ピクシブ百科事典

ネットイナゴ

ねっといなご

ネット・SNSで特定の対象へ大量に誹謗中傷や罵詈雑言といった悪意ある内容を書き込む人達を表すネットスラング。『ネット私刑』『ネットリンチ』『ネットいじめ』とも。
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記載・加筆にあたっての注意

被害を受けたとされるジャンル・事例の過度な記載や、論理性に欠いた過激表現を用いるような、批判を通り越した批難的文章による糾弾目的の記載にならないよう、一呼吸置いて冷静かつ客観的な記載をお願いいたします。

概要

ネットやSNSで、誹謗中傷や罵詈雑言といった悪意ある内容を大量に書き込む人達であり、ネット利用者が爆発的に増加した昨今では、SNSを中心に社会問題になっており、その行為を近年では『ネット私刑』『ネットリンチ』『ネットいじめ』と呼ぶ事もある。

人や企業が炎上した際、ブログや匿名掲示板まとめサイト・ネットニュース記事・SNSのコメント欄・リプライに「こいつクズだな」「どうせ◯◯人の仕業」「早く死ね」「特定はよ」などといった内容や、個人情報らしきものが大量に書かれているのを見た事があるかもしれないが、これがネットイナゴの仕業である。

その様が、大量発生したイナゴが農作物を食い尽くす光景に似ているのでこう例えられており、炎上」という餌を求め、集団で貪り食い、「フン」という名の膨大な悪質コメントや個人情報を公に晒し、その場所が沈静化や削除・閉鎖されると、また新たな餌を求めてネット・SNSの世界を放浪するのである。

なおネットイナゴのような行為自体はインターネットが普及する前の昔から存在し、例として漫画家ののむらしんぼは、かつて漫画の方向性を変えた事で読者から匿名による批難の手紙が殺到し、中には心ない言葉が書き連なっていたり、鉛筆の削りカスなどを送りつけられたという。
炎上やバイトテロ、犯罪自慢にも言える事だが、ネット・SNSによってこれらが可視化されやすくなったとも言える。

ネットイナゴの心理

スマイリーキクチ中傷被害事件』(後述)がネットイナゴの心理を知る上でよく分かるので、加担した加害者側の動機を見ると、

  • 「ネットや暴露本に騙されただけで俺は悪くない」
  • 「私の方が離婚して辛かった。キクチはただ中傷されただけ」
  • 「なぜ一度しかやっていない自分が捕まるのか」
  • 「私生活で辛いことがありムシャクシャしていた」
  • 「彼は芸能人だから書かれてもいい。自分は一般人で将来もあるから嫌だ」

といったように、ネットイナゴは表面的な正義感を掲げ、いざ言及されれば責任転嫁や被害者意識を振りかざすような、思考力や論理性に欠け、精神年齢が低い自己中心的な人達で構成されており、正義感を掲げる割には、対象や事件の被害者の事をどうでも良く思っている節がある事が伺える。

「相手が悪い・問題なのだから、相手の肖像権や人格権をどれだけ侵害しても、正義の鉄槌だし問題ない」と信じて疑わずに行動し、こういった事に対する法律の知識や、自分がされたらどうなのかを考えられず、想像力が乏しい事は上記を見れば分かる通りで、時には「警察が無能だから」「所詮は便所の落書き」「ネット(SNS)だし、ただの遊び」と開き直った内容を、自ら公言している事も少なくない。

事件を取り扱った担当刑事も、誹謗中傷を繰り返した加害者達は「情報の仕分け」「考える力」「情報発信者を疑う能力」の3つが欠如し、他人の言葉に責任を押し付け、自分の言葉には責任を持っていない事を感じたと明かしている。

このような精神構造をしているが故に、一定の論調に傾倒し、思考停止して極端な言動に走る『サイバーカスケード』に呑まれていたり、ある加害者は「もうしません」と言いつつ数時間後には誹謗中傷を行うという、誹謗中傷に依存してやめられない「誹謗中傷中毒」に陥っていたことも、上記の事件を根深く、書き込みが過激化したのかもしれない。

なお相手の不幸を喜ぶ行為は最高のストレス発散である事を表すことわざや、統計データもあったりするし、話題性があるからと便乗する愉快犯もいるが、どちらにせよ褒められた行動ではないのは確かである。

類似の言葉として「ネット右翼」「ネット左翼」「在日認定」「ネット弁慶」「2ch脳」があるものの、実際には右翼・左翼思想があるわけでも本気で排斥思考を持っている訳でもなく、単なる興味本位による愉快犯や、上述したような思考停止してサイバーカスケードに呑まれていることが多く、集団心理によって書き込みの攻撃性が増している。

ちなみに海外でもネットイナゴは存在し、動機も上記と似たようなものであるが、連絡先や顔写真をオープンにしているだけに、時には相手先の家まで訪問し、破壊行為をすることもあるので、かなりタチが悪い。

私刑行為について

『J-castニュース』の統計によれば、ネット私刑(ネットイナゴ)を容認、もしくは支持しているネットユーザーは約6割いると発表している。しかし法治国家である日本では、そもそも私刑による制裁は立派な犯罪行為である(日本国憲法第31条:何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない)

その為、例え匿名であっても警察の捜査が入れば身元の特定は可能であり(実際に報道などでネットイナゴの素性が曝されたケースは少なくない)、現在ではネット・SNSにおける法整備が未成熟である事もあるが、時代が進めば、今よりもさらに厳罰化される事も十分にあり得る。

日本で私刑行為を賛成し支持される理由として、「司法の不備」や「厳罰の甘さ」といった現状の司法システムや法整備に不満を抱き、「問題のある人間や犯罪者は裁かれるべきだ」という二元論的な考え方による勧善懲悪を好む事が起因として挙げられる。

しかしおおよそは大義名分に近く、実際は前項目の記載と通じるが、「情報・メディアリテラシーや思考力・論理性が乏しい上、自身のコンプレックスや日常の不満といったストレスを『私刑』という形で鬱憤の発散や自尊心を高めている」部分が強いのが実情である。
中には純粋な正義感で動く人物もいるが賢い行動をしているとは到底言い難く、重ねるように自らを正義と称し、私刑という犯罪行為を正当化して世直しを図るようでは本末転倒である。

なおネットイナゴへのある種の批判として、世の中にはネットイナゴ側が制作したこのような創作パロディといった、ナマモノ萌え化などのネタにされ、いかなる著作物を利用するあの集団を始めとした一部団体からも素材にされている。

しかしながら、いくらネットイナゴに問題があると言っても、「あいつらは権利を放棄したネットイナゴだし、悪い事をしているんだから何をしても良い」と報復目的で過度に糾弾、または晒し行為による撲滅運動をすれば、それこそネットイナゴと同じ私刑行為として法を犯す事になってしまう。

やるにしてもこれらの創作物は風刺パロディ、メタメッセージとして扱い、その範疇を超えないようにする事は留意すべきで、私刑行為を楽しむネットイナゴ達が憎たらしく思える気持ちは分かるが、「目には目を」の理屈を持ち出し、彼らと同じレベルに堕ちてはいけないのである。

問題になった事例

これらの行為は時として、全く無関係な人物が犯人やその親族に仕立て上げられるなどの深刻な風評被害をもたらし、ネット・SNSに載せられた情報は簡単には消えない事もあり、無実の被害者に深い傷を負わせる事になる。

そして風評被害の問題点として上記に挙げた他にも、デマに加担し誹謗中傷を行った人達は、事実無根の罪を着せられた被害者に対して謝罪すらしない場合がほとんどであり、あったとしても警察に言われた事による上辺だけの謝罪や、「俺は悪くない」「コピペしただけだ」と被害者意識を振りかざして正当化を図ろうとし、手紙や相手に直接出向いて、風評被害を受けた被害者に自主的に謝罪の言葉を述べる加害者はそもそも珍しいのである。
こういった突然犯人にされた被害者に対する精神的な救済や対処は、ネットイナゴが問題になっている現代社会の課題といえよう。

特に社会的関心が高かったり、逮捕・書類送検者が続出したケースを一部記載する。

スマイチーキクチ中傷被害事件

芸人のスマイリーキクチが1989年に発生したとある殺人事件の関与者であるという、事件を調べていた一部ユーザーやとある告発本を根拠にしたデマをインターネット上に流布され、10年近くも根拠のない誹謗中傷行為に晒された事により、悪質な書き込みと認められた男女19人が書類送検された。

当時のネットに対する社会的認知さの低さを矯正し、ネットイナゴ・匿名性の怖さや泣き寝入りする必要がない事例を生み出したモデルケースとして挙げられるが、近年でも出演番組に向けて未だこのデマを信じた(もしくは愉快犯による)者による殺害予告電話があった事が判明するなど、その傷痕は深い。

大津いじめ自殺事件によるデマ被害

2011年の滋賀県大津市にある中学校で起きたいじめ自殺事件において、加害者の親・親族だと決めつけられて誹謗中傷被害に遭った被害者達が訴訟を起こし、デマ情報の掲載、および拡散した複数人の加害者に(不起訴になった一部を除き)罰金刑や慰謝料の支払いを命じる判決が出ている。
なおデヴィ夫人も無関係である彼らの写真を自身のブログに掲載してバッシングを行なったため、裁判所から罰金刑を言い渡された。

こちらはデマとは関係ないが、当時の教育長の対応に腹を立てた当時の男子大学生が教育長を襲った事件でも、「殴られて当然」「(教育長は)殺されればよかったのに」などと送りつける内容が1万件以上もあった事から、日本国民の私刑に対する違法認識の乏しさを物語っている。

岩手県議員の自殺の遠因問題

2013年に病院で名前では無く番号で呼ばれたことに腹を立て、これらの内容を自身のブログに書き込んで炎上し、新聞・テレビでも報じられたある岩手県議員が自ら命を絶ち、「炎上が遠因となって自殺をしたケース」として、こちらもメディアで報道をされた。

本人の問題は多分にあったにせよ、結果的に自殺に追い込んだ遠因となった事が報道されると、彼らはメディアで責め立てるようなコメンテーター達の発言を引用し、「マスゴミのせいだ」と責任転嫁を図ったり、「因果応報」「自業自得」「この程度で自殺すんな」といった、死者に鞭打つようなコメントを書きこむなど、一種のモラルハザードを引き起こしている。

東名高速あおり運転事故のデマ被害

2018年に福岡県の東名高速道路であおり運転によって、間接的に死亡事故を起こした男性が逮捕された事件があったが、「この被告の父親が勤めている会社が特定された」というデマ情報がネット上に掲載され、風評被害・業務妨害を受けた社長が訴訟を起こし、死亡および手紙による謝罪を表明した2人を除く計9人が書類送検された(しかし全員不起訴になったため、社長は控訴を求めている)。

なお情報を転載し、被害を拡大させた原因となったまとめブログは閉鎖されているが、閉鎖の前にこのブログの管理者が「『死ね』『謝罪しろ』など様々ですが、やめて頂けないでしょうか?(原文ママ)」と、被害者意識を露わにした文面を公表しており、ブログのアクセス稼ぎによる収益のためならデマを流し、炎上させて風評被害を負わせる事に躊躇いが無い事が伺える。

しかしながら重ねるように、このまとめブログ管理者に上記の暴言を送りつけたユーザーもネットイナゴそのものであるため、結果論では拡散の抑止になったが、その管理者と同じモラルの低さを露呈させているのは問題である。

pixivなどの創作界隈における被害

pixivなどの創作界隈においてもネットイナゴによる被害が報告されており、『東方天空剣』『忘却崩魂』『陰陽作者録』『宴花鉄』『陰陽鉄wiki』などはその一例として挙げられる。そして悲しい事に、pixivで活動する絵師の中にもネットイナゴを行い、賛同するユーザーも少なからず存在する。

また、抑止・対策目的で特定の悪質pixivユーザーにネットイナゴを行った事例も過去に数多くあるが、結果として良い方向へ向かったとは言い切れないものばかりで、それどころか悪質ユーザーが望みえた、またはそれ以上の結果となってしまった事例の他、悪質ユーザーに迷惑行為を受けていた絵師が、その著作物もろとも「全滅」してしまった事例すらある。

もしそのようなユーザーを見かけた、被害を受けた場合は、ピクシブ百科事典ツイッターなどに書くのではなく、後述のように早急に運営へと報告し、対応を待つのが賢明である。先述のように、事例という名目で特定の悪質ユーザーを持ち出して晒し上げるのは、ネチケット的にも社会的にも褒められた行為ではない。

ピクシブ百科事典においては、そのような記事作成による晒し行為は乱立荒らしになり、最悪自身のアカウント凍結に繋がる事を自覚しなければならないし、ネットイナゴをしながらも、意見に一定の理解を示す創作者・絵師に対して『悪質ユーザー撲滅キャンペーン』を行うユーザーも見られるが、こちらもあまり褒められた行動ではないため、該当する相手とは今後一切関わらないか、実際に問題行為を行っているのなら、素直に運営へ報告しよう。

対策

彼らは反応されることを一番に喜ぶので、ユーザーをブロックしたり、書き込みは無視、もしくは黙って削除し、彼らは熱しやすく冷めやすい性格なので、言わせるだけ言わせておいて時間で沈静化させるのが最善の策である。

なお特定行為や犯罪に抵触する悪質な内容の場合は証拠を保存して、運営または警察、人権団体など相談する事も視野に入れる場合が出てくる。2000年代はまだ理解度が浅かったため門前払いも多かったが、近年では普及・社会問題化しているので、相談に乗り、時には法的処置を考慮したり、ネット・SNSに強い弁護士を勧めるケースも増えてきた。

ただし、自身のモラルに欠けた行動や失言が原因である場合は、速やかに丁重な謝罪を表明した上で、悪質なコメントには法的手段を辞さない旨を、冷静に伝えるのが賢明である。「自分も悪いけどネットイナゴはやめろ」といった感情論による反論や応酬は、ネットイナゴの大好物であり、さらに事態が悪化するだけでしかない。

自身が炎上の火種を振りまいた場合は反省しなければならないし、逆に「相手に非があるから何言ってもいい」と、徹底的に個人情報を洗い出したり、バッシング行為をするのは、正義感とは程遠い私刑行為の自己満足である。

しかしながら前述のように、法律で裁くレベルでない程度なら、無視で対処するか、話が通じる相手なら当事者間での話し合いでの解決が一般的であり、それで済むなら越した事はない。運営や警察に任せる手段はあくまでも悪質な場合のみにとどめ、アクセスブロックや著作権行使を含め、「力」での解決はおおよそ一般的ではなく、逆に迷惑になってしまうか、より行動が悪化することもある。

ネットイナゴにならないためには

まず物事を冷静に判断する思考力と、客観的に理屈で考える論理性を身につけ、「他人の不幸は蜜の味」という考え方を取り除き、「私刑は犯罪である」という認識をしっかり理解しなければならない。

ネットイナゴでストレス発散しても置かれている現状は変わらないし、人間性が低い事を全世界に向けて公表するようなものなので、そうならないためにもネチケットを理解し、上記のことを踏まえ、より良いネット・SNSライフを勤しめるよう日々切磋琢磨しよう。

なお先述のように、「ネットイナゴをする奴だから、徹底的に調べ上げて糾弾し、特定行為などで晒しあげて撲滅しよう」という考え方は、彼らを嫌っているのに、自分も同じ事をやっているダブルスタンダードであり、人の事を言える資格がない問題行動である。

反ネットイナゴ(ネット私刑・ネットリンチ・ネットいじめ)を掲げるのは悪い事ではないが、活動する場合はこちらも同じく、冷静かつ客観的に判断する思考力・論理性を身につけ、「正しい批判」が出来る思慮深い行動を取る事を忘れてはならない。

それでも私刑行為が正しいと思うなら

何度も重ねるように私刑行為は法治国家の日本では立派な犯罪であり、「本気にする事がおかしい」「警察が無能だから」「気になるなら利用するのをやめろ」は、自身の無知(無恥)や想像力の低さを自ら露呈し、自分で自分の首を絞めているようなものである。

またデマ情報に踊らされた私刑行為によって、今も風評被害で苦しめられた無実の人達に謝りもせず、「俺はコピペしただけで悪くない」「それでも司法や日本がしっかりしていないから国民が断罪すべき」と、自らの犯罪行為を正当化し、あたかも被害者は運が悪かっただけと言わんばかりの行為の数々は、本当に正しい行動なのだろうか?

私刑に賛成・支持するという事は、いじめはいじめられている奴が悪い」「疑わしきは罰せよ」と、極端に言えばかつて日本の村々で行われていた『村八分』と構造は同じで、今では人権侵害と言われて久しいこの風潮を、正しいと思っているという事である。

そして、それら軽率な行為で創作物の題材にされてしまう…といった程度で済めばいいが、ネットの書き込みでも警察に捕まれば前科がつく事もあるし、例え不起訴や書類送検で釈放されても、周囲の風評被害などで就職活動・人間関係や今の仕事に悪い影響をきたし、今後の人生を棒に振ってしまうケースも十分あり得る。

正義感とは自身のコンプレックス・日常生活の不満・ストレス発散の為に使うものではないし、法治国家である日本に住む以上、捜査するのは警察で、罪を裁くのは司法の仕事である。これに納得できないのであれば、警察の情報提供に協力したり、法律を勉強して現状の司法が変わるように活動をする事が、まだ正しい正義感の使い方であろう。

正義感を持つ自体は善い事であるが、その正義感は世の中のためなのか、ストレス発散や自己欲求を満たす大義名分で使っているのかを、一度現実の世界に目の前にいる知り合いや友人、上司や先生に、相手のした事だけでなく、それに対して自分がした事も含めて、正しい事だったかどうかを相談する事をお勧めする。

そうすれば真実が見えてくるし、自分のした行いは、いずれ自分に跳ね返ってくるのは世の常である。

関連項目

ネットスラング 炎上 荒らし
ネット右翼 ネット左翼 在日認定 ネット弁慶 2ch脳

セカンドレイプ - 性犯罪の被害者に対し、大量の誹謗中傷や罵詈雑言を浴びせる行為であり、ネットイナゴと似た性質を持つ。
ナマモノ 萌え化 - ある意味ではネットイナゴに対する仕返し行為だが、報復目的ではなく、風刺パロディ、メタメッセージとして扱う事が望ましい。

参考サイト

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