「いただ禁貨!」
概要
月刊コロコロコミックにて2001年5月号から2006年11月号まで連載。
前作の『学級王ヤマザキ』まで長らくギャグ漫画を描いてきた樫本学ヴによる久々のストーリー作品であり、同氏の作品としては最長連載となった。
次々作の『キメルのyoyo!』シリーズまで樫本作品はストーリー物が続いた。
本作の世界観は禁貨(×印が刻まれた丸い金貨)を貯金箱(バンク)いっぱいまで貯めると『バン王(バンキング)』が現れ、どんな願い事でもひとつ叶えてくれるというもの。禁貨を集める者はバンカーと呼ばれ、バン王に願いを叶えてもらうべく禁貨を賭けた戦いを繰り広げている。本作の登場人物の多くはそういったバンカーである。
2017年からは青年漫画雑誌のコロコロアニキにて、続編にあたる『コロッケ!~BLACK LABEL~』が連載されている。
登場するキャラクターの名前や地名のほとんどが食べ物、料理の名前から取られているため、キーワード検索などではキャラクターよりも元ネタとなった食べ物の方がヒットしてしまうことが多い。健全な作品なら作者名の樫本学ヴ、掲載誌のコロコロコミックタグと併用することで検索が絞りやすくなる。
連載前の予告では、「大衆食堂でおっさんがコロッケ定食を注文し食べる」という茶番の後、「決して食べ物のマンガではありません(※もちろん、ものまねのマンガでもないよ)」という1ページ分の注意書きがなされるという内容が描かれた。
ストーリー
あらすじ
主人公・コロッケは幼いとき、黒マントの男によって父・バーグを殺され、以来バン王にバーグを生き返らせてもらうため旅をしている。
父から受け継いだマンモス3頭分の重さのハンマーと必殺技『ハンバーグー』を武器に仲間たちと共に禁貨を貯めるために、時には友を助けるためにバトルと冒険に突き進む。
バンカーサバイバル編
第1章。優勝すればバンクをいっぱいにできるほどの禁貨が手に入るバンカーサバイバルにコロッケが挑む。
リゾットやプリンプリンなどといったコロッケの主要な仲間たちやアンチョビなどストーリーに大きく関わるキャラがこの時点で多数初登場をはたしている。
次の王様だ〜れだ大会編
カラスミに奪われたグランシェフ王国を取り戻すため、リゾットとコロッケ達が王様だ〜れだ大会でカラスミと四獣士に立ち向かう。
カラスミ四獣士とキャベツがこのシリーズで初登場。本シリーズ連載中にアニメ版がスタートし、作品としても連載中最も人気を集め、人気のピークを迎えたシリーズである。
裏バンカーサバイバル編
カラスミを生き返らせるため、ピザの斜塔で行われる裏バンカーサバイバルにコロッケ達が参戦する。
戦いが進むごとに消えていく仲間たち、クライマックスのアンチョビ父子の悲劇の再会など、作品の中でも特にシリアス色が強いシリーズである。
ビシソワーズパーティー編
最終章。バン王を取り戻すため、コロッケ達はブラック禁貨を探し求めるビシソワーズ兄弟とビシソワーズパーティにて戦う。
登場人物
コロッケ!の登場人物一覧を参照。
アニメ
アニメ版の概要
テレビ東京系にて2003年4月から2005年3月まで全104話が放送された。放送枠は1年目は月曜夕方6:30枠での30分番組。2年目は日曜朝10:00枠のギャグコロスタジオ内にて絶体絶命でんぢゃらすじーさんとセットの10分番組として放送。原作のストーリーは、バンカーサバイバル編と王様だーれだ大会編をオリジナル要素を含みつつアニメ化。
1年目はバンカーサバイバル編の後、アニメオリジナルのドリーム禁貨編とゲーム「コロッケ!3」を題材にしたパプリカ島編を挟み、王様だーれだ大会編を放送。2年目は完全アニメオリジナルストーリーとなる。
原作との違いや変更点
- アニメオリジナルキャラのドロップがコロッケ達に同行。一部エピソードではウィンナー、シャーベットも加わる。
- 死亡シーンは基本そのままだが、流血等の残虐シーンはカットされソフトなものに変更されている。
- 禁貨に人の手が加わるとバンクに入れても効果が無くなった。
- ゲーム「夢のバンカーサバイバル!」に登場したバンカーサバイバル出場者を中心に原作で出番の少なかったいくつかのキャラの出番が増加。
- 原作では最終回に顔が登場するまでその生死について言及されてなかったドリアンがオリジナルエピソードで明確に生存を描く形でストーリーにも係わり、スタッフに気に入られたダイフクーがレギュラー化するなど原作より扱いが良くなっているキャラもいる。
- 原作者の樫本学ヴと妻子をモデルにしたカッシー、アッコ、コッコが大会の観客として登場。
- バンカーサバイバルにおいて、1回戦前にゲーム版からの逆輸入要素である船上でのバトルと準決勝前に食事券をめぐるバトルが追加されている。
- 「王様だ~れだ大会編」において禁貨ゴーグルが登場せず、扉に封印されていたのは禁貨吸い寄マシン「禁貨ホイホイ」に変更。アニメ1期終盤制作時点で原作の王様だ~れだ大会が完結していなかったためか、大会の終盤はアニメ独自の要素が強くなっている。
主題歌
オープニング
- 「ミラクル・ハイテンション!」(1年目) 歌:サイコロコロッケ
- 「情熱の彼方に」(2年目) 歌: 田光マコト
エンディング
- 「VISITOR」(1年目前半) 歌:サイコロコロッケ
- 「Over」(1年目後半) 歌:ナイトメア
ゲーム
いずれもコナミより発売。バン王の危機を救え以外は格闘ゲーム。
コロッケ!夢のバンカーサバイバル!
2002年に発売。機種はゲームボーイアドバンス。
バンカーサバイバルを体験でき、コロッケ以外にもウスター、リゾット、プリンプリン、フォンドヴォーでプレイ可能。
ポーも隠しキャラとして参戦。
コロッケ!禁断の禁貨ボックス!
2003年に発売。機種はプレイステーション。
前作のバージョンアップと言える仕様で、全てのキャラを対戦モードで使用可能。
隠しキャラに四獣士、カッシーが参戦。
コロッケ!2 闇のバンクとバン女王
2003年に発売。機種はGBA。
ここからオリジナルストーリーでかつ原作者描き下ろしのオリジナルキャラが登場。キャラクターボイスも実装された。
雪国を舞台にバンク強奪事件、闇のバンクを巡る戦いに巻き込まれる。
コロッケ!3 グラニュー王国の謎
2003年に発売。機種はGBA。ここからタッグマッチや数字式のパスワードが実装。
南の島「パプリカ島」を舞台に魔王ゴーヤ復活の陰謀に巻き込まれる。
コロッケ!バン王の危機を救え
2004年に発売。機種はPS2とゲームキューブで、GC版はGBAと連動可能。
コロッケを操作する3Dアクションゲームで、イベントはフルボイス。
バン王が消える夢を見たコロッケは夢と同じ町に着くが、バンカーを目の敵にするデミグラ教団に襲撃される。
コロッケ!4 バンクの森の守護神
2004年に発売。機種はGBA。「守護神」はまもりがみと読む。
ローグライクゲームのようなターン制、ストーリー分岐及びマルチエンディングを採用。
コナミゲームキャラバンにてじーさんが配信され、じーさんを使えるカートリッジと通信対戦をしても使用可能となる。
生きてるバンクの故郷「バンクの森」を目指すが、バーグに復讐心を抱くマスタードやバンクハンターに狙われる。
コロッケ!Great 時空の冒険者
2004年に発売。機種はGBA。「時空」はときと読む。
シミュレーションRPGのシステムや手前と奥のラインを行き来するバトルを採用。
過去、現代を巻き込んで未来の侵略者「キンダック軍」と戦う。
コロッケ!DS 天空の勇者たち
2005年に発売。機種はDS。
前作と同様にシミュレーションRPGのシステムだが、マップが3D化。
ストーリーはルートが分岐している箇所があり、敵として戦うキャラや仲間になるキャラが変わる。
過去のGBAの作品とのWスロットで過去のオリジナルキャラクターを追加可能。
禁貨があるという天空世界を目指す。
年齢や身長などについて
元々作者が新しい作品を起こす時に設定に絞られてこぢんまりした話になるのを避けるために最小限の設定しか考えないようにしており、連載1ヶ月前に『冒険もので貯金箱にお金をためる話』という事しか決めておらず、アニメ化の際の会議で作者であるにもかかわらず年齢を聞かれても哀愁の52歳のコノワタを除き全く答えられていない程年齢設定がされていないため、身長と同様にそれぞれ想像して楽しんでほしいと語っている(一部キャラはおっちゃんやじいちゃんと例えられる程度)。
また、物語に関してもファンの皆さんそれぞれ解釈で楽しんでほしいと語っている。
物語は基本的に寄り道をしないと決めていたということなので、2話でいきなりバンカーサバイバルに入り、終了後はすぐに次の王様だ~れだ大会と早く進んでいた。
アニメではその分、寄り道部分が多く追加されている。
作者は物語をきれいに終わらせたという理由から編集長に続編を求められ続けられても断り続けていたそうであるが、当時の担当編集者がコロコロに戻り続編を描こうと言われ続編のコロッケのキャラ案を出されたところ、そのコロッケを描きたくなったため連載終了から11年後に続編として未来を舞台とした『コロッケ!~BLACK LABEL~』を連載することになった。
結局マンモス3頭分って何トン位なの?
コロッケのハンマーの重さの説明で使われるこの表現だが、マンモスの種類によって体重がかなり異なるので、厳密に計算するのは難しい。ここでいうマンモスが一頭約8tのケナガマンモスだとすると24t(中型のフォークリフトくらい)、大きいもので約20tのステップマンモスだとすると60t(ダンプトラックのCAT 775gくらい)ということになる。
因みにコロッケの父のバーグの弟子であるフォンドヴォーの棺桶の重量はアニメでは両者の対決時に「マンモス10頭分」と表現されているが、計算上前者のマンモスの場合80t(74式戦車2台分くらい)、後者の場合200tとなる(原作では棺桶の重さの設定は特に確認できない)。
…いずれにせよこんな重さの物を軽々と扱う二人が只者でないことだけは間違いない。
ただ、この設定があるにもかかわらず、他にもこれらを間接的に持っていても平気な人が多い。(ウスターやアンチョビやドリアンなど)
なお、アニメに登場した偽バーグことタルタルもマンモス10頭分のハンマーを使用している。
関連イラスト
関連動画
関連項目
作者 | 樫本学ヴ |
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雑誌 | コロコロコミック |
姉妹作 | 学級王ヤマザキ |
ジャンル | サバイバル、デスゲーム |
BL | とう腐ころっけ! |
users | コロッケ!100users入り → コロッケ!500users入り |
表記ゆれ | コロッケ! |
:本作と同じ号(月コロ06年11月号)で完結し、同じ号(アニキ18年冬号)で復活した作品。