概要
生物学的には、アブラナ科アブラナ属の多年草Brassica oleracea(カンラン)の一部の品種群を指し、栽培上は一年生植物として扱われる。同じカンラン類にはブロッコリー、ハボタン、カリフラワー、カイラン、メキャベツ、コールラビ、ケールなど多くの変種があり、世界中で広く栽培されている。甘藍(カンラン)はキャベツの和名だが、特に結球キャベツを指して玉菜(タマナ)ともいう。植物学者の牧野富太郎氏によれば、カンランという別名は誤りで、タマナとするのが正しいとのことである。
葉っぱが肉厚で、重なり合って大きな球になっており、これを「結球」という。同じ結球する野菜であるレタスはキク科で系統的には遠い。ただし、キャベツは結球のイメージが強いが、品種によっては結球しないものもある。白菜は同じアブラナ属であるがカンランではなくカブ/ツケナの系統に属する別種。
柔らかく癖のない味で、そのまま刻んで生でも食べられるし、焼いたり炒めたり煮込んだり蒸したり漬物にしたりと、調理のバリエーションも豊富。ビタミンCを豊富に含むほか、胃腸薬「キャベジン」の名前の由来でもあるビタミンUを多く含む。
細胞分裂をうながして胃腸の粘膜の新陳代謝を盛んにし、傷ついた胃腸の粘膜修復に役立つほか、胃酸の分泌を調整する働きもあるとされ、胃腸には良い成分。トンカツなど揚げ物の付け合わせにキャベツの千切りが用いられるのもこの為である。
キャベツを含むアブラナ科の野菜にはがん予防効果があると言われており、イソチオシアネートの効果とも言われている。
花言葉は「利益」。
日本には江戸時代に伝来している。当時、伝来したのは結球しない品種だったようで、「オランダ菜」と呼ばれ、主な用途は観賞用であった。
貝原益軒など、当時の著書にも「おいしい」という感想が残っており、江戸時代にも口にしていた日本人はいたようだが、一般的な食材とは言えなかった。
日本では、観賞用品種として、葉牡丹(ハボタン)が生み出された。
明治になると、結球する品種も栽培されるようになり、徐々に日本の食卓に並ぶようになった。
トンカツにキャベツの千切りという組み合わせも、明治の末あたりに誕生している。
キャベツに関するキャラクター
- 足立透:ゲーム「ペルソナ4」の登場人物。キャベツが大の好物。
- 海馬瀬人:漫画「遊戯王」の登場人物。東映版のアニメの髪の毛が緑色だったためファンからキャベツと呼ばれるようになった。
- キャーベッタ:アニメ「クレヨン王国」の登場キャラクター。野菜の精のひとり。
- キャベ:アニメ「ドラゴンボール超」の登場人物。名前の由来がキャベツである。
- きゃべお:4コマ漫画「きゃべおとなかまたち」の主人公。キャベツのようせい。
- キャベたまたんてい:児童文学小説「キャベたまたんてい」の主人公。
- キャベツ(コロッケ!):漫画「コロッケ!」に登場するバンカー(キャラクター)のひとり。
- キャベツマン:アニメ「それいけ!アンパンマン」の登場キャラクター。
- キャベンディッシュ:漫画「ONE PIECE」の登場人物。名前が長いのでルフィからキャベツというあだ名を付けられてしまった。
キャベツに関する作品
- キテレツ大百科:アニメのOP「お料理行進曲」に「キャベツはどうした」というフレーズが出てくる。
- キャベツUFO:NHK「みんなのうた」に登場する楽曲。
- この素晴らしい世界に祝福を!:この作品に登場する異世界のキャベツは動物と同様に活動し、飛行する。それが常識である。
- 夜明け前より瑠璃色な:アニメにて最早緑色のボールにしか見えない作画崩壊したキャベツが登場。「ハヤテのごとく!」や「深夜!天才バカボン」でも再登場している。詳細はキャベツ検定の項目を参照。
関連イラスト
関連タグ
野菜 食材 食品
紫キャベツ 甘藍 白菜 レタス ケール ハボタン 蕪
サラダ マヨネーズ ロールキャベツ