概要
現在では、主に「空気を読めよ」や「空気読めない奴」という意味合いの略語として用いられるケースが多い。
元々ネット上の掲示板でよく用いられていた表現(※後述)であるが、注目を浴びたのは平成19年にメディアで取り上げられてからである。
その後、KYを中心とした略語を纏めた書籍が出版されるなど、略語、というものがインターネットから日常へと浸透する切っ掛け、ともなったと言えるだろう。
ちなみに余談ではあるがこのようなローマ字の頭文字を取る、という略の仕方は近年より始まった傾向ではなく昭和初期には既に行われていた、と言われる。
確かに状況によっては「空気を読む」ことは大事である。
しかし空気を読むよう圧力をかける状況に陥ってはたまったものではない。
時には空気を読まないことも大事になってくる。
何といっても究極の策は場の空気そのものを変えることに帰結するであろう。
歴史
少なくとも、「KY」というワードが世間で注目を浴びたのは朝日新聞珊瑚記事捏造事件が最初であるとされる。
これは、1989年に沖縄県西表島において某新聞社のカメラマンが同地のサンゴ礁に自ら落書きによる傷をつけ環境破壊の証拠とした虚報事件。この時の落書きが「KY」であったため、しばらくは捏造の隠喩としてネット初期のアングラ界隈では用いられた。
その後、上記とはまったく別の文脈で、2006年ころから女子高生らによる若者言葉として当時のSNS等を通じた口コミによって流行した。「KY=空気読めない」の初出はこれ。2007年夏の参院選で大敗したのにすぐに辞めなかった安倍内閣を「KY内閣」と評したことで一般的流行語となった。(知恵蔵より。参考)
この2つが、少なくとも2010年代に入るまでの世間における「KY」の主な認識であった。
しかし、こうした経緯から徐々に「KY」単体の存在感が増していき、後述のように様々な名称・用語の略語としてピックアップ(あるいは再発見)されるようになる。
2020年代の現在、概要にもあるように様々な意味や意図が混在してしまいその使用に混乱をきたすことも珍しくない。
その他の「KY」用例
- 職場(主に危険を伴う業務)において「KY」は俗語と異なり、労働災害を防ぐための心がけである「危険予知」(Kiken Yochi)の略なので、意味が異なることに注意が必要。
- 京セラ製携帯電話の型番。以前はNTTドコモ向けの端末でのみ使用していたが、最近はauでも使われている。(KYocera)
- かつて超!A&G+で放送されていたラジオ番組『金田朋子・保村真のエアラジオ』において、パーソナリティの2人はそのイニシャルを取って『KYコンビ』と呼ばれた。(Kaneda / Yasumura)
- 郡山総合車両センター(JR東日本)の整備済み車両略号でもある。(KoriYama)
- かつて西友がCMで使用していたキャッチコピーの1つ「KY〜カカクヤスク」。