概要
その対象が物事において位置する領域がはっきりしない、あいまいな状態のこと。
通常、物事を決める時には白か黒かをはっきり決めるが、そのどちらつかずの状態であることを、白と黒の中間をとって灰色を意味するグレーと見立て、グレーゾーンと言う。
具体例として、声優の三ツ矢雄二はかつてテレビのバラエティー番組にて「いわゆるオネエではないか?(※遠回しに「同性愛者ではないか?」と質問している)」と聞かれた際に、自身のセクシュアリティについて「グレーゾーン」と回答していた。
その後「自分は本当はゲイかストレート(異性愛者)かといえばゲイ」と発言し、グレーゾーンと発言したあたりはまだ自身の兄が会社員として働いていたことから、「何か迷惑がかかるといけないと思い曖昧にしていた」という経緯を明かしている。
いくつかの創作作品におけるタイトルとしても用いられている。
精神医学における用語として
知的障害や発達障害といった概念において、障害特性がいくつか見られつつも、診断基準を満たしていないため確定診断に至っていない状態をグレーゾーンと呼ぶ。正式な医学用語ではなく、あくまで一般用語である。
要は「障害寄りの健常」といった状態であり、当然ながら表向きは健常者として扱われる。
知的障害の場合、知能指数71~84程度(※知能指数は平均を100として、ばらつきを表す標準偏差が15前後となるため、85以下が平均ゾーンより1段階下のゾーンとなる)がグレーゾーン、いわゆる「境界知能」と定義されることが多い。
(知的障害を伴わない)発達障害の場合、ADHDやASD、LD(学習障害)などの傾向が見られるものの、診断基準に到達していなかったり、未診断であったりすることを指す。
2019年に刊行され、ベストセラーとなった本『ケーキの切れない非行少年たち』によると、少年犯罪で少年院に収監された子供には、(軽度の)知的障害や知的グレー、発達障害が原因で認知機能が弱い者が多いとのこと。
他人とは明確に異なる点を持ちつつも、健常者であるために必要な支援が受けられないという問題が、2010年代後半頃より認知されるようになった。
関連タグ
アスペルガー症候群 自閉症スペクトラム ギリ健(ギリギリ健常者)
レッドゾーン:行き過ぎた事はこちら。