概要
マサチューセッツ州ボストンにある野球場。1911年に起工、翌1912年に開場した。2024年時点で使用されているMLBの本拠地としては最古の野球場(現存するアメリカ最古の野球場はかつて存在したニグロリ-グのチームの1つ、バーミンガム・ブラックバロンズの本拠地球場リックウッド・フィールド)である。
MLBのボストン・レッドソックスが開場から本拠地としている他、ボストン・ブレーブス(現:MLBアトランタ・ブレーブスおよびNFLワシントン・コマンダーズ)や、AFL時代のボストン・ペイトリオッツ(現:NFLニューイングランド・ペイトリオッツ)も本拠地にしていたことがある。
NHLのウィンター・クラシック(元日前後に開催される屋外試合)でもボストン・ブルーインズのホームとして使用されたことが2回ある。
グリーン・モンスター
同球場の特徴として、通称「グリーン・モンスター」と呼ばれる高さ約11.3mの極端に高いレフトフェンスがある。これは球場自体がボストン市内の限られたスペースで建設されたために狭く、ホームベースからレフトスタンドまでの距離が約94.5mしかないうえに、左中間が膨らまず直線的に延びており、プロが使用する球場としては極めて浅いので、容易に本塁打が出るのを防ぐため巨大なフェンスが設置された。設置当初は広告で覆われていたが、1947年より緑色に塗られ現在に至る。
…が、高く上がったフライは結局はフェンスを越えてしまう。また本来ならフライアウトになるような打球もグリーンモンスターに当たってヒットになってしまうため、フライ系の打球が多い右打者には非常に有利となっているのが現状である。グリーン・モンスターのすぐ後方には道路と建物があるため、フィールドはこれ以上拡張できない。グリーン・モンスター下部のスコアボード表示部を打球が突き抜けた場合は、打球がバウンドしたか否かを問わずグラウンドルールにより二塁打(2個の安全進塁権)となる。
対して右中間は深いがフェンスが低いため、ライナー性の打球がホームランになることも多い。
因みにレフトフェンスを高くした理由は上述の通りの他、球場近くの建物から「無料」で野球観戦されることを防ぐため、ともいわれてる。
ファウルポール
本塁から302ft(約92m)にあるライト側ファウルポールにはペスキーズ・ポール(Pesky's pole)という名前が付けられている。
名前は選手時代は内野手として、引退後はコーチや監督としてレッドソックスに在籍していたジョニー・ペスキーに由来するもので、1948年の試合でホームランをライトポール近くに放ったことから、その試合に先発して勝利した投手メル・パーネルが名付けたとされている(なお、パーネルが登板した試合でペスキーが打ったホームランは2本しか無く、パーネルの勝利に直結したものに至っては由来となった1本だけである)。
1950年代にはこの名前で呼ばれるようになっていたが、レッドソックスは2006年9月27日(ぺスキーにとって87歳の誕生日)に銘板をポールに設置して、公式名称とした。
対するレフト側のポールはフィスク・ファウルポール(Fisk Foul Pole)またはパッジズ・ポール(Pudge's Pole)と呼ばれる。
こちらは1970年代に在籍していた捕手のカールトン・フィスク(および彼のニックネーム「パッジ」)に由来しており、1975年のワールドシリーズ第6戦の延長12回裏にフィスクの打球がポールに当たってサヨナラホームランとなった出来事に因んでいる。
なお、ペスキーの背番号「6」とフィスクの背番号「27」はどちらもレッドソックスの永久欠番となっている。