概要
サトウキビから生産される砂糖のうち最も粗製のもので、黒糖とも言う。英語ではBrown sugarと言うが、和製英語のブラウン・シュガー(三温糖や中ザラ糖など白くない砂糖の総称)とは異なる。砂糖と付いているが、どちらかというと塊といった固形物である。
サトウキビの茎の絞り汁を加熱し、水分を蒸発させたもので、不純物として多くのミネラル成分を含む。ここから糖蜜(モラセス)を分離して粗糖を生産。粗糖をさらに精製して白砂糖の原料になる。サトウダイコンから生産される甜菜糖は製法が異なるため黒糖を経由しないが、現在ではミネラルやオリゴ糖などテンサイに含まれる成分を含ませて製造された甜菜黒糖が製品化されている。
昔からの生産地である沖縄、九州などではこれを使った銘菓も多い。沖縄や九州以外の地方でも黒糖を使った麩菓子やかりんとうは一般的。白砂糖の単純な甘みとは異なり、濃厚な甘さとともに渋みや苦味といった雑味や独特の香りも感じられ、この複雑な味わいを好んでそのまま食されることもある。白砂糖の製造過程で省かれる不純物に栄養分があるため黒砂糖は滋養食品としても親しまれている。
鹿児島県の奄美群島でのみ黒砂糖を原料に黒糖焼酎が作られている。