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発達障害

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はったつしょうがい

様々な要因によって主に乳児期から幼児期にかけてその特性が現れ始める先天性の発達遅延。自閉症スペクトラム(ASD)や学習障害(LD)、注意欠如(欠陥)・多動性障害(ADHD)などの総称。

注意

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本項で紹介されているのは関連書籍やサイト等からの引用に加え、個人の経験や主観に基づく内容も含まれます。このため、後述の事柄はあくまで参考に留め、実際には専門の書籍・サイトといった情報源を活用されることを推奨します。

概要

知的発達の障害のひとつで、生まれつき脳の働きに特徴があることで、特に行動面や情緒面の発達に関係して起こる障害である。

学習障害(LD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD。多動が目立たない注意欠陥障害も含まれる)などの様々な種類があり、さらに同じ障害の診断を受けていても、人により特性の現れ方や知的な発達については違いが大きい。また、いくつかの発達障害を併発しているケースもある。

上記の他に、チック症吃音も発達障害に含まれることがある。

近代の精神医学においては知的障害(ID)を含めて、神経発達症と言う枠組みで捉えられている。

基本的に先天的だが、幼少期のうちの病気交通事故などによる脳の損傷で発症することもある。また、しばしば知的障害や精神障害を伴うことが知られている。

知的障害のない発達障害(アスペルガー症候群高機能自閉症など)の存在が広く知られるようになったのは近年のことであり、区別する目的で特に知的障害を伴わないタイプのみを発達障害と呼ぶこともある。知的障害を伴わない発達障害の研究は本格的に始まってからまだ30年もたっておらず、未だに混乱や誤解が多く、また生物学的なメカニズムもほぼわかっていない。

なお、現在はより広い概念として「自閉症傾向やその症状は連続して分布している」という考えに基づく「自閉症スペクトラム」が提唱され、従来の自閉症(古典的自閉症)や広汎性発達障害、アスペルガー症候群などとして分類されていたものも含めて診断されることが増えている。これに、場合によってはADHDが含まれることもある。

診断など

DSM-5:「精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版」やICD-10:「国際疾病分類第10版」といった医学書に記載されている診断基準をもとに、普段の症状や生育歴、(特に子供の場合)家族からの聞き取りや、本人が感じている日常での困り事などを総合的に判断して診断が行われる。

障害ごとに診断の基準や症状の治療方針は異なるため、ここでは詳細を述べないものとする。

発達障害は大前提として(出生時や乳幼児期の外傷や病気などによるものを除き)生まれつきの特性であり、決して「完治」するものではない。このため、診断や治療にあたっては「特性やそれによる症状をうまくコントロールし、日常生活での障害となることを減らしていくこと」が重視される。

先天性の場合、ダウン症口蓋裂無脳症等と異なり出生前診断で判定する事はほぼ不可能(※遺伝する可能性も議論はされているがまだ不明な点が多い)で、出生直後には判明せず、生後数年以上経ってから判明することが大半である。

乳幼児期は単なるイヤイヤ期と判別が付きにくい場合も多く、乳幼児健診などで「傾向がある」と診断されても後に「発達障害ではなかった」と結論づけられたり、逆に当初の見立て以上に重い障害だったことが判明したりすることも珍しくない。

また、「健常者」と「発達障害」の間に「グレーゾーン」(あるいは「ボーダー」)といわれる、「障害という診断はつかないが、普通の人よりは生きにくさを感じる」という人も存在する。

特に知的障害を伴わないか軽度である場合、成人していても未診断であるという人もおり、その人の特性や性格、周囲の環境によっては普通の人(健常者)と特に変わりなく穏やかに過ごしている。しかし、コミュニケーションや社会的規範にうまく対応できず、またそれが障害の特性によるものであることがわからないまま、周囲との軋轢を起こしたり、変人扱いされ誤解を受けたりといった人間関係の悩みや、能力はあるのに学業・仕事が上手く進められない、日常生活でもミスが頻発してしまうといった問題を抱えているということも多い。

さらに、大人になってトラブルの種となる自身の特性(例えば衝動性や多動など)をある程度抑制できるようになった後も、周囲から理解を受けられず激しい叱責を受ける、特性による失敗や挫折が続くなどが原因の精神的ストレスからうつ病適応障害などの精神疾患を二次障害として発症してしまうリスクもある。ここで精神科を受診したことで、発達障害と初めて診断されたという人も多い。

中にはアルコールや薬物の乱用、盗癖、ギャンブル・買い物などの依存症、浪費癖といった反社会的行動につながる形で二次障害を発症する場合もあり、さらなる窮地に陥ることもある。

日本の精神医学の現場では「本人が障害特性(症状)によって生きにくさを感じているか」という部分が重視されており、相対的に見て重いものでも、本人が特に困っていないのであれば「障害である」と断定せず「傾向が強い」という形の診断が出ることもしばしばある。例えば精神科医の益田裕介は、自身についてASDやADHDの特性が強いものの、生活の中でdisorder=障害には至っていないという考えから、「AS」や「ADH」と称している。

しかし、本人がそれほど困っていなかったり、自分の特性についての自覚が薄かったりしても、そのつもりはないまま周辺の人を振り回し、結果として摩擦が起きることも多い。

特に発達障害者(特にアスペルガー症候群などの高機能自閉症)の配偶者が、その特性により当事者と意思の疎通が上手く出来ないなどの理由で精神的に追い詰められてしまう状態を「カサンドラ症候群」と呼ぶ。

障害の特性の一つとして、感覚過敏(特定の音や触感・食感などの感覚にひどい苦痛を覚える。逆に感覚が鈍く、気温の変化や痛みを把握できない「鈍麻」なタイプもいる)や、特定の動作がうまくできない発達性協調運動障害(具体例としてはネクタイや靴紐が一人で結べない、字が極端に下手など)を抱えている人は多い。

成人以上の社会人であっても、重要書類の作成が出来ない、整理整頓が下手、時間感覚のズレ、顔と名前が一致しないといった、仕事の優先順位や取捨選択が付けられない、一人で日常生活を円滑に過ごしていく上で支障となるような特性を抱えていることも多く「いっぱしの大人なのに…」と周囲から悪く見られてしまうこともしばしばある。さらに、発達障害のタイプによっても様々だが、環境の変化に弱い傾向もあり「特定の音や光の具合」「ものや数字の並び方」「ある時間とある時間の間の相対的な概念」など一般的な人には理解しがたい理由で強い不快感を感じ、感情をうまくコントロールできずにパニックを起こしてしまうという場合もたびたびある。

診断がつくことで本人も自覚をして行動しやすくなり、周囲もより適切な対処法を知って救われることも多い(※例えば一部の学校では、発達障害を抱える子供に対して授業中にタブレットやパソコンなどを利用して学習を支援したり、耳栓やサングラスなどで感覚過敏を和らげたりといった対応が進められている)。

正確な知識に関してはなるべく最新の専門書や専門サイトをあたっていただきたい。

また、診断が難しいので自己完結せず、最新の知見を持った専門家に相談することをお勧めする。

「治療」について

大前提として発達障害の「治療」は、障害そのものを矯正するというよりは、本人が日常生活を送るにあたって悩みの種となっている、生きづらさの原因になっている症状を抑え、対処法を身につけていくことである。

薬物での治療のほか、認知行動療法、カウンセリングやソーシャルスキルトレーニングなど当事者自身の捉え方を変えて状況を改善していく方法、障害者支援や互助グループなどでのサポートといったものが取り入れられている。

また、二次障害などが原因で精神的な症状(例えばうつや不安など)が重い場合は、そちらの治療も並行してなされる。

特に知的障害を伴う場合は特別支援学校や普通学校の支援級などに通い、本人の特性や発達の態度に応じた学習に加え、コミュニケーションのトレーニングを重点的に受けることになる。

知的障害がさほど重度でない場合は、「療育」を受けることで本人がある程度周囲との折り合いをつけることが可能になる場合もある。例えば、ある特定の動作をどうしても覚えられない障害の場合はその障害に応じた作業手順を決める(一例として、漢字の熟語が書けるようにならない場合は、まず漢字自体の意味を調べそこからゆっくりと覚える)、といった具合である。

運動障害などを理由に身体能力はあまり高くないという人も多いが、運動をさせることにより、発達が遅れがちな脳の部位の発達を助けたり苦手な動作を補えるようになったりといった成果が期待できる。

おおむね9歳までに療育に着手できるかどうかで大きく差が出ると言われているが、成人後でも目覚ましい効果がなくとも「少し改善する」だけで生き辛さが変わるため、全くやらないよりはマシである。

知的障害がある場合でも、療育を適切に受けることで本人や周囲のトラブルや生き辛さがある程度軽減できる。

また、場合によっては抗うつ剤や向精神薬のような精神的な症状を改善する薬や、コンサータ、ストラテラといった神経刺激により神経伝達物質の働きを調整する薬を処方し、衝動性を抑制する、不注意を減らすといった治療が行われる場合もある。

効く効かないの個人差が非常に大きいため、ある意味「やってみなくてはわからない」部分が多く、副作用(主なもので、眠くなる・吐き気・少食になるなど)とのバランスも考慮しなければならないため、投与量も主治医と試行錯誤しつつ決めていくことになる。

またこれらの薬は精神安定剤という特性上目的外の乱用に使われかねず(※一部の薬品はいわゆる「スマートドラッグ」として、治療が必要な当事者以外にも広まっており、処方が実質的に禁止されてしまったものも存在する)それを防ぐために処方までには厳しい規定がある。病院でも、一部の薬品に関しては「処方許可を得ている」ことを明確にしており、処方にあたっては患者側も複数の検査を受けることとなる。

いずれにしろその対処方法は障害の状態が多様であるためすべての発達障害に一律に効く方法はなく、個人にあわせて試行錯誤していくことになるため、診断が降りた場合はなるべく早く、新しい知見を持った専門家に繋げることが望ましい。

また前述のように発達障害に対する知見が進んだのがごく最近であるため、幼少期に適切な診断・療育を受けられず、特性が原因で周囲とのトラブルに発展する、二次障害を起こして心身の健康を害する、「勤務先にいられなくなり、不利な転職を繰り返したり失業したりしてしまう」「配偶者や親族と険悪になり、離婚や離縁により孤立する」などといった社会生活での窮地に陥る者も珍しくない。

先進国や裕福な家庭ほど発達障害者が多い、増えやすいという意見もあるが、逆に発展途上国や貧困層では情報が少ないので中々気付かない、仮にそのような人がいても殆ど気にされないのでは?とも考えられている。ただし北欧アメリカ等は世界全体で見てもかなり多く、また治療研究も進められている。

最近では、スティーブン・スピルバーグマイケル・フェルプストム・クルーズといった世界的な有名人が、自らが発達障害の診断を受けている事をカミングアウトするような機会が増えている。

招くきっかけになる物

諸説あるが現時点では不明。だが後述の研究で遺伝が深く関わっているのではないかと言われている。

発達障害児の親を調べた所、高確率で親にも発達障害が見られたことがいくつもの学術記事にて報告されている。

特にADHDは7割の確率で親にもADHDが見られたという報告もあり、総合的に見て7〜8割の確率で親から子へ遺伝すると考えられている。

ただ、発達障害の要因が100%遺伝によるものかどうか(発達障害に影響する要因が遺伝のみかどうか)は未だ解っておらず、環境要因などとの関連も指摘されている。

参考

能力の傾向など

その程度は別として、基本的に「苦手な事」と「得意な事」に極端な偏りがある。例として、数学のテストでは毎回90点代を獲得していても、英語のテストでは毎回赤点スレスレという場合がある。

学力には学習障害なども関係するが、それ以外では「興味がないことは頭に入ってこない」「環境が合わないことによるパニック」といった形で、目に見えてわかる能力や行動がチグハグになっていることもある。

情報を処理する能力や記憶力、運動能力などにおいても、本人の中で差が大きい傾向にあることが指摘されている。

情動面の障害については、ASDは、共感性や社会的な想像力が弱い傾向にあり、(特に複数での)対人コミュニケーションもどちらかと言えば苦手とされる。ADHDは、共感性や想像力は普通だが、衝動性の強さや集中力の不安定さなどがある。一方、LDに関してはそれ単体では情動面の障害はほとんどないと見られる。

概ね、知能指数を分解した4つの群指数において同一人物内で15(成人向けの知能指数は100が平均、±15が標準偏差に収まるように設定されており、知能指数115で上位16%に入る事が出来る)を超える差異があると発達障害の可能性が高いと言われている。

知能指数の群指数は以下の通り

言語理解:比較的複雑な言語情報を記憶・理解して運用する能力

知覚統合:視覚的な情報を整理して関連付ける能力

作動記憶:注意の範囲+聴覚的な情報の系列化・記号化する能力

処理速度:単純作業を並列・高速処理する能力

言語理解や知覚統合が高く作動記憶が低いと、自分が容易に理解出来る事象を他人が中々理解出来ない事を実感出来ずに、共感性が低くなるASDの症状に繋がり易い。

このような能力の偏りは、基本的に集団で成果を挙げる事が求められる仕事においても大きなハンデとなっており、臨機応変さと高度な判断能力が必要な正社員とは相性が悪く、(例え障害の配慮が得られる障害者雇用だとしても)ほとんどが非正規雇用に甘んじているのが現状である。

一部の人は特定の分野に限って異常な集中力を発揮する、常人離れした記憶力を持つなど卓抜した知的・技術能力を持っている場合があり(サヴァン症候群ギフテッド)、芸術や文学などの分野で活躍する人もいるほか、知的障害を伴わない場合は個人の働きや能力が優先される(つまり、他の職員とコミュニケーションでのトラブルが起こりにくい)高度に専門的な仕事で活躍しているということもある。

しかし注意すべきは「異能天才の人にはしばしば発達障害の傾向がある」というのは成り立つが、発達障害の人が必ず「普通の人には無い能力を持っている」とか「天才である」とは言えない事にある。

語弊を恐れずに言えば、天才だの異能だのというのは「稀にそういう奴がいるだけ」であり、乱暴にいえば発達障害でも凡人が大多数である。これは健常者と何ら変わりない。

高知能者同士、例えば同じIQ120(上位9%)の判定を受けた者の場合、健常者はバランス良く上位9%程度の知能を発揮出来るのに対して、発達障害者は『人並かそれ以下の欠点を人並外れた長所で補って上位9%の平均値を叩き出している』ので、得意な状況に持ち込む事が出来ればとんでもない能力を発揮する例が多々ある。

逆に言えば、最も優れた群指数で130(上位2.5%以内)を超える数値を叩き出した人間は他の3つの群指数全てが115を超えないと発達障害扱いされる可能性が高い。

高学歴者で大学や大学院では相応以上の成果を出していても、実社会に出ると中々『得意な状況』に持ち込めずに伸び悩んでしまうと言う例もある。

障害の程度が軽く、また能力も飛び抜けて優秀というわけでなければ「障害を持った天才」と評されることはないであろう。発達障害者は能力の凹凸が激しい傾向にあるため、例えば「周りよりちょっと得意」という部分と「周りよりかなり劣っている」という部分があれば、「得意」の部分が周囲から見てわかりやすく評価しやすい能力でない限り賞賛の対象とはなり得ない。これも、健常者と何ら変わりない。

 

ただしあくまでも「傾向」なので、「飛び抜けた才がないから何をやったってムダ」という事では断じてない。得意なことを見極め、それを伸ばしていけば良いのだ。

少なからずあるとてつもない誤解

上記に記したように「治る」類いのものではないのだが、「発達障害は親の愛情不足」「発達障害は〜すれば治る」などの誤った言説が後を絶たず、こうした障害をもった当事者や親の苦悩につけ込むインチキ商売もまた多い。

例をあげれば、現代では疑似科学プラシーボに過ぎないと断言されているホメオパシー団体の中には「発達障害に効果がある」と称するものを販売しているところもある。

発達障害者の中には、他人の愛情を含めた感情表現を(表情や行動から意図を汲み取って)感じ取る能力が低いという人もおり、また感覚過敏などを持つ人もいるため、普通の人間関係なら通じるような愛情表現そのものが伝わらない、その人にとって苦痛を伴うということもあり得る。このため、家族が愛情を持って接していても、当事者は無視したり拒否したりといったすれ違いが起こり、実際にはそうではないが「愛情不足」「親の能力不足」という言葉に反応してしまう親も出てきてしまうといえる。

インチキ・詐欺師や疑似科学系の業者ならまだしも、教育学者や医療有資格者にもこのような誤った言説を主張する人が少なからずおり、教育学者であっても本来発達障害学を専門としない学者の意見には注意が必要。

特にこの手の学者の一人である高橋史朗(専門は教育史)が保守的価値観に近い意見の持ち主だったことから政治的保守層の間でこういった誤解や偏見が影響力を増してしまっている。高橋の学説を支持する国会議員による「親学推進議員連盟」では安倍晋三が会長、鳩山由紀夫が顧問に名を連ねている。

さらに一部の過激な陰謀論者の中には「発達障害など存在しない」「発達障害の診断をつけようとするのは医師の金儲け」「発達障害は左翼・リベラル教育が生んだものであり、左翼・リベラルを撲滅すべき」などと主張する者もおり、診断や療育を受ける事自体を妨害するような言説を唱える者もいる。

逆に、普通であれば明確な診断がつかないくらいに障害の傾向が多少見られるという程度でも、安易に決めつけて無理に「治療」させるというケースもある。「発達障害」という概念が広まったことで、苦痛を抱えながら埋もれていた当事者が発見されやすくなったのと同時に、知識の浅い(あるいは古い)医師による誤診や過剰診断、また「発達障害」に特別な才能があると思いこんでしまっている家族による診断の強要・ドクターショッピングも問題視されている。

「昔は発達障害はなかった」との誤った言説も根強くあるが、「知的障害を伴わない発達障害」の研究が進んだのがごく最近であるため、昔は「単なる変人」扱いされていたり、障害特性がむしろプラスになるようなルーティンワークや職人仕事等をしていて目立っていなかった可能性が大きい事も留意すべきである。昔は家事なども手間がかかって忙しかった=親の眼が届かない時間も多く、その間に事故を起こして早期に落命していた障害者も少なくなかったと思われる。

著名人の中では、例えばエジソンは「興味の対象が次々変わり、またその時その時は寝食を忘れるほど熱中している」「こだわりが強く、知りたがり」といったエピソードが残されており、ASDまたはADHDだったのではないかと言われている。ほかにも、アインシュタインは相対性理論の基本的な数値を忘れる、手紙をよく書いたが綴りにミスが多い、言葉を発するようになったのは5歳になってからだったなど、ADHDや学習障害が疑われている。

また、日本の人物を例に挙げると、黒柳徹子最初の小学校を問題行動により退学させられ転校したが、著書を読んだ児童精神科医から「学習障害などの可能性が高い」と指摘を受けたことを明かしている(※黒柳の著書や活動ぶりから、いわゆるLDというよりはADHDの傾向が強いと見られ、指摘した医師が混同していた、もしくは「学校等での学習に関する障害」として複合的に発達障害を表現したと考えられる)。

2022年12月に文部科学省が調査・発表したものでは、日本の小中学生の8.8%に発達障害の可能性があるとされているが、調査基準がそもそも不明瞭であり、信頼性は低い。

相談先

発達障害かの判断は大変難しく、医師でさえ判断が分かれることもある。さらに年齢や環境により目立つ症状が違ってくるので、診断された時期により、診断名が異なることもありうる。

就学前の地域の健康診断等でわかることが多いが、特性やその程度によっては学校に通い始めてから、学年が上がってから、さらには成人してからわかることもままある。

診断を行えるのは医療機関に限るため、確定診断にあたっては小児科精神科(中学生以下の場合児童精神科)、発達外来への受診が必要となる。

病院にいきなり行くことに不安を持つ方は、地域に支援センターがあるのでまずは電話をかけてみることがいい(公共施設の場合センターの利用は無料の場合もある)。検査・面談・相談の結果病院を紹介されるときもあるが、その場合医師への紹介状を書いてもらえる場合がある。

大人の場合はこのような支援センターが窓口となっているが、子供(未成年)はセンターに電話した結果別の窓口を紹介される場合がある。

発達障害であることを公表している著名人

発達障害をテーマにした作品

音楽

  • GOMESS「人間失格」「LIFE」 自身が起こした二次障害であるパニック障害の模様が歌詞に描写されている。

自伝的小説

  • 窓ぎわのトットちゃん(黒柳徹子) ※ただし、執筆当時および舞台となっている時代には一般に発達障害の概念が浸透しておらず、黒柳も執筆時点では未診断。

エッセイ漫画

  • 「毎日やらかしてます。」シリーズ(沖田×華)

関連タグ

自閉症 ADHD 障害者

定型発達

うつ病 適応障害 統合失調症 精神疾患 - 二次障害として精神的なストレスがトリガーとなり精神疾患を発症する人は多いほか、「偽発達障害」という形で発達障害と似た形で症状が起こるケースもある。

高次脳機能障害 - 症状が類似することがある。

自律神経失調症起立性調節障害 - 二次障害として起こる場合があり、症状に類似性が見られる。

反抗期 - 反抗期が異常に長かったり、自傷行為を繰り返したり他者へ危害を加えるなどの問題行動から発達障害に気づかれることもある。

過保護過干渉モンスターペアレントなど - 定型発達でない子供に比べると親のサポート、干渉が増えるため、どうしても過保護や過干渉になりがち。親自身に(未診断・無自覚の)発達障害や精神疾患があり、学校や医療機関と適切な連携が取れないモンスターペアレント化するケースもある。

カサンドラ症候群 - 発達障害者、とくにASDの配偶者や家族が陥りやすい。

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