概要
真面目という性格はポジティブなニュアンスで用いられる事が多いが、生真面目に成るとネガティブな要素も含まれてくる。
傾向
大体の場合は真面目さが行き過ぎた結果、極端に堅物で融通が利かない等の理由で本人が損をする事が多く、この手の者は過度なお人好しの個人主義者か全くお人好しでない合理主義者かの二極化で有り、どちらにも言える事だが、人間関係を軽んじる等の融通が利かない上にこだわりが行き過ぎ、理に勝って非に落ちる傾向がある。
合理主義型
自分は勿論他者にも秩序を徹底する事を強いるいわゆる脳筋タイプで、正論を重視するあまり感情(人情)や相手の事情を斟酌せずに他者を追い詰めがちで、またそれ故に他者の非を周囲や上位の立場の人間(先生や上司)に平然とチクる事も多い為、当事者との関係が著しく悪くなりやすい。
一方、その正論を重視する勧善懲悪とも取れる姿勢から全体主義等の多数派や、組織の管理者(取締役などの幹部・上層部)からの支持を得ている者も少なくない(当事者においては少数派に分類される)。
また、この手のタイプは体育会系に多く見られ、チームワークを徹底する生真面目さが良い方向に働いているケースも有ると言える。
が、これが行き過ぎると本来正常であったはずの組織をパワハラやモラハラでブラック化させてしまう様な風土を喚起・醸成する元凶にも成り易く、また人の上に立てば「組織を守る」等の何らかの大義名分(こじつけを含む)を持ち出して錦の御旗と掲げたあげく恐怖政治を施いてしまうパターンも多い。
個人主義型
普段は自分の価値観を他人に押しつけない等、秩序を出来るだけ乱さないよう努める一方、自由(あるいは個々の権利)を重んじるあまり個人の感情を公の場に持ち込みがち(当然、そのために正論はおろか屁理屈すらも巧みに持ち出して理論武装し、持ち込んだ感情が個人的なものであるのを隠す事も忘れない)で有り、そこから秩序を乱して反発を招いたり、自らの立場を理解できずに対立する双方を両立・尊重しようと本気で双方に真面目に対応した挙句優柔不断に陥り卑怯なコウモリ呼ばわりされて周囲からの信用を失ったりする。
「個人の感情を公の場に持ち込む」と前述こそしたものの本人は「個人の感情と公の場を同等に見ている」あるいは、それこそ「それが個人の感情である自覚が無い」パターンも多く、この場合やってる本人はそれを自らに益の無い、無私と善意に基づく奉仕のつもりでやっている為、より始末に負えないケースが有る。
合理主義型とは逆に自分の失敗を周囲に咎められる(本来自身が勘案すべきではない周りの様々な利害関係に硬直して翻弄され思考停止に陥ったあげく上司の指示を遵守しなかった事で叱責される等)と「自分は駄目な人間だ」と自らを追い詰めて周囲に(心配をかけて余計な手間をかける等)更に悪い影響を及ぼしたり、逆に理に勝って逆ベクトルに走って利己主義に走ったり、周囲の利害に翻弄されて本来自身が立つべき立場を見失い、自ら周囲との対立を決定的にしてしまう傾向も中には有る。
合理主義型との違いは「基本的には少数派側に成り易く、共感性や協調(仲間意識や集団性)を重視する者や秩序を重んじる社会・組織にとっても相性が悪く、その少数派故に孤立していく」という部分であり最悪ひきこもりになるケースも少なくない。
そう、個人主義型は自由と秩序の両立を理想とするも、公の場に自由は存在しない現実に苦しみ、逃避しがちとなる。
もっとも逃避で済めばまだマシで有り、時に全方向性のロジハラに走ったり、あるいは自分の頭の中だけで問題を解決しようとして更に自分の世界に籠った揚げ句無敵の人と化して攻撃性の暴発に至るケースも見受けられたりする。
生真面目と生真面目の相性
生真面目な者は生真面目な者同士相性が良いかと言えばそうでは無く、合理主義型と個人主義型の真面目さは真向から対立し易い。
言うなれば両者は似て非なる者で有り、むしろそれ故に混ぜるな危険となる。
公私においても個人の感情を切り捨て、秩序を徹底する真面目さの合理主義型には、個の自由を大切にするあまり公の場でも個人の感情を持ち込む個人主義型のやり様に対して秩序を蔑ろにする利己主義として徹底的に非難し、自他共に干渉を望まない個人主義型は自分の全てを否定されている気分に成り易い。
フィクションでの描写
キャラクターの性格面では、秀才あるいは努力家にて個人としての能力に優れる一方で何かと不器用な人物(特に人間関係)として描かれることが多い。
同年代との遊び方をはじめ周囲との適切な接し方が分からない(目上の者にも忖度なく接する等)、脳筋なまでにいきなり行動に出る、物事を深刻かつ大げさに受け止めすぎる、ネタにマジレスのエアブレイカー、時間や礼儀や規則等常識にうるさい、極論や精神的な視野狭窄に陥り易い、善意や価値観の押し付け、空気が読めない等という事で、何かと人付き合いが苦手な者が多い。
ディストピア世界においては、体制の中心を担うか体制側から危険人物として目を付けられるかの二極化にて、前者は合理主義型、後者は個人主義型が多い。
創作物では、しばしば朗らかなキャラクター、小悪魔的なキャラクター、不良っぽいキャラクター、アホの子などとの対比(特にこれらのキャラクターを肯定的に描く為の対象物)としてこの性格が付与されたキャラクターが登場する。
ただし、こうした描写表現が成される場合においては「生真面目どころか真面目自体がマイナス」「アホや不良の方が何故かカリスマを感じる」という、これまた生真面目とは別の意味で極端な描写に成り易い事にも注意を要する(もちろん、生真面目キャラとは別の真っ当な真面目キャラを出して、きちんとバランスをとった描写を用いている作品も多い)。
関連タグ
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ありがた迷惑 余計なお世話 小さな親切大きなお世話:合理型・個人型ともに総じてやらかしがちな行動