概要
フランスとイタリアの合弁企業・ATRが開発したターボプロップ旅客機で、形式の42は標準座席数に由来する。1984年8月16日に初飛行、翌年から運航を開始した。
旅客機としては珍しく、機体の前部が貨物室になっている構造のため、乗客は後部から乗り込む。
また、APU(補助動力装置)を装備しておらず、代わりにプロペラをロックした右エンジンをAPU代わりに運転する「ホテルモード」という機能を持つ。このため、始動時は左プロペラが通常通りゆっくりと回転し始めるのに対し、右プロペラは勢いよく回転し始める。
時代に応じて何度も改良が行われており、現行型のATR42-600はグラスコックピット化されているほか、「ClearVision」というエンハンスト・ビジョン・システム(簡単に言えば悪天候で視界が悪い時でも安全な視界を確保してくれるカメラ)をオプションで装備可能。
ライバルはDHC-8-300型だが、現在同機の製造は終了しており、このクラスでは実質敵なし状態である。
日本では比較的最近になってから運航され始めた機種であり、初めて導入した天草エアラインの機体(メイン画像)が特に有名。他には北海道エアシステムや日本エアコミューターなどが導入している。
また、開発が計画されていた短距離離着陸型ATR42-600Sは長年に渡ってまともな航空路が開拓されず空港の設置が熱望されている小笠原諸島への路線展開が期待されていたが、結局需要が減っているという理由で開発は中止されてしまった。
関連動画
- 北海道エアシステムによる紹介動画