概要
DSM-Ⅳ 第一軸の「通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害」における広汎性発達障害に分類。現在では自閉症スペクトラムとしてまとめられ、特段注意がない場合古典的な知能や言語に遅れが見られるグループを指す。
主な症例
・言葉の習得が独特で遅い
・他人と目を合わせられない
・自分の興味を他人と共有できない
・対人または相互的な情緒に無関心
・会話がかみあわない
・「好きなこと」と「そうでないこと」の落差が激しい
・抽象的な物事より、具体的な物事のほうが好きな傾向
・特定の音や刺激を嫌がる者もいる
・すごく几帳面
など
解り易くまとめると、社会性や協調性等の他人とのコミュニケーション能力に対する症状と、他人との交流の欠如や特異的な行動パターンが見られる。しかし、個人によって症状にバラツキがある。
古典的な自閉症患者の場合高い確率で知的な障害を伴う。
知能の障害がない、もしくは軽度の場合は困難は伴うものの一般の社会人として暮らせる場合もある。
知的発達および言語発達の度合いで「アスペルガー症候群(高機能自閉症)」 「アスペルガーとカナーのボーダー」 「カナー症候群(低機能自閉症)」に分類される。
また、知能は障害域でありながら、ある分野において人並みはずれた才能を持つ者(サヴァン症候群)もいることで知られている。
絵に関しても、モノの捉え方が異なり、「線は理解できても全体像は掴めない」「見ているものを絵や筆に落とし込むやり方が分かりにくい」という点で特徴が出ている。中には写真に収めたかのように描き上げる人も存在する。
※注意
脳の障害による先天的な障害であって、決して家庭環境やゲームなどの外部ファクターによって引き起こされる病気ではない。
また、「自閉症」という字面から「自ら閉じこもる」という印象を受け、しばしば誤解される事が多いが、うつ病や引きこもり、内向的な性格、オタク、ニートのことでもないので注意されたい。アニメ作品『機動戦士Zガンダム』でも、主人公が自らを指して自閉症と称しているが、上記に基づく完全に誤りである。
よって「治療」「完治」ができるものではなく、あくまで療育によって障害と折り合いをつけて生きて行く術を学ぶ、ということになる。
時々「自閉症は治る」とうたった書籍や評論家、自称治療家などがいるがほとんどは不勉強か疑似科学方面のインチキであるため注意。