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フランケンシュタイン対地底怪獣

ふらんけんしゅたいんたいばらごん

フランケンシュタイン対地底怪獣とは、1965年公開の特撮映画である。地底怪獣と書いてバラゴンと読む。
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概要編集

東宝アメリカの映画会社ベネディクト・プロとの連帯によって制作された特撮映画

当初は20世紀フォックスが計画していた「フランケンシュタインの怪物がキングコングと戦う」という企画が東宝に持ち込まれ、映画化権を得た東宝によって実現したもの(因みにこの時キングコングの要素を生かして完成されたのがキングコング対ゴジラである)。


一時は『ガス人間第一号』の続編として、死亡したはずのガス人間水野が生きており、藤千代をよみがえらせるためにフランケンシュタインの心臓を狙う『フランケンシュタイン対ガス人間』という脚本が関沢新一により執筆されたが、同じ変身人間シリーズの派生作品である『マタンゴ』が興行的にヒットしなかったこともあって企画は頓挫。怪獣映画として企画は再始動した。


当初は対戦相手にゴジラをという企画(『ゴジラ対デビル』)もあったが、紆余曲折の末新怪獣であるバラゴンと戦う事となった。海外のプロダクションとの共同制作であるため、海外進出を視野に入れて制作されている。相手方のベネディクト・プロからは『フランケンシュタイン対デビルフィッシュ(恐らく大ダコ)』というプロットが出され、これをもとに『フランケンシュタイン対ゴジラ』として脚本が完成。対戦相手を新怪獣バラゴンにした形で本作に至った。


明るいヒーロー路線へとシフトしていったゴジラシリーズとは対照的に、終始シリアスでホラーテイストなストーリーとなっている。

『ガス人間第一号』の続編企画が原型のひとつだったこともあってか、異形の者の悲哀という変身人間シリーズに通じるテーマも描いている。


興行的には成功し、翌年には姉妹作『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』が公開された。こちらはキャストや設定が一部共通しているものの、本作には直接つながらないパラレルワールド的な続編となっている。


あらすじ編集

第二次世界大戦の末期、ドイツから広島市の軍病院にあるものが持ち込まれていた。それは「フランケンシュタインの心臓」と呼ばれるもので、永遠の命を持つ不死身の兵士の創造を計画していた日独の研究成果だった。

しかし、米軍が投下した原爆によって広島は壊滅。爆心地付近に存在した軍病院も焼失し、「心臓」の存在は闇に葬り去られたかに思われた。


15年後の1960年。広島で飼い犬や小学校のウサギが浮浪児に捕食される事件が多発する。

その後、放射性医学研究所で、研究員のボーエン博士と助手の戸上季子は、広島市でタクシーにひき逃げされていた件の浮浪児の少年を保護する。少年は放射能に耐性があるという謎の白人種だった。


少年は異常なまでに急速に成長し、遂には巨人になってしまう。この少年こそが、広島の原爆を耐え抜いたフランケンシュタインの心臓が成長した現代のフランケンシュタインだったのだ。


同じころ、秋田県の油田が謎の地震に見舞われ崩壊する。犯人の正体は、中生代の終わりに地底に潜っていた事で絶滅を免れていた古代生物バラゴンだった。


結末について編集

本作には以下のような2つの結末が存在している。

  1. フランケンシュタインがバラゴンを倒した後に地割れに飲み込まれる。
  2. バラゴン死亡後、突如出現した大ダコにフランケンシュタインが襲われ湖に沈む。

前者は劇場で公開された際の結末。後者は近年まで「海外では『キングコング対ゴジラ』の大ダコ登場シーンが好評だった為、海外公開用に撮り直された」という説が定説であったが、これは厳密には誤りとされている。

確かに『キングコング対ゴジラ』の大ダコ出現シーンが海外で人気を博し、本作でもフランケンシュタインと大ダコの対決が検討され、大ダコ版の脚本は海外向けに作られていた。

しかし実際にはベネディクト・プロ側の判断で大ダコ版は使用されず、海外向けに新たなシーンを撮影している。

これはオリジナル版の上映時間がアメリカの上映規定に足りず上映できなかったための措置で、フランケンシュタインが警察官を踏みそうになり足を退けるカットと、アパートで季子にフランケンシュタインが別れを告げる場面で、フランケンシュタインを追うパトカーが転覆炎上するカットがそれぞれ追加されている。

大ダコ版の初お披露目は1971年に日本テレビ系列「木曜映画劇場」だったとされる。

本多猪四郎・円谷英二ともにオリジナル版の結末は国内の封切に間に合わず急遽撮影したことを示唆しており、「東宝特撮映画大全集」は「大ダコ版こそが本作の完成版であり、テレビ放送や初期のソフト化で大ダコ版が採用されたのはこのためだったのではないか」としている。


また、これらとは異なる第三の結末が存在するという説もあるが、関係者は否定している。


登場怪獣編集

東宝版フランケンシュタイン


バラゴン


大ダコ


キャスト編集

川地堅一郎:髙島忠夫

ジェームス・ボーエン博士:ニック・アダムス

戸上季子:水野久美

河井大尉:土屋嘉男

フランケンシュタイン古畑弘二

岡山県警本部長:田崎潤

大阪警視庁幹部A(大阪府警察幹部A):藤田進

広島衛戍病院の老軍医(広島衛戍病院軍医、軍医長):志村喬

須賀博士:中村伸郎

田所警部補:佐原健二

大阪警視庁幹部B(大阪府警察幹部B):伊藤久哉

村田艦長:田島義文

記者A:野村明司

テレビ・ディレクター:加藤春哉

住宅の主人:沢村いき雄

自衛隊幹部A:小杉義男

ハイカー(青年):井上紀明

遠井田鶴子:沢井桂子

ハイカー(若い女、ロッジの女性客):髙橋紀子

リーセンドルフ博士:ピーター・マン

元木:山本廉

病院の事務長:佐田豊

新聞社社員:田武謙三

大学教授:石田茂樹

バラゴン、自衛隊員:中島春雄

テレビ照明マン:中山豊大村千吉

岡本警部(一部資料では岡部警部と記載):桐野洋雄

テレビ・カメラマン:西条康彦

杉山警部:大友伸

トンネル工夫:広瀬正一

巡査:向井淳一郎

農夫:古田俊彦

技師:津田光男

はり丸船長:木村博人

週刊誌の記者:澁谷英男

姫路城の作業員(姫路城掃除婦):宮田芳子

記者:橘正晃岡部正

自衛隊幹部B:緒方燐作

フランケンシュタイン(少年):中尾純夫

リーセンドルフの声:熊倉一雄

ボーエンの声:納谷悟朗


※ 緒方燐作はDVD特典「東宝俳優名鑑」では「遊覧船(はり丸)の船長」と表記されているが誤りである。


スタッフ編集

製作:田中友幸

脚本:馬淵薫

撮影:小泉一

美術:北猛夫

音楽:伊福部昭

監督助手:梶田興治

特技撮影:有川貞昌富岡素敬

特技美術:渡辺明

特技監督助手:中野昭慶

特技監督:円谷英二

監督:本多猪四郎


関連タグ編集

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