概要
向山洋一が使った言葉とされている。略してモンペともいわれる。
学校に対し、非常識かつ理不尽な要求をするため、教師や学校を悩ませる(要求がしつこくても、常識の範囲にあると判断されうる場合はモンスターペアレントとは呼ばれない)。
また、場合によっては教育委員会や直接校長などに抗議する場合もある。
当然保護者は教師や学校の行動に対しそれが常識的におかしいと思われる場合、意見を述べるのは当然の権利であるといえよう。
しかしながら、モンスターペアレントの場合はその主張が明らかに自己中心的で、学校側としては受け容れがたいものである場合が多い。
一方でモンスターペアレントが一人現れるだけで、教師や学校側はその対応に膨大な時間を取られることとなる。
その結果、当人だけでなく授業準備、生徒指導、部活指導などが行き届かなくなり、他の生徒に悪影響を及ぼすことも十分にありえる。
また、幼稚園などでは園行事の劇などの配役でクレームを出す親が多い結果、桃太郎の人数がやたらに増えるなどといった、作品の本質を歪めて苦肉の策を講じることもある。
また、教師側にとっては強いストレスにもなり、自殺や自主退職に追い込まれるケースもありえる。
他に子供側にとってもそう言った親の歪んだ面を見て、客観的な観点を失い自己中心的に育ってしまったり、逆に反面教師として親の行動が誤っているとわかっていても、その過剰な干渉によって子供が望まない方向へ歩まされ、望みが叶わないストレスにさらされ不健全な状態に追いやられる問題点が生じてしまう。
ただし、こうしたモンスターペアレントは今に始まった話ではなく、「サザエさん」でも生徒と教員双方の親同士が子供をかばって喧嘩する回が描写されていたり、鳩山一郎の母である鳩山春子が一郎の通う高校に自己中心的な要求をして校長に拒絶されたりといった逸話もあり、昔からあるところにはあった。
その一方で、教育評論家の一部からは、モンスターペアレントという言葉が一人歩きすることで、先述にもあるように、意見が常識範囲内の場合で、明らかにモンスターペアレントに値しない場合でも、学校側が保護者の意見を封じ込めたり、自身の不始末を隠蔽したりするために利用される危険性もある、という指摘がなされている。
英語圏でも似た概念があり、そちらでは「helicopter parent」という。ヘリコプターを使って我が子を監視するほどに過干渉な親という意味がある。
モンスターペアレントの行動の一例
- 自分の子供がいじめや窃盗(万引き)とかを犯しても、それを注意しない(むしろ、いじめられる側が悪い、と責任転嫁する)
- 子ども同士の喧嘩に介入した上、相手の子どもを(一方的に)悪いと決めつけ学校側に謝罪と処罰を要求
- 自分の子どもが遊戯会や運動会で活躍の場が与えられないとクレームを付ける
- 給食費を払わない(当然給食は請求する)
※これは、貧困を理由に「払えない」のではなく、(十分な収入がありながら)「払わない」。小学校や中学校だと「義務教育なんだから、払う必要はない」という自己中心的な理論によるもの(給食費までも、義務教育における「無償」だと曲解する)。
- 給食の挨拶である「いただきます」をいうことを拒否
※これは、『給食費を払った=お客様と同じ』という勝手な解釈で「払ってやったんだから言う必要はない」という自己中心的な理論によるもの。それ以前に「いただきます」は料理人に向けた言葉ではなく、食材にたいして「(あなたの命を)いただきます」なので的はずれなのである。料理人に向けた挨拶は「ご馳走様でした」である。
- 学校に持ってきてはいけない携帯電話を没収したら、「没収している間の電話などの料金を払え」と要求
- 教師に朝、子どもを起こしてくれるように頼む
- 子供が叱られた際、「自分は物書きだから世間に公表されたいのか」と恫喝する
- 子供の友達に対して「あいつは自分の子供を騙そうとしている」と妄想する。
※実際にモンスターペアレントの子供は基本的に嘘を見抜くのが苦手で将来、悪徳商法に騙される可能性も極めて高いが明らかに良好な関係を築いている子供に対いても勝手に決めつける傾向が見られる。
主な原因
- 共働きにより、保護者が子供を関わるのが薄くなり、それに加えて祖父と祖母が家庭にいない。
- メディアで拡散している情報量が多い所為で理解力が散漫している。
- 子供が知的障害や発達障害を患っている為、過保護になりがちで上流家庭でもない限り、必然とモンスターペアレントになる。
※モンスターペアレントの子供の大半は知的障害や発達障害を患っており、前述の原因と混合している場合もある上に子供が良識的な性格に育たなくなるので障害者の人格への偏見を助長するようになる。
上記から転じた「モンペ」
以上が一般的なモンスターペアレントであるが、ここから転じてキャラクターを子どものように溺愛することを自虐して「モンペ」と言うことがある。一部は本物のモンスターペアレントのようにキャラクターの扱いに不満があると理不尽かつ自己中心的な要求をしてくることがあるらしい。
また、「モンスター(が)ペアレント(保護者)」という意味ではない。
とはいえ、以下のようにサブカル界隈ではモンスター(人外)に育てられたあるいは実親がモンスターというキャラクターは一定数該当する。
親 | 子 | 備考 |
---|---|---|
アンデッド | ウィリアム・G・マリーブラッド | |
エンテイ | ミー・スノードン | 実父が行方不明になっている間、父親代わりとなった |
ガルーラ | タロウ | 両親と生き別れたがのちに再会 |
ザルード | ココ | |
ツチダルモン | もん | 両親の所在は不明 |
ティアマト | 人類 | |
バルトス | ヒュンケル | |
ブラス | ダイ | 実の親とは始め敵同士だったが、後に和解 |
ユキダルモン | イクト | 両親と生き別れたがのちに再会。育ての親とは死に別れる |
妖精騎士ランスロット | パーシヴァル |
関連タグ
毒親…ある意味これに該当する。
モンスターチルドレン…モンスターペアレントの子供版とも言うべき存在な問題児の呼称。
モンスターティーチャー…自己中心的な行動を起こすなど問題のある教師への呼称。
モンスターペイシェント…医療機関で同様の自己中心的な行動を起こす患者への呼称。
ブラック校則…モンスターペアレントとは逆に学校側が子供と保護者に理不尽な要求をしてくる。
モンスターティーチャー…これの教師バージョン。
米倉涼子…2008年にフジテレビ系で放送された同名タイトルのドラマの主演。