検索時の注意
ゲーム『原神』に登場するスクロース(原神)の中国語表記がそのまんま「砂糖(シャータン)」でもあるため意図せず検索妨害を引き起こしている。実際pixivで「砂糖」と検索して引っかかるのは8割がた彼女のイラストである。
「原神」「Genshinimpact」「genshinimpact」を除外した検索結果
概要
甘味のある植物(サトウキビ、甜菜、サトウカエデ、サトウヤシなど)を絞って得られた液を精製して作る調味料。グルコース(ブドウ糖)とフルクトース(果糖)が結合したスクロース(蔗糖)が主成分。塩の対極に位置する。
かつては熱帯・亜熱帯で栽培されるサトウキビからしか生産できない貴重品で、砂糖をふんだんに使った甘味は贅沢品であった。古代、中世の西洋では主に甘味料として蜂蜜が用いられた。
この事情は日本でも同じで、現在の日本料理や和菓子では砂糖が多用されるが、砂糖の大量供給が始まるまでは水飴が同様の用途に用いられていた。
19世紀の産業革命以降、近代技術により寒冷地で栽培されるビート(甜菜、サトウダイコン)からの精糖技術が確立し、現在は甜菜も主要な砂糖原料となっている。
ちなみに砂糖は塩同様に変質しにくい(腐敗しにくい)特徴から賞味期限や消費期限を記さなくてもよい様になっている。その為、適切な保存方法をすると何年でも持つ。
主な用途
お菓子の原料に用いられるほか、お茶やコーヒーといった飲み物の甘味料に用いられる。濃厚な砂糖は保存性を高めるためジャムやコンポート、砂糖漬けにも活用される。
タイ料理や日本料理、韓国料理などのアジア料理では砂糖が多用される。フランス料理やイタリア料理などの西洋料理でも砂糖を使ったソースなどがないわけではないものの、「隠し味」レベルを超えた砂糖の使用はタブー視されがちで、砂糖ではなくタマネギをじっくりと炒めて甘みを出していることが多い。
大学芋のように砂糖や水飴を大量に使った料理は、西洋人にとって料理ではなくお菓子に見えるという。西洋人が「甘く煮た豆」が苦手なのもそういった感覚があるためだろう。
いろいろな砂糖の製品
精製した砂糖(スクロース)に転化糖液を振りかけたもの。料理への味しみが良い。日本で最も消費量の多い砂糖であり、単に「砂糖」・「白砂糖」と言えばこれかグラニュー糖のことを指す。
粒の細かい白砂糖で、ほぼ純粋なスクロースである。上白糖よりも水に溶けやすく、世界的にはこちらの消費量の方が圧倒的に多い。
グラニュー糖を四角く固めたもの。
グラニュー糖を細かく砕いたもの。
無精製の砂糖。豊富なミネラルを含む。水に溶けにくく、ブロック状の塊で売られている。製造工程上、ボツリヌス菌の芽胞を含んでいる場合があり、1歳未満の乳児の食用は勧められない。
- 三温糖
上白糖とグラニュー糖を分離して残った糖液にカラメルを混ぜた褐色の砂糖。ミネラルは白砂糖よりは多いが微々たるものである。しかし、塩と明確な色の違いがあるため、間違えないように愛用する人もいる。
- きび砂糖
精製途中の砂糖を煮詰めて作ったもの。黒糖ほどではないが若干のミネラルを含む。黒糖と同じくボツリヌス菌芽胞を含む場合があるので注意。きび砂糖の名は日新製糖の登録商標であり、他社の同等品は「きび糖」などの名で売られている。
大きく固めた砂糖。
褐色の氷砂糖。
白双糖(しろざらめ)とも。綿菓子の原料。
砂糖から作った液状の甘味料。サトウキビ糖の副産物として生産される廃糖蜜(モラセス)とは別。ガムシロップはスクロースのシロップではなくぶどう糖果糖液糖であることが多い。
- 黒蜜
黒糖から作った糖蜜。
- パールシュガー
焼き菓子の表面にまぶしたりする。
- パームシュガー
サトウヤシ、ココヤシなどのヤシ類からとれる砂糖。
細やかな粒子と柔らかな口どけが特徴の砂糖。名前の由来は『盆の上で三度研ぐ』ことから。
歴史
サトウキビからの砂糖製造は古代インドやペルシャで始まった。ヨーロッパへの本格的な砂糖の輸入は、10世紀末から十字軍遠征時代になってからで、大航海時代になって中南米進出後の侵略で得た土地に、大量生産する事で製糖産業を確立させた。
19世紀初頭のヨーロッパではナポレオン戦争時の海上封鎖で、サトウキビの代用作物としてビート(甜菜、サトウダイコン)が注目を集め、砂糖の自給を目的としてヨーロッパ各地に甜菜糖業が広まった。しかし、ビートからの砂糖生産は技術的に困難が多く産業的に確立したのは1850年ごろになってからと言われている。
日本では鑑真上人によって伝来して以降、珍重されたが中世までは国外からの輸入品しかなく、稀少価値の高さから薬として使うか高級菓子の原料にもっぱら用いられていた。その頃の甘味料といえばもっぱら水飴かアマヅラ(甘葛)である。
江戸時代には奄美群島や沖縄にサトウキビ栽培が根付く。南西諸島で生産されたのは主に黒砂糖であったが、江戸時代中期に四国などで和三盆糖の生産が始まり、高級砂糖として珍重される。
明治時代になって台湾を併合した際、サトウキビ産業を主力として根づかせ、日本に安定した砂糖の供給が可能となった。これに先立ち北海道でも甜菜(テンサイ)糖の生産が試みられたが安定した栽培に失敗し、軌道に乗ったのは大正に入ってからである。戦後、台湾を失った日本は北海道での甜菜糖の生産に注力するようになり、現在は南西諸島でのサトウキビ糖より北海道の甜菜糖の方が生産が多い。
余談
関連イラスト
- 角砂糖
関連動画
砂糖ができるまで
関連タグ
道具
砂糖を使ったおやつ
わたあめ カルメ焼き 琥珀糖 金平糖 べっこう飴 アイシング キャラメリゼ
科学
その他
- 砂藤力道 ……糖分を摂取することで自身の身体能力を一定時間だが飛躍的に上昇させる個性『シュガードープ』を持つキャラクター。ヒーロー名はズバリ『シュガーマン』である。