彼女が夢見た道を歩く……。その姿を見届けたいだけなんだよ。
CV:伊東健人
演:成田凌
概要
宮崎県北部の病院で働く産科医の青年で、「ゴロー」の愛称で呼ばれる。
アンダーリムの角縁眼鏡を着用し、ネームホルダーにアクリル製キーホルダーを入れて持ち歩いている。
研修医時代の小児患者の影響で人気アイドル・アイを熱烈に推すドルオタだったが、そんな彼の勤める病院に当のアイ本人が訪れた事で運命が大きく動いていく。
自分の推していたアイドルが、よりによって父親が誰かも分からない子供を身籠っていたことに強いショックを受けるものの、彼女の熱意に絆され無事に出産させることを決意する。
しかし彼女の出産が迫っていたある日の夜、病院の近くで不審な男を見つけ、彼を追っている内に崖の下に転落してしまい死亡。
しかし、その魂はアイが生んだ子供の片割れ・星野アクアへと生まれ変わった。
なお、関係者にも彼の消息は明らかになっておらず、当時の勤め先に問い合わせても、急に連絡がつかなくなって以降その長期化に伴い退職扱いとなったと語られるのみである。
また、担当患者の一人である天童寺さりなは入院中一人だった時にずっと親身になって接してくれた事もあって非常に懐いており、転生した星野ルビーがアイドル活動を立ち上げる際に、今どこにいるかわからない彼との再会への願いを秘めてユニット名を「B小町」としている。
余談
- あらすじ紹介やアニメPV1弾ではあたかも彼が主人公であるかのように扱われており、それもある意味間違ってはいないのだが、「『雨宮吾郎』としての出番」は最序盤のみである。
- これは本作の宣伝手法の一つとして「本作が所謂『転生もの』である事を極力伏せた上で宣伝し、初見の読者や視聴者を驚かせる」事が関わっていると考えられる。
- アニメ化に際しても、ご丁寧に『彼の転生先にして真の主人公』とはキャストが分けられており(おまけにキャスト発表も同時)、原作未読の視聴者達を驚かせるのに一定の成果を上げているようだ。
- フルネームが明らかになったのは第七十五話だが、テレビアニメ版では第一話の時点で公表されている。これに伴い原作では名称が入っていない部分に記載が追加されている。
- なお、初期構想では吾郎(の原案キャラ)は医者ではなく、チンピラの予定だったが倫理的な問題で変更されたとのこと。
関連タグ
鳴嶋メルト:作中に登場する現役DKモデル兼俳優。アイの半生を描いたドキュメンタリー映画にて、医者Aことゴロー役にキャスティングされた。
※ここからは第6章「プライベート」編(原作第67話及びアニメ第23話以降)のネタバレにつき原作未読・アニメ未視聴の方は閲覧注意。
吾郎は物語の序盤でアイの周辺を嗅ぎ回る不審者を見つけ、素性を問い質した結果、その男の持っていた凶器で殺害されてしまう。
亡骸は崖下に落ちたため発見されることは無く、長い間風雨に晒され放置されることになる。
16年以上もの時が流れ、新生B小町のMV撮影で宮崎を訪れていたルビーが謎の存在に導かれたかのように、祠の裏側の空洞の中で彼の白骨死体を発見してしまう。
朽ちた白衣、見覚えのある眼鏡、見間違えようのないキーホルダー、そして被害者が所持していたクレジットカードに書かれた名前が「GORO AMAMIYA(アマミヤ ゴロウ)」。
さりなに生きる意味を与えてくれた彼との最悪の再会により、ルビーの希望は絶望へと反転し、復讐に突き動かされる事になる……
なお、吾郎の生前も決して恵まれた環境とは言えなかった。
実母は妊娠していることをギリギリまで親に隠していたため自宅で産気づいたが大量出血し死亡。
実父はついにどこの誰かもわからずじまいになり祖父母に育てられたが祖父とは蟠りが残ったままだった。
医学部に合格した時も祖母の勢いに押されて本心とは違う産婦人科を志望してしまった。
祖母もその後他界したようで、祖父母と暮らした家は朽ち果てるままとなっている。
天童寺さりなに対しては医師と患者というだけにとどまらず家族のように目をかけており、彼女の容体が悪化していく中両親が見舞いにも来ないことに激怒していたが、指導医らから「そんな親は掃いて捨てるほどいる」と宥められ、実両親の代わりにさりなを看取っており、その際にアイのキーホルダーを託されている。