概要
滋賀県に所在する面積約670平方キロメートルの日本最大の湖。滋賀県の面積の約6分の1を占める。
淀川の源流であり、琵琶湖に流れ込んできた川の水が、琵琶湖から瀬田川、宇治川、淀川と名前を変えて大阪湾まで流れている。
全域が宇治川、瀬田川、高時川などとともに淀川水系の本流を構成する一級河川に指定されている。
琵琶湖の最も狭い部分には琵琶湖大橋が架かっており、これより北側を北湖、南側を南湖と呼ぶ。北湖は深く広く、南湖は狭く浅い。南湖沿岸の大津市・草津市は市街地化が進んでいる一方、北湖には日本で唯一の「淡水湖に浮かぶ有人島」沖島(近江八幡市)があり、近江舞子(大津市)は湖水浴場を擁する「湖水のマリンリゾート」地として知られる。
歴史と自然
カスピ海・バイカル湖などと並び世界でも有数の古い起源をもつ古代湖のひとつ。かつては自然豊かな美しい湖であり、魚類や底生動物など1000種類以上の動物種を育んでいた。湖では魚が豊富にとれ、若狭湾で陸揚げされた物資が琵琶湖上の水運を介して京都や大阪に運ばれ、周辺の町は琵琶湖の恵みで栄えた。
しかし、太平洋戦争中から戦後にかけて、琵琶湖を関西圏の水がめとして使う(ダム化)ために行われた自然改造、および食糧増産のための内湖の干拓により琵琶湖の自然は大きく損なわれ水質も悪化。漁獲高も激減し、オオクチバスやブルーギルをはじめとする外来種の侵入が生態系の衰退に追い打ちをかけた。
琵琶湖を抱える滋賀県は全国の中でもとりわけ環境意識が高く、自然保護運動が活発である。リンをふくむ合成洗剤の使用を控える「石けん運動」などは滋賀県発であった(現在は合成洗剤も無リン化されている)。滋賀県は1980年には「琵琶湖条例」を定めて包括的な排水規制に乗り出し、翌1981年には7月1日を「琵琶湖の日」と定め、毎年この日には県民による琵琶湖清掃作業を展開している。1992年7月1日には「ヨシ群落保全条例」を制定し、水質浄化の機能を有する湿地帯の保全を謳っている。こうした一連の取り組みにより、現在では琵琶湖北湖の水質は良くなったが、琵琶湖南湖の水質は依然悪いままで、無酸素化による魚の大量死もしばしば発生する。これは高度経済成長期に行われた砂採取で湖底を荒らされたためである。
なお、琵琶湖はもともと現在の三重県伊賀市あたりに約440万年前に誕生し、それから形を変えながら北上し、およそ400万年かけて現在の地に落ち着いた。琵琶湖はさらなる北上を続け、遠い将来には日本海と繋がるという仮説も提案されているが、異説も提示されており、はっきりしない。
フィクションでの扱い
フランケンシュタイン対地底怪獣では、フランケンシュタインが潜伏していた。
またサンダ対ガイラではサンダが潜伏しており、その際にサンダから剥離して海に流れ出た体組織から、ガイラが誕生している。