語源
儒学の典籍『易経』にその典拠が求められる。
『易經』觀、「觀國之光。利用賓于王」
国の光を観る。用って王に賓たるに利し。
(国の栄光を観る様である。王の賓客となるときに用いるのによい。下の衆民の輿望を荷って君主を輔ける)
「国の光」とは、君主の盛徳とその教化の美とをいう。「観る」というのは、下からいえば観望・観仰することであり、上からいえば観す(しめす)ことであって、国家の政教に関する。国君は国内の賢者を賓客として礼遇する風習があり、また外国の君主・使臣を賓遇する。
以上の典拠から、「観光」は「国の文物・礼制を観察してよく知る」という意味になり、更に「国の政治や風俗を遊覧し視察する」という意味や「名所・旧跡を遊覧する」意味となった。
ちなみに、上記の様に好い意味であるため、室町時代の大永改元の際(後柏原天皇の時代)、同じ典拠で「観国」という元号案が出されたことがある。恐らくは「がんこく」と読むのであろう。
概要
日本での観光の歴史は古く、平安時代には既に「吉野の桜を見よう」「大阪湾で海を眺めてきた」「琵琶湖って広くて素敵」「葵祭はさすが物々しくて素晴らしい」などといった観光の感想文が書かれている(「枕草子」などがその代表)。
旅そのものは有史以前から行われてきたが、それは定住しない人々が旅暮らしを送るというものであり、行商人や職人が各地を放浪するというものであった。あるいは、税を納めるために都への旅を強いられる人々も多かった。
古代から中世においては、楽しみを求めて行う旅と言えるのは神社・仏閣にお参りするついでに和歌を詠んだりきれいな景色を眺めたりするというパターンしかなかった。古くは旅行者向けの為替や宿も発達しておらず、山賊や海賊に襲われることも多かったので、ごく一部の身分の高い人を除いて、旅のハードルはとても高いものだった。
旅が一般化したのは、幕藩体制の確立した江戸時代の中盤以降。街道筋には宿泊施設の旅籠や木賃宿、飲食や休息をとるための茶屋、移動手段の馬や駕籠が置かれ、為替も行われ、身軽に旅ができるようになった。旅行者向きのガイドブックや地図も出版された。庶民も一泊程度の近場の旅を気軽に楽しむようになり、その気になれば伊勢参りなどの長旅も手が届く存在になった。
現代は交通機関が発達して、世界中ほとんどどこへでも(南極ツアーすらある)観光に行けるようになったが、あえて長距離を歩くことを楽しんだり、自転車や船など、低速な交通機関で何日もかけて移動することを好む向きも存在する。
また、消費者の節約志向から「安・近・短」のレジャーが主流となるにつれて、大都市近郊の日帰り小旅行も再注目を集めている。
観光にまつわるもの
交通機関
バス 観光バス 自動車(自家用車、レンタカー) バス停 バスターミナル
オートバイ 自転車 ロープウェイ/ロープウェー ケーブルカー
観光する時の移動方法
観光スポットのジャンル
宿泊
ホテル 宿 宿屋 ペンション 旅館 テント キャンプ場 ブルートレイン