概要
刻んだキャベツを、水・小麦粉・卵・(山芋)で溶いた「タネ」に絡めて焼き上げる。
地方によって様々なバリエーションがあり、特にに大阪・広島の二府県にとってはソウルフードというべき位置にいる。
起源についてはあいまいで、少なくとも現在のかたちとなったのは昭和時代とされている。
根っこを掘っていくと、千利休の愛した和式クレープ「麩の焼き」に行きつくという説もある。
大正時代には「一銭洋食」という“具を薄めた小麦粉の生地に乗せて焼く”ものが流行し、これはねぎ焼きやイカ焼き、大阪・岸和田市の「かしみん焼き」などのかたちで現在も残っている。
東北では関東のどんどん焼きという、串や割り箸に巻いて持ち歩くスタイルが同時期かそれ以前に登場し、現在でも山形県のソウルフードとして生きている。
主に知られるのは種にキャベツを混ぜ合わせ、具材とともに焼く「大阪風お好み焼き」、クレープ状の薄い生地に千切りキャベツともやしを重ねて仕上げに中華麺(もしくはうどん玉)を合わせる「広島風お好み焼き」、大阪風に広島風のように麺を合わせて焼く「モダン焼き」、特に東京で勢力を持つ水ほどに薄く出汁で希釈したタネを使ってミディアムレア状態で食べていく「もんじゃ焼き」がある。
味付けはソースにマヨネーズ、トッピングに青海苔と鰹節(削り節)がメジャーだろう。
ソースも地方で事情が変わり、関西では濃厚でスパイシー(オリバーソースの「どろソース」など)、広島では野菜やフルーツを使用した甘口(『オタフクソース』はこの典型)、関東では中濃ソースやそれをベースとした醤油仕立てである事が多い。
このほか、変化球としてポン酢や出汁醤油など、名前通り食べる人の「お好み」で味を付ける場合もある。
これに香川のうどんと福岡のとんこつラーメンが加わる事によって西日本の小麦(と水)の消費量が半端なくなる。
大阪風お好み焼き
特に「お好み焼き」して普及しているのが、キャベツを混ぜた生地をベースとする大阪風である。
焼き方は小麦粉・卵・(山芋)を水で溶き、やや薄めの生地を生成する。
これにキャベツを刻んで混ぜ込み、油を引いた鉄板(フライパン)の上で円形に成型しながら焼いていく。
キャベツ以外の具材は、混ぜ込む・先に焼いて生地の下に敷く・焼いてから載せる・生のまま載せるなど、店や家庭によってスタイルが変わってくる。
一般的なのは豚肉(豚のバラ肉)の薄切りを載せた「豚玉」、イカをふんだんに使った「イカ玉」、イカ玉の海老版「海老玉」、豚・イカ・海老をすべて載せた「ミックス玉」など。
家庭でやる際には、干しエビやスルメで安価に済ます場合もある。
味付けは辛口ソースとマヨネーズ、青海苔と削り節をトッピングする。紅生姜を添える事もある。
お好み戦争
ちなみに広島においてのお好み焼きは「広島焼き」とも呼ばれるが、熱烈な広島風ファンの前では「広島風~」も含めてケンカの火種になるので禁句である。
そもそも双方のお好み焼きの起源自体、枝葉の感覚が少し開いているためか、大阪風好きと広島風好きがお互いにお好み焼きについて語り出すと、喧嘩に発展するのが半ば形式美ともなっている。
また、お好み焼きはおかずになるかどうかという論争も絶えない。
「小麦粉ベースの炭水化物だから主食」という意見、
「肉や野菜が入っているのだからおかずになる」という意見、
「主食としてもおかずとしても中途半端だからおやつ」という意見、
「小麦粉も肉も野菜も入って、食事から軽食おやつ果てには宇宙食までこなせる、他には何もいらない、炭水化物も種々のおかずも余計な付け足しになってしまう完全食(パーフェクト・フード)」という意見、等様々。
それだけ多くの可能性を内包した食べ物と言えるだろう。
その他種類
- どんどん焼き(東北地方)
箸で巻いて作る。岩手県では「薄焼き」、宮城県では「くるくるお好み焼き」と呼ぶ。
- しぐれ焼き(静岡県富士宮市周辺)
富士宮焼きそばを上に乗せる。
- ヒラヤーチー(沖縄県)
ニラあるいは小ねぎを具材に用いる。宮古島では「ナビパンビン」と呼ばれる。
- 大阪燒(ダーバンシャオ)(台湾)
四角い形状をしている。
関連イラスト
お好み焼き
オリジナル
版権
関連動画
大阪風
広島風
冷凍お好み焼きができるまで
関連タグ
チヂミ…「韓国風お好み焼き」と称される料理。
バインセオ…こちらは「ベトナム風お好み焼き」と呼ばれる。
関連キャラ
久遠寺右京 森井夏穂 日野あかね(どれや) 本町利音 影浦雅人 八色ちも