ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

白ハゲ漫画

しろはげまんが

本来は「簡単に描ける白い人間キャラ(白ハゲ)のみで描かれる漫画」のことであったが、現在はそのようなキャラを利用した「作者の強い主張を描いた漫画」のことを指す。
目次 [非表示]

概要

 本来は、髪型や服装などを描き込まず、簡単にデフォルメした人間キャラ(白ハゲ)を使って、自分の経験や思った事を簡易な漫画にしてツイッター等のSNSに投稿したもの全般を言う。

 その内容は千差万別で、普通のエッセイ、日記、特に身の回りで起きたいい事や自分のいいと思ったもの(あるいはよくなかったもの)を伝えるためであったり、自分の体験した生々しい事件をオブラートに包んで伝えるものだったりといった幅広いものである。

そのため白ハゲ漫画とは基本的に「事象に対する自分の感想や思考をわかりやすく表現するための手法」といえる。

だが、中には(漫画内で繰り広げられる)主張が、世間一般からの理解と共感を得られるようなものではない場合や、時にはあからさまな炎上を狙った(本人にその意図が無くとも第三者にそう見える)ような場合もあり、そのような漫画に対して、怒りと侮蔑を込めて付けられた名称が白ハゲ漫画である。


定義と問題点

 主に「個人が思っているだけの事を、主語を大きくしてさも大多数の人間が同じ事を思っているんだというのを代弁しているような漫画」が白ハゲ漫画と呼ばれ、嫌われている傾向にある。いわば、スラングとしての「お気持ち表明」(自身の感想や意見、心情を、大勢の他者からの共感を求めてSNSなどに投稿するような行為)を、「漫画で」行う行為であるといえる。


 これの何が嫌われているのかと言うと、まず「個人の感想でしかないものを自分も属する大多数の意見」とする事にある。


 例えば、「私は絵を描く時必ず三点倒立をして頭に血を巡らせてから描きます!しかし、これを友人(非オタク)に話したら気持ち悪がられ、『そんなやつはいない、お前はちょっと変わってる』と言われてしまいました…。とても悲しいです。絵描きさんはこんな風に自分のルーティンを侮辱されて辛かったことはないですか?三点倒立って最高ですよね?やっぱり友人は非オタクだからわかってくれないのかな…」というような主張をする白ハゲ漫画があったとする。


 しかし、これは白ハゲ漫画を描くいち投稿者が思った事でしかない感情を、「絵描きさんたち」と主語を大きくして共感を迫っている。「絵描きさんたち」の考えは十人十色で、同じ事を全ての人が思っているわけではないのに、それを「絵描き」と全体を含めるような描き方をする事で、巻き込まれた多くの「絵描き」から顰蹙を買うのである。この主語は「腐女子」だったり「国民」だったりと、描く人間によっていくらでも大きくなる。

 さらに言えば、ここでは「否定されている存在」である「非オタク」という表現も非常に大きな捉え方である。つまり、その友人がたまたま持っているだけの属性を、ただ単に自身の行動が否定されたというだけで槍玉にあげているという点も問題と言える。これもまた「男」だったり「日本」だったりと、描き手によっていくらでも対象が拡張されていく。

 何より質が悪いのは、それが一定数共感を得てしまう事である。普段人には言えない悩みや辛い事を主語を大きくして「あなたも」と含めてしまい、更にそういった状況に心当たりがある幾人かが、その漫画に共感し支持することで、本来描き手が勝手に広げただけの主語が本当に大きくなってしまう事にある。上記の例でいえば、「作業の前に三点倒立をしている」、「非オタクで自分の趣味に理解のない友人がいる」、「自身のルーティンに対して否定された経験がある」ような人たち、さらに言えば普段はそれを隠していたり、行動に対して自信をもてないような人たちが好意的に反応することで、「実は言えなかったけど私もこういう風に思っていた」「私も」「私も」と、文字通り「絵描きさんたち」が手を挙げ、作者の思うがままに主張が広められていくのである。

 そうして「個人」から「共感した人達」と増えてしまった主語は、そこに含まれない巻き込まれた人との軋轢を生んでしまい、衝突を引き起こしてしまう。


 一旦、一つの白ハゲ漫画が流行ると、支持する人がそれを表明する白ハゲ漫画や文章を広めてしまったり、逆にそれを批判・非難するツイートや白ハゲ漫画が投稿されたりすることで、作者が所属する、ましくはテーマとなった事象についてのクラスタ(界隈)が荒れる原因となる。更には、何かのタイミングで無関係なクラスタに飛び火したり、ネット上の事象について敏感に反応する「論客」が参加したりして、SNS全体の雰囲気も悪くしてしまうというある種の内紛が発生してしまう。

 代謝が早いツイッターではだいたい1~2週間で流れるが、こじれると1か月以上もその話題で持越し、また、忘れたころに「話題になったツイートや画像を無断転載するアカウント」などによるバズが原因でぶり返すという事態も発生する。

個人個人の心象としてはどこまで行っても「良くも悪くも」だが、そうした内紛を引き起こす火種となるという点では、白ハゲ漫画はクラスタ全体にとっては百害あって一利なしといえる。


こうした「主語を無闇に大きくし、個人の感想を大多数の総意として表明、共感を得ようとする漫画」は、Twitter上で定期的に話題に上がっては炎上し、クラスタ全体の雰囲気をなんども暗くしていった。それが続いた結果、ついに2017年に我慢の限界が来たのか、そういった類の漫画を「白ハゲ漫画」として一括りのジャンルとし、逆に大喜利のネタというコンテンツとして消費する事となった。現在ではそういった漫画を描けば「白ハゲ漫画」として失笑を買って終わり、簡単に収束するようになっている。

 だが、白ハゲを用いた漫画で、多くの人の目にとまる話題が総じてそんなものばかりだったために「白ハゲが描かれている」だけでアレルギー反応を示し、そうした形式の漫画全般を嫌う人も増えてしまった。


発端

 上述したように、以前から「この手の話題」として白ハゲ漫画は定期的に炎上していたが、それまで明確に定義されていなかったそれらの漫画が「白ハゲ漫画」と呼ばれジャンル化した決定打は、プリンアラニート(当時のHN。Purin_a_La_Mode)氏が描いたこの漫画であると推測される


 漫画の内容を要約すれば、「いいね(ふぁぼ)を貰えるのは嬉しいけど、RTを得られないと広まらないし、それでいいねがもっと増える事も無くてモチベが下がって絵を描く気を無くすから、自分が絵を続けるためにいいねよりもRTをしてほしい」というもの。

 控えめに言っても炎上が目に見えるような話題であるが、これを「あなたの好きな絵描きさん」という誰にでも当てはまるような大きな主語にし「いいねという見る側の好意によってつけられるモノを貶め、あまつさえRTを要求する」という図々しさを「してください」と読者に要求した事にある。

 仮に、主語が「自分」であれば、これほどまで炎上する事もなかったかもしれないが、このふてぶてしいにも程がある内容を、デフォルメされた可愛い絵柄の漫画でオブラートに包み、かつ共感と慈悲を得られやすいように視覚に訴えた結果、数万RTも得られる事になった。


 しかし、この漫画の問題点は数日も経たずに多くの閲覧者(特に「絵描きさんたち」)から指摘されるようになり、さらには以前にも同じような漫画があったと、「この手の漫画」というレベルに話題が炎上。

 最終的には、「共感を得るために主語を大きくして、個人の感想をさも大多数の意見のように述べ、それをデフォルメ漫画にすることで反応しやすくする」という「表現手法」の問題に発展。「マスコミのやり方」だの「炎上商法のやり口」だのと、手法を使っている(とされる)本来全く関係の無かった分野にまで飛び火し、最終的に「こうした事をする人の倫理観」という面にまで火の粉が移った。

 一時はもう収拾がつかないレベルの炎上になりかねなかったが、近年のツイッターの傾向でもあった「炎上した話題は軒並みクソコラや大喜利でネタにする」=「コンテンツ化させる」という(良くも悪くもある)自浄作用が機能した結果、「白ハゲ漫画」としてコンテンツ化されたことで収束した。例えば、白ハゲ漫画の主人公が意見を言う前にボコボコにする、その意見の本題に入った瞬間斜め上の事態に発展する、というような漫画、コラなど(本項メイン画像を参照のこと)が大量に投稿され、元となった漫画そのものの炎上よりも「白ハゲ漫画ネタ遊び」とでもいうべき投稿の方が広まるほどであった。


 いつもなら「この手の話題」として軽く炎上し、そのままうっすらと流れるはずだったが、今回の漫画がこれほどまで大きな事態に発展したのは、言ってしまえば「いつも以上に図々しい内容であった」事や、定期的に上がっている問題で多くの古参ツイッタラーが辟易としていた事、そうした古参ツイッタラーの経験値が大きくなっていた事、そうしたストレスのかかるものが定期的に上がる状況に対するクラスタの我慢の限界などが重なった結果、これ以上ないほどの炎上を引き起こし、白ハゲ漫画としてコンテンツ化されるに至ったと言える。

 そういう面で、作者は運が悪かったと言えるが、当人が問題だらけの漫画を描いておきながら、炎上によってマンガの思惑通りRTやいいね(そして幾人かの共感)を得て満足しており、その後も作品投稿を続けているため、ある意味必然の炎上だったのかもしれない。


現状

「白ハゲ漫画」というジャンルが産み出されて大炎上したのも数年前の話となった今、従来のような自己顕示欲の暴走によって産み出されたような白ハゲ漫画が唐突にバズる様な事態は減りつつある。

 その一方で、サムネイルの段階で「白ハゲ漫画」として第一印象の段階で忌避されることを避けるためか、多少手を加えて容姿のしっかりしたキャラクターでお気持ち表明をするような作品もあり、それらは白ハゲ漫画と一蹴されないまま同意(あるいは批判)を得てRTやいいねを大量に稼いでしまっているような場合もある。


 また最近では、一部で容姿が定まっていないプレイヤーの容姿を明確に決める気が無い場合(アバターを用いたり、作中でプレイヤーの容姿が描写されないようなゲームなど)に所謂「白ハゲ」の見た目の創作キャラクター=主人公を登場させた二次創作で「白ハゲ注意」という文言を入れるという本末転倒な状況が発生している。つまり、「簡素な人物表現≒白ハゲ≒一部に不快感を与える表現」という形で結びついてしまっている。

 本記事で言われる「白ハゲ漫画」はあくまで「漫画の形で、後先を考えない作者の一方的なお気持ち表明をする」事が問題であり、白ハゲという存在自体は問題がない。本来であれば「白ハゲ」は「棒人間」よりは細密という程度の人物描写にすぎず、「作者のお気持ちを表明する都合の良いキャラ」という意味ではないため、「白ハゲキャラ」が出てくる漫画自体は批判の対象とはならない。しかし、「白ハゲ」という存在自体に不快感を抱く、あるいはそれを危惧する人がいるのも事実である。


もし白ハゲ漫画を描いて炎上しないためには

 まず、白ハゲを使ったお気持ち漫画を描くな に限る。

 上述の様に注意書きが必要なほど「白ハゲ」そのものに今は良い印象が持たれておらず、「白ハゲがいる」というだけで噛みつかれるリスクがある。

 しかし、表現手法としては「キャラクターの容姿を細やかに描く手間が省けるが、棒人間などと違って表情や動きを描写しやすい」という利点を持つこの手法を全く使うなというのは酷であるため、「白ハゲが出てくる漫画」を描いていても、「白ハゲ漫画」=「お気持ち表明漫画」と言われ、炎上しないためにどうすべきかについて以下に記す。

  • エッセイ、思い出系は何かを悪く言うような話にしない(事件などについて取り上げる際は、自身の主張や立場を明らかにした上で「悪いと思う」という程度に留める)
  • 意図的なデマを書かない。もし意図せず間違った情報を書いてしまったら、ツイートなどできちんと説明・修正し、可能であれば修正した漫画を再投稿する
  • 主語を大きくしない。特に「絵描き」「創作クラスタ」など、オタク系の界隈やコンテンツで用いられるような表現は避けること
  • 「あくまで個人の感想である」事を、漫画内だけでなくツイートでも表明する
  • フィクションであればフィクションであることを明記する(嘘松も参照)。身バレ防止のため意図的なフェイクを入れる場合、そのことも明記する
  • 個人や特定の団体、施設などへの晒しのような内容にしない
  • 人の好意を貶めない
  • 一方的な批判や一方だけを下げる比較などは避ける。検証・レビューなどは特に注意が必要
  • 読者に行動を要求しない
  • 一見そういう炎上話題に見せかけて2P目でネタ全開にする

これらを警戒すれば少なくとも炎上は避けられるだろう。棘の無い白ハゲ漫画を描いて、平和な白ハゲ漫画ライフを満喫しよう。


 なお、これを読んで「炎上して自分も知名度を~」と考えている人は即座にその考えを改めよう。それで得た知名度は悪評としていつまでも己の足を引っ張る枷となり、それで得たフォロワーは一挙一投足を監視し、炎上するような事を言った瞬間かみつくハイエナばかりである。

なによりツイッターの代謝は本当に早いので、その炎上が収束するともう二度と話題に上がらない。現に「白ハゲ漫画」というジャンルは恒常的に話題になるも発端となった人物についての話題はもうほとんど無いのがその証左である。敵に回した相手が相手だとスパムブロックの大量報告でアカウント凍結に至る事もあり得る。クリエイターの場合、その炎上がデジタルタトゥーと化す危険性も高い。


何事も、誠実にやっていくのが一番である。


 

関連タグ

漫画 棒人間 白ハゲ デマ 表現 嘘松 バカッター

Twitter SNS 批判 炎上 炎上商法 大喜利

関連記事

親記事

エッセイ漫画 えっせいまんが

子記事

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 225053

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました