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「正しい正しくないじゃないよ

アクアくんがすっごい悪い子だったとしても

私くらいはありのままの君を認めてあげなきゃって思う」

『少しずつ嘘を真実に』

「駄目だよアクアくん 自分の事は自分で決めないと

アクアくんは私の物じゃないし 私もアクアくんの物じゃない

自立した人間二人が寄り添う事に意味があるの

でも アクアくんが決めた事なら 私はいくらでも力を貸すよ」

概要

本作のヒロインの一人。

第3章「恋愛リアリティショー編」で初登場。

恋愛リアリティショー『今からガチ恋♡始めます』(通称「今ガチ」)という番組でアクアMEMちょと共演。その後MEMちょと共にメインキャラクターの1人へと昇格する。

幼い頃の回想シーンでは元々はロングヘア(メインと左の画像)だった。推しである有馬かなへのリスペクトの為に原作に初登場した当初はボブカット(右の画像)していたのだが、アクアに救われたのを切っ掛けにロングヘアに戻している。

人物

落ち着いた雰囲気で整った顔立ちの美人。

常にメモを持ち歩くほどの真面目な努力家だが、周囲を思いやるあまりに引っ込み思案で自己主張が苦手。

舞台役者としては非常に有能といえる彼女であったが、芸能界全体で見るとあまり目立たなかったため、知名度の向上を狙う所属事務所の意向で恋愛リアリティショーへ出演した。

初登場の恋愛リアリティショーでは、物事を突き詰めすぎる性格が災いして、SNSの悪意を真正面から真摯に受け止めようとした結果、自殺を図るほどに追い詰められてしまった。

人見知りで内向的な性格であり、他人に気を遣って一歩引いてしまいがち。そのため人間関係がメインの恋愛リアリティショーでは、完全に個性が埋没してしまい、早いうちからアクアやMEMちょなどの共演者から心配されていた。

恋愛リアリティショー以降は、共演者のアクアや鷲見ゆきの影響で、悪意から身を守る手段や、自分が一番目立つために戦う姿勢を学んだため、苦手だったバラエティも克服。彼女の演技が、限界を越えてさらに成長するためのきっかけにもなった。

アクアの秘密を悟ったことから、彼の復讐に巻き込まれて行くことになる。

優しさと思いやりのある性格であり、自分に何の得がなくても他者のために心を砕くことができる

共感力が高く、他人の感情や状況を深く理解し、相手の立場に立って考える力を持つ。

困っている人に手を差し伸べ、他人のために心を砕き、心から思いやることができる。

それでいて自分の功績や善行を誇示することはなく、他人のために何かをすることが当然だと考え、感謝や見返りを求めない。

反面、ネガティブな感情を表面に出さず、自分ひとりで厄介事も収めようとして背負い込みすぎる欠点がある。また、周りを気遣う性格のため貧乏くじを引いたり、自分ではなく他者のために献身するため、時に自己犠牲的なほど。

ただし、時おり初々しい反応や子供っぽい感情表現も魅せる。普段はしっかり者だが、意外と甘えん坊な面もある。

あかねと有馬かなの過去を描いた小説「二人のエチュード」によれば、現在の共感力が高さは、努力の積み重ねによって培われたものである。幼少期には相手の表面的な情報を捉えることは得意だったものの、内面に隠された心情にまで配慮することは難しく、相手に正論をぶつけて怒らせてしまうこともあった様子。

しかし、心理学の書籍を読み漁るなど、自ら欠点を自覚して学び、試行錯誤を重ねた。その努力が現在の高い共感力と論理的な思考力につながている。

趣味・嗜好・その他

多忙な女優業のかたわら成績も落とさず、名門中学のお受験組で偏差値78という秀才であり、前世で東京国立医大の合格経験があるアクア(高校受験時偏差値70)にせまる頭脳の持ち主で、洞察力と推理力に優れている。父・黒川理は警察官(警視)であり(『二人のエチュード』で名前と職業が判明)、父親の血も色濃く受け継いでいると言える。

献身的な性格のため恋愛面では積極的に見えるが、「良い彼氏をしてくれている、それが満たされていれば必要充分」「これ以上望むのは罰当たり」「少しづつ嘘(の恋)を真実(の恋)に」というようにアクアを気遣う気持ちが逆に彼女の枷となっている部分も否めない。

恋愛相手に依存はしない、自立した観念を持つ女性でもある。

子どもの頃には暴言を吐かれ、現在では直接ではないとはいえ「リタイアしてくれれば良かったのに」と言われ、恋敵から(ビジネスカップルだったとはいえ)アクアと「焼肉デート」をしたことをマウントされたときも、怒るどころか彼女を心配した。

母親(CV:大井麻利衣、演:黒沢あすか)と一緒に料理教室に通っており、普段から自宅でもしているため料理が得意。

女優としての黒川あかね

彼女の所属は一流の役者しかいないと評される劇団ララライ。彼女は「若きエース」と呼ばれる程の実力派女優であり、元子役の有馬からも「天才と呼ぶしかない」と評価されている。カメラ演技一筋で舞台演技に興味のなかったアクアは彼女のことを認知しておらず、かなの予想外の高評価に驚きを隠せなかった。

徹底した役作り、与えられた役への深い考察洞察、それらを完璧に演じきる天性のセンスによる「憑依型演技」が彼女のスタイル。

5歳の頃から独学で身に付けたプロファイリングでキャラ分析の材料を集め、欠けたピースは独自設定で補い、パズルのように演じる役の人格や、思考パターン、感情などを導き出している。

その精度は非常に高く、『今ガチ』でアイを演じたときは、「どういう生き方をして来た」や「どういう男が好きか」まで解明。さらにアイに隠し子がいたという事実まで可能性として指摘している。

アイを演じて以降は演技にカリスマ性も加わり、本気の演技中は彼女の瞳にも星が宿るようになった。劇団ララライ代表の金田一敏郎は、この特徴的な眼を「人を騙す眼」、「役者にとって最高の資質」と呼んでいる。

彼女の役作りは、充分な考察材料さえあれば「完コピ(原作29話サブタイトル)」の領域であり、「本物」と変わらないキャラを無数に演じることができる。

逆に、考察材料が少ないと、欠けたピースを補うための独自設定が増えるため、自然と役作りの精度が落ちてしまう。さらに「彼女のキャラ解釈」と「脚本の解釈」が食い違った場合、彼女が思うように演じきれなくなるという弱点もある。

彼女の演技は高い「考察力」と「洞察力」、プロファイリングの「知識」と「経験」、さらに作った役を完璧に演じきる「天性のセンス」が揃って初めて成立する。特に10年以上積み上げたプロファイリングの知識と経験や、天性のセンスは他に代えられないため、実質彼女以外には真似できない「異質」なものになっている。

高度な頭脳を持つ反面、出来すぎるせいで集団の中から排斥される場面もあり、「私だって普通の女の子に生まれたかった」とも述懐している。

プライベートでどれだけ辛いことがあっても演技に影響は出さず、仕事は完璧にこなして女優としての矜持を貫く。

人間関係

恋愛リアリティショーで共演した役者であり、表面上の恋人(ビジネスカップル)。

自身が引き起こしてしまったトラブルを解決する為に、尽力した彼への恩返しのつもりで彼の理想の女性であるアイを完璧に演じてみせる。

番組終盤、上記のプロファイリング技術に利用価値を見出した彼の告白を受け入れ、キスをする。

番組の打ち上げにおいて、自身を異性として見ていないことを指摘するも、「女優として興味がある」という彼の言葉に納得し、仕事上の彼氏彼女を続けていくことになった。

記事の上の言葉の通り、アクアに対して献身的。後にアクアと正式に恋人になった時は、アクアの不安定な部分を受け止め、アクアが彼女に過去をあえて見せ、復讐の是非についてあかねに選択を任せるほどに心を許させるなどアクアにとって今やその存在は有馬かなMEMちょといった同じ事務所の人間と同等まで大きくなった。

アクア曰く「どんなあかねでも俺は好きだぞ」とのこと。

しかし、再びアクアが復讐に手を染める決意を固めた際には「私がアクアくんを止める」と決意し、彼が一線を越えないように奔走していた。その一件もあり恋人としての関係が破綻し破局したものの、信頼関係は変わっていない。

同い年であり同じ子役からの女優。

舞台「東京ブレイド」で数年ぶりに共演する。

幼少期に天才子役と謳われた彼女に多くの役を取られたことがトラウマで、現在ではその立場が逆転して仕事の少ない彼女に天才役者と謳われる自身が疎まれているなど、お互いがお互いをライバル視している。

髪の色、性格、演技への向き合い方やなど、あらゆる面で正反対のため顔を合わせる度にケンカをしてきた。

あかねは表には出さないが心の内では彼女に対し厄介ファン的な感情も持っている一方で、有馬かなからのあかねへの感情は「あーあ…あのままリタイアしてくれば良かったのに…」と呟くほど温度差がある。

「東京ブレイド」編でも「ピーマン体操が代表作のくせに!」「アンタこそ代表作は恋愛リアリティショーでしょうが!マルチタレントはどっちよ!」と危うくレスバになりかけていたが、最終的にその蟠りも若干解けている。

ただし、アクアの話になると別である

恋愛リアリティショーで共演したyoutuber。現場に馴染めないでいるあかねを早いうちから心配していた。彼女からのSOSのおかげであかねはアクアに救われ、彼女のネットノウハウのおかげでSNSの炎上も鎮火した。

あかねの番組復帰後に、彼女がアクアの理想の女性をアイだと言い当てたことから、アイを演じることになる。番組でアクアと交際を始めた後は、SNSにアップしたデート写真に欠かさずイイネするなどアクアとの関係を応援してくれている。

恋愛リアリティショーで共演したファッションモデル。

番組内での仲はとても良好だったが、あかねが思うように番組で目立てていなかった焦りから、彼女に怪我を負わせてしまったことが原因でSNSが炎上。自分があかねに発破をかけた所為であかねが炎上被害に遭ったことを気に病んでいた。

恋愛リアリティショー以降は、自分が出演する舞台へ他の共演者たちと共に招待するなど、良好な友人関係は続いている。

アクアの理想の女性ということで彼女を演じる事になった。

彼女の資料を集めプロファイリングを行い、「特徴的な瞳は自信によるもの」や「15歳頃に良い出会いが有った」など多数の考察から、見事にアイの人格や感情を再現して演じる。その姿に実の子であるアクアルビーまでもがアイの幻影を見てしまった。

余談

アニメ版で星野アイ役を務めている高橋李依女史はあかね役もオーディションを受けていた。

元々、高橋女史はアニメ化が決まる以前から原作のファンであり、一番好きなキャラクターは黒川あかねで、アニメ化が伝えられオーディションが来た時には当初はあかね役を受けるつもりであった(ちなみに高橋女史はキャラクターの性質を研究して自身に落とし込んで演じるタイプであるため、この点で黒川あかねに近いと考えたかもしれない)。

しかし、自分のあかねの芝居を録音したデモテープを聞き返してみると、「この役は私じゃないな」「自分の声の音域を考えると、アイの方が合っている」と判断し、アイ役の方に移行したという経緯がある。

実際に、役を担当する事となった石見舞菜香女史は7話にてあかねがアイの演技を始めた際の演技は口調や息遣い、些細な雰囲気まで高橋女史の演じたアイとそっくりの演技を行ったためSNS等で高い評価を得、原作でもアニメでも作品全体をバズらせる契機となった。その後、石見は本役と『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の椎名真昼役、『転生王女と天才令嬢の魔法革命』のユフィリア・マゼンタ役での演技が評価され第18回声優アワードにて助演声優賞を受賞した。

作者は作品の方向性を決定したのは恋愛リアリティーショー編としており、その中でもあかねが中心となる回は「あれはウルトラCみたいな回だったのであれを今後再現するのは難しいかもしれません」と語るほどの会心の出来だったらしい。

度々洞察力の高さを見せることから、読者からは「名探偵あかね」といじられることがある。

周囲の人々を気遣い続け、大切な人たちのために自らの身をかえりみず立ち回り、ルビーの危機を本人も預かり知らぬところで2度も守り、周囲の関係者から感謝も心配もされないことから、ルビーの「名誉お姉ちゃん」「推しの子MVP」と読者からは称えられることがある。

ネタバレ注意

アクアが父親を殺そうとしている事を知ったあかねは、何とか止めようと奔走する。しかし、最終的に彼女はアクアに頼まれ復讐に協力する事になる。最終章『星に夢に』ではルビーに変装し囮になり、ルビーを殺しに来たニノを騙し、ニノを捕り押さえる事に成功する。

しかし、事前に頼まれていた際に「カミキと決着を付けてくる」と言っていたアクアが死んで戻ってこないのではないか?とあかねは危惧していた。それでも、アクアが「死にたくない人の顔をしていた」ために信じて見送るが、結果としてアクアはカミキを道連れにする形で死亡してしまった。

アクアの死を知ったあかねは激しく後悔するが、人前では悲しみを抑え、わきまえて一歩引き、気丈に振る舞い続けた。

アクアの葬儀を終え、あかねはアクアの遺体発見現場である冬の海岸に赴き花束を手向けると、今までこらえていた悲しみ、後悔、喪失感など様々な思いが噴出し、膝から崩れ落ち、やっと涙を流した。

結果としては、自分の気持ちに逆らってありとあらゆる手を尽くしても、アクアを救えなかった。その後悔と罪悪感を抱えたまま、彼の復讐の全容を他人に明かせば、彼の命を賭した復讐が台無しになるため、今後もひとりで心にしまい込んで黙するしかない。

物語終了後も、誰とも共有できない苦しみを背負い、真実を知りながら嘘をつき続ける人生になるという、過酷な状況に一人取り残されることになった。

物語最終盤、ただ一人全ての真実を知る彼女は、アクア亡き後の物語の語り部となっている。

単行本16巻のおまけページではその後の彼女が断片的に描かれており、とあるインタビューではオカルト関連のものにハマっていることを明かしている。演技については「自分を出す事と作り出す事は違う」と誰かの真似ではなく本当の自分自身を探してそれと向き合っていく事を目指しているようである。

オカルト関連については本編より数年後も描いた小説「二人のエチュード」でも触れられており、ツクヨミについて調べた際に彼女がオカルトの世界に籍を置いていることや、死者の記憶を赤子に植え付ける術などで死者を蘇らせる方法があることを知った様子。ツクヨミからは「死者を蘇らせるのは外法」「先には地獄があるかもしれない」と警告・監視されている。

なお、小説を元に「赤子や他者を犠牲にしてでもアクアを蘇生させる」「あかねが穢土転生をしようとしている」と解釈をされる場合もあるが、小説の時点では全て調べて理解をした上で恋にケジメを付けるとしており、先の内容もアクアと再び出会う方法の一つにすぎず、将来どうなるかは明らかになっていない。先の解釈に対しては原作のキャラクターの中でも特に他者を思いやる言動が丁寧に描かれていたあかねの人格から大きく逸脱しているとも言われる。

いずれにしても他のキャラクターが前を向く中で、本編後を描いた漫画・小説ともに、女優として成功しつつあるもののあまり前向きな未来は示唆されておらず、彼女を推し続けてきたファンには救いがない悲しい結果になった。

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