NHL
なしょなるほっけーりーぐ
北米4大プロスポーツリーグの1つで、アメリカ合衆国とカナダで行われるアイスホッケーリーグ。
元々はカナダにて設立されたリーグだが、現在はアメリカに25チーム、カナダには7チームが本拠地を置いている。
リーグは東西2つのカンファレンスで構成されており、それぞれがさらに2つのディヴィジョンに分かれている。
シーズンタイトルは2つあり、レギュラーシーズンで最多勝ち点を挙げたチームにはプレジデンツトロフィーが、ポストシーズンを勝ち抜いた年間総合優勝チームにはスタンレーカップが贈られる。
下記の地区割りおよびタイトル獲得数は2024-25シーズン開幕前時点のものである。
(SC=スタンレーカップ、PT=プレジデンツトロフィー)
イースタン・カンファレンス
アトランティック・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
ボストン・ブルーインズ | アメリカ・マサチューセッツ州ボストン | 6 | 4 |
バッファロー・セイバーズ | アメリカ・ニューヨーク州バッファロー | 0 | 1 |
デトロイト・レッドウィングス | アメリカ・ミシガン州デトロイト | 11 | 6 |
フロリダ・パンサーズ | アメリカ・フロリダ州サンライズ | 1 | 1 |
モントリオール・カナディアンズ | カナダ・ケベック州モントリオール | 24 | 0 |
オタワ・セネターズ | カナダ・オンタリオ州オタワ | 0(※) | 1 |
タンパベイ・ライトニング | アメリカ・フロリダ州タンパ | 3 | 1 |
トロント・メイプルリーフス | カナダ・オンタリオ州トロント | 13 | 0 |
※) 初代セネターズの優勝回数は含まない。
メトロポリタン・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
カロライナ・ハリケーンズ | アメリカ・ノースカロライナ州ローリー | 1 | 0 |
コロンバス・ブルージャケッツ | アメリカ・オハイオ州コロンバス | 0 | 0 |
ニュージャージー・デビルズ | アメリカ・ニュージャージー州ニューアーク | 3 | 0 |
ニューヨーク・アイランダーズ | アメリカ・ニューヨーク州エルモント | 4 | 0 |
ニューヨーク・レンジャーズ | アメリカ・ニューヨーク州ニューヨークシティ | 4 | 4 |
フィラデルフィア・フライヤーズ | アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア | 2 | 0 |
ピッツバーグ・ペンギンズ | アメリカ・ペンシルベニア州ピッツバーグ | 5 | 1 |
ワシントン・キャピタルズ | アメリカ・ワシントンD.C. | 1 | 3 |
ウェスタン・カンファレンス
セントラル・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
シカゴ・ブラックホークス | アメリカ・イリノイ州シカゴ | 6 | 2 |
コロラド・アバランチ | アメリカ・コロラド州デンバー | 3 | 3 |
ダラス・スターズ | アメリカ・テキサス州ダラス | 1 | 2 |
ミネソタ・ワイルド | アメリカ・ミネソタ州セントポール | 0 | 0 |
ナッシュビル・プレデターズ | アメリカ・テネシー州ナッシュビル | 0 | 1 |
セントルイス・ブルース | アメリカ・ミズーリ州セントルイス | 1 | 1 |
ユタ・ホッケークラブ | アメリカ・ユタ州ソルトレイクシティ | 0 | 0 |
ウィニペグ・ジェッツ | カナダ・マニトバ州ウィニペグ | 0 | 0 |
パシフィック・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
アナハイム・ダックス | アメリカ・カリフォルニア州アナハイム | 1 | 0 |
カルガリー・フレームス | カナダ・アルバータ州カルガリー | 1 | 2 |
エドモントン・オイラーズ | カナダ・アルバータ州エドモントン | 5 | 2 |
ロサンゼルス・キングス | アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス | 2 | 0 |
サンノゼ・シャークス | アメリカ・カリフォルニア州サンノゼ | 0 | 1 |
シアトル・クラーケン | アメリカ・ワシントン州シアトル | 0 | 0 |
バンクーバー・カナックス | カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー | 0 | 2 |
ベガス・ゴールデンナイツ | アメリカ・ネバダ州パラダイス | 1 | 0 |
レギュラーシーズンは10月に開幕し、翌年4月まで各チーム82試合(ホーム・アウェイ各41試合)を戦う。
試合は3ピリオド(1ピリオドは20分)形式で行なわれ、同点の場合は5分サドンデス方式の延長戦、それでもなお同点の場合はシュートアウト(サッカーで云うPK戦に相当)を行ない勝敗を決める。
勝ち点は勝利チームに「2」、延長戦およびシュートアウトでの敗戦チームには「1」が与えられ(規定時間で負けた場合は当然「0」である)、勝ち点が多い各ディヴィジョンで上位の3チーム、およびディヴィジョン4位以下で勝ち点が多い各カンファレンス上位に入った2チーム、計16チームがプレーオフに進出し、スタンレーカップを懸けたトーナメントを戦っていく。
1917年、カナダ東部のオンタリオ州とケベック州で展開していたNHA(ナショナル・ホッケー・アソシエーション)を脱退したチームが中心になって発足した。
創設時のメンバーは、以下の通り(トロントHCを除く4チームがNHAを脱退してNHLを立ち上げたメンバー)。
- モントリオール・カナディアンズ
- モントリオール・ワンダラーズ
- オタワ・ホッケークラブ(初代オタワ・セネターズ)
- ケベック・ホッケークラブ(ケベック・ブルドッグス)
- トロント・ホッケークラブ(現在のトロント・メイプルリーフス)
しかしワンダラーズはホームアリーナを火災で失ったことによって僅か4試合消化した時点で解散し、ケベックHCは活動資金が足りず1917年から1919年まで活動を休止した。
1919-20シーズンからケベック・ホッケークラブはケベック・アスレティッククラブとして本格的に参入し、翌1920-21シーズンにはオンタリオ州ハミルトンへ移転してハミルトン・タイガースとなった。
1924-25シーズンにはモントリオール・マルーンズとボストン・ブルーインズが参入。リーグのアメリカ進出が始まった。また、このシーズン後には所属選手がストライキを起こしたハミルトン・タイガースが解散した。
1925-26シーズンにはニューヨーク・アメリカンズとピッツバーグ・パイレーツが参入、1926-27シーズンからはシカゴ・ブラックホークス、ニューヨーク・レンジャーズ、デトロイト・クーガーズ(現在のレッドウィングス)が参入し、アメリカに本拠地を置くチームがカナダのチームを上回った。
1931年には世界恐慌の影響などもあり、フィラデルフィア・クェーカーズ(1930年にピッツバーグから移転していた)とオタワHC(初代セネターズ)が活動を休止。クェーカーズはそのまま解散し、1932年に活動を再開したセネターズも、1934年にミズーリ州セントルイスへ移転してセントルイス・イーグルスとなったが僅か1シーズンで解散した。
更に1938年(1938-39シーズン開幕前)にはモントリオール・マルーンズが本拠地移転を否決されたことで、1941-42シーズン終了後にはブルックリン・アメリカンズ(旧ニューヨーク・アメリカンズ)が戦争による人員不足を理由にそれぞれ活動を休止、解散したことで下記の6球団によるオリジナルシックス体制が1942年から1967年まで続いた。
1960年代に、リーグは約30年ぶりに新規参入するチームを募集し、1967年にエクスパンションシックスと呼ばれる6球団が加盟。
※なお、シールズは消滅している。またノーススターズは本拠地を移転し現在はダラス・スターズを名乗っている。
1970年代には以下のチームが創設された。
- 1970年
- 1972年
- ニューヨーク・アイランダーズ
- アトランタ・フレームス(現:カルガリー・フレームス)
- 1974年
- ワシントン・キャピタルズ
- カンザスシティ・スカウツ(現:ニュージャージー・デビルズ)
1979年には、この年限りで解散したWHAから4チームが加盟した。
- エドモントン・オイラーズ
- ハートフォード・ホエーラーズ(現:カロライナ・ハリケーンズ)
- ケベック・ノルディックス(現:コロラド・アバランチ)
- ウィニペグ・ジェッツ(後のアリゾナ・コヨーテズ。現在の同名チームとは別球団)
1990年代以降は、以下のチームが参入した。
21世紀に入り、2017年にベガス・ゴールデンナイツ、2021年にシアトル・クラーケンが参入したことで32チーム体制となった。
2023-24のレギュラーシーズン終了を以てホームアリーナの問題が行き詰まったアリゾナ・コヨーテズが活動を休止し、2024-25シーズンからはコヨーテズに替わってユタ州ソルトレイクシティを本拠地とする新たなチームユタ・ホッケークラブが参入した。
カナダで設立されたリーグであること、またカナダではアイスホッケーが国技と言われることもあって最も人気があるプロスポーツとされるが、アメリカではNFL(アメリカンフットボール)、NBA(バスケットボール)、MLB(野球)は勿論NASCAR(自動車レース)やPGA(ゴルフ)、WWE(プロレス)などにも人気が劣るとされている。これはカナダ出身の選手が多く(かつては選手全体の殆どを占めていた。最近でも約45%の選手がカナダ出身)、アメリカ出身の選手比率が低い(約25%程度。さらに低い時代は10%をも割っていた)ことも影響していると言われる。
日本ではアイスホッケーの国際的なパワーランクが低いことに加え日本人選手の不在(日系人選手ならば多数存在するが、日本人となると過去を遡ってもロサンゼルス・キングスに所属していた福藤豊だけ。日本国籍を持つ選手を加えてもジョーダン・スペンスがいる程度)、元々アイスホッケー自体がメディアに取り上げられる機会が殆どないこともあって関心が薄く、また視聴率を見込めない割に放送権料が高騰しているためか、現在日本では関連番組も含めTV放送はされておらず、有料のネット配信やYouTubeでのダイジェストが視聴手段となっている。何れにしてもNHLが公式に制作する日本語話者向け動画コンテンツは存在しない。
上記したように日本での知名度や人気が乏しいことを反映してか、北米4大プロスポーツリーグと呼ばれるNHL、NFL、NBA、MLBの中では投稿された作品が最も少ない。
2024年9月の時点で「NHL」のタグが付いた作品全てを合わせても「NBA」タグが付いた作品の約10分の1程度しか無い(ロサンゼルス・レイカーズ1チームよりも少ない)。