CV:M・A・O
概要
本作の主人公であり、『マジカル学園ラブ&ビースト』の悪役令嬢。誕生日は10月10日。
オーヴェルヌ公爵家は王家に次ぐ権力を持つと称され、グレイスは入学初日のアンナに身分の違いについて説教をする等キツい性格。
憲三郎に憑依されてからは本人の意識は消えており、知識と記憶が憲三郎に引き継がれている。
また、憲三郎の言動はおじさんのそれから、淑女としてその場にふさわしいものに変換されるようになっており、憲三郎はそれを「優雅変換(エレガントチート)」と呼んでいる(但し、一部オヤジギャグやオタク用語=ツンデレ、フラグ等には適用されない様子。一方で対応する所作はすべて変換されるため、演劇など意図的に言葉遣いや所作を変えられない欠点もある)。
元々のグレイスは自他共にキツい性格ではあったものの、回想シーンを見る限りでは言い方こそキツいものの割と真っ当な教え諭しをしており、悪役らしいイビりや罵り言葉を発する姿がない為、多くの読者からは「あまり悪役っぽくはない」と評される(但し、こうした「言動は真っ当だが当たりがキツいために、これをイビりや罵倒と勘違いされて、周囲に悪人と誤解されて疎まれている」部分は、悪役令嬢ジャンル作品のテンプレパターンあるいは様式美の1つでもある)。ちなみに幼少からの付き合いであるマチルド曰く「厳しい人であるが、意味もなく怒る人ではない」との弁。
一方で彼女の記憶によれば、幼少期はヴァルツの工房や庭師の仕事(上記のマチルドのアイロン仕事も)などを眺めるのが好きな子供であったが、淑女としての教育を受ける内に悪役令嬢としての性格が形成されていった。
また同時に使用人の仕事を眺める行為も「淑女らしくない」として、徐々に足が遠退いていった。
尚、ゲームにおける彼女の末路については不明であり、破滅の運命が待っていたかどうかはわからない。日菜子によれば王子ルート内で「悪霊に取り憑かれ、アンナと戦う」分岐があるらしい。
髪型は所謂縦ロール。
生まれた時に「髪は魔力の源なので、後ろ髪を切ってはならない」と占われた為、幼少期は伸びっぱなしでまとまりがない髪になっていた。
それを見かねたマチルダの提案と彼女の手仕事により、まとめられた髪がグレイスに好評であった為、以降現在に至るまで同じ髪型となっている。
ビーストは火属性と水属性を併せ持つ古代龍(エンシェントドラゴン)で、日菜子のある意図(後述を参照)により「オリオン」と名付けられている。
召喚時、最初に何故か小型のグレイスと憲三郎が召喚され、どこからか現れた手により混ぜられた末に召喚された。
また、属性変更はグレイス(=憲三郎)から干渉ができない様子。
実際のところは最初に召喚されたグレイスと憲三郎は、各人の魔力の象徴で(文字通り)日菜子の手で魔力が混ぜられ生まれている。また、属性の変更は日菜子の操作が必要となる。その他、日菜子の干渉はこのオリオンを通じて行われている可能性がある。
名付けも日菜子が行っており、自身の干渉を憲三郎に伝えようとしたが叶わなかった(日菜子によれば、幼い頃に憲三郎と一緒に見ていたアニメ「機械獣士ワイバーン」の恐竜型キャラの名前。憲三郎自身はそのアニメネタであるのは気付いたものの、日菜子の意図までは読み取れなかった)。
単行本3巻にて、憲三郎の介入によって生じたイレギュラールートの序章(?)にて、遂に夢の中で憲三郎とグレイスが邂逅する……のだが、その時のグレイスは牢獄を思わせる鳥籠に小さく縮こまっている状態だった。