概要
フィラデルフィア(英語:Philadelphia)は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に属する都市。同州最大の都市で、ニューヨークとワシントンD.C.の中間に位置する。
独立する前は北アメリカ最大の都市でアメリカ建国の街ともされており、独立戦争の象徴である「自由の鐘」が所蔵されている。この事と「友愛の町」を意味する名前から、アメリカ映画などのフィクションにおいては、しばしば「アメリカそのものやアメリカ建国の理想を象徴する町」として扱われる(参考までにニューヨーク市はヤンクス《オランダ人》が開拓した街であり、ボストンはニューイングランドと呼ばれるようにイギリス人の開拓した街である)。
人口は約160万人、都市圏人口は約600万人と全米屈指の大都市であるが名称が長ったらしくて言いにくいので、一般にフィリー(Philly)という愛称で呼ばれることが多い(フィラデルフィア・フィリーズはここから)。また、日本ではフィラデルフィアという言葉が尚更発音しにくかったことから、明治時代には古寺府屋(ふるでらふや)と呼ばれていたらしい。
東海岸有数の港町としても知られ、神戸市が姉妹都市を結んでいることでも知られる(神戸はシアトルとも姉妹都市関係を結んでいる)。
また、日本ではクリームチーズのイメージが持たれているが、クリームなど乳製品を使った料理が名物でもある。
歴史
1682年10月にクエーカー教徒のウィリアム・ペンらが開拓したのが始まりで、ペンはこの地を古代ギリシャ語で「兄弟愛の町」という意味のフィロス(愛)・アデルフォス(兄弟)・ア(都市名につく語尾形)の3つの言葉を合わせてフィラデルフィアと命名した。その後、1701年10月に市として成立し、交易の要地となって目覚ましい発展を遂げる。
独立戦争後の1790年7月に首都がニューヨークからフィラデルフィアに移転し、ワシントンD.C.の建設が一段落する1800年12月まで首都であった。
市内
学術・海運・金融の街であり、博物館・劇場が多い。東海岸らしい古風な雰囲気を持つが、20世紀前半に比べて人口が減少しており、国内での地位は低下している。フィラデルフィア証券取引所は2008年7月からナスダックが所有しており、国内最古の証券取引所である。
第8回アメリカ横断ウルトラクイズでは準決勝が開催され、この回は4位に入賞した挑戦者がウィリアム・ペンについて回答したものの誤答した。この時通過席にはこの回のクイズ王がいたが、彼のニアピン誤答によって通過クイズの権利が次の問題に持ち越された。ちなみにこの入賞者は通過クイズの挑戦無し・通過クイズを考慮しなければ同率3位であった。
スポーツ
北アメリカ4大スポーツリーグと呼ばれるNFL(アメリカンフットボール)・MLB(野球)・NBA(バスケットボール)・NHL(アイスホッケー)が全て本拠地を置いている。
- フィラデルフィア・イーグルス(NFL)
- フィラデルフィア・フィリーズ(MLB)
- フィラデルフィア・セブンティシクサーズ(NBA)
- フィラデルフィア・フライヤーズ(NHL)
- フィラデルフィア・ユニオン(MLS/サッカー)
- フィラデルフィア・ウィングス(NLL/ラクロス)
- フィラデルフィア・フュージョン(OWL/eスポーツ)
ビリー・ペンの呪い
市庁舎としては世界最大級のサイズを誇るフィラデルフィア市庁舎の頂点には、ウィリアム・ペンの銅像が設置されている。1987年3月にワン・リバティ・プレイス(約288メートル)が建設され、それ以来フィラデルフィアを本拠地とするスポーツチームは優勝出来なくなったとするジンクスである。2017年12月にウィリアム・ペンの銅像が設置され、2018年2月にNFLのイーグルスがスーパーボウルを初制覇した事で呪いは解かれたと云われている。
2008年10月にフィリーズがワールドシリーズを制覇している上に、フィラデルフィアを本拠地とするチームは元々優勝争いに絡まない事が多いので整合性が取れない所もある。
2022年11月にMLBのフィリーズがワールドシリーズで敗退し、同月にMLSのユニオンがMLSカップで準優勝した。2023年2月にNFLのイーグルスがスーパーボウルに敗北し、フィラデルフィアのチームがことごとく決勝シリーズで敗北する事態に陥ったが、2022-23シーズンのNBAファイナルとNHLのスタンレーカップではフィラデルフィアでは無くフロリダ南部のチーム(マイアミ・ヒートとフロリダ・パンサーズ)が揃って敗退して対戦相手に初優勝をされていることもあり、この呪いは蒸し返されていないようである。