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概要編集

セリエAとは英語で「シリーズA」の意味であり、先に記述した通り、イタリア国内のあらゆるプロスポーツの一部リーグの事を指す。以降、セリエB・セリエCとなっている。

日本においては、サッカーのセリエAが特に有名で、それ以外のスポーツでもセリエAが用いられている事を知る人は少ない。(ただしバレーボールファンの界隈ではバレーのセリエAも世界最高峰のリーグとして知名度がある。)


かつては豊富な資金力とイタリア人気質の超放漫経営が組み合い、全世界オールスター軍団ともいえる世界最高峰の名をほしいままにしたリーグだったが、イタリア国内の根深いマフィア問題とも無関係ではいられず八百長問題の発覚と放漫経営のツケにより低迷。経営健全化途上のクラブも多く、その煽りをもろに受けたACミランインテル・ミラノの凋落により、長いことユベントス一強時代が続いていたが20-21にインテルが覇権を奪還。ナポリやアタランタといった勢力が勃興している。


スクデット編集

優勝したチームには翌年にスクデットという、盾の形を模したイタリア国旗のエンブレムをつけることが許される。これが転じてセリエAで優勝すること自体を「スクデットを獲得する」などと表現することも。

またこれとは別に、10回優勝する毎に星一つがエンブレムの上に追加される。戦前から存在する歴史の長いリーグとはいえ10回もの優勝歴があるチームはやはり限られており、エンブレムにこの星がついているチームは強豪もしくは古豪の証といえるだろう。中でも下記のユベントスとインテルについては、優勝回数が20回を突破しているため星が2つ付けられている。



歴代の名選手編集

ジュゼッペ・メアッツァ:現在のインテル・ミラノに所属していた、初代サッカーセリエA得点王。その功績を讃えてインテルのホームスタジアムは、ジュゼッペ・メアッツァと呼ばれている。


ミシェル・プラティニ:かのナポレオン・ボナパルトになぞらえて「Le Roi」(王)と呼ばれたフランスサッカー史上屈指のゲームメーカー。日本では「将軍」と訳されることが慣例化している。MFでありながら、リーグ得点王に輝くなどそのプレーは今でも語り草。引退後はFIFAの副会長も務めたが、汚職事件により退任した。


マルコ・ファン・バステン:90年代のACミランにおいて、ルート・フリット、フランク・ライカールトと共にオランダトリオとして、伝説的な活躍をした。ただし膝の怪我で稼働期間は短かった。


ロベルト・バッジョ:今も至高のファンタジスタとの呼び声の高い、ポニーテールとイケメンな顔立ち、口周りのヒゲがトレードマークのイタリア人。インテル・ACミラン・ユベントスのイタリア3大名門クラブに全て所属経験のある数少ない選手。


パオロ・マルディーニ:高額の移籍金が発生する昨今のサッカー界において、数少ない単一クラブで選手生活を全うした、ACミランの生ける象徴。現役時代での背番号3は現在欠番扱いだが、彼の息子に受け継がれる可能性は残されている。


主なチーム編集

インテル・ミラノ編集

ミラノに拠点を置く強豪。ユニフォームのカラーになぞらえて、愛称はネッラズーロ(黒と青)。長友佑都が中心選手として長く所属していた。サポーターの総称はインテリスタ。

イタリアを代表するクラブなのに、イタリア人選手が極端に少ない。酷い時はスタメン11人全員が国外選手という時も。…が、これはチーム創成期から「国際色豊かなチーム」という路線を掲げ続けているという事情も大きく、20世紀前半の時点で既に外国選手を多く受け入れていた。そもそも"インテル"とはインテルナツィオーレ、即ちインターナショナルという意味であるので、名実共に国際的なチームであるといえる。


2023-24シーズン、20回目のスクデットを獲得。2024年現在、セリエA発足時からの参加チームで唯一セリエB以下への降格経験がない。


ACミラン編集

インテルと同じスタジアムを拠点とする強豪。愛称はこれもユニフォームのカラーになぞらえて、ロッソネロ(赤と黒)。サポーターの総称はミラニスタ。インテルとの直接対決はミラノダービーと呼ばれ、ファッションの街が赤と青の2色に染め上がる。

現在UEFAチャンピオンズリーグの制覇回数が7回と、ヨーロッパのプロクラブの中でも第2位。(第1位はスペインのレアル・マドリード

世界規模での超名門であるが経営不全からの脱却を目指した結果、成績低迷が続いていたが近年になって復活してきた。


2021-22シーズン、11年ぶり19回目のスクデットを獲得。

2013年に本田圭佑が背番号10を背負って移籍していた。


ユベントス編集

2006年のカルチョスキャンダルの発端となった古豪。イタリア最大の自動車メーカー・フィアットのバックアップを受ける、自他ともに認める「イタリア界の盟主」である。日本のプロ野球でいう読売ジャイアンツというべき強豪かつ人気チームでサポーターはユベンティーノと呼ばれる。スキャンダル発覚により降格処分を受けるまで、2部転落を経験してないチームだった。

セリエA優勝36回は最多。10年代はミランとインテルの凋落もあって国内では敵なしの状態が続いていたが、現在は中心選手のC・ロナウドが抜けたことや監督人事のゴダゴタもあって再建中といったところ。


ASローマ編集

かつて中田英寿も所属した首都ローマの名門クラブ。サポーターはロマニスタと呼ばれる。同じ都市にライバルチームのラツィオが居り、ミラノダービーよりも過激度が上。


ナポリ編集

かの「天才」にして「神の子」、ディエゴ・マラドーナが現役時代にそのキャリアで最も長く所属したクラブ。彼のつけた「10番」は現在永久欠番となっている。

欧州のビッグクラブにおいて、エースナンバーの代名詞とも言える「背番号10」が永久欠番となっているのは非常に珍しい。当然というべきビッグネームであるが。

チームが破産していたこともあったが、現在はイタリア南部の強豪として再び上位争いにも絡んでいる。2022-23シーズン、33年ぶり3回目のスクデットを獲得。


SSラツィオ編集

ASローマとは同じスタディオ・オリンピコを本拠地とするが、広くラツィオ州に支持者を持つクラブ。

1999-2000シーズン、2度目のスクデットを獲得して以降は株式上場などが裏目に出て低迷しスター選手を次々に放出しなければならないほど経営状態が悪化し、セリエBの危機に見舞われる時期もあった。2023年から鎌田大地が在籍。


アタランタBC編集

ミラノの近郊の都市ベルガモのクラブ。正式名称は「アタランタ・ベルガマスカ・カルチョ」優秀な選手を育成して他クラブに売ることに定評があり、近年のサッカークラブにしては珍しく経営破綻をしていない。最近ではセリエA上位やチャンピオンズリーグ8強に進出するなど強豪になりつつある。

イタリアのクラブには珍しく地名ではないアタランタというのはギリシャ神話の女神様から。某ゲーム某キャラの衣装にユニフォームを使ってくれないかと思うところ。


フィオレンティーナ編集

クラブカラーからヴィオラ(イタリア語で「紫・菫色」)の愛称で呼ばれ、全盛期にはリーグ戦、コッパ・イタリア、カップウィナーズカップなどで優勝を経験するなど、インテル、ミラン、ユヴェントス、ローマなどのトップグループに次ぐ強豪クラブとして確固たる地位を築いた。

1990年代後半における放漫経営の結果主力選手の放出、2002年には親会社が破綻し名称の使用権も旧クラブの債権者に渡ってしまう。更に4部リーグ(セリエC2)に強制降格されクラブは解散したが、新会社を設立して新チーム設立、名称の使用権も買い戻して再建された。

2004年に中田英寿を獲得するなど日本にも縁がある。


サンプドリア編集

1980年代には積極経営の下で、セリエAを代表するチームに成長し、1990-91シーズンにセリエA優勝。

ジェノヴァを本拠地とする古豪ジェノアCFCとはライバル関係にあり、両クラブの対戦はデルビー・デッラ・ランテルナ(灯台ダービー)と呼ばれる。

日本人は柳沢敦吉田麻也が所属。


ボローニャ編集

イタリア・エミリア=ロマーニャ州ボローニャを本拠地とするサッカークラブチームで1909年に創立。第二次世界大戦以前はイタリア屈指の強豪として知られ、セリエAが創立されてから1度優勝。1980年になってから低迷、降格と昇格を繰り返す。

日本人は中田英寿、冨安健洋が在籍した。


関連タグ編集

サッカー イタリア 長友佑都 インテル・ミラノ


かつて在籍した選手編集

※全員日本代表経験者。

大黒将志(トリノ 2006-08)

小笠原満男(メッシーナ 2006-07)

冨安健洋(ボローニャ 2019-2021)

中田英寿(フィオレンティーナ 2004-06、ボローニャ 2004、パルマ 2001-04、

ASローマ 2000-01、ペルージャ 1998-00)

中村俊輔(レッジーナ 2002-05)

長友佑都(インテル・ミラノ 2011-18、チェゼーナ 2010-2011)

名波浩(ヴェネツィア 1999-00)

本田圭佑(ACミラン 2014-17)

三浦知良(ジェノア 1994-95)

森本貴幸(カターニア 2012-13、ノヴァーラ 2011-12、カターニア 2006-11)

柳沢敦(メッシーナ 2004-06、サンプドリア 2003-04)

吉田麻也 (サンプドリア 2020-2022)

鎌田大地(ラツィオ 2023)

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