概要
東宝とアメリカの映画会社との連帯によって制作された特撮映画。
当初は20世紀フォックスが計画していた「フランケンシュタインの怪物がキングコングと戦う」という企画が東宝に持ち込まれ、映画化権を得た東宝によって実現したもの(因みにこの時キングコングの要素を生かして完成されたのがキングコング対ゴジラである)。
当初は対戦相手にゴジラをという企画(『ゴジラ対デビル』)もあったが、紆余曲折の末新怪獣であるバラゴンと戦う事となった。海外のプロダクションとの共同制作なため、海外進出を視野に入れて制作されている。また、『フランケンシュタイン対デビルフィッシュ(恐らく大ダコ)』という案もあった。
明るいヒーロー路線へとシフトしていったゴジラシリーズとは対照的に、終始シリアスでホラーテイストなストーリーとなっている。
興行的には成功し、翌年には姉妹作『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』が公開された。こちらはキャストや設定が一部共通しているものの、本作には直接つながらないパラレルワールド的な続編となっている。
あらすじ
第二次世界大戦の末期、ドイツから広島市の軍病院にあるものが持ち込まれていた。それは「フランケンシュタインの心臓」と呼ばれるもので、永遠の命を持つ不死身の兵士の創造を計画していた日独の研究成果だった。
しかし、米軍が投下した原爆によって広島は壊滅。爆心地付近に存在した軍病院も焼失し、「心臓」の存在は闇に葬り去られたかに思われた。
15年後の1960年。広島で飼い犬や小学校のウサギが浮浪児に捕食される事件が多発する。
その後、放射性医学研究所で、研究員のボーエン博士と助手の戸上季子は、広島市でタクシーにひき逃げされていた件の浮浪児の少年を保護する。少年は放射能に耐性があるという謎の白人種だった。
少年は異常なまでに急速に成長し、遂には巨人になってしまう。この少年こそが、広島の原爆を耐え抜いたフランケンシュタインの心臓が成長した現代のフランケンシュタインだったのだ。
同じころ、秋田県の油田が謎の地震に見舞われ崩壊する。犯人の正体は、中生代の終わりに地底に潜っていた事で絶滅を免れていた古代生物バラゴンだった。
結末について
本作には以下のような2つの結末が存在している。
- フランケンシュタインがバラゴンを倒した後に地割れに飲み込まれる。
- バラゴン死亡後、突如出現した大ダコにフランケンシュタインが襲われ湖に沈む。
前者は劇場で公開された際の結末。後者は近年まで「海外では『キングコング対ゴジラ』の大ダコ登場シーンが好評だった為、海外公開用に撮り直された」という説が信じられていたが、後に「日本でテレビ放映された時に新規に作られたもの」という真実が明らかになった。
実際の海外版は日本版と同じ結末だが、残虐シーンが多少追加されている。
また、これらとは異なる第三の結末が存在するという説もあるが、関係者は否定している。