人智を超えた圧倒的な脅威との対峙。
彼ら(モンスター)が現れた時、我々はどう立ち向かうのか――
世界の終焉が、始まる。
曖昧さ回避
ネオジオのゲームは『キング・オブ・ザ・モンスターズ』『キング・オブ・ザ・モンスターズ2』を参照。
概要
原題は『GODZILLA:KING OF THE MONSTERS』。
2014年公開の『GODZILLA-ゴジラ-』の続編作で、モンスターバースシリーズとしては『キングコング:髑髏島の巨神』を経ての第三弾に当たる。
当初は前回と同じくギャレス・エドワーズが監督を務めるとされ、公開予定日も前作から約4年後となる2018年6月8日に決まったと言われていたが、後にギャレスがシリーズから降板したことと公開予定時期が2018年から2019年に延期になったことが伝えられ、しばらく後に、新たにマイケル・ドハティが続編の監督に就任することが発表された。
また、前作公開後に開催された2014年度コミコンにおいて続編制作の決定に際し、レジェンダリーが東宝からラドン、モスラ、キングギドラの使用権を獲得できたため、本作にはこの三体が登場することが発表されており(『髑髏島の巨神』でもEDクレジット後にゴジラを含めた四大怪獣の姿が描かれた壁画が登場する場面が存在する)、それに加えて2018年度コミコンでの監督インタビューやトレーラー映像などではこの他にも多数の怪獣が登場することが仄めかされていた。
なお、ゴジラシリーズ全体を通してモスラとラドンが実写映画に登場するのは『ファイナルウォーズ』以来15年ぶり。キングギドラに至っては派生種ではない純粋な個体が映画に登場するのは『GMK』以来実に18年ぶりとなる(ラドン、モスラ、キングギドラはトライスター版でも使用権を貸し出す予定があった)。
主演は本作で映画デビューとなる子役のミリー・ボビー・ブラウンで、それに加えてカイル・チャンドラーとヴェラ・ファーミガがその両親役として出演しており、ゴジラシリーズ全体でも珍しい家族の絆とその再生を中心に据えたストーリーとなっている(ちなみに、これまで子供を含めた一つの家族がまともに出てくるゴジラ作品というと日本では『対ヘドラ』か『vsモスラ』くらいしかなかったが、本作ではそれ以上に家族というものに踏み込んだ作劇なのが特徴である)。
前作からは渡辺謙の演じる芹沢猪四郎も続投している。
日本語版主題歌は[Alexandros]の『Pray』。
また、歴代の怪獣映画…は元より、近年のハリウッド映画の中でも稀にみる程の巨額の製作費用を投じられたことでも有名で、総製作費は1.7億~2億ドル(日本円換算で170憶~200億円)、宣伝費は1.5億ドルに達したとのこと。
興行収入
映画興行収入成績では中国や日本をはじめとするアジア圏や、メキシコ等ではそれなりの売り上げを上げているとされており、一方アメリカでは前前作『GODZILLA-ゴジラ-』や前作『髑髏島の巨神』程の興収を上げられないなど苦戦が続いている。その反面アメリカ・日本ともに初登場1位を記録し、公開から3日間で世界累計興行収入は約193.6億円に到達、各国の興行ランキングをも席巻するなど、一見すると好スタートを切った。
しかし制作費と宣伝費の合計を考えるとこれだけ収入があっても全く採算は取れていないことになってしまう。(下記参照)
ワーナーブラザーズ会長のトビー・エメリッヒ氏は、「ファンが求めているような作品に仕上げる」ことを理由に、次回作『ゴジラVSコング』の公開延期を示唆。これについて「世界での興行収入の数字が少なくとも関係者たちの間で波紋を呼んでいるのは確かだろう」という意見があるが実際にそうなのかは不明。また、中国では6月21日に急遽一ヶ月の公開の延長が発表されているがこれも興行収入と関係あるかは不明。なお、中国での配給の25%がワーナーブラザーズに還元されるという。
そして実際に『ゴジラVSコング』の公開が2020年3月から11月に延期となり、さらには撮り直ししているという噂も流れている。
最終的な興行収入は2014年版GODZILLAより2割落として3.859億ドル程となっており1998年版GODZILLAを越えた成績を得ることとなったが、これは当時よりも遥かに巨大化したアジア(中国)市場における興行結果による部分が大きく、米国・日本共に1998年版を超えていない。
ちなみに、制作費が1.7~2億ドルのどこなのかにもよるが世界的に映画の採算が取れたか否かの基準は制作費の3倍といわれており、本作品が採算を取るには単純計算だと4.25~6億ドル以上の興行収入が必要だともされている (参照)。
- 参考までに『シン・ゴジラ』の製作費は宣伝費込みで21億円ほどで、総興収は82.5億円で採算は取れている。一方今作は宣伝費込みで日本円で約350億円以上。そのため上記の基準と照らし合わせると約6億ドル以上(日本円換算で約700億円以上)が必要な計算になる。
レビュー・批評
ファンや批評家からの評価は分かれており、「怪獣たちのバトルに時間をかけ過ぎで、肝心の人間ドラマが割を食っている」(これに関しては「人間ドラマばかりで怪獣の出番がほぼなかった」と非難された前作とは真逆となっている)「予告や公式サイトで怪獣たちのシーンを見せすぎていて、既視感が強い」「過去作のパロディばかりでオリジナリティがない」「生物学的考証が稚拙すぎる」「サノスおばさんの動機が理解できない」と酷評する声もあれば「前作やその後公開された邦画で殆ど描かれなかった怪獣同士の激しいバトルを今回は十分堪能することができたので大変満足している」「監督の好みを手当たり次第にぶち込みながら見事にまとめあげている」「ゴジラ史上最も美しい映画」と絶賛する声もあるなど、正に賛否両論となっている。
また、劇中の一部演出もこの賛否に拍車をかけており、『今までゴジラをどのように捉えてきたか』で評価が大きく変わる作品と云われている(そうした点では前年まで公開されたアニメ『GODZILLA』三部作とある意味では同じであるとも言える)。
ドハティ監督の怪獣に対する理想とつよい想いが非常に濃厚に詰め込まれており、一部からは(肯定的な意味で)ハリウッドから来た同人作品とも評されている。
ストーリー上の大きな問題の回し方が妙に軽快だったり、感情や仕草などどこか人間ぽさを感じる怪獣達や、その近くを動き回っては呆気なく死んでいく人間たちの様子がそこかしこで見られる本作は、監督が怪獣と共に過ごした少年時代とそれを懐かしむ当時の観客たちになぞらえて『ハリウッド版昭和ゴジラ』と呼ぶべきかもしれない。
2020年のゴールデンラズベリー賞/ラジー賞にこの作品もノミネートされた。1月に発表された候補の一覧では、最低作品賞、最低監督賞(マイケル・ドハティ)、最低助演男優賞(カイル・チャンドラー、チャーリー・ダンス)、最低脚本賞、最低スクリーンコンボ賞、最低リメイク・盗作・続編賞にこの作品がリストアップされている。
最後に一応言っておくと最終的にラジー賞に選ばれたのは別の映画である。
ストーリー
2014年、サンフランシスコで勃発したゴジラとムートーの戦いによって、世界は巨大生物――怪獣(タイタン)の存在を認識した。
共存か、排除か、あるいは人類が降伏するか?
人々が判断を決めかねる中、長年に渡って密かに怪獣を調査し続けてきた特務機関MONARCHはその秘密主義故に批判に晒され、組織の解体を求める声は日増しに高まっていった。
そんな中、サンフランシスコ決戦で息子を失ったことで夫マークと別居し、娘マディソンと共に暮らすエマ・ラッセル博士は中国・雲南省にあるMONARCH第61前哨基地で、ある実験を行おうとしていた。
それは「オルカ」という怪獣の鳴き声を分析・再現する装置を用い、怪獣とコミュニケーションを取るというものだった。
しかし、卵から孵化したばかりのモスラとの交信に成功した直後、前哨基地はエコ・テロリスト集団の襲撃を受け、ラッセル母子は「オルカ」と共に連れ去られてしまう。
彼らは世界各地に眠る怪獣たちを目覚めさせ、人類を駆逐することで、地球の本来の姿を取り戻そうと企んでいたのだ。
この緊急事態に芹沢猪四郎博士は「オルカ」の共同開発者であるマークに協力を要請。共に第54前哨基地へと赴く。
第54前哨基地の監視対象はゴジラ。
芹沢らの目の前でついに活動を開始したゴジラが向かう先は南極の第32前哨基地。
そこでは今まさに、氷塊の内側に封じられた“超”怪獣――モンスター・ゼロが眠りから目覚めようとしていた。
登場怪獣
作中では「タイタン」と呼称されている。
芹沢曰く、近年の怪獣の大量出現は人類による文明活動(核開発のよる放射線の増加、過剰な地下の掘削工事など)が原因だとし、一方で怪獣が破壊活動を行った場所は自然環境が改善されているらしく、エマは怪獣を地球環境の良化を促すものであるとしている。
本編に登場した怪獣
英名 | 日本語訳 | 所在地 | 補足 |
---|---|---|---|
Godzilla | ゴジラ | バミューダ海域 | 今の地球の生態系の頂点に立つ怪獣王。2014年版に比べ、背びれが大きく、足が太くなった。モンスターバースのゴジラは、日本の小笠原諸島にある島の一つ大戸島の伝説の龍神「呉爾羅」に由来する名前のため、他の怪獣ともども神話の存在として認識されている。 |
Ghidorah | ギドラ | 南極 | 南極に封印されていた三本首の飛龍。神話や伝説からその存在が抹消されていたため、当初は正体不明の怪獣「モンスター・ゼロ」と呼称される。「ギドラ」の名前は辛うじて数少ない記録が発見されたため名付けられた。紹介では「レギオン」に纏わる一節が用いられた。 |
Mothra | モスラ | 中国・雲南省の密林 | 中国で発見された鱗翅目の虫に似た形態を持つ怪獣。怪獣たちの中で、唯一メスとして扱われている。怪獣の女王であり、その名に相応しい荘厳な演出と劇中での行動で本作のヒロインの座をほしいままにした。 |
Rodan | ラドン | メキシコ・火山島イスラ・デ・マーラ | 「炎の悪魔」の異名を持つ巨大翼竜。初出作品では火口付近の空洞に巣を作っていたが、本作では明らかに火口から出現する。劇中でのとある行動が元で、観客から「ゴマすりクソバード」というあだ名を付けられる羽目に。 |
Kong | コング | 髑髏島 | 髑髏島の若き王。ライブ映像で登場する。決戦の時は近い。 |
Scylla | スキュラ | アメリカ・アリゾナ州の油田地帯 | 「犬の子」を意味する鬼女の名を持つ怪獣。アリゾナの油田に眠っていたクモンガやバンブー・スパイダーやゴジラ・ザ・シリーズに登場したこれに類似した怪獣。イカに近い生物らしく、海水を冷やす能力を持つ事から、ゲゾラとゴジラ・ザ・シリーズに登場したC-Rexにも似ている。 |
Behemoth | ベヒモス | ブラジル | 聖書に出てくる巨獣の名を冠する毛むくじゃらでナックルウォークを行う鼻のない旧復元図のマンモスのような怪獣。かつて『ゴジラ対マンモス』という映画に出演したとされる(嘘)。 |
Methuselah | メトシェラ | ドイツ・ミュンヘン郊外 | 長命の代名詞にしてノアの祖父「メトシェラ」の名を持つ怪獣。ドイツに出現した背面が緑生い茂る山そのものと化している巨大怪獣。 |
New MUTO | ニュー・ムートー | 不明 | 前作に登場した怪獣の同族。名称のソースはこちら。 |
リストでのみ登場
英名 | 日本語訳 | 所在地 | 補足 |
---|---|---|---|
Abaddon | アバドン | アメリカ・ワイオミング州のデビルスタワー | モスラの紹介に使われた聖書の一節は本来はアバドンのものである。 |
Sargon | サルゴン | コロンビア | ギルガメッシュよりも古いメソポタミアの始祖王「サルゴン」の名を持つ。 |
Leviathan | レヴィアタン | イギリス・ネス湖 | 一部ではマンダではないかと噂されている。アニメ映画シリーズでは、マンダはドーバー海峡に潜伏していた。劇中でネス湖に出現したことが語られており、UMAの代表選手ネッシーとの関連が示唆される。小説版では、地下世界を通って海洋と往き来できるとされているが、これはUMAのネッシーにも挙げられた説である。また、ネッシーはゴジラ・ザ・シリーズでゴジラ(ゴジラ・ザ・シリーズ)と戦っている他、ジラースがネッシーに関連する設定を持っている。 |
Baphomet | バフォメット | モロッコ・ヴォルビリス遺跡 | 元ネタはおそらく未完成となった映画「ゴジラ対悪魔」。 |
Typhoon | タイフーン | カンボジア・アンコールワット | アメリカにおける自然災害の代表。さらにその元ネタはデルガドザウルスの代わりに街を蹂躙した映画『ツイスター』と思われる。それやデガンジャへのオマージュとも取れる怪獣「シュルースター」がゴジラ・ザ・シリーズに登場した。 |
Bunyip | バニップ | オーストラリア・エアーズロック | オーストラリアの幻獣であり、姿の一定しない怪物。 |
Mokele-mbembe | モケーレ・ムベンベ | スーダン・ゲベル・バルカル | コンゴに伝わる幻獣。小説版では外見などが詳細に描かれており、爬虫類のようなでこぼこした背をした灰色の四足歩行の生物で、頭部はゾウの鼻と牙にワニの顎を併せ持ち、体の二倍もある長大な尻尾でオスプレイやピラミッドも真っ二つにすることができる。 |
Tiamat | ティアマト | アメリカ・ジョージア州のストーン・マウンテン | メソポタミア神話の原初の女神の名を持つ怪獣。ちなみにとある作品に登場した別人はシン・ゴジラの影響を受けている。 |
Sekhmet | セクメト | エジプト・カイロ | エジプト神話における殺戮の女神の名を持つ。 |
Yamata No Orochi | ヤマタノオロチ | 日本・富士山 | 日本神話に登場する八つの頭を持つ大蛇。東宝製の映画に同名の怪獣が出演しているが、GMKのキングギドラと同様、富士山の麓から出現したとされており、GMKのキングギドラもヤマタノオロチの伝説に影響を与えたとされている。また、ゴジラ・ザ・シリーズでは蛇の怪獣キングコブラが富士山に出現している。 |
Quetzalcoatl | ケツァルコアトル | ペルー・マチュ・ピチュ遺跡 | アステカ神話の有翼の蛇神の名を持つ怪獣。ゴジラ・ザ・シリーズにも同名の怪獣が登場しているが関連性は不明。 |
Amhuluk | アムルック | ロシア・マンププニョル | インディアンの伝承に登場する怪物の名を持つ。 |
小説版ではクラーケンと呼ばれる知能がより発達した頭足類のタイタンと、Margygr(マルギル。グリーンランドに伝わる伝説の人魚)と呼ばれるオルガに似た頭部を持つタイタンが(他のタイタンとの戦いで死亡したらしく)死骸で発見されて見た目も判明している。また、シノムラなどもタイタンに含まれるのかもしれない。
なお、作中で怪獣が隔離されている施設の識別番号はゴジラが54、ラドンが56、モスラが61、ギドラが32となっている。
後にティアマトとアムルックは、後日談となるアメコミ『ゴジラ:ドミニオン』にて全体図が明らかとなり、更にはクラーケンと同一個体とされるタイタン・ナ・キカも登場する。
キャスト
エンドロールではゴジラ、ラドン、モスラ、キングギドラもそれぞれ「HIM SELF/HER SELF(自分自身)」という形でキャストクレジットに記載されている。これはドハティ監督の発案によるものらしい。
吹き替えには『シン・ゴジラ』のキャストが数名参加している。
キャラクター名 | 演者 | 吹き替え |
---|---|---|
マディソン・ラッセル | ミリー・ボビー・ブラウン | 芦田愛菜 |
マーク・ラッセル | カイル・チャンドラー | 田中圭 |
エマ・ラッセル | ヴェラ・ファーミガ | 木村佳乃 |
芹沢猪四郎 | 渡辺謙 | 渡辺謙 |
ヴィヴィアン・グレアム | サリー・ホーキンス | 高橋理恵子 |
サム・コールマン | トーマス・ミドルディッチ | 小林親弘 |
アイリーン・チェン/リン・チェン | チャン・ツイィー | 甲斐田裕子 |
リック・スタントン | ブラッドリー・ウィットフォード | 安原義人 |
ヒューストン・ブルックス | ジョー・モートン | 高岡瓶々 |
ダイアン・フォスター | アイシャ・ハインズ | 高橋貴美子 |
ジャクソン・バーンズ | オシェア・ジャクソン・Jr. | 松尾諭(※4) |
マルティネス軍曹 | アンソニー・ラモス | 小松利昌(※5) |
グリフィン中尉 | エリザベス・ラドロー | 森なな子 |
ウィンストン伍長 | ジェシー・オニール | 吉田ウーロン太(※6) |
ウィリアムズ上院議員 | CCH・パウンダー | 西宏子 |
ウィリアム・ステンズ | デヴィッド・ストラザーン | 佐々木勝彦 |
アラン・ジョナ | チャールズ・ダンス | 土師孝也 |
アッシャー・ジョナ | ジョナサン・ハワード | 渡部俊樹 |
ゴジラ | 本人(※1) | - |
キングギドラ | 本人(※2) | - |
モスラ | 本人 | - |
ラドン | 本人(※3) | - |
※1:モーションアクターはT・J・ストーム
※2:モーションアクターはジェイソン・リーズ、アラン・マクソン、リチャード・ドートン
※3:モーションアクターはジェイソン・リーズ
※4:シン・ゴジラの泉修一役
※5:シン・ゴジラの竹尾保役
※6:シン・ゴジラの町田一晃役
登場メカ・兵器
- オルカ
本作のキーアイテムと言うべき音響発生装置。
ラッセル夫妻が開発した装置で、元々は大学院のプロジェクトでクジラを沿岸から離れさせるために作られた。
怪獣を含む様々な生物の音声データが納められており、対象の音声データと照合してその行動を操作することを目的としている。
モナークが保有する大型空中司令船。
超大型の全翼機(イメージとしては巨大なB-2)型飛行艇で、いわゆる空中空母の役割も持っており、艦載機としてオスプレイやドローンを搭載している。
名前の由来は多数の英雄を乗せた船にして世界最初のクロスオーバー作品『アルゴナウタイ』。
米軍が怪獣殲滅用に開発した新兵器。
半径3km以内の空間の酸素を完全に破壊し、その範囲内に存在するあらゆる生物を抹殺する。
映画公開前より監督のTwitterでその存在が示唆されていた。
余談
- 日本から見れば令和年代における最初のゴジラ作品ということになる。
- 原題におけるサブタイトルは初代の英題版のそれをそのまま引用したもの。
- かの有名な、ゴジラとモスラのテーマBGMが一部アレンジ込みで使用されている。これもドハティ監督こだわりのポイントの一つで、映画監督の田口清隆は『映画秘宝』での誌面レビューで「今までのハリウッド版ゴジラに足りなかったものはこれだった」と称賛した。
- 日本語吹き替え版ではカイル・チャンドラーの吹き替えを田中圭が担当しているが、撮影当時50代であったチャンドラーを当時30代であった田中が吹き替えたため、「青年声で話す中年男性」という違和感ありまくりの構図が出来上がってしまっており、ファンからは「イメージに合わない」と批判が出ることとなった。
- フォローしておくと、合っていないと言われるのはあくまで声のイメージであって、田中の演技自体はそれほど問題視されていない。
- 田中もこうしたギャップが生じてしまったことは認めており、とあるインタビューで「20歳近く年の離れた男性を演じなければならなかったのでとても大変だった」と語っており、次回作『ゴジラVSコング』でも同じ役で続投した際にも、「とにかく声を少しでもおっさんになれ!と思って、その一点に集中して頑張りました(笑)」というコメントを残している。
- もう1つフォローしておくと、話題性を重視するあまりイメージにそぐわない人物や吹き替えの経験が殆どない俳優やタレントが起用されるのは洋画作品に限らず、国内でもジブリ映画のようなアニメ映画やマンガ、アニメ原作の実写作品にはよくあること(いわゆるタレント声優枠)で、何も本作に限った話ではない。
- フォローしておくと、合っていないと言われるのはあくまで声のイメージであって、田中の演技自体はそれほど問題視されていない。
- 日本語吹き替え版に出演した渡辺謙と安原義人は1985年に制作された『ランボー』(日本テレビ・金曜ロードショー版)以来、34年ぶりの共演となった。
- ゴジラ、ラドン、モスラを管理していた基地の番号は各々の怪獣が初登場した映画の公開年に対応しており、ギドラの基地だけは『遊星からの物体X』に登場し、そして壊滅した南極の第31前哨基地(Outpost 31)のパロディとして「82年の事件後、新たに再建された基地」のため32のナンバーが割り振られたと設定されている。同時にこれはギドラの出自を暗示する数字としても機能している。
- MVシリーズが始まる前の企画段階では『ガメラ』も制作の候補に上がっていたといわれているが、本作のコンセプトアートには他の怪獣たちに交じってそのガメラらしきの怪獣の姿も描かれている。
- 本作ではこれまでオープニングとして使われていた“怪獣の動向に関する報道”のシーンおよび“メインタイトルの表示”をエンディングに持ってくるという独自の演出が行われている。
- エンディング最初部分で使われている曲はロックバンド「ブルー・オイスター・カルト」が1977年に出した曲「GODZILLA」のカバー版である。
- エンドロールのラストではかつて『ゴジラ対ヘドラ』を手掛け、2014年版『GODZILLA』にもプロデューサーとして参加した坂野義光と初代から昭和ゴジラを演じてきたスーツアクターの中島春雄という近年惜しまれながらも逝去したゴジラ界の二大巨頭への鎮魂のメッセージが表示されている。
DVD/Blu-ray
日本でのDVDおよびBlu-rayは2019年12月18日発売。
限定版の方はDVDとBlu-rayがセットになっており、更に限定版専用の映像特典ディスクと特別仕様のMonsterArts「ゴジラ2019」が付属する。
関連動画
G:KOTM Official Teasaer Trailer
日本語吹き替え版
主題歌
言語版はBlue Oyster Cultの楽曲をベア・マクリアリーがカバーした「GODZILLA」、日本語吹き替え版はAlexandrosが歌う「pray」
関連イラスト
関連リンク
GODZILLA: KING OF THE MONSTERS | ORCA Communicator
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