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概要

ブラック校則とは、人権侵害と言える校則を生徒に強要するなどの犯罪行為や、教育者として立場を悪用した嫌がらせを繰り返す行為のことである。


いじめと同じく深刻な社会問題となっており、特に同調圧力が強い日本で多く見られる。

理不尽な校則自体は古くから存在していたものの、法律で解決すべき問題を精神論根性論で乗り切らせようとしたり、学校側の保身で有耶無耶にされたりしたために長年可視化されずに放置されてきた。

また、学校に関する異常な「当たり前」の感覚が一般大衆に根強く浸透してしまっている風潮もブラック校則の根深さに拍車をかけており、集団行動を優先して個性を重視しない日本社会の悪い面を出しているようにも受け取れる。


校則に限らず、無意味なルール作った当事者がその時点で思考停止して頑なに無意味なルールに固執し続けた結果、何も改善しないまま負の因子が次の世代へと受け継がれるケースも少なくはない。


なお、この言葉を最初に言い出した人物の1人である評論家の荻上チキは「今時、こういう事に『ブラック』という形容詞を使うのは、どうか?」という指摘を受け「理不尽校則」と呼ぶようになった。

ポリコレに配慮してない表現の方がマズい何かをオブラートに包んだ言い方になり、ポリコレに配慮した表現の方がマズい実態を的確に表現する事も有る、という実例の1つと言える。


主なブラック校則

地毛証明書

染髪してないか確認するための証明書。

日本では染髪に対する偏見が残っているという事情もあるが、黒髪が特徴の日本人の中には少なからず生まれつき黒髪ではない者もいるにもかかわらず、「黒髪=正常」というこじつけで異端視する等、立派な人種差別と言える。


黒染め強要

生まれつき黒髪ではない生徒に対して髪を黒く染める事を強要する行為(メイン画像)。

ぶっちゃけ、先天的な身体的特徴を全否定する人権侵害以外の何物でもない。

染髪を禁止しているにもかかわらず黒染めを強要する事自体が矛盾しており、髪にも頭皮にも負担をかける、場合によってはアレルギーが出る染髪を強要する行為は学校ぐるみの児童虐待であり、それどころか暴行罪傷害罪強要罪に該当する。


2018年に話題となった大阪の高校における黒染め強要問題の場合、学校側が「指導」という言葉を盾に生まれつき茶髪の女子生徒に対して「4日の1度黒染め」を命じた他、茶髪を理由に文化祭修学旅行の参加を認めない等の悪質な人種差別を行なっていた。頭髪指導のストレスや染髪によるダメージに苦しめられた女子生徒はやがて不登校となり、のちに訴訟を起こしたとの事。


上記と同一の事例かは不明だが、「生まれつき金髪の留学生が編入してきたらどうするのか?(要約」との質問に、「当然、黒髪に染めさせる(要約」と学校側が回答したとの報道もあった。

地毛証明書を求めている学校のため、「生まれつき(現状におけるイジっていない状態)の髪色からの変更を認めない」という最初の趣旨が何処かに忘れ去られて、手段と目的が混同されていると言える。


強者(いじめっ子やモンスターティーチャーなど)側の特別待遇

強者側の味方をした方が楽だからという保身を理由にいじめっ子のいじめや教師の不備・問題行動を黙認し、逆にいじめられっ子などの被害者側を追撃しストレス発散の道具にする。実際に自殺した場合はクラスぐるみで証拠隠蔽を図る学校すら存在する。1990年代から2000年代にかけて多発し、2006~7年ごろは全国区のニュースでも取り上げられるほど問題となった。

モンスターティーチャーのケースは、教師側の不備が原因にもかかわらず生徒が教師に手出しした場合、別の教師に言いつけて謝らせる例などがある。本来「生徒のための学校」「生徒のための教師」であるはずが「教師のための学校」「教師のための教師」になってしまっている。

これらの行為はいじめのさらなる深刻化及びいじめられっ子の自殺の協力やいじめっ子を増長させるだけにとどまらず、いじめっ子が教師をナメるきっかけも作り、最終的にクラス全体がいじめっ子に制圧されて逆らえなくなる最悪の事態を招きやすい。「強者側につけば自分も強者側になれる」という驕りが、実際は「やり方が変わっただけで匿った教師そのものも知らない間にいじめっ子にいじめられていた」結果を招くことになる本末転倒のケースである。


教室の外に立たせる

本来なら校則違反を行った場合に行われる処罰だが、教師が問題を指名した生徒が答えられなかった程度のレベルでも教室の外に立たせる。これは、生徒を晒し者にして、尊厳を傷付けることと、「授業に参加出来ない」=「教育の機会を奪う」と言う問題があり、後者は三大義務の教育の義務に反する。


髪型の強制

学校によっては男子学生は強制的に短髪にさせられ、長髪は一人も居ないと言う事も少なくない。「眉毛や耳、襟足に髪が直接掛かったら切りに行く事とする。ピンは使用禁止。」という校則が存在するからである。ところが何故か女子は長髪が許され、眉毛にに掛かったらピンで留めるようにという校則になっている学校もある。

かと言って普通の短髪にしてしまうと髪質によってはホントにオシャレ依然の問題で不格好になってしまうのでツーブロックでなんとか.....したくても校則で出来ないなんて事も。そしてその肝心な禁止理由が「外見などが原因で事件や事故に遭うケースがある」というよく分からない理由だったりする。どんな事件か事故に遭いやすいのかよく分からない理由の上にそういった明確な統計データ等も無い為説得力に欠ける。

なお、女子の場合でも「長髪は良くてポニーテールは禁止」と言った校則も存在する。その禁止理由が「うなじが見えて男性の欲情を煽るかもしれない」と言う理由である。そういった原因のトラブルが多いのならともかく、そんな事件が皆無であり且つ欲情を煽るだけで男子が女子に何一つ嫌な思いをさせてないのなら何一つ問題無い事であるし、同じ理由で女子の短髪を禁止しないのも変である。それに男子全員短髪ならその逆も無いと言う可能性はゼロでは無いだろう。

ハッキリ言ってどれも男女差別としか言いようがない


下着チェック

着用が許される下着の色を学校側で決める行為。

基本的に「白のみの着用」が多い。男子の場合、夏服は白Yシャツである学校が多いが、この場合、下着のTシャルが透けて見える為、白に統一して目立たせない様にする。万が一の事を考えた場合、最も安全な校則。

下着の色を決めるだけでなく、教師の前で制服をめくって下着を見せるよう強要する。酷い時には違反と見なされた下着を没収する場合もある等、セクハラおよび強制わいせつ罪と言える。


体操服着用時に下着の着用禁止

「体操服の中に肌着を着てはいけない」という校則。

「体育で汗をかいて濡れたままだと衛生上問題が有るから」などと、もっともらしい理由が付けられる事が多いが、それならば替えの下着を用意させれば良いだけの話である。それすらも禁止にするなど合理性が無いと言わざるを得ない。

その他の、体育時に身につけるモノのおかしな校則としては「水泳授業の時にゴーグルの使用禁止」があった(主に昭和世代のあるあるであり、さすがに近年では減ってきているらしい)。

風邪を防止する為と銘打つこの校則と風邪を蔓延させる校則(体育の時間のジャージの着用禁止、夏用の合わせ服禁止、冬用のコートやタイツの着用を禁止など)が同時にある場合はダブルスタンダードでしかなく、どちらもセクハラしやすい環境だと指摘する声も。


組体操

近畿地方では運動会などの行事で行われている人間タワー。体罰の1種と言っても過言ではない。

参加者の肉体にかかる負担が大きく、過去に死亡事故も起きていたため、近年では禁止する小中学校が増えている。


酷いケースでは、クラスから孤立していた児童・生徒が組体操の本番中に組体操に参加させてもらえず、組体操の行われるグラウンドで1人立ち尽くすというものもあった。


生理でプール見学の女子に対してペナルティを強要

生理中で水泳授業に参加できない女子生徒に対して内申への影響をチラつかせて「校庭10周するか生理の状態で水泳授業に参加」などの女性差別を公然と行なう。


生理日数を申告させる

セクハラおよびプライバシー権の不当な侵害であり、上記の生理中の女子に対する水泳授業の強要と同様に女性の身体的特徴を侮辱した人権侵害である。


粗探しによるテストの点数減点

正解を書いているにもかかわらず、文字が汚い、途中の式を書いていないなどの粗探しによる感情論だけで生徒のテストの点数を減点する。「まだ習っていない漢字や授業で教えていない解き方を使った」(生徒が自分で学習をそれだけ進めているのだから本来褒めるべきことである)という理由で減点することもある。

テスト時間中にトイレなどの理由で退席したら1割減点やテスト終了という例もある。


特定の筆記用具の強要

「短くなったり鉛筆削りを忘れたりすると書けなくなる」という理由で筆記用具に鉛筆を使ってきた生徒にまで人格攻撃を行うなどし無理矢理シャープペンに持ち変えさせる。

逆にシャープペンを禁止(定期試験中に導入している中学校のケースもある)し鉛筆を使わせるブラック校則もある。

書く筆記用具の他にも消しゴムの色や授業中に机の上に出す筆記用具の強要と枚挙に遑がない。


携帯使用禁止

学校から家に帰る途中生徒が携帯電話を弄ってないか学校内や校舎周辺に教師を派遣して監視し生徒が使用していた場合は没収する(原則持ち込めなく、前途の事項が記載されている利用誓約を学校と生徒が合意させなくてはならない近年の中学校(文部科学省が取り扱い方を2020年 7月に制定)に見られる)。中には解約させ、坊主にする男子校もあった。現在はスマートフォンで同様の行為が行われていると思われる。


これについてはほとんどの学校で、かつての「家庭連絡網」に代わる手段として、携帯電話の所持を許可する学校が多いが、授業中は電源を確実に切る事を条件としている事が多い。


授業中でなくとも私語厳禁

要するに「休み時間、放課後であっても学校内での友達同士の私語、会話、相談、雑談は厳禁とする。」という無茶苦茶な校則。その理由が「イジメ防止対策」だが、あまりにもやり方が大雑把すぎるとしか言いようがない。

学校は生徒の自主性や社交性、コミュニケーション能力を育む場でもある」事を考えてもいないのだろう。

酷い場合は、他学年、他クラスの物理的な入室自体も禁止されている事も。


似たような規則(こちらはクラス単位が多い)で「あだ名禁止」もある。これまたイジメ防止が理由だが、本名呼びでもイントネーションの付け方などで幾らでも馬鹿にした呼び方など出来るので、やり方が大雑把すぎる点は変わらない。正直この規則を考えた奴はイジメっ子のイジメたい欲望や子供の想像力を舐めすぎである


給食の完食の徹底

学校給食において「必ず残さず食べる」という校則。食わず嫌いを恥とする者が多い中、苦手な食べ物が多い者には給食そのものが苦痛に感じる事も少なくなく、そこからいじめの標的にされる事も(野菜が苦手なら野菜を多く盛る等)。

食すと健康に悪影響を及ぼしてしまうアレルギー体質の者には配慮がなければ地獄そのものである。アレルギーを食べさせることは毒を飲ませる事に等しい危険行為であることへの理解がないという問題も存在する。

また、他人と一緒に食事をする場面になると、猛烈な恐怖や体調不良を引き起こし生活に支障をきたす会食恐怖症というものがあるが、その当事者に原因を尋ねると実に6割が上記の(家庭でのケースを含め)完食指導をあげている。

この手の指導で「食べたくても食べられない、辛い思いをしてる人がいるのだ」とのお約束のお説教があるが「食べたくないのに食べさせられる」のも辛さの度合いとしては同じである。


教員がフードロスの削減を徹底するよう上層部からプレッシャーをかけられているケースもあるが、完食指導を止めた後の方が残飯が減る、といった報告がいくつも出ているのを見る限り、この観点でもむしろ逆効果だと言える。


部活動の強制

好むと好まざるとにかかわらず、何らかの課外クラブに入ることを強制される。そういう学校だからこそ非合理的な根性論によるしごきが横行し、また休日まで練習を強いられるブラック部活しか選択肢が無かったりする。学外での自由な活動や家族とともに過ごす時間を奪い、ひいては学生の本分たる学業にも支障をきたしうる(しばしば顧問教師にとってもブラックな労働条件になる)。学校の用意する部活に打ち込みたいものが見つからない生徒にとってはもちろん、そのスポーツなどの活動自体は好きであっても、楽しみとして行いたいだけでそこまで長時間を捧げることは望まない生徒にとっても抑圧的なものになる(また、入部強制の際は多重登録が出来る一面もある)。


対策

近年では理不尽な校則がニュースで多く報じられるようになり、「ブラック校則」として疑問視する声が大きくなっているものの、いじめと同様に学校の体質が生み出した治外法権村社会が問題解決の障害となっている。

更には「学校を含めた組織内の規則は憲法や法律を超越できる」という非常識な暴論で開き直ってブラック校則を正当化しようとする者も少なからず存在する。


確かなのは「厳しさ」と「人権侵害」を履き違えてはいけないという事である。


2022~23年に東京の5項目を廃する

2022年3月10日(木曜の夕方)、毎日新聞の報道はで東京都教育委員会は東京都の公立高等学校で校則5項目を2022年度に廃止し決めた。

  • ツーブロック禁止
  • 地毛でも髪を一律に黒く染めさせる
  • 下着の色を指定する

など。 英語版はこちら。



フィクションでのブラック校則

作品そのものがギャグであるケースや時代背景を考慮する必要があるケースは割愛する。



関連タグ

社会問題 学校 校則 いじめ 虐待 体罰 モラハラ パワハラ  犯罪 全体主義 同調圧力 グレーゾーン 非常識 島国根性


モンスターティーチャー…ブラック校則に深く関与している。


毒親…似た者同士の存在。もちろん学校に通えばブラック校則、家に帰れば毒親の過干渉…と普通に重複する事例のため、子供は居場所がなくなりアダルトチルドレンの精神疾患をさらに悪化させる原因にもなっている。


モンスターペアレントモンスターチルドレン…ブラック校則の逆。


ブラック企業…ブラックを冠した日本の社会問題繋がり。


就活…職種によっては黒染め強要を行なう等、ブラック校則と同じく日本的な同調圧力が根付いている。(そのくせ、そういった非合理な風習のある企業の担当者に限って「近頃の就活生は皆同じような格好で冒険をしないのは嘆かわしい」などとブーメランなお説教をたれがちである)

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