概要
広島県の県庁所在地で、政令指定都市。人口約119万人。1970年代の大規模な市町村合併により、市域が大幅に拡大した。
毛利氏、浅野氏の城下町。プロ野球広島東洋カープの本拠地、自動車メーカーマツダの本拠地としても知られる。ただしマツダの本社は、広島市市街地内の府中町にある。
行政区は安芸区、東区、中区、西区、南区、佐伯区、安佐南区、安佐北区の8つがある。市内各地に商業地のある、いわゆる多心型の構造を持つ。
西区・安佐南区は主に住宅街となっており、アストラムラインの大半が通る安佐南区は市内で最も人口が多い。
中国地方を管轄する地方中枢都市の一角だが、札幌市、仙台市、福岡市と比べて広島市は拠点性がやや弱いとされる。これは交通面では岡山市に優位性があることや、隣の岡山県は関西志向が強く、山口県西部は福岡志向が強いという地政的な事情がある。
一方で国際的な知名度が高いことから(20世紀ぐらいまでは、海外が知っている日本の都市は東京、京都、広島だけだったぐらい)、京都市とならび西日本における国際交流の拠点として機能しており、コンベンションなどに注力している。
歴史
戦国時代は毛利氏が支配する城下町として発展。江戸時代初期には福島正則が城主となり、正則の改易後は浅野氏が入城した。
明治時代になると軍事都市として発展し、工業化が進んだ。
1945年8月6日午前8時15分、世界で初めての軍事作戦による核攻撃(原爆投下)が行われ、市は壊滅的な被害を受けた。戦後は急速に復興し、国際平和都市として核廃絶運動の中心地となる(30年は草木一つ生えないなどといわれたため、その復活ぶりは世界が驚くレベルであったという)。
2023年に広島市でG7広島サミットが開催され、ローマ法王訪問なども実現している。
しかし、一方では同年に広島市がHPから劣化ウラン弾の危険性に関する記述を削除していた。こちらを参照。
交通
広島電鉄の路面電車が発達しており、全国最大の路線網を有する。一方で、地下鉄は6つの河川に分断された三角州を掘る難作業となるため、現実的ではなく、計画段階で断念。市内を走るアストラムラインは定義上は地下鉄に分類されているが、他の都市の市営・民営の地下鉄に比べると格段に輸送力は劣る。
このためか全体として車社会である。
100m道路として知られる平和大通りのほか、都市高速(広島高速)が存在する。