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概要編集

サンフランシスコ(英語: City and County of San Francisco)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州に属する都市。市の人口は約81万人で、オークランド、サンノゼを含めたサンフランシスコ・ベイエリア全体で709万人である。1年を通して気温の差が比較的小さく住みやすい気候である。移民に寛容な聖域都市として知られ、日本からの移住者や留学生も多かった。リベラルな風土・経済・政治の両面で絶大な影響力を有している。


半島部に超高層ビルが林立する巨大なダウンタウンが特徴的で、その密度は全米で4番目(NYCのミッドタウン、シカゴダウンタウン、NYCマンハッタン島の次)の規模であり、見た目はロサンゼルスよりずっと大都会である。


経済編集

全米2位の金融都市としても知られ、西海岸におけるビジネス・金融の中心地はロサンゼルスではなくサンフランシスコであり、モンゴメリストリートは西のウォール街と呼ばれる。サンフランシスコに本社を置く世界的に有名な企業にカード世界最大手のVISAやアパレル大手のGAPなどがあり、後述するウーバーイーツでおなじみUberテクノロジーの本社もある。


海外から莫大な資金流入があるだけでなく、富裕層にとって投資活動の拠点にもなっており、それゆえ世界に名だたる金融センターとして機能している。


また、ここから南に位置するサンノゼはシリコンバレーと呼ばれる、全米随一のIT産業密集地帯であり、市内にAdobe、Cisco、ウエスタンデジタル、近郊にメタ、Apple、Googleなどの本社が密集する。


一方で家賃や物価の高騰が続いており、低所得者は別の都市へ退去せざるを得なかったり、ホームレスになる問題も表面化している。


サンフランシスコ・ベイエリアの都市圏GDPは5兆ドルを超えており、世界でも10本の指に入る規模で、大富豪も多い。


リベラルな風土故に世界中の富豪や技術者に好まれる街で、リベラルであることがサンフランシスコ経済にとって重要となっているものの、一方で上記の格差問題を解消できず、現代リベラリズムの限界も露呈している。


政治編集

同性愛者が多く、1970年6月からLGBTの権利運動の先進地となっている。左派の牙城であり、民主党の政治家が市政を掌握し続けている。一方で共和党の支持者は市民の2割にも満たない。


歴史編集

1846年7月にアメリカ軍のジョン・スロート大将がカリフォルニアをアメリカの領土と宣言すると、1850年4月にサンフランシスコ市が設置された。当時はまだ辺境地であったものの、ゴールドラッシュによって多くの労働者が金を求めてこの地へやってきた。


その後はゴールドラッシュで成功した多くの企業家が、その財を元手に事業を展開した。同時に海軍基地としても整備され、サンフランシスコは西海岸随一の繁栄を享受した。


1906年4月にサンフランシスコ地震が発生し、市民の約半分が住処を失う甚大な被害を受けた。この教訓のため、防災に対する決まりが非常に厳しく、飲食店であっても21時以降は火を扱えないほど。


第2次世界大戦後は製造業と鉱業の衰退・軍事機能の縮小もあって市経済は冷え込んだ。その代わり観光とIT産業に力を入れるようになり、労働力として移民を入れることで再び経済力を取り戻して現代に至る。


ジャパンタウン編集

北アメリカ有数の日系人街であり、その歴史は19世紀まで遡る。19世紀末の時点で日本人の人口は1000人近くいたらしい。


1941年12月に太平洋戦争が勃発すると排日運動が激化し、多くが収容所に送られた。戦後は中国系や韓国系も多く移り住み、一方で日系人は混血と分散が進んだ。現代ではアジア人街へと変わってきている。


治安悪化編集

2010年代はゴールドラッシュの再来ともいわれるほどの成長を博した。しかし、今や過去の出来事であり、ロス暴動で知られたロサンゼルスの治安が年々改善しているのに対し、サンフランシスコは全米屈指の犯罪都市に陥りそれに伴うダウンタウンのスラム化が際立っており、かつてのように気軽に観光できる都市なんかではない。MLBで日本人選手がサンフランシスコ・ジャイアンツと契約しなかった件について、有名選手が「治安悪化」を槍玉に挙げているほど深刻化しており、中心地からは相次いで商業施設が撤退、閉鎖、空洞化率は30%を超え2024年にはセントルイス、ボルティモア、デトロイト、クリーブランドなどを上回る全米最悪の数値となった。また、人口減少も著しく90万寸前だった人口は80万人を切っており、対岸のオークランドと変わらない治安レベルに落ちている。


その引き金となったのがコロナ禍であり、金融業が中心だったため全米で最もテレワークや宅配サービスが浸透したエリアとなった反面、人が出歩かなくなって商店が相次いで閉鎖、市街地が荒廃してしまったからである。更に、サンフランシスコは全米最大のチャイナタウンがあることでも知られアジア系住民が勢力を利かせているが、これも従来の住民からのヘイトクライムを生むことになり暴動が多発、治安悪化、富裕層の流出という悪循環に陥っている。もっとも、コロナ以前のゴールドラッシュといわれた好景気からスリや置引が多発、ホームレス数が増加していたなど兆候もあった。


日本との関係編集

かつては大阪市も同じ西のビジネス中心都市として同士と姉妹都市関係を結んでいたが、諸事情によって大阪市から提携解消を通達(同時に、大阪市はシカゴを友好都市から正式に姉妹都市と決定している)。したがって日本では現在、公には同市と姉妹都市関係を結んでいる都市は存在しない。


一方で、偶然にもサンフランシスコと似たような人口を持つ堺市が近郊のサンフランシスコ都市圏のバークレーと姉妹都市関係を結んでいる関係で、同市との関係も取り持っていたりする(堺市は毎年高校生を交流留学させているが、サンフランシスコにも立ち寄っているほか、文化交流も盛んに行っている)。



スポーツ編集

MLBサンフランシスコ・ジャイアンツおよびNBAゴールデンステート・ウォーリアーズ、NFLのサンフランシスコ・フォーティナイナーズの本拠地であり、レスリングシリーズTDNコスギことヴァン・ダークホームは同市に在住している。

この他、近郊都市を含んだ『サンフランシスコ・ベイエリア』にはMLBオークランド・アスレチックスNFLサンフランシスコ・フォーティナイナーズNHLサンノゼ・シャークスが本拠地を置いている。


市の景色編集

坂道が多く、街中をケーブルカー路面電車トロリーバスの路線が走る。


1963年3月まで連邦刑務所として使用されたアルカトラズ島はこの地にあり、その他にゴールデン・ゲート・ブリッジが架かっている。


ウォーターフロント北部に元々漁港として海鮮料理店が集まるフィッシャーマンズワーフ(観光魚市場をそのように呼ぶのはここがきっかけ)があり、市の中心部にある双子の山「ツインピークス」はダウンタウンを一望できる景勝地である。また北アメリカ最大のチャイナタウンも存在する。その他、熱帯植物が繁茂するサンフランシスコ植物園や幽霊が襲いかからないように拳銃で富を成した資産を投じて自邸を巨大迷宮にしたウィンチェスター邸なども有名な観光名所である。

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