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「子供にとって毒となる親」の略。子供に悪影響を及ぼす親の事。
注意!
この記事はかつて特定ユーザーが一般的な事例と特異な事例を区別せず無秩序に書き連ねた結果、混乱状態となり、記事が極端に肥大化した経緯があります。編集する際は常に原義を意識し、一般的とは言い難い事例や説明、関連性をこじつけるような単語を付け加えない様にお願い致します。

解説

解説

という立場を悪用して虐待過干渉ネグレクトなど子供の将来に悪影響を及ぼす親の事。


呼称の由来は、1989年にアメリカで発売されたスーザン・フォワード著「TOXIC PARENTS」、および邦題「毒になる親 一生苦しむ子供」から来ている。「TOXIC PARENTS」はフォワードによる造語で、学術用語ではないため、科学的根拠が十分にあるとは言えない語であることを留意するべきである。

この本では児童虐待の被害者やアダルトチルドレン(※ここでは、本来の意味であるアルコール依存症の親の元育ったことで、子供らしい生活を送れなかった人を指す)について取り上げられており、日本でも1999年に訳書が刊行され、その後児童虐待についての注目が高まったことから一般にも広まるようになった。


インターネット上などでは、毒親の元で育った(とくに、成長してから「毒親」という概念を知った)人が、自身のことを「毒親育ち」と表現することも多い。


一方で、「毒」という言葉が広まったことにより、自分が嫌いなものを叩く為に安易に頭に「毒」をつける等、レッテル貼りとして使われる事も多く、安易な認定や使用を行うことによる弊害が生まれている語となりつつある。

「親(強者)と子ども(弱者)」という関係性の明快さ、「毒」という表現のわかりやすさからか、簡単に「悪=親」という二元論で語られることも少なくない。


また虐待過干渉ネグレクトは、その境目が個々の事例により大きく変動する扱いの難しいものであり、親の多少の落ち度を過剰に非難し毒親扱いするという度し難い事例も存在する。

前述のスーザン・フォワードは、「完璧な親はいない、時に過剰なしつけを行おうとそれは普通の範疇である」と述べている。

しかしながら「普通」を超えた行いは確実に存在し、フォワードは「ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる」としている。つまり、「毒親」とは、「子供の将来に悪影響を及ぼす攻撃を、長期にわたって継続して加える親」といえる。


「毒親育ち」の人物による体験談(エッセイ)、コミックエッセイなども多数発表されており、Pixivでも複数の作品が投稿されている。SNSの隆盛もあり、これらの作品群は毒親問題を大衆に周知させるのに大きな役割を果たしたと言える。

ただ、かつての日本のアダルトチルドレン論と同様、こうした「毒親とそこから脱却した子どものわかりやすい物語」があまりにも人口に膾炙し過ぎたために、現実として毒親問題で苦しんでいる人々とは別に、環境的に何の問題も無かった・或いは薄かったにもかかわらず「自分は毒親のせいで満足な人格生成ができなかった」と問題とその結果を過剰に単純化して語る人々の増加を招いてしまったのは、皮肉としか言いようがない(「毒親の判断について」の項で後述)。


余談だが、全く無関係のインターネットスラングとして、「独身男性」を略した「毒男」(女性の場合「毒女」)という言葉がある。「モテない男性/女性」を略した「喪男/喪女」と重なる形で用いられることがある。


特徴

特徴

※偏見や差別の助長、個人的な事象や意見の羅列による記事の極端な肥大化を防ぐため、この項目を編集する際は、原義や一般的な用法・事例を把握した上で、できる限り明確なソースを提示してください。


精神科医の斎藤学は、(子にあたる人が、自身の親を称して)「毒親」として訴えがあるタイプを大きく四つに分類している。

  1. 過干渉、統制型の親
  2. 無視親
  3. ケダモノのような親
  4. 病気の親

以下に概要を示す。実際には、4タイプだけでなくこれらの複合型が存在する事や、斎藤が提示した以外の分類法もあることに留意すること。


過干渉・統制型の親

子の言動について過干渉で、支配的な親。斎藤によれば、最も訴えの多いタイプであるという。「あれをしなさい」「こうだったらよかったのに」と行動を制限したり、過剰に期待を寄せたりする。目に見えてわかる結果や親自身の「良い」と思っていることだけを重視し、子供自身の取り組みや気持ちは二の次になってしまっている状態。


無視親

放任主義で、子の言動に関して無関心な親。中には、親がするべき日常的な生活の世話まで放棄し、ネグレクトに至っているケースもある。また、一人の子には過干渉、もう一人の子には無関心、という、「搾取子」を仕立て上げるようなこともある。


ケダモノのような親

激しい暴言暴行、性的虐待などを子に加え、心身の健康、ときには生命の危険に関わるような暴力をふるう親。「しつけ」として強い叱責や(「お尻ペンペン」のような)軽い体罰を行う親はいるが、この場合はしつけの範疇を超えた異常なまでの反応で「虐待」を行う。


病気の親

精神疾患などを抱えていて、親自身にも周囲の適切な支援と保護が必要な親。精神的にも体調的にも不安定なため、親としての務めを果たすことが難しくなっている状態である。

また、稀にサイコパスのような「反社会性パーソナリティ」の持ち主で、自分の利便性を追求するために子を含めた他者を都合よく使い、あっさりと切り捨てるような親もいるとされる。


日立財団Webマガジン「みらい」掲載の論文ページ(2018年発表)


毒親の判断について

斎藤の論文は、「毒親」という存在の(他者からの評価を含めた)安易な決め付けに関し、否定的な視点でもって綴られている。

また、斎藤は2015年の時点で「毒親という言葉がブームになっている」とも発言しており、 「毒親か、そうでないかが安易な二元論で語られ、親をバッシングするための言葉になってしまっている」、「(自身のクリニックに受診に訪れる患者には『自分は毒親育ちである』と主張する人も多い、とした上で)人生においては親以外のさまざまな人との関わりがあり、それによる挫折があるはず。仮に毒親であったとしても本来目を向けて解決すべきは『本人の現状』であり、過去の子供時代や他人である親のことは容易に変えられるものではない」 としている。→参考記事


仮に上記の特徴と似た部分が「親」にあるにしても、必ずしも毒親とイコールとは限らない。もちろん安易な決め付けは避けるべきであるが、幼少期の経験やそれが将来に与える影響は個人差があるため、少なくとも(診断を行う医師や支援を行う行政・団体などを除いて)「外野」にすぎない他者が簡単に判断することは控えるべきといえる。


一方で、現在進行形で起こっている虐待については注意が必要である。例えば2020年度ACで放送された広告『見えないフリ』は児童虐待が疑われる事態に対し、児童虐待対応ダイヤル「189」への迅速な通報を呼びかける内容(※児童福祉法第25条の規定に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められている)であり、「間違ってもかまいません」というフレーズが用いられている。


その他関連語句

その他関連語句

毒子

虐待などでを攻撃する子供の事。

親子の双方が精神的・肉体的・経済的に独立している状況こそ健全な関係といえるが、例えば親に暴力を振るったり、介護や看護が必要な親に対して全く支援をしなかったり、という状況が挙げられる。

一方で「毒親の元で育ったから仕返しとして」「親とはもう縁を切っている」というような場合もあり、一概に「毒子」的な振る舞いをしているからといって必ずしも親に非がないとは言えない。


注意点

注意点

インターネット上や毒親被害者の体験談・毒親について綴られた書籍などでは、「毒親に育てられた子供も毒親になりやすい」とする意見も存在するが、当然ながら誰もがそうなるわけではない。

この言葉を決めつけのように言うことは、毒親の悪影響と闘っている人、あるいはそれを乗り越えた人に対してもあらぬ偏見侮辱につながる大変失礼な行為である。事実、毒親育ちが自分も毒親になってしまう可能性を恐れて結婚や子作りを忌避するようになってしまうということがあるのだから。

確かに家庭環境の良し悪しは人生に大きく関わるが、それだけで即人生が決まってしまうわけではない。だからこそ家庭環境に恵まれなかった人には適切な支援が必要なことを理解しておくべきなのだ


外部リンク

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厚生労働省電話相談一覧

ハートネットTV公式サイト「精神疾患の親に育てられた経験のある方の体験談」


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社会問題 虐待 家庭内暴力 ネグレクト

家族  子供 児童虐待 体罰

毒家族 毒父 毒母 毒兄 毒姉 毒弟 毒妹

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解説

解説

という立場を悪用して虐待過干渉ネグレクトなど子供の将来に悪影響を及ぼす親の事。


呼称の由来は、1989年にアメリカで発売されたスーザン・フォワード著「TOXIC PARENTS」、および邦題「毒になる親 一生苦しむ子供」から来ている。「TOXIC PARENTS」はフォワードによる造語で、学術用語ではないため、科学的根拠が十分にあるとは言えない語であることを留意するべきである。

この本では児童虐待の被害者やアダルトチルドレン(※ここでは、本来の意味であるアルコール依存症の親の元育ったことで、子供らしい生活を送れなかった人を指す)について取り上げられており、日本でも1999年に訳書が刊行され、その後児童虐待についての注目が高まったことから一般にも広まるようになった。


インターネット上などでは、毒親の元で育った(とくに、成長してから「毒親」という概念を知った)人が、自身のことを「毒親育ち」と表現することも多い。


一方で、「毒」という言葉が広まったことにより、自分が嫌いなものを叩く為に安易に頭に「毒」をつける等、レッテル貼りとして使われる事も多く、安易な認定や使用を行うことによる弊害が生まれている語となりつつある。

「親(強者)と子ども(弱者)」という関係性の明快さ、「毒」という表現のわかりやすさからか、簡単に「悪=親」という二元論で語られることも少なくない。


また虐待過干渉ネグレクトは、その境目が個々の事例により大きく変動する扱いの難しいものであり、親の多少の落ち度を過剰に非難し毒親扱いするという度し難い事例も存在する。

前述のスーザン・フォワードは、「完璧な親はいない、時に過剰なしつけを行おうとそれは普通の範疇である」と述べている。

しかしながら「普通」を超えた行いは確実に存在し、フォワードは「ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる」としている。つまり、「毒親」とは、「子供の将来に悪影響を及ぼす攻撃を、長期にわたって継続して加える親」といえる。


「毒親育ち」の人物による体験談(エッセイ)、コミックエッセイなども多数発表されており、Pixivでも複数の作品が投稿されている。SNSの隆盛もあり、これらの作品群は毒親問題を大衆に周知させるのに大きな役割を果たしたと言える。

ただ、かつての日本のアダルトチルドレン論と同様、こうした「毒親とそこから脱却した子どものわかりやすい物語」があまりにも人口に膾炙し過ぎたために、現実として毒親問題で苦しんでいる人々とは別に、環境的に何の問題も無かった・或いは薄かったにもかかわらず「自分は毒親のせいで満足な人格生成ができなかった」と問題とその結果を過剰に単純化して語る人々の増加を招いてしまったのは、皮肉としか言いようがない(「毒親の判断について」の項で後述)。


余談だが、全く無関係のインターネットスラングとして、「独身男性」を略した「毒男」(女性の場合「毒女」)という言葉がある。「モテない男性/女性」を略した「喪男/喪女」と重なる形で用いられることがある。


特徴

特徴

※偏見や差別の助長、個人的な事象や意見の羅列による記事の極端な肥大化を防ぐため、この項目を編集する際は、原義や一般的な用法・事例を把握した上で、できる限り明確なソースを提示してください。


精神科医の斎藤学は、(子にあたる人が、自身の親を称して)「毒親」として訴えがあるタイプを大きく四つに分類している。

  1. 過干渉、統制型の親
  2. 無視親
  3. ケダモノのような親
  4. 病気の親

以下に概要を示す。実際には、4タイプだけでなくこれらの複合型が存在する事や、斎藤が提示した以外の分類法もあることに留意すること。


過干渉・統制型の親

子の言動について過干渉で、支配的な親。斎藤によれば、最も訴えの多いタイプであるという。「あれをしなさい」「こうだったらよかったのに」と行動を制限したり、過剰に期待を寄せたりする。目に見えてわかる結果や親自身の「良い」と思っていることだけを重視し、子供自身の取り組みや気持ちは二の次になってしまっている状態。


無視親

放任主義で、子の言動に関して無関心な親。中には、親がするべき日常的な生活の世話まで放棄し、ネグレクトに至っているケースもある。また、一人の子には過干渉、もう一人の子には無関心、という、「搾取子」を仕立て上げるようなこともある。


ケダモノのような親

激しい暴言暴行、性的虐待などを子に加え、心身の健康、ときには生命の危険に関わるような暴力をふるう親。「しつけ」として強い叱責や(「お尻ペンペン」のような)軽い体罰を行う親はいるが、この場合はしつけの範疇を超えた異常なまでの反応で「虐待」を行う。


病気の親

精神疾患などを抱えていて、親自身にも周囲の適切な支援と保護が必要な親。精神的にも体調的にも不安定なため、親としての務めを果たすことが難しくなっている状態である。

また、稀にサイコパスのような「反社会性パーソナリティ」の持ち主で、自分の利便性を追求するために子を含めた他者を都合よく使い、あっさりと切り捨てるような親もいるとされる。


日立財団Webマガジン「みらい」掲載の論文ページ(2018年発表)


毒親の判断について

斎藤の論文は、「毒親」という存在の(他者からの評価を含めた)安易な決め付けに関し、否定的な視点でもって綴られている。

また、斎藤は2015年の時点で「毒親という言葉がブームになっている」とも発言しており、 「毒親か、そうでないかが安易な二元論で語られ、親をバッシングするための言葉になってしまっている」、「(自身のクリニックに受診に訪れる患者には『自分は毒親育ちである』と主張する人も多い、とした上で)人生においては親以外のさまざまな人との関わりがあり、それによる挫折があるはず。仮に毒親であったとしても本来目を向けて解決すべきは『本人の現状』であり、過去の子供時代や他人である親のことは容易に変えられるものではない」 としている。→参考記事


仮に上記の特徴と似た部分が「親」にあるにしても、必ずしも毒親とイコールとは限らない。もちろん安易な決め付けは避けるべきであるが、幼少期の経験やそれが将来に与える影響は個人差があるため、少なくとも(診断を行う医師や支援を行う行政・団体などを除いて)「外野」にすぎない他者が簡単に判断することは控えるべきといえる。


一方で、現在進行形で起こっている虐待については注意が必要である。例えば2020年度ACで放送された広告『見えないフリ』は児童虐待が疑われる事態に対し、児童虐待対応ダイヤル「189」への迅速な通報を呼びかける内容(※児童福祉法第25条の規定に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められている)であり、「間違ってもかまいません」というフレーズが用いられている。


その他関連語句

その他関連語句

毒子

虐待などでを攻撃する子供の事。

親子の双方が精神的・肉体的・経済的に独立している状況こそ健全な関係といえるが、例えば親に暴力を振るったり、介護や看護が必要な親に対して全く支援をしなかったり、という状況が挙げられる。

一方で「毒親の元で育ったから仕返しとして」「親とはもう縁を切っている」というような場合もあり、一概に「毒子」的な振る舞いをしているからといって必ずしも親に非がないとは言えない。


注意点

注意点

インターネット上や毒親被害者の体験談・毒親について綴られた書籍などでは、「毒親に育てられた子供も毒親になりやすい」とする意見も存在するが、当然ながら誰もがそうなるわけではない。

この言葉を決めつけのように言うことは、毒親の悪影響と闘っている人、あるいはそれを乗り越えた人に対してもあらぬ偏見侮辱につながる大変失礼な行為である。事実、毒親育ちが自分も毒親になってしまう可能性を恐れて結婚や子作りを忌避するようになってしまうということがあるのだから。

確かに家庭環境の良し悪しは人生に大きく関わるが、それだけで即人生が決まってしまうわけではない。だからこそ家庭環境に恵まれなかった人には適切な支援が必要なことを理解しておくべきなのだ


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解説

解説

という立場を悪用して虐待過干渉ネグレクトなど子供の将来に悪影響を及ぼす親の事。


呼称の由来は、1989年にアメリカで発売されたスーザン・フォワード著「TOXIC PARENTS」、および邦題「毒になる親 一生苦しむ子供」から来ている。「TOXIC PARENTS」はフォワードによる造語で、学術用語ではないため、科学的根拠が十分にあるとは言えない語であることを留意するべきである。

この本では児童虐待の被害者やアダルトチルドレン(※ここでは、本来の意味であるアルコール依存症の親の元育ったことで、子供らしい生活を送れなかった人を指す)について取り上げられており、日本でも1999年に訳書が刊行され、その後児童虐待についての注目が高まったことから一般にも広まるようになった。


インターネット上などでは、毒親の元で育った(とくに、成長してから「毒親」という概念を知った)人が、自身のことを「毒親育ち」と表現することも多い。


一方で、「毒」という言葉が広まったことにより、自分が嫌いなものを叩く為に安易に頭に「毒」をつける等、レッテル貼りとして使われる事も多く、安易な認定や使用を行うことによる弊害が生まれている語となりつつある。

「親(強者)と子ども(弱者)」という関係性の明快さ、「毒」という表現のわかりやすさからか、簡単に「悪=親」という二元論で語られることも少なくない。


また虐待過干渉ネグレクトは、その境目が個々の事例により大きく変動する扱いの難しいものであり、親の多少の落ち度を過剰に非難し毒親扱いするという度し難い事例も存在する。

前述のスーザン・フォワードは、「完璧な親はいない、時に過剰なしつけを行おうとそれは普通の範疇である」と述べている。

しかしながら「普通」を超えた行いは確実に存在し、フォワードは「ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる」としている。つまり、「毒親」とは、「子供の将来に悪影響を及ぼす攻撃を、長期にわたって継続して加える親」といえる。


「毒親育ち」の人物による体験談(エッセイ)、コミックエッセイなども多数発表されており、Pixivでも複数の作品が投稿されている。SNSの隆盛もあり、これらの作品群は毒親問題を大衆に周知させるのに大きな役割を果たしたと言える。

ただ、かつての日本のアダルトチルドレン論と同様、こうした「毒親とそこから脱却した子どものわかりやすい物語」があまりにも人口に膾炙し過ぎたために、現実として毒親問題で苦しんでいる人々とは別に、環境的に何の問題も無かった・或いは薄かったにもかかわらず「自分は毒親のせいで満足な人格生成ができなかった」と問題とその結果を過剰に単純化して語る人々の増加を招いてしまったのは、皮肉としか言いようがない(「毒親の判断について」の項で後述)。


余談だが、全く無関係のインターネットスラングとして、「独身男性」を略した「毒男」(女性の場合「毒女」)という言葉がある。「モテない男性/女性」を略した「喪男/喪女」と重なる形で用いられることがある。


特徴

特徴

※偏見や差別の助長、個人的な事象や意見の羅列による記事の極端な肥大化を防ぐため、この項目を編集する際は、原義や一般的な用法・事例を把握した上で、できる限り明確なソースを提示してください。


精神科医の斎藤学は、(子にあたる人が、自身の親を称して)「毒親」として訴えがあるタイプを大きく四つに分類している。

  1. 過干渉、統制型の親
  2. 無視親
  3. ケダモノのような親
  4. 病気の親

以下に概要を示す。実際には、4タイプだけでなくこれらの複合型が存在する事や、斎藤が提示した以外の分類法もあることに留意すること。


過干渉・統制型の親

子の言動について過干渉で、支配的な親。斎藤によれば、最も訴えの多いタイプであるという。「あれをしなさい」「こうだったらよかったのに」と行動を制限したり、過剰に期待を寄せたりする。目に見えてわかる結果や親自身の「良い」と思っていることだけを重視し、子供自身の取り組みや気持ちは二の次になってしまっている状態。


無視親

放任主義で、子の言動に関して無関心な親。中には、親がするべき日常的な生活の世話まで放棄し、ネグレクトに至っているケースもある。また、一人の子には過干渉、もう一人の子には無関心、という、「搾取子」を仕立て上げるようなこともある。


ケダモノのような親

激しい暴言暴行、性的虐待などを子に加え、心身の健康、ときには生命の危険に関わるような暴力をふるう親。「しつけ」として強い叱責や(「お尻ペンペン」のような)軽い体罰を行う親はいるが、この場合はしつけの範疇を超えた異常なまでの反応で「虐待」を行う。


病気の親

精神疾患などを抱えていて、親自身にも周囲の適切な支援と保護が必要な親。精神的にも体調的にも不安定なため、親としての務めを果たすことが難しくなっている状態である。

また、稀にサイコパスのような「反社会性パーソナリティ」の持ち主で、自分の利便性を追求するために子を含めた他者を都合よく使い、あっさりと切り捨てるような親もいるとされる。


日立財団Webマガジン「みらい」掲載の論文ページ(2018年発表)


毒親の判断について

斎藤の論文は、「毒親」という存在の(他者からの評価を含めた)安易な決め付けに関し、否定的な視点でもって綴られている。

また、斎藤は2015年の時点で「毒親という言葉がブームになっている」とも発言しており、 「毒親か、そうでないかが安易な二元論で語られ、親をバッシングするための言葉になってしまっている」、「(自身のクリニックに受診に訪れる患者には『自分は毒親育ちである』と主張する人も多い、とした上で)人生においては親以外のさまざまな人との関わりがあり、それによる挫折があるはず。仮に毒親であったとしても本来目を向けて解決すべきは『本人の現状』であり、過去の子供時代や他人である親のことは容易に変えられるものではない」 としている。→参考記事


仮に上記の特徴と似た部分が「親」にあるにしても、必ずしも毒親とイコールとは限らない。もちろん安易な決め付けは避けるべきであるが、幼少期の経験やそれが将来に与える影響は個人差があるため、少なくとも(診断を行う医師や支援を行う行政・団体などを除いて)「外野」にすぎない他者が簡単に判断することは控えるべきといえる。


一方で、現在進行形で起こっている虐待については注意が必要である。例えば2020年度ACで放送された広告『見えないフリ』は児童虐待が疑われる事態に対し、児童虐待対応ダイヤル「189」への迅速な通報を呼びかける内容(※児童福祉法第25条の規定に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められている)であり、「間違ってもかまいません」というフレーズが用いられている。


その他関連語句

その他関連語句

毒子

虐待などでを攻撃する子供の事。

親子の双方が精神的・肉体的・経済的に独立している状況こそ健全な関係といえるが、例えば親に暴力を振るったり、介護や看護が必要な親に対して全く支援をしなかったり、という状況が挙げられる。

一方で「毒親の元で育ったから仕返しとして」「親とはもう縁を切っている」というような場合もあり、一概に「毒子」的な振る舞いをしているからといって必ずしも親に非がないとは言えない。


注意点

注意点

インターネット上や毒親被害者の体験談・毒親について綴られた書籍などでは、「毒親に育てられた子供も毒親になりやすい」とする意見も存在するが、当然ながら誰もがそうなるわけではない。

この言葉を決めつけのように言うことは、毒親の悪影響と闘っている人、あるいはそれを乗り越えた人に対してもあらぬ偏見侮辱につながる大変失礼な行為である。事実、毒親育ちが自分も毒親になってしまう可能性を恐れて結婚や子作りを忌避するようになってしまうということがあるのだから。

確かに家庭環境の良し悪しは人生に大きく関わるが、それだけで即人生が決まってしまうわけではない。だからこそ家庭環境に恵まれなかった人には適切な支援が必要なことを理解しておくべきなのだ


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家族  子供 児童虐待 体罰

毒家族 毒父 毒母 毒兄 毒姉 毒弟 毒妹

注意!
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解説

解説

という立場を悪用して虐待過干渉ネグレクトなど子供の将来に悪影響を及ぼす親の事。


呼称の由来は、1989年にアメリカで発売されたスーザン・フォワード著「TOXIC PARENTS」、および邦題「毒になる親 一生苦しむ子供」から来ている。「TOXIC PARENTS」はフォワードによる造語で、学術用語ではないため、科学的根拠が十分にあるとは言えない語であることを留意するべきである。

この本では児童虐待の被害者やアダルトチルドレン(※ここでは、本来の意味であるアルコール依存症の親の元育ったことで、子供らしい生活を送れなかった人を指す)について取り上げられており、日本でも1999年に訳書が刊行され、その後児童虐待についての注目が高まったことから一般にも広まるようになった。


インターネット上などでは、毒親の元で育った(とくに、成長してから「毒親」という概念を知った)人が、自身のことを「毒親育ち」と表現することも多い。


一方で、「毒」という言葉が広まったことにより、自分が嫌いなものを叩く為に安易に頭に「毒」をつける等、レッテル貼りとして使われる事も多く、安易な認定や使用を行うことによる弊害が生まれている語となりつつある。

「親(強者)と子ども(弱者)」という関係性の明快さ、「毒」という表現のわかりやすさからか、簡単に「悪=親」という二元論で語られることも少なくない。


また虐待過干渉ネグレクトは、その境目が個々の事例により大きく変動する扱いの難しいものであり、親の多少の落ち度を過剰に非難し毒親扱いするという度し難い事例も存在する。

前述のスーザン・フォワードは、「完璧な親はいない、時に過剰なしつけを行おうとそれは普通の範疇である」と述べている。

しかしながら「普通」を超えた行いは確実に存在し、フォワードは「ところが世の中には、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子どもの人生を支配するようになってしまう親がたくさんいる」としている。つまり、「毒親」とは、「子供の将来に悪影響を及ぼす攻撃を、長期にわたって継続して加える親」といえる。


「毒親育ち」の人物による体験談(エッセイ)、コミックエッセイなども多数発表されており、Pixivでも複数の作品が投稿されている。SNSの隆盛もあり、これらの作品群は毒親問題を大衆に周知させるのに大きな役割を果たしたと言える。

ただ、かつての日本のアダルトチルドレン論と同様、こうした「毒親とそこから脱却した子どものわかりやすい物語」があまりにも人口に膾炙し過ぎたために、現実として毒親問題で苦しんでいる人々とは別に、環境的に何の問題も無かった・或いは薄かったにもかかわらず「自分は毒親のせいで満足な人格生成ができなかった」と問題とその結果を過剰に単純化して語る人々の増加を招いてしまったのは、皮肉としか言いようがない(「毒親の判断について」の項で後述)。


余談だが、全く無関係のインターネットスラングとして、「独身男性」を略した「毒男」(女性の場合「毒女」)という言葉がある。「モテない男性/女性」を略した「喪男/喪女」と重なる形で用いられることがある。


特徴

特徴

※偏見や差別の助長、個人的な事象や意見の羅列による記事の極端な肥大化を防ぐため、この項目を編集する際は、原義や一般的な用法・事例を把握した上で、できる限り明確なソースを提示してください。


精神科医の斎藤学は、(子にあたる人が、自身の親を称して)「毒親」として訴えがあるタイプを大きく四つに分類している。

  1. 過干渉、統制型の親
  2. 無視親
  3. ケダモノのような親
  4. 病気の親

以下に概要を示す。実際には、4タイプだけでなくこれらの複合型が存在する事や、斎藤が提示した以外の分類法もあることに留意すること。


過干渉・統制型の親

子の言動について過干渉で、支配的な親。斎藤によれば、最も訴えの多いタイプであるという。「あれをしなさい」「こうだったらよかったのに」と行動を制限したり、過剰に期待を寄せたりする。目に見えてわかる結果や親自身の「良い」と思っていることだけを重視し、子供自身の取り組みや気持ちは二の次になってしまっている状態。


無視親

放任主義で、子の言動に関して無関心な親。中には、親がするべき日常的な生活の世話まで放棄し、ネグレクトに至っているケースもある。また、一人の子には過干渉、もう一人の子には無関心、という、「搾取子」を仕立て上げるようなこともある。


ケダモノのような親

激しい暴言暴行、性的虐待などを子に加え、心身の健康、ときには生命の危険に関わるような暴力をふるう親。「しつけ」として強い叱責や(「お尻ペンペン」のような)軽い体罰を行う親はいるが、この場合はしつけの範疇を超えた異常なまでの反応で「虐待」を行う。


病気の親

精神疾患などを抱えていて、親自身にも周囲の適切な支援と保護が必要な親。精神的にも体調的にも不安定なため、親としての務めを果たすことが難しくなっている状態である。

また、稀にサイコパスのような「反社会性パーソナリティ」の持ち主で、自分の利便性を追求するために子を含めた他者を都合よく使い、あっさりと切り捨てるような親もいるとされる。


日立財団Webマガジン「みらい」掲載の論文ページ(2018年発表)


毒親の判断について

斎藤の論文は、「毒親」という存在の(他者からの評価を含めた)安易な決め付けに関し、否定的な視点でもって綴られている。

また、斎藤は2015年の時点で「毒親という言葉がブームになっている」とも発言しており、 「毒親か、そうでないかが安易な二元論で語られ、親をバッシングするための言葉になってしまっている」、「(自身のクリニックに受診に訪れる患者には『自分は毒親育ちである』と主張する人も多い、とした上で)人生においては親以外のさまざまな人との関わりがあり、それによる挫折があるはず。仮に毒親であったとしても本来目を向けて解決すべきは『本人の現状』であり、過去の子供時代や他人である親のことは容易に変えられるものではない」 としている。→参考記事


仮に上記の特徴と似た部分が「親」にあるにしても、必ずしも毒親とイコールとは限らない。もちろん安易な決め付けは避けるべきであるが、幼少期の経験やそれが将来に与える影響は個人差があるため、少なくとも(診断を行う医師や支援を行う行政・団体などを除いて)「外野」にすぎない他者が簡単に判断することは控えるべきといえる。


一方で、現在進行形で起こっている虐待については注意が必要である。例えば2020年度ACで放送された広告『見えないフリ』は児童虐待が疑われる事態に対し、児童虐待対応ダイヤル「189」への迅速な通報を呼びかける内容(※児童福祉法第25条の規定に基づき、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合、全ての国民に通告する義務が定められている)であり、「間違ってもかまいません」というフレーズが用いられている。


その他関連語句

その他関連語句

毒子

虐待などでを攻撃する子供の事。

親子の双方が精神的・肉体的・経済的に独立している状況こそ健全な関係といえるが、例えば親に暴力を振るったり、介護や看護が必要な親に対して全く支援をしなかったり、という状況が挙げられる。

一方で「毒親の元で育ったから仕返しとして」「親とはもう縁を切っている」というような場合もあり、一概に「毒子」的な振る舞いをしているからといって必ずしも親に非がないとは言えない。


注意点

注意点

インターネット上や毒親被害者の体験談・毒親について綴られた書籍などでは、「毒親に育てられた子供も毒親になりやすい」とする意見も存在するが、当然ながら誰もがそうなるわけではない。

この言葉を決めつけのように言うことは、毒親の悪影響と闘っている人、あるいはそれを乗り越えた人に対してもあらぬ偏見侮辱につながる大変失礼な行為である。事実、毒親育ちが自分も毒親になってしまう可能性を恐れて結婚や子作りを忌避するようになってしまうということがあるのだから。

確かに家庭環境の良し悪しは人生に大きく関わるが、それだけで即人生が決まってしまうわけではない。だからこそ家庭環境に恵まれなかった人には適切な支援が必要なことを理解しておくべきなのだ


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