概要
兵庫県伊丹市と大阪府豊中市・池田市の三市にまたがる敷地を持つ空港。大阪市の北西13kmに位置し、大阪市・神戸市・京都市の京阪神都市圏のほぼ中心にあるため利便性が高く、関西における拠点空港として機能している。一方周辺が住宅地のため、運用時間は午前7時~午後9時までと限られている。名前の通りかつては国際空港だったが、1994年の関西国際空港開港により全ての国際線が移管され、現在は国内線のみになっている。
関西国際空港開設以前は長らく関西圏の主要空港としての地位を保っており、そういった経緯から大阪の名を冠している事もあって大阪府にある空港だと思われる事が多いが、空港への出入り口があるのは兵庫県伊丹市域内である。
その所在地から伊丹空港とも呼ばれていたが、関西空港の開港後は区別のためにほぼ公式化されており、空港コードもITAMIをもとにしたITMである(関空開港前は「OSA」)。
本空港で見られる飛行機
日本航空(JAL)
羽田空港、那覇空港、新千歳空港などと伊丹を結ぶ幹線を運航。最新鋭のA350-900は需要の高い那覇との路線に投入されている(羽田路線でも運航されることはあるが、頻度は少なめ)。B787-8とB767-300ERは羽田路線に入ることがほとんど。B737-800は新千歳、成田、奄美大島と伊丹を結ぶ3路線を運航している。
ジェイエア(J-AIR)
幹線を除いた伊丹発着JAL便のほとんどはこの航空会社が運航している。E190はリージョナル機にもかかわらずWi-Fi設備やクラスJ(普通席より一つ上のクラス)が付いており、利便性がかなり高い。
日本エアコミューター(JAC)
但馬空港、屋久島空港と伊丹を結ぶ路線を運航する。
天草エアライン(AHX)
この航空会社は「みぞか号(2024年時点で2代目)」という1機の機体で全便を運航しているため、伊丹空港に飛んでくる機体も固定である。なお、「みぞか号」が整備に入る際は提携会社であるJACの機体が代行で運航する。
全日本空輸(ANA)
総じてJALより大型の機体を使うことが多く、新潟や仙台のような地方路線でもB767-300ERやB737-800といったそこそこ大きな機体がアサインされることも少なくない(DHC-8-Q400のキャパシティがあまり大きくないため仕方がないとも言えるが)。A320ファミリーは北海道方面に投入されることが多い。
- エアバス A320neo
- エアバス A321ceo
- エアバス A321neo
- ボーイング 787-8 ドリームライナー
- ボーイング 787-9 ドリームライナー
- ボーイング 787-10 ドリームライナー
- ボーイング 777-200
- ボーイング 777-200 (ER)
- ボーイング 777-300
- ボーイング 767-300 (ER)
- ボーイング 737-800
- デ・ハビランド・カナダ DHC-8-Q400
アイベックスエアラインズ(IBX)
保有する全機がCRJ-700で統一されている。
- ボンバルディア CRJ-700
就航路線
2024年7月現在。
国内線のみが運航されている。
国内線
本空港を拠点とする航空会社は太字表記。△印は季節便。
北ターミナル
南ターミナル
- 全日本空輸(ANA) ※2
- アイベックスエアラインズ(IBX)
※1: ジェイエア及び日本エアコミューターの運航便を含む。
※2: ANAウイングスの運航便を含む。
伊丹空港廃港問題
1970年代には国際線が多数飛来したことから、近隣の住民は旅客機の騒音や排ガスに悩まされ、大阪国際空港の廃止を求める訴訟も出されることもあった。伊丹市に至っては「大阪国際空港撤去都市宣言」を掲げた。しかし訴訟は次々と和解し、航空機の低騒音化や防音設備の設置で廃港問題は沈静化した。
時は流れて2008年、当時の橋下徹大阪府知事が関西三空港の今後の在り方として、伊丹空港廃港も視野に入れ検討すると発言。これに対し兵庫県の井戸知事と伊丹市長は反対を表明し、翌年橋下知事も「勉強不足だった」と撤回するも、再び廃港を提案し関西国際空港と神戸空港に路線を集約すべきと主張した。これ以降も伊丹廃港を主張し、課題となっている大阪市中心部と関空とのアクセスについてリニアモーターカーの建設(関空リニア)や新大阪駅から大阪市中心部を南北に縦貫し関空に至る鉄道新線「なにわ筋線」の建設で克服するとした一方で、跡地を東京が災害やテロの被害を被った際に備え、首都機能のバックアップを目的とした副首都を置く構想を持っている。