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概要編集

アメリカ合衆国カナダで行われるプロサッカーリーグメジャーリーグサッカー」(Major League Soccer)の略称。


歴史編集

開幕は1996年(Jリーグの3年後輩にあたる)

かつて1967年から1984年にアメリカ合衆国およびカナダで開かれたプロリーグ『北米サッカーリーグ』(North American Soccer League、略称:NASL)がヨハン・クライフ等、ヨーロッパや南米の主力選手を擁して人気獲得を図った。しかし球団間の実力・財政力の不均衡や、アメリカ人のスタープレイヤーが育たなかったなどの理由から興行としては失敗し解散。

1994年のFIFAワールドカップ開催国がアメリカに決定したことをきっかけに2年後に「一部リーグ」としてのプロサッカーリーグ・メジャーリーグサッカー(MLS)が10チームで発足。

NASLで欧州サッカーシーンを熱狂させた名選手たちが第一線を退いた後に参戦することが多っかったことから、デビッド・ベッカムをはじめ、現在もイタリアのアンドレア・ピルロ、イングランドのスティーブン・ジェラード、アルゼンチンのリオネル・メッシらが籍を置いている。



特徴編集

他のアメリカンプロスポーツと同様に、競技成績による1部、2部リーグへの昇降格制が存在しない。(弱肉強食の欧州制はビジネスにならないとか)

事業拡大のため定期的にチーム数を増やす形式をとっており、2024年現在は30クラブを目標にしている。

選手契約金の高騰を避けるための新人選手のドラフト会議や、各チームが二人まで予算を独自に決定しても良い特別指定選手制度を取り入れている。

選手の給料は各クラブではなく、MLSから支払われる。


年間試合方式編集

総当たり戦となるレギュラーシーズンとその合間にカップ戦となるUSオープンやCONCACAFといった国際試合、オールスター戦を挟み、プレーオフは他のアメリカンプロスポーツと同様にレギュラーシーズンを勝ち抜いたトーナメント戦である、MLSカップにて最終成績を決定する。


※2024年シーズン時点

  • レギュラーシーズン

シーズンは3月開幕、10月終了の春秋制である(オフは主に移籍期間として使われる)。

同カンファレンスのクラブとホーム&アウェイの2試合、別カンファレンスのクラブとはホーム or アウェイの1試合を行う総当たり戦。

最多勝ち点を獲得したレギュラーシーズン1位の優勝クラブには、「サポーターズ・シールド」と北中米カリブ海サッカークラブNo.1決定戦である「CONCACAFチャンピオンズカップ」への出場権が与えられる。

※「CONCACAFチャンピオンズリーグ」には、東西地区優勝クラブと、2位のうち勝ち点上位の合計3クラブに出場権を与えられる。

  • USオープンカップ

日本でいう「天皇杯」「Jリーグ杯(ルヴァンカップ)」に相応するカップ戦であり、国内トップリーグのMLSからアマチュアリーグまで門戸が開かれている。

正式名称は「ラマー・ハント・U.S.オープンカップ」。設立に関わったラマー・ハント氏の功績を称えたものになっている。

優勝チームには「CONCACAFチャンピオンズリーグ」への出場権が与えられる。

  • MLSオールスターゲーム

レギュラーシーズンの中間となる夏頃に開催される。2日間にわたって開催され、1日目はミニゲーム(オールスター・スキルチャレンジ)が行われる。2日目は各投票によって選ばれたMLSオールスターと招待チームとの対決が行われる。

招待チームは、欧州の名門クラブからメキシコのリーガMXオールスターズらメイン。

  • MLSカップ

ポストシーズンに行われるMLS No.1決定戦。

レギュラーシーズンにおいて東西上位7チームとワイルドカードを勝ち取った1チーム、合計16チームによるトーナメント形式で行われる。

東西それぞれで各トーナメントを組み、1位-ワイルドカード、2位-7位、3位-6位、4位-5位から1回戦が行われる(1回戦はホーム&アウェイ方式で以降の試合はレギュラーシーズン上位チームがホームのワンマッチ)。

最終的に東西カンファレンスのトーナメントを勝ち抜いた代表同士で決勝戦を行う。

優勝チームには「フィリップ・アンシュッツ・トロフィー」賞と「CONCACAFチャンピオンズカップ」の出場権が与えられる(ただしサポーターズシールド賞と2冠を達成した場合は、MLSカップの準優勝クラブに進出権利が与えられる)。


Jリーグでいう「アジアチャンピオンズリーグ」に匹敵する大会。

北中米カリブ海の各リーグを勝ち抜いたチーム同士がトーナメント方式の試合を行い、優勝チームにはクラブワールドカップへの出場権が与えられる。


日本人選手編集

日本人選手は木村光佑が2007年にコロラド・ラピッズ入団したのが最初で2010年にはMLSカップ出場およびリーグ優勝、2013年にはサポーターズ・シールドを獲得した。

元日本代表の加地亮(クラブ・デポルティボ・チーヴァス・USA)、工藤壮人(バンクーバー・ホワイトキャップス)なども在籍した。

2020年からは久保裕也がFCシンシナティに入団。

2023年には元日本代表の吉田麻也ロサンゼルス・ギャラクシーに移籍

(因みに木村光佑はポートランド・ティンバーズ、ニューヨーク・レッドブルズ、ナッシュビルSCにも在籍、現在はナッシュビルSCにコーチとして在籍。)


日本での視聴方法編集

2024年現在は日本でのTV放送は無く、AppleTV+アプリ内のサブスクリプションサービス、

MLSシーズンパスによる独占配信となっている。


余談編集

試合会場は時にアメフト場や野球場を利用して行われることがある。(例:ヤンキース・スタジアム、ローズボウル・スタジアム)

1試合の観客動員数の最高記録は82110人を動員したLAダービー「ロサンゼルス・ギャラクシー対ロサンゼルスFC」(現地時間2023年7月4日(アメリカ独立記念日))。

2020年代のアメリカ本国では、50代後半が主なファン層となっており、日本でいう大相撲のようなマイナー寄りのスポーツと化しているMLBと比べると、MLSはメジャー寄りのスポーツとなっている。ちょうどMLBを幕下とすると、MLSは平幕程度である。

アイスホッケーのNHLは世界的な人気の獲得に失敗し(日本ではDAZNが配信していたが撤退した)、カナダでの人気は高いものの、アメリカ国内は人気や競技人口が減っているため、MLSにとって替わられるのも時間の問題ではないかと意見もあるとかないとか。


参加クラブ編集

ウェスタン・カンファレンス編集

クラブ名ホームタウン加入年備考
ロサンゼルス・ギャラクシーロサンゼルス1996年
FCダラスダラス1996年
コロラド・ラピッズデンバー1996年
スポルティング・カンザスシティカンザスシティ1996年
レアル・ソルトレイクソルトレイクシティ2005年
サンノゼ・アースクエイクスサンノゼ1996年※1.
ヒューストン・ダイナモヒューストン2006年※2.
シアトル・サウンダーズFCシアトル2009年
バンクーバー・ホワイトキャップスバンクーバー2011年※3.
ポートランド・ティンバーズポートランド2011年
ミネソタ・ユナイテッドFCミネアポリス2017年
ロサンゼルスFCロサンゼルス2018年
ナッシュビルSCナッシュビル2020年
オースティンFCオースティン2021年
セントルイス・シティSCセントルイス2023年

イースタン・カンファレンス編集

クラブ名ホームタウン加入年備考
ニューヨーク・レッドブルズニューヨーク1996年
D.C. ユナイテッドワシントンD.C.1996年
シカゴ・ファイアーシカゴ1998年
ニューイングランド・レボリューションボストン、プロビデンス1996年
コロンバス・クルーコロンバス1996年
トロントFCトロント2007年
フィラデルフィア・ユニオンフィラデルフィア2010年
モントリオール・インパクトモントリオール2012年
ニューヨーク・シティFCニューヨーク2015年
オーランド・シティSCオーランド2015年
アトランタ・ユナイテッドFCアトランタ2017年
FCシンシナティシンシナティ2019年
インテル・マイアミCFマイアミ2020年
ナッシュビルSCナッシュビル2020年
シャーロットFCシャーロット2021年

参加予定クラブ編集

クラブ名ホームタウン加入年備考
サンディエゴFCサンディエゴ2025年

撤退したクラブ編集

クラブ名ホームタウン所属期間
マイアミ・フュージョンフォートローダーデール1998年 - 2001年
タンパベイ・ミューティニータンパ1995年 - 2002年
クラブ・デポルティボ・チーヴァス・USAロサンゼルス2005年 - 2014年
サクラメント・リパブリックFCサクラメント無期限中断

※1・2.1974年から1982年まで存在したNASLに所属していた「サンノゼ・アースクエイクス」の名を1996年創立の「サンノゼ・クラッシュ」(San Jose Clash)が1999年に引き継いだが2005年シーズン終了と共にテキサス州ヒューストンへ移転、「ヒューストン・ディナモ」に改名。(クラブ名、ロゴ、クラブの歴史、経歴等は保留扱い。)2008年から新たな「サンノゼ・アースクエイクス」が誕生した。

※3.バンクーバー・ホワイトキャップスは1974-1984までNASLに参加。

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