「もし芸能人の子供に生まれていたらって考えた事はない?」
CV:高柳知葉
演:稲垣来泉
概要
星野アクアの前世「雨宮吾郎」が研修医時代に出会った入院患者で、彼がアイドル・星野アイを推すきっかけとなった少女。
年齢はアイと同い年。
デビュー当初からのB小町ファンで、特にセンターのアイ推し。病室のテレビの前には大量のグッズを飾っている。
生まれつき病弱で、4歳の時に「退形成性星細胞腫」(悪性脳腫瘍の一種)を発症し「余命は10年ほど」と宣告されて以降をほとんどゴローの研修先ともなった宮崎県内の病院の中で過ごした。
病状の進行により年々歩くこともままならなくなっていたがアイに憧れを抱くようになってからは生きる意味が生まれ、体が動くことを願うようになったが回復することはなく12歳という若さで他界した。
ゴローによれば、両親もさりなを邪険に扱っていた(というより死病に侵される娘と向き合うことができなかった)らしく遠くの地での仕事を優先し娘との関わりは皆無に等しかった。入院手続き時に母親が顔を出して来て以降は見舞いにも訪れず、さりなの最期にすら病院に来ることがなかったという。
そのため、自らに親身になってくれるゴローには淡い恋心を抱いて「せんせ」と呼んで懐いており、度々求婚していたが、当の本人には「16歳になったら考えてやる」と軽くあしらわれていた。
憧れのB小町のライブには体調が良い時の一回だけ行けたことがあった。
末期の際にも両親が来る気配が一向になかったため、入院先の指導医達も彼女の看取りをゴローに任せることにし、ゴローは息を引き取る間際の彼女に託され、ライブ会場で引き当てたアイのアクキーを形見として貰い受けることになった。
そして死から約4年後、推しであるアイの子供の片割れ・星野ルビーとして再びこの世に生を受け、やがて前世の因縁と向き合っていくことになる。
余談
作中で彼女の苗字を明かされるのはかなり話が進んでからの為、天童寺さりなタグが付けられてるものは少なく、雨宮吾郎とのカップリングである「ゴロさり」、または「星野ルビー」で探すのが一般的。
なお、さりながB小町のライブに行こうとしたものの容態悪化により断念せざるを得なくなった公演のライブ会場は第121話掲載と同時期に完成した佐賀県の「SAGAアリーナ」をモデルにしている。(さりなが居た宮崎県との立地からして九州内とはいえ病人にとっては相当な遠出である。)
実写版演者の稲垣女史は原作の大ファン。
関連タグ
天童寺まりな:実母。広告代理店を営んでいるが…
以下ネタバレ
アクアとなったゴローはひょんなことから「芸能人と業界人」の間柄で、さりなの実母であるまりなと対面する。
アクアの中身が亡き娘を診ていた医師(一度面識はあった)とも知らず酒の勢いで馴れ馴れしく喋りかけるまりなにアクアは彼女の家族関係をたまらず訊いてしまう。
さりなが生前七夕のお願い事に「B小町のライブに行けますように」「お父さんとお母さんが病気になりませんように」と短冊に記し、見舞いにも来ない両親を気遣い何処かで親の愛を信じたがっていたのを思い出しつつ。
上機嫌なまりなが見せたものはさりなではない2人の成長した子供(さりなの年齢の離れた弟妹)と夫に囲まれて自身の誕生日を祝われる彼女の写真であった。
そしてにこやかに「子供なんてね 健康でいてくれればなんでもいいのよ」と語るまりな。
まるで「さりなという病気の娘」など最初からいなかったかのように振る舞い、健康な子供たちだけに愛情を注ぐという、かつてゴローが憤慨していた事態よりもさらに上をいくまりなの毒親ぶりにアクアはショックを受け、さりなが病床で味わっていた地獄が如何程のものであったかを思い知らされるのであった。
その後、ルビー(さりな)もまたその事実を知ることとなり、映画『15年の嘘』で今世の母・アイを演じるにあたり、「自分が母(まりな)に愛されていた」ことを確かめようと嘗ての実家を訪れ、母が自分のことを忘れて初めて見る弟や妹達と楽しく暮らしている姿を目の当たりにしてしまう。
その結果、「私と関わった人はみんな不幸になる」「私は不幸しか運ばない」と絶望するのだが…。