フィレンツェ
ふぃれんつぇ
その名の由来にちなんで「花の都」(fioreは現代イタリア語で「花」の意)とも呼ばれる古くからの都であり、中心部は世界遺産に指定されている。そのため観光産業が発達している。また、歴史により繊維業および金属加工業も発展している。
トスカーナ地域にあり、古代ローマ時代には都市として存在していたとされる。歴史として残るのは紀元前1世紀に共和制ローマの植民地(正確には植民都市)となった。
中世初期には神聖ローマ帝国に支配されたが、12世紀初めに自治権を獲得、12世紀の終わりには支配下から離れ、13世紀には共和制を敷くフィレンツェ共和国となった。
これにより格のそれほど高くない貴族や規模の大きい商人などの富裕層による支配体制が敷かれ、支配者階級の闘争はあったものの、当初の交易に加え毛織物、金融などにも進出し、文化的、商業的に非常に発展した都市となった。
しかし、14世紀後半ごろより銀行を営んでいたメディチ家が支配するようになり、周辺都市(当時イタリアはいくつもの都市国家に分裂していた。たとえばミラノなど)と戦争したり、海への出口となるピサ(イタリア半島中西部に位置する都市。ティレニア海に面し、ピサの斜塔で有名)、さらにはローマ法王との関係も持つようにもなった。そしてメディチ家は一旦は追放されるも権力を取り戻し、共和制を骨抜きにするような状態にしたが、その裏でルネサンスを推進し、文化の中心地となった。
しかし、15世紀後半から16世紀前半にかけてローマ教皇シクストゥス4世と対立、メディチ家の当主が暗殺されかけたり、戦争になったり、ボルジア家(スペインのバレンシア発祥の貴族、15世紀から16世紀のイタリアにおいて権力を誇った。チェーザレ・ボルジアやルクレツィア・ボルジアが有名)と先の教皇一派との闘争に巻き込まれ一時メディチ家が追放され、ジローラモ・サヴォナローラという僧侶が権力を握り、フィオレンティーナ共和国が成立ものの、あまりにストイックだったため市民によって処刑されたり、スペインの後ろ盾でメディチ家が復帰し、さらにローマ教皇を排出したりしたものの、ローマで発生した略奪行為のため再度追放されて3年後に帰還したりした。
そして1532年にアレッサンドロ・デ・メディチはフィレンツェ公となったため、フィレンツェ公国となり、名実ともに共和制は廃止された。
そして1569年にトスカーナ大公国(フィレンツェ公のほかにトスカーナ大公の称号を得たため)となる。17世紀初めまでは都市は繁栄していたものの、経済の中心がスペインなどからイギリスやフランスに移るに従い、没落していった。
また、18世紀の前半にメディチ家が断絶した際、ちょうどマリア・テレジアとの婚姻の見返りでロレーヌ(フランスとドイツの国境付近、ベルギー周辺も)をフランスに渡す必要があり、そのため領地を失ったフランツ1世が入り、ハプスブルク・ロートリンゲン家により支配されることになった。これはナポレオンがイタリア半島を支配した時以外は続いた。
そして1860年、国民投票により教皇領(ローマ教皇が所有する領土、ローマなどイタリア半島中部を占めていた)などと共にサルデーニャ王国(イタリア北部に存在した王国、のちにイタリア全土を支配しイタリア王国となる)に併合される。
このような歴史を持つため、イタリアの中近代を扱う場合、必ずと言っていいほど出てくる都市である。
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