概要
第二次世界大戦後、1961年に広島市西区に初代広島空港が開港。
長らくこれが広島県の代表空港として機能していたが、市街地に近いことから1,800m以上の滑走路延伸が困難であり、また騒音問題等もあったため、新空港の建設が決まった。
場所は広島市と備後地方の中心都市である福山市の中間にあたる山中となり、1993年に開港した。
なお、これに伴い初代広島空港は広島西飛行場と名称を改めたが、結局2012年11月に廃港、敷地の一部をヘリポートに転換している。
開港時、年間300万の利用が目算されており、それに対応するため拡張工事も幾度か行われている。
開港後、1995年の阪神淡路大震災による山陽新幹線の不通や、航空会社の割引制度導入により、しばらく東京・広島間の輸送で航空有利の状況が続き、2003年には対東京で60%のシェアを航空が占め、空港の年間利用者数は316万人を記録した。
しかし品川駅開業や「のぞみ」の500系・700系・N700系導入による高速化で新幹線がその後盛り返し、現在では東海道・山陽新幹線が半数以上のシェアを有するようになり、航空路線は苦戦を強いられている。
2011年には空港利用者数は216万人程度にまで落ち込んだ。
広島市と福山市の中間地点に置かれたことで、かえって両都市共に遠い場所となってしまったこと、それに山中にあることから航空機が霧による影響を受けやすいこと、他の主要空港と違って鉄道が整備されておらず空港アクセスが道路渋滞の影を受けやすくなったことも空港にとっては逆風となっている。
現状、福山市からは岡山空港(広島と異なり駐車場が無料)の利用も可能であり、また2012年には岩国基地が民間に開放され岩国空港となってからは東京(羽田空港)へ向かう場合でも広島市の西部からは岩国空港のほうが便利になるケースも生じている。
空港側では打開策を模索しており、2014年には成田空港との間にLCC(格安航空会社)の春秋航空日本が就航している。
ちなみに、中国地方を代表する大学である広島大学の本部も、広島市の中心市街地から大きく離れた場所に移転している。
(ただし、医療系の一部の学部は今でも広島市内の旧キャンパスを使用している。)