曖昧さ回避
- 大豆を発酵させて作る調味料。このページではこれについて記述。
- 「ヒーロークロスライン」の1作品、「VOID」の主人公VOIDの愛称。
概要
和食において代表的な調味料。中国料理(醤油)や韓国料理(カンジャン: 간醤)、インドネシア(ケチャップマニス、ケチャップアシン)やタイ料理(シーユー)などでも同じように大豆を醗酵させて作った似た調味料が使われ、それらも醤油と呼びうる。
中国で生まれた醤(ひしお・ジャン)を起源とする説が有力。701年(大宝元年)の『大宝律令』には、醤を扱う「主醤」という役職がある。また、他に903年に成立した辞書「和名抄」には、「比之保(ひしお)」という表記が残っている。
そこから味噌が生まれ、その味噌から醤油が誕生したと考えられている。味噌から液体を絞り出したのが醤油の基本形であり、これは「たまり」と呼ばれた。鎌倉時代には原型があったとされる。ただ、本格的に日本国中に広まるのは、戦が少なくなり、商業が活発化した戦国時代後期(安土桃山時代)から江戸時代にかけてのことである。
なお、当時は「醤油」という単語は、酢を指すことが多かったようで、醤油は「簀立(すたて)」や「溜まり」と呼ばれていたようだ。江戸時代の初期頃、醤油を「醤油」と呼ぶようになり、「すたて」や「溜まり」は、醤油の製法を指すように変化し、今に至っている。
日本の伝統的な調味料としては、比較的、新参であるが、現代では日本料理の根幹をなす調味料として不動の地位を得ている。
一般的には大豆と小麦、米に塩を混ぜてコウジカビによる発酵により製造されるが、製法によっては小麦を使わないものもある。中には大豆を使わない製法もあるが、JAS規格上は大豆を使わないと醤油を名乗ることができない。
『たまり』(溜り)、『こいくち』(濃口)、『うすくち』(淡口)、『さいしこみ』(再仕込み)、『しろ』(白醤油)などが有り、製法によって『本醸造醤油』(または生醤油〈きじょうゆ〉)、『新式醤油』、『なましょうゆ』または『なまじょうゆ』(生醤油)に分かれる。
また、タイのナンプラーやベトナムのニョクマム、古代ローマのガルムは小魚を醗酵させて作る似たような調味料なので、魚醤と呼ばれる(魚醤自体は日本でも作られる。秋田のしょっつる等)。
更にこれらの醤油や魚醤の製法はマレーシア経由でヨーロッパにも伝わり、キノコや野菜を材料として作られるようになった。これがケチャップの起源である。
英語でもソイソースと呼ばれ、味噌と並び日本を代表する味として世界的に親しまれる。
(鹿児島弁での呼び名「そい」に由来…というのは間違い)
醤油は江戸時代から出島のオランダ商人を通じてヨーロッパや東南アジアにも輸出されており、ブルボン王朝の食卓にも上った記録は残されており、「ルルヴェ」なる料理に使用されたというが、この料理がどんなものかはレシピが残されていない。
このソイソースが由来で大豆は「ソイビーンズ」、他の大豆加工品は「ソイ~」と呼ばれるようになった。
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醤油
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醤油ができるまで