたる漫画『GODZILLA AWAKENING』では広島に投下された原子爆弾の発する放射能に引き寄せられてきたシノムラの気配を感じとって復活したとされている)。
生態
本作のゴジラは善悪を超越した存在として描かれており、今まで以上に“人知を超えた者”らしさが強調されている。
劇中では敵怪獣であるMUTOやギドラを狩るため執拗に追跡するが、その目的は明確になっていない。ペルム紀当時は宿敵の関係にあったが、核が豊富に存在する現代ではMUTOはゴジラと戦う気はなく、ゴジラ自身がわざわざ追跡してまで戦う必要性もない。
これに関して、劇中で芹沢博士が、「自然における力の均衡を保つ」ためという抽象的な推測をしているが、本能レベルで組み込まれた行動であることもありうる。
ただ、(あくまで日本版のゴジラの話ではあるが)平成VSシリーズではゴジラは同族意識の強い生物として描写されており、もしこのゴジラにもこうした特徴が当てはまるとすれば、仲間を殺された相手を目の敵にしているという可能性も考えられる。
性質は野生動物のそれで、標的に対しては猛烈な攻撃性・狂暴性を発揮する一方、それ以外には全く関心を示さない。人間が蟻にいちいち構わないように、ゴジラは足元にいる人間は全く眼中になく、周囲に多数の空母が随航していても全く気にせず泳ぎ、米軍の集中砲火を受けても少し鬱陶しがる程度の反応しか示さない。
しかし、その巨体故に泳げば津波を起こし、歩いているだけでビルを倒壊させるため、人類からすれば脅威以外の何者でもない存在である。
一方で進路上の空母を丁寧に避けて泳いだり、橋の前でわざわざ一時停止するなどまるで人類に配慮したかのような動きを見せることもある。障害物を破壊するのではなく、避けることでリスクを最小限にするという知性的な行動とも取れ、実際に後の作品では人類とコミュニケーションを取らないだけで歴代ゴジラの中でもかなり高度な知能を持つことが明らかになった。
また、『ドミニオン』では地球内部のエネルギーの流れを把握できる特殊な感覚能力を持ち、怪獣の活動の影響によるそのエネルギー流の停滞および変動には敏感に反応する。
太古にゴジラを神として崇めていた文明が存在していた事や、海に没したその文明の遺跡を自身の住む家とし、休息の際はそこで地球の核の放射線を吸収している、長距離移動の際には海底に存在する地球各地を結ぶ地底トンネルを使って移動するという事も判明している。
身を置く家となる場所を選ぶ基準については、意外にもエネルギー源である放射線の有無は問わないようで、『GKOM』で今まで住処としていた海底遺跡が芹沢博士の手で爆破され消滅してからは海底で生活していたと見られ、数年後の『GxK』ではイタリア・ローマにある円形闘技場のコロッセオを、前述の通り『GKOM』にて無くなったかつての自身の住処だった海底遺跡に似ているという理由(小説版での説明)で、そのまま自身の新たな住処に選んでいる。
また、他には中国で発見されたモスラ種とは共生関係にあるのでは推測されている。
作中では大昔の化石としてだが、同族が登場している。MUTOが“ゴジラに寄生する種”との表現があり、ゴジラも“放射能度が低下したので地球の奥深くに逃げた”とある以上、今なお海底や地底深くの地下空間にはゴジラの同族、それこそゴジラジュニアのような個体などが存在していてもおかしくは無い。
登場する個体の出生は不明だが、少なくとも地球の最終氷期から既に存在しており、その年齢は一万歳を超えているとされている。
知能・性格
シリーズが進むにつれてにその知性が少しずつ掘り下げられるようになり、ゴジラの視点で物語が描かれているアメコミの『ドミニオン』においては彼の持つ思想や価値観がゴジラ自身の独白という形で表現されており、その中ではほとんど人間と変わらない優れた知能と豊かな情緒を持った極めて高等な生命体であることが強調されている。
以前に芹沢が唱えた「地球全体の均衡を維持する存在」という説を裏付けるように、現在の地球環境を維持することを最優先に考えて行動しており、ラドンを始めとする多くの怪獣に対してはその活動が地球の環境に大きな影響を及ぼすことから厳しく監視の目を光らせている。
それでいて何らかの理由で自身が戦うことになった怪獣に対しては向こうが潔く降参した場合は濫りに命を奪うような真似はせず、逆に他の怪獣が何かのトラブルに巻き込まれて危機に陥った際にはその怪獣を救出することもあるなど、怪獣らしく獰猛かつ好戦的な一方で、事情によっては穏便に揉め事を解決できる至って理性的な面も持ち合わせている。
(ドミニオンでの語り曰く「争うことは構わないが大地が傷を負う」)
人類という種族自体についても一応は現在の地球には有意義な存在と捉えているようで、個体と種族を分けて考えることができる。たとえ人間の誰かが自身にとって不都合なことを行っていたとしても、あくまでその勢力のみの排除に留め、それ以上の余計な破壊や殺戮を行うことはない。
公式設定「モナークサイエンス」によれば、ゴジラの性格は「怒っていない時は穏やかで優雅、好奇心旺盛な性格」であるという。
生物としての絶対的な差
しかしゴジラの考える「調和」とは人間が考えるそれよりもかなり広い意味であるようで、他の怪獣との戦いで発生する周辺の被害に配慮している様子はなく、一般市民は容赦なく巻き添えにするし、強敵に備えてさらなる力を手に入れる必要があると判断した場合は、その力となるエネルギーがある原子力施設を破壊する。
時には他の怪獣の縄張りとなっている場所にも侵入してその主の怪獣を邪魔者と見なせば容赦なく排除してでも奪うなど、「調和」を維持し続けるためなら手段を選ばない非情な一面をも見せる。
ゴジラと人類との関係は、例えるなら人類と蟻との関係に近く、いわば関心が低く関係があまりないというもの。
蟻がとんでもない実害を出そうとすれば流石に本気で群れ(勢力)を駆除しにかかるが、別にそれでムキになって蟻という種そのものを地球上から絶滅させようと憎悪に燃えることはなく、家の敷地に空き巣(他の怪獣)が入ってきて戦っている時に足元の蟻の命のことなど考えないのは当然である。
この辺りは核実験によって安住の地を追い出されたことで人類に対して激しい敵愾心を抱くようになった日本のゴジラとは対照的であると言える。むしろ、日本の怪獣ファンからすれば昭和後期以降のゴジラか、平成ガメラを思い出させる怪獣像で、ゴジラとMUTOの設定や関係性は平成ガメラとギャオスに近いという意見も少なからず存在する(平成ガメラシリーズの監督を務めた金子修介氏も平成ガメラシリーズの一作目と二作目やGMKへの類似性を雑誌のインタビューで認めている)。三作目に関しても、海外のスレッドなどでも類似性が指摘されている。
容姿・能力
シルエットはVSシリーズ版に似ているが、背びれは黒く鋭く尖っており、頭は若干小さく首が非常に太くガッチリしている。全体的には熊を、目の周辺は鷹などの猛禽類をモデルとしたデザインになっている。ギャレス監督曰く、「オリジナルのゴジラは結構ずんぐりしていて、今のハリウッド映画にはちょっと可愛らし過ぎるので、丸みを落として攻撃性が出るようにした」とのこと。
ただ、その独特の体型から、一部のファンからは“DEBUZILLA”と呼ばれているとかいないとか・・・。それとは対照的に正面から見ると細く見えることからゴジラの初代スーツアクターを担当した中島春雄からは、「薄っぺらい」とはっきり言われてしまった。しかしその反面中島は、「あのイグアナよりは良かった。」とも語っている。
身長は108.2mと、VSシリーズや『ファイナルウォーズ』に登場した個体を僅かだが上回っており、歴代最大級のスケールを誇っていた(が、2016年の『シン・ゴジラ』に登場するゴジラはこれをさらに上回る118.5mとなった)。しかも小説版ではVSシリーズの敵怪獣らに比肩する120mにまで引き上げられている。
体重は90000tとこちらも最大の重さ。身長は同程度である4代目の1.5倍も重い。
その身体は硬い表皮に覆われており、アサルトライフルはおろか誘導ミサイルや艦砲射撃を受けても傷一つ付かず、核攻撃にすらも耐えられるほどの耐久力を誇る。(というより放射性物質をエネルギー源としているため、核攻撃を受けてもダメージを受けるどころか逆にそのエネルギーを吸収してしまう)。
海中を移動する速度は本気を出せば55ノット(秒速28m)を超え、米軍の空母も追いつけなかった程の速度を出す。
泳ぐ時は日本のゴジラで多く描写されているように上半身だけを海から出すのではなく、背びれだけを海面から出すため、さながら鮫の背びれが向かって来るような印象もある(過去には機龍二部作のゴジラも同様の泳ぎ方だった)。
体色に紛れて見難いが、首辺りにしっかりエラがあるので水中での呼吸も問題なく行えるため、長時間頭を出さなくても水中移動が可能になっている。
体内には原子炉のような器官を持っており、そこで生み出されたエネルギーを口から青い『放射熱線(英語では『Atomic breath』または『Heat ray』)』として吐くが、エネルギーの消耗が激しい為に多用はできず、奥の手として使用する。
実際最後にこの技を使用した後はエネルギーを使い切ったのか、倒れてしばらくの間起き上がることもできなかった。
なお、発射の際にはちゃんと背びれが光る。日本版とはやや異なり青い輝きが尻尾の先から背中、そして首へと段階的に広がっていく独特の光り方となっているほか、光が上に向かうに従って『ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ヴヴヴ』と空想科学兵器のエネルギー充填音の様なSEが入る、息を思いっきり吸い込むように胸が膨らむ様子も分かるなど、エネルギーをチャージしている様子がよくわかる演出となっている。
ただし、この熱線の演出はどちらかと言うとまだそれほど威力のなかった昭和期のものに近く、一部のファンから「細い」と不評である(また、熱線が細いことが不満だったあるファンがCG合成で熱線を太くしてみたという動画が存在する。「ゴジラ(2014)の熱線をぶっとくしてみたw」)。
しかし、公式ノベライズではMUTOの強力な電磁パルスによって体内の炉心が干渉を受け、全力を出せなかったという設定が存在する。
この時のメスのMUTOの倒し方のせいかゲロゴジと称されることもある。
その方法は口を無理やり両手でこじ開け、その口内へ熱線を発射という最早執念を超えて怨念じみたえげつないやり方である(ついでに言うと、この時MUTOの頭部が熱線によって焼き切られている)。ただしこれはあくまで我々人間側の価値観に基づくものであり、ゴジラ側からすれば確実に倒すための手段だったとも考えられ(実際メスのMUTOはトドメを刺される前にも熱線を2発立て続けに受けたが倒れなかった)、制作側からすればインパクトを狙った演出だったともいえる。
戦闘では前述した熱線に加え、強い顎の力を用いて相手を拘束し離さなくする噛み付き攻撃やそれを軸に派生させて繰り出す強靭な背筋力による投げ飛ばし、同じく背筋力を駆使して威力を高めた長大かつ強力な尻尾による叩き付けや、腕力及び手を使ったパンチや引っ掻き、脚力及び足を使った力強い踏みつけ攻撃など、正に自然由来の野獣そのものを彷彿とさせる戦法を得意としている。劇中では上述の強力な尻尾による一撃で、空中から突撃してきたオスのMUTOを仕留めている。
『GODZILLA-ゴジラ-』から5年の歳月を経た『GKOM』の頃には形態の一部が変化を見せている。
身長が約120m、体重が10万t近くまで増大している。容姿に関して全体的には変わりはないように見えるが足の先の爪が鋭く伸び、尾の先の形状が丸みを帯びているなど細部が変化し、腰がさらに引き締まるなどより筋肉質な体型になっており、正に全身が“対怪獣戦”を想定したかのようにブラッシュアップされた容姿となっている。
特に背ビレの形状は大きく変化しており、切り立った岩山のようだった2014年版と比べると日本のゴジラのものに近い、ヒイラギの葉に似た形へと変化している。ドハティ監督曰くゴジラの背ビレは年を経る毎に成長するものだとしている。
また5年前では見え難かった山なり模様も発光時にははっきりと分かるようになり、背ビレの発光を利用して威嚇やコミュニケーションを図るという性質も判明している。
そして最大の武器である放射熱線も前作の火炎状から太くなったビーム状で射程距離も伸びた従来の「光線」らしくなっている。
これは前作では寝起きやMUTOの対ゴジラ能力によって絶不調だったため、今作の描写が本来の姿と見た方が正しいのかもしれない(前作映画では描写がカットされているが、前述の通り、小説版ではMUTOの電磁パルスによって体内の原子炉が抑制されまともに熱線も吐けないほどだったとされている)。
身体能力に関しても素早いダッシュができるなど、その巨体からは想像もつかないほどの優れた運動能力を見せている。
終盤は芹沢博士によって膨大な核エネルギーを得た結果、背鰭のみならず目や身体の所々から常に青い光を発する、言わば強化形態に相当する状態となり(この状態をどう呼称するかについては、公式からは明言されていない)、放射熱線もエネルギー量の増大からかチャージ時間も短縮されながらさらに威力が増し、一度に数秒以上の時間で吐き続けられるようになった。
しかしながら、この形態は核エネルギーの過剰摂取し過ぎた結果、ボストン戦の時点で12分後に自爆してしまう危険な状態でもある。ギドラと決着を付けなければならない中で、力を得た代わりに命の危機に瀕したゴジラだが、戦いの最中にモスラの決死の行動により、更なる強化形態を経て危機を脱した。
その後の『GVK』では前作の終盤と同じく身体から青い光を発する状態を維持している。外見は同じであるがエネルギー量が著しく増大しており、今まで多くは使用できなかった熱線を前作以上に連射かつ長時間も発射し続けるなど、VSシリーズのように通常技感覚で多用するようになった。その上、チャージする時間が短くなったにもかかわらず威力は低下するどころか、高層ビル群を容易く溶断したり、空母を一撃で破壊するなど、これまでとは変わらない(もしくはそれ以上の)破壊力を見せた。
そして、最大限までエネルギーを溜めて地面に向けて放った熱線は、地上から地下空洞世界に存在するグレイト・エイプ達が築いた宮殿の所まで、およそ数百kmはあろう地殻をも貫通し大穴を開けるというとんでもない威力を発揮した。この時に形成された大穴は、コングが入っても余裕のあるサイズとなっている。
こちらは見るからに強力な熱線なのだが、多大なエネルギーを使うのか、チャージに時間がかかり過ぎるのか、その後の戦闘には使用しなかった。
また、背ビレそのものも武器になる描写があり、海上でコングの輸送艦隊を強襲した際に戦艦を、熱線を放つ際の高温となった状態ではなく純粋な背ビレの一撃で容易く切り裂いており、遥か昔にグレイト・エイプがタイタヌス・ゴジラの背ビレを利用して強力な武器を造っていた事実の説得力が出る程に、尋常ではない強度と切れ味を持つ。
『GXK』でも外見に大きな変化はないが、猛突進からのタックル→アッパーや、助走をつけての大ジャンプで狙った相手に飛びかかる姿を見せており、その巨体からは想像できない程のアグレッシブかつアクロバティックな戦いを見せている。
『GKOM』では外部から意図的に核エネルギーを過剰摂取させられた事で強大化していたが、今作では自らエネルギーを吸収し、自身を強化する姿が描かれた。
自らの意思で吸収しているためそのエネルギーを制御できるようで、『GKOM』で見られたような危険な状態には陥っていない。
劇中では原子力施設の核エネルギーを全て口から吸収し、全身が青白く光ったエナジャイズドゴジラへと変化。この形態時は高レベルの放射能と海へ入る際に周囲の海水が沸騰し蒸気が立った程の高温を発しており、戦闘機のような広範囲に存在する自身にとって敵となる数多くの物体を全滅させられる程の強力な体内放射を使用可能となっていた。そして放射熱線の威力もさらに上昇したのか、ティアマットの身体を容易くバラバラにしてしまうほどの威力を発揮している。
また、大量のエネルギーと他生物のDNAを取り込むことで、強化を超えた進化をする事もでき、北極圏に滞留する太陽風のエネルギーとティアマットのDNAを手に入れたことでさらなる進化を果たした。
このような外見が大きく変わる変化は以外でも、ゴジラは常に適応し進化していることが示唆されている。『ドミニオン』の際には出血するほどの被害を受けていたスキュラの刺突やティアマットの鋭い鱗による攻撃は、『新たなる帝国』の際にも見られたが、ゴジラはなんの影響も受けなかった(新たなる帝国でも、公式設定的にはティアマットも時間次第でダメージを与えられた可能性は示唆されていたが)。
ゴジラは一度受けた攻撃に適応することで、同じ怪獣との再戦時その攻撃は無効ないし大幅な被ダメージ減少となるようだ。
劇中での活躍
※以下、公開中のものを含めた各作品のネタバレ注意
GODZILLA-ゴジラ-
1954年、アメリカの原子力潜水艦がゴジラと初めて遭遇した後、米軍は核実験を名目にゴジラを核兵器で抹殺する作戦を実行。しかし、放射能をエネルギー源とするゴジラには全くの逆効果であり、その核エネルギーを吸収したことで更にゴジラが強化してしまう結果となった。以降は人類の前から姿を消し、そのまま消息を絶つ。
それから約60年経った2014年、自身も含めた種の天敵とも言うべきMUTOが活動を開始した事を察知し、MUTOオスがハワイに飛来すると同時に自身も海上を泳いで進みながらそこに上陸。そうしてホノルル空港にて遂に対峙したMUTOオスと戦闘に入るが、戦いは長くは続かずMUTOオスは飛びながら逃げ去り、自身もその後を追いながら海中に入ってMUTOオスが向かった西へと泳ぐ形で移動を開始する。当初は米艦隊に追跡されながら監視下に置かれていたが、後に突如海中へ速度を上げながら潜行し、米軍の追跡を振り切る形で姿を消す。
そして宿敵MUTOのオスが、核廃棄物の廃棄場で覚醒したMUTOメスが北米のサンフランシスコにて合流し、そこで本格的な繁殖活動に入ろうとした頃にサンフランシスコ沿岸に到着。混乱した米軍の攻撃をも尻目に上陸を果たし、そのままMUTOの雌雄コンビとの交戦に突入する。戦いは夜まで続き、二頭のMUTOを相手に激しい戦いを繰り広げるが、次第に両者の連携の前に押され始める。
しかし、MUTOに奪われた核弾頭を奪還するために出動した米軍の特殊部隊に一員として参加していたフォードの手でMUTOの巣が爆破されたことでMUTOメスが吹き飛ばされた巣に急いで向かってその場を離れたことで戦況が変わり、巣を吹き飛ばしたフォードに対し怒り狂いながら迫るMUTOメスに切り札の放射熱線を放ってダウンさせ、直後に攻撃を仕掛けてきたMUTOオスと再び1対1との戦いを繰り広げた末に尻尾の一撃を食らわせて遂に仕留める。だが、自身も放射熱線使用によるエネルギーの大幅な消耗で弱り、崩壊する高層ビルの下敷きになる形で倒れ伏してしまう。
しかし、奪還した核弾頭を船で沖まで運んで爆破処理しようとする米軍の特殊部隊が立てた音により再起したMUTOメスが核弾頭を積んだ船に追い付き、そこで応戦してきた特殊部隊の兵士を容易く殲滅し、一人残ったフォードの眼前に迫ってトドメを刺そうとした刹那、背後からMUTOメスに噛みついて奇襲をかける形で駆けつけ、そのままこじ開けたMUTOメスの口内に放射熱線を撃ち込んで頭部をもぎ取り、遂に宿敵のMUTO2体を撃滅した。
だが、そこで完全に力を使い果たして再びサンフランシスコ市街に上陸したところで昏倒。夜明けの中、瓦礫の中で力尽きて息絶えたかに思われていたが、突如息を吹き返したかのように目覚めると、そのまま市街を抜けて海中へと泳ぎ去っていった。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
2014年のサンフランシスコの悲劇以降は行方を眩ませていたが、後にバミューダ海域に潜伏しているのを突き止めたモナークによってその場所に監視用の前線基地が建てられる。
2019年、モスラを収容していた中国の施設が何者に襲撃された事件の直後に活動を開始、前線基地の眼前に威嚇行為を取りながら近付いた後、すぐにバミューダ海域を離れて南極へ向かい始める。
その南極ではアラン・ジョナ率いるエコテロリストの一団がゴジラの宿敵たるギドラを目覚めさせており、ギドラに襲われていたモナークチームのマーク・ラッセル達を偶然とはいえ救う形で南極の氷の下から出現。
そのままギドラとの交戦に入るが、ギドラの一枚上手な戦法に一時退けられ、再び体勢を立て直して挑もうとするも、ピンチのマーク達を援護しに現れたモナークの大型空中司令船「アルゴ」と米軍からの攻撃を受けたギドラは不利な戦況と悟ったのか上空へ飛び立ってその場から退却し、自身もその後を追うように再び海中へと消えていった。
二戦目は、中南米のイスラ・デ・マーラ海上での空中戦でラドンを下したギドラが次の標的として「アルゴ」を狙い襲いかかろうとした瞬間、突如海中から奇襲を仕掛けてギドラを海へ引きずり込み、結果的に再びモナーク側を救うこととなった。
水中戦ではゴジラに分があったためまともに泳げないギドラを押さえ込んで左の首を食い千切るなど優位に戦いを進めるが、米軍が発射した怪獣殲滅のために生み出した新兵器の「オキシジェンデストロイヤー」が両者の元で炸裂。結果ギドラは生存してその場から脱出した一方、ゴジラは生体反応と共に姿を消し、モナークの者達からは死亡したかと思われた。
だが、ゴジラはまだ生存しており、かつて海底に沈んだゴジラの一族を神として崇めていた古代文明のある深海での遺跡の奥地にある祭壇に身を置き、そこで発せられる放射線の核エネルギーを吸収する形で傷を癒しながら休眠状態となっていた。
そして、蛹から羽化して成虫となりバミューダ海に飛来したモスラと交信を交わし、それを解析してゴジラの生存を確認したモナークは、「核ミサイルによる核爆発でゴジラに多量のエネルギーを与えて復活させる」という作戦を立案。そうしてゴジラが休眠しているその遺跡に核ミサイルを携えながら潜水艦で向かうが、その探索中でのアクシデントにより潜水艦の核ミサイルを発射するための装置が故障してしまう。そこで芹沢博士が単身ゴジラの眠る遺跡に向かい、核ミサイルから取り出した核弾頭を自らゴジラの眼前にまで運んで手動で起爆させ、自身の命と引き換えにエネルギーを与えた事で復活する。
再起を遂げ海上に現れたゴジラは復活を誇示するかの如く上空に向けて放射熱線を放ち、近くに浮上していた潜水艦の上にいるマーク達をじっと見つめてから背を向けて海中に潜り、最後の決着を付ける為に宿敵のギドラの所へと向かう。
そして3戦目のボストンでは、マークの娘であるマディソンがギドラの命令により世界各地で破壊活動を行う怪獣達を止めるべくオルカを起動したことで、そこに降り立ったギドラに葬られようとしていた刹那、彼女を助けるかの如くギドラに放射熱線を浴びせて地面に倒し、咆哮を上げながら正にヒーローの如く登場する形で出現。助けてくれた安堵と喜び、そして畏怖の感情が混ざった笑みを浮かべるマディソンに見つめられながら、“ギドラ打倒”という共通の目的から自身と共闘する道を選んだモナーク及び米軍と連携してギドラとの最終決戦に臨む。
しかし、この時のゴジラは核エネルギーの過剰摂取により生きた時限爆弾と化しており、あと数分で核爆発を起こしてしまう危険な状態に陥っていた。さらにギドラの予想外かつ強力な反撃で米空軍は壊滅させられた上に自身も多大なダメージを受け、援護に来たモスラもラドンの乱入で分断されるなど次第に追い詰められる。そして上述の通り身体にも核爆発のタイムリミットが近付く中、容赦なく責めてくるギドラから自身を守ろうと突撃していったモスラがギドラの攻撃を受けて爆散・消滅し、立て続けにギドラから噛みつきによるエネルギー吸収攻撃を受けてピンチに陥る。
目覚めよ、王よ。
だが、ギドラの攻撃で散りながらも粒子となって降り注いだモスラの力を吸収したことで体内のエネルギー制御に成功し、周りにあるもの全てを焼き尽くす“ゴジラ・ヒートウォーク”へと変化。起動したオルカに気を取られたギドラにじりじりと歩みを進めながら迫り、全身から放つ超高熱波攻撃を浴びせてギドラの身体を焼き払って強大な一撃を食らわせ、しぶとく生きているギドラの首の残骸も放射熱線で跡形もなく吹き飛ばし、遂に王を僭称する侵略者を討ち滅ぼした。
熾烈な戦いに勝利した直後、瓦礫と化したフェンウェイ・パークに立つ自身の元にラドン、スキュラ、メトシェラ、ベヒモス、ムートーらが集結し、偽りの王であるギドラを倒したゴジラこそが真の王であると認めるかのように次々とひれ伏していく。それを見回したゴジラは、自身にひれ伏す怪獣達の輪の中で孤高の王として高らかに、そして荘厳に天へと雄叫びを上げるのであった。
こうしてゴジラは“怪獣王/キング・オブ・モンスターズ”として、地球の全てを取り巻く大自然の頂点たる座に再び君臨し、世界に秩序を取り戻した。
その後は他の怪獣たちの抑止力として世界各地を巡回していることが語られている他、髑髏島の支配者であるコングとの因縁を指し示す壁画も発見されている。
ゴジラvsコング
ギドラとの争乱から5年、それまで人類の前から姿を消していたが(外伝漫画ではギドラが復活させた他の怪獣の相手や監視などを行っていたとされる)、突如としてアメリカのフロリダ州ペンサコーラに出現し、そこにあった巨大企業「エイペックス・サイバネティクス」の支社施設を放射熱線で焼き払いながら破壊して死傷者をも出すという事件を起こす。この衝撃的な事件により、モナークが計画していた怪獣との共存計画は頓挫、アメリカ海軍も艦隊を展開して世界各国が警戒を強めるなど、結果論ではあるもののこれまで人類を救ってきたゴジラは人類の脅威と認識されることとなった。
これにより、ゴジラに襲われたエイペックス社は対ゴジラ兵器開発に必要な地下空洞世界に存在するエネルギーを得るため、コングを護衛兼案内人としてゴジラ打倒のためのエネルギー源がある場所まで導いてもらうことと、彼を故郷である地下空洞世界に戻すという2つの目的を掲げてモナークとの合同によるコングの輸送作戦を開始させた。
しかし、過去に種族間で交わされた盟約を破ってコングが髑髏島を出たことを察知し、コングを乗せてタスマン海海上を進んでいた輸送艦隊を強襲。迎撃してくる艦隊と戦闘機を次々と撃沈させ、応戦してきたコングも自身のホームグラウンドである海を生かした水中戦を仕掛けて難なく圧倒。遂にはコングを海底深くへ引きずり込んで始末しようとするが、コングを救うべく輸送艦隊が仕掛けてきた攻撃により彼の脱出を許してしまう。
しかし、何とか艦隊上に逃れたコングはもはや戦う余力も残っておらずすぐにダウンし、輸送艦隊も死んだふり作戦で臨戦態勢を解除したため、鋭い目視確認でこの状況をコング側が自身に屈して完全に沈黙したと判断し、一度はその場を泳ぎ去っていった。
その後も変わらず大海原を泳ぎながら移動し続けていたが、エイペックス本社がある香港から発せられたとある起動音(後述参照)を聞きつけてそのまま香港へと転進、そこに上陸しそのままエイペックスの本社施設を目指して進撃を始める。
しかしその途中、知らぬ間に地下空洞の世界に辿り着いていたコングが空洞奥地の遺跡で見つけた斧を弄ったことにより起こった地核エネルギーの変動を感知した直後、これまでにない程の全パワーを込めた放射熱線を真下の地面に向けて放ち、何とそのまま地殻を貫通し地上から地下空洞まで続く大穴を熱線で開通させコング目掛けて牽制。これに怒りで応えながらその大穴を抜けて地上に戻ってきたコングと再び相対する。
コングとの再戦では地形を利用した攻撃と、自身の熱線を封じるかのような戦い方をするコングに当初は梃子摺るものの、すぐに隙を突いて熱線攻撃を繰り出してコングを執拗に狙う。だがコングも都市の建造物の一部やゴジラの熱線を吸収する斧を駆使して肉薄し、その斧による手痛い一撃を食らわされる。
それでも一時的にダウンした程度でそこまでのダメージにはなっておらず、すぐに立ち上がってどこかへ消えたコングを探し始めた最中、後方からコングの陽動からの奇襲を受けるも動じることなく反撃に転じ、熱線を使わない純粋な格闘戦でコングを圧倒。
追い詰めながらも尚も抵抗するコングの胸を全体重をかけた足で踏みつけて抑え込み、自身が王であることを主張するかの如く彼に向かって凄まじい咆哮を浴びせかける。
一方のコングも負けじと吠え返すものの、既に致命的なダメージを負わされ戦闘不能となりつつあり、それを見抜かれたのか止めは刺されなかったもののやはりその場に倒れ伏して意識を失うこととなり、ゴジラの勝利という形でコングとの戦いに一応の決着がつく。
なお、この戦闘ではそれまでの作品における重量感のある動きでなく、軽快で俊敏な動きで噛みつき、格闘、突撃などを披露している。
そして、再び本来の目的地であるエイペックス社施設に向かおうとした瞬間、施設の格納庫を突き破ってエイペックス社が極秘裏に開発した殺戮兵器メカゴジラが出現。その制御システムにはかつて自身が一度追い詰めた際に残されることになったギドラの遺骸も使われており、ゴジラがペンサコーラのエイペックス支社を襲い破壊した真相は、ギドラと共鳴したメカゴジラが起動を開始しようとしているのを感知し、それを阻止するために動いていたという事であった。
ギドラとしての意識が蘇ったのか、暴走して手当たり次第に香港を破壊する人類によって自身に似せた姿で復活したかつての宿敵に戦いを挑むも、対怪獣用に開発されたメカゴジラが武装する豊富かつ強力な武器と、高い機動性によるトリッキーな動きにより、先のコングとの戦闘で体力やパワーを消耗していたゴジラは恐ろしい程の一方的かつ執拗な猛攻を受け、一時の反撃すら許されない状況に陥る(仮に万全の状態で戦ったとしても勝率は五分五分で、ゴジラが勝利しても瀕死状態に追い込まれていたとされている)。
そのまま地面に倒され為す術も無くなったところに、トドメの一撃としてかつて自身がMUTOを倒した時と同じく口をこじ開けられビーム攻撃を食らわされそうになった瞬間、先の戦いから復活したコングが背後からメカゴジラを抑えたことにより間一髪で難を逃れる。
先程まで敵対し瀕死状態に追い詰めた筈のコングが自身を助けたことに少なからず驚きの表情を浮かべながらも、今度は逆にコングの危機を救って加勢し、瞬時に共闘してメカゴジラに攻撃を仕掛ける。
それでもメカゴジラは共に消耗した身である両者を圧倒し、自身も変わらず猛攻を受け一時的にではあるが戦線を離脱。そして斧を使い奮戦するコングも一気にメカゴジラに追い詰められるが、この時エイペックス社に潜入していたマディソンのチームの一人であるジョシュ・バレンタインがメカゴジラを止めるべく制御装置をショートさせたことにより、メカゴジラに武器システムの一部が停止する等の機能不全が発生。
それを見て逆転のチャンスが来たことを瞬時に悟ると、機転を利かせてコングが持っていた斧に熱線を放って斧の攻撃力を最大限まで引き出し、そのおかげでコングは猛反撃を開始。結果メカゴジラを破壊し討ち取ることに成功する。
メカゴジラとの戦いが終わった後、自身も回復すると動き出してコングに接近し、三度両者は対峙するが、立ち上がったコングが眼前で斧を手放したのを見て、彼に向かって何らかの意味を込めた雄叫びを上げて踵を返し、コングと人々に見送られながら静かに南シナ海へと泳ぎ去っていった。
予告編では人類を攻撃するゴジラの姿が悪役の様に描写(公開前の玩具情報等によるネタバレもあったことで、「このゴジラは実はゴジラの皮を被った偽物ではないか?」と推測する声も少なからずあった)されていたが、実際には上述の通り人類の愚行により生み出された「メカゴジラ」という危険な存在を本能的に誰よりも早く察知し、「地球の大自然の調和を乱す存在を排除する」というこれまで通りの役割を果たしていただけ、つまりは「人類が仕出かした愚かな所業の尻拭い」のために文字通り東奔西走させられ、その過程で現れたコングとも怪獣王として戦わなければならない状況に直面していたという事実が明らかとなった。
本作でのゴジラはある意味、4部作の中で最もヒーローらしいと同時に、かつての日本のゴジラのように愚かな人類に振り回される羽目になった悲劇のヒーローとも呼ぶべき存在として描かれていたのであった。
ゴジラxコング:新たなる帝国
前作までと同様、地上世界におけるタイタン達の王として君臨している。
コングとの対立関係もやはり続いているが、それぞれが地上世界と地下世界で棲み分けて不必要にお互いの領域に干渉しない限りは争わずに済んでおり、コングが虫歯の痛みに耐えかねてモナークに治療してもらおうと地上に出てきた際も特に反応は示さなかった。
無論、他のタイタン達への監視も変わらず行っており、物語の冒頭ではイタリア・ローマを襲っていたスキュラに反応しそれを止めるために出撃。
突進からのアッパーと投げ飛ばしでスキュラを建物に叩きつけてから助走をつけての大ジャンプで飛びかかり、スキュラの触手に口を塞がれかけるも強引に口を開いて放射熱線をスキュラの顔面に浴びせ、そのままスキュラを爆散させた。
その後はローマが誇る世界遺産のコロッセオ内にて、ペット用円形クッションで休む猫の様に収まって眠っていたが、地下空洞世界から発せられたイーウィス族からのSOS信号を聞きつけて覚醒。
遥か昔、スカーキング率いるグレイト・エイプの群れが地上に進攻しようとしたために戦いが勃発し、激戦の末に自身が地下空洞世界の火山地帯へ追いやる形でスカーキングらを封じた過去があり、その事態が再び起ころうとしているのを悟ると、スカーキング達との再戦に向けて準備を開始する。
最初にフランス・モンタニャックに上陸し、そこにあった原子力施設を破壊して原子炉から溢れる大量の核エネルギーを口から吸い込む形で吸収。結果、全身が青白く発光した状態のエナジャイズドゴジラとなり一段階目の強化を果たし、直後に飛来し自身を攻撃してきた無人戦闘機部隊をものともせずに叩き落とし始め、結果的に凄まじいエネルギーによる体内放射で瞬く間に一掃。
そこから一晩かけて隣国のスペイン・カディスまで横断してカディス湾へ潜ると、次の強化に入るための場所である北極海目掛けて泳ぎながら進み始める。
北極海では太陽風のエネルギーが滞留され続けた事で地球上で最も多い量のエネルギーが蓄積されていたが、同時にそこは別のタイタンであるティアマットがそのエネルギーを自身の源としながら縄張りや巣を構える地でもあった。
北極海に到達したゴジラはそのエネルギーをも吸収するためティアマットの巣に放射熱線を放って穴を空けるが、当然のことながらそれをティアマットが自身の縄張りや巣を侵す行為として許さず、そのまま両者は戦闘を開始。
ティアマットの巻き付き攻撃で締め上げられるも逆に噛みつきでティアマットの体の一部を食い千切るなどして反撃し、逆に頭部に食い付かれて鰓で顔を覆われるという波状攻撃を受けながらも、逆襲の放射熱線でティアマットの体をバラバラにして勝利。
そのまま熱線で穴を空けたところからティアマットの巣の内部にあるエネルギー源に進入し、そこで一時的に休眠しつつ蓄積されていたエネルギーを吸収し二段階目の強化を果たした結果、目や背鰭の色が赤紫となり引き締まった身体に刺々しい外見をしたゴジラエヴォルヴへと進化した。
そしてSOS信号が発せられた地下へ赴こうとしている最中、スカーキングと戦うのに必要な戦力を求めてエジプト・カイロに出現したコングが自身を呼んでいるのをジブラルタルにて察知すると、ジブラルタルの岩の上から水泳選手の如くジャンプして海へ飛び込み、コングが待つカイロ目掛けて進撃。ジブラルタルからカイロまでの約3400kmの距離を短時間で泳ぎ切る形で移動し終え、カイロへ到達するなりすぐさま上陸してコングと久方ぶりの邂逅を果たす。
上記の通りコングは共にスカーキングと戦おうとゴジラを呼びに来ていたが、当のゴジラはコングが香港戦のリベンジを挑んできたと見なしたのか、コングの姿を認めるなり彼の制止も一切無視してコングに戦いを仕掛ける。
- この時コングはゴジラを呼び寄せるのに「アルファコール」と呼ばれる他のタイタン達への命令権を無自覚に用いており、タイタン達を束ねる王であるゴジラだけにしか使う権限のないそれを別のタイタンが使用することは、必然的にゴジラから王の座を奪おうとする宣戦布告に他ならなかった。加えて、ただでさえスカーキングとの再戦を前に気が立っている状況下で、互いの領域に干渉しないことを前提に停戦中だった筈のコングが地上世界に再び出てきた上に王である自身に対してアルファコールを発してきたとあれば、そのコングに問答無用で襲い掛かるのも致し方ない話であった。
タックルやブレーンバスターでコングを攻め立てるが、ビーストグローブを装備したコングのやむを得ない反撃のパンチを頭部に食らって地面に倒され、続けてコングから怒涛の連続パンチを受けて一時的にではあるが叩き伏せられる。そして有無を言わさずコングに尻尾を掴まれて引きずられる形で地下空洞世界へ連れていかれそうになるも、当然それに大人しく従う筈もなく激怒。
逆襲の放射熱線を吐いてコングを引き離し、そのまま熱線を吐き散らして近くのピラミッドをも破壊しながら追い詰め、かつての香港での決戦同様にコングの胸を踏みつけて身動きを取れなくさせる。
そして今度という今度はと言わんばかりにトドメを刺そうと再び熱線を放とうとするが、間一髪でそこに到着したモスラの起こした衝撃波により止められる。そうして再会を果たした共生関係のモスラやジアの訴えにより、コングと共闘してスカーキング軍と再戦することを決意する。
そうしてカイロからのポータルに飛び込み、イーウィス族の集落に侵入していたスカーキング軍の前に流星の如く降り立った両者は、先程まで争っていたのがウソのように共に敵の軍団に向かって突撃。
イーウィス族が足止めのためにピラミッドを用いて起こした無重力状態の中、グレイト・エイプ達を軽くあしらいつつシーモと交戦。シーモのフロストバイトブラストを食らって正面から身体を凍らされるも、モスラの援護も得ながら僅か数秒で氷漬けを突破して戦闘を再開させるタフさをも見せつけ互角の戦いを繰り広げる。
その途中で無重力状態が解除されたことでそのままポータルに落下し、その出口の先にあった地上世界のブラジル・リオデジャネイロに主戦場が移り、コングと共にスカーキング、シーモとのバトルを再開。シーモがコングを狙った際には組み付きで阻止し、そのままシーモを抑えるべく奮戦していたが、力の反動による勢いで投げ飛ばされて体制を崩した隙にコングが再びシーモからのフロストバイトブラストを受けて釘付けになってしまう。
だが、体制を立て直すと同時に攻撃対象を過去の因縁があるスカーキングに切り替え、全身を赤紫色に光らせながら最大級の放射熱線を放ってスカーキングを終始追い立て、彼のウィップスラッシュによる反撃をも口で受け止めて逆にスカーキングを投げ飛ばし、そのままウィップスラッシュを引き千切って使用不能にする。
その鋒であるシーモを支配するための結晶刃は無傷のままその場に落ちてスカーキングの手に戻るが、間髪容れずに放射熱線による追撃を続けてその結晶刃をまたスカーキングに手放させることに成功し、直後にコングを追い詰めていたシーモにも放射熱線を放ちながらタックルを食らわせるコンボ攻撃を浴びせてコングから引き離し、再び彼のピンチを救った。
そしてシーモの攻撃から逃れた後に落ちていた結晶刃を奪って使えなくしようとするコングと、それを邪魔して再び結晶刃を奪還しようとするスカーキングが揉み合っている最中、遅れてそこに駆けつけたスーコが引きずりながらも持ってきたコングアックスで問題の結晶刃を砕いて粉々にしたことで一気に戦況が好転。
コングに合図を送り、それに応じたコングに投げ飛ばされたスカーキングを尻尾で打ち返してコングに捕まえさせるというコンビネーション攻撃で文字通りの王手をかけると、今度は結晶刃による支配から解放され正気を取り戻したシーモへ吠えかける形で邪悪な存在のスカーキングにトドメを刺すよう命じる。それに従ったシーモがコングに高々と持ち上げられて身動きが取れなくなっていたスカーキングをフロストバイトブラストで凍らせ、結果としてシーモ自身の手でスカーキングに引導を渡させた。
そうして氷漬けとなったスカーキングをコングが粉々に粉砕して戦いが決着すると、最後の後始末としてリオデジャネイロへの到達時にスカーキングの命令を受けたシーモが放ったフロストバイトブラストにより上空に形成されていた、太陽を遮る程の曇った寒空を自身の放射熱線で吹き飛ばして晴らし、シーモやスーコを少なからず驚かせていた。
戦いの終結後はまたイタリアのローマに戻ってあのコロッセオの内部に身を置き、そこで戦いの疲れを癒すが如く再び眠りについたのであった。
今作においてゴジラは、元々スカーキング軍を単独で相手取るため強化に次ぐ強化で進化を果たしていたことで、「シーモのフロストバイトブラストを右腕だけに食らっても重度の凍傷を負い満身創痍となっていたコングに対し、ゴジラは同じ攻撃を真正面からまるごと身体に食らって氷漬けにされてもすぐに復活して戦闘を再開した上、身体にも何ら問題無しだった」、「コングがスカーキングと互角だったのに対し、ゴジラは一切スカーキングの攻撃を受けることなく圧倒し、スカーキングが持つ武器をも破壊した」、「戦いが終わった最後の局面で、スカーキング(と彼の支配下にあったシーモ)により乱された自然の調和を自身の力で元通りにした」という圧倒的な強さによる活躍を終始見せつけており、味方側にいるゴジラが如何に頼もしい最大戦力かが遺憾なく描かれている。
余談
『GODZILLA ゴジラ』と同じ世界が舞台となっている『髑髏島の巨神』でも、「1954年に軍が何かを殺すために核実験を行っていた」という台詞を聞くことができる。また、ゴジラ自身も意外な形でスクリーンに登場することになる。
ちなみに鳴き声は2014年版は独自性を出す為に新規録音された物だったが、GKOMでは日本版ゴジラの鳴き声を主体に前作の鳴き声を足した物になっている。
ファンからは2014年版が「ギャレゴジ」、GKOM版は「ドハゴジ(またはドゥハゴジ)」、GVK版は「アダゴジ(またはウィンゴジ)」、そしてこれら全てのゴジラが共通で「レジェゴジ」と呼ばれており、モンスターバースのゴジラの呼び方はそれぞれで監督を務めた人物の名前及び製作会社に因んだものになっている(トライスター版も、ゴジラではない云々の批判は別として監督の名前からエメゴジという呼び名を付けられている)。
背ビレについてドハティ監督は初代ゴジラをイメージしたと語っており、同時にそれは怪獣王に相応しい王冠であると定義している。
また公式Twitterのハッシュタグにて体長が119mとされており、これは『シン・ゴジラ』の個体の118.5mを僅かに上回る数値である。実写作品においてはまたも最大記録を更新することとなった(実写以外も含めれば最大はゴジラ・アースの300m以上)。
学名のタイタヌス・ゴジラの「ゴジラ」のスペルは「Godzilla」ではなく「Gojira」。
わざわざ日本語の「ゴジラ」の発音に近いスペルにしてある。
ゴジラが住処としていた海底遺跡にはなぜかカナ文字で「ゴジラ」と描かれている壁画がある。
最後に見せたヒートウォーク形態において、この時に使用する超高熱波はよく見るとモスラの翅の紋様が浮かんでおり、放出と同時にモスラの鳴き声が響くという演出となっている。
シノムラ、ムートー、ムートープライム、ギドラ、ティアマト、コングなど様々な怪獣との戦いにおいて踏みつけ攻撃を行っているが、いずれも左足で攻撃している。このことから、ゴジラの利き足は左であると思われる。
ビルの隙間を逃れるコングに熱線が当たり叩き落すことに成功した際にはニヤリと笑うという、CGで描かれる前の過去作では着ぐるみ故の限界などで口の開閉や咆哮などで間接的に表すしかなかった「感情」を、直接的に「表情」で表現されている。
ゴジラエヴォルヴは、本作ゴジラのデザイナーである、ジャレッド・クリチェフスキー氏によると、この形態は「一時的」かつ、「進化途中」の形態であることが明らかになっており、今後ゴジラは、「力を制御できるようになり、さらに進化していく」という。
豆知識
海外メディアによって詳しい豆知識が公開されている。
※ただし、これは2014年当時のものであり、現在ではだいぶ変化しているものと思われる。
- ゴジラの咆哮は4.83km先まで響き渡る。
- ゴジラの犬歯の根から切っ先までの長さは1.07mである。
- ゴジラの口には60本の歯が生えている。
- ゴジラの足首から先の最も太い部分は17.66mである。
- ゴジラの足跡の踵から爪先までは18.18mである。
- ゴジラの後頭部から尾の先まで89の背びれがある。
- ゴジラの身長は過去最大の108.2mである。
- ゴジラの尾の長さは167.74mである
- ゴジラの体積は89,724立方メートルである。
- ゴジラの体重は90,000tである。
また、テスト映像の数値によれば、ギドラに突進した時の速度は時速482kmであった模様。これはゴジラでは1998年版ゴジラの速度(時速800km、小説で判明)に次ぐ速度。
その他
プレイステーション3向けゲーム『GODZILLA』では、ラスボスとして登場。
バーニングゴジラと死闘を繰り広げる。
更にゲームクリア後にプレイアブルキャラとして使用可能になる。所謂隠しキャラである。
プレイステーション4向けゲーム『ゴジラVS』でも引き続き登場。
なお、このゴジラVSの紹介映像とCMでVS版ゴジラと熱線の撃ち合いになる場面があるのだが、この映像を見るとこのレジェンダリー版ゴジラがどれだけ大きいかよくわかる。
関連イラスト
関連タグ
GODZILLA-ゴジラ- キング・オブ・モンスターズ GODZILLAvsKONG ゴジラxコング:新たなる帝国
ワーナーブラザーズ レジェンダリー・ピクチャーズ モンスターバースシリーズ
レジェゴジ ギャレゴジ ドハゴジ(またはドゥハゴジ) アダゴジ(またはウィンゴジ)