概要
しかし実際の日本では消費者からの苦情や抗議の意味に取られている。
そういったものは"Consumer complaint"もしくは"Customer complaint"が正しく、「コンプライアンス(法令順守)」といった役割を企業や商店、自治体などのBtoCが担っている。
もう少し具体的に言うと、消費者が利用した商品およびコンテンツ、受けたサービスにおいてそれを使用する上で伴った問題点や適切な費用対効果の有無、そしてそれを扱った際に受けた何らかの実害などの様々な不備に関して消費者側からそれらを生産、運用する企業に対しその事実を指摘して該当する問題の改善を求める際に使われる批判の一種である。
大抵は苦情としての意見だけで済まされることが多いが、場合によってはその対価として支払った費用の弁償、あるいは指摘された問題点が修正された商品への交換、被害が大きいケースだとそれ以上の賠償が求められることもある。
企業側としては問題を放置したままだと信用の低下から来る客離れなどさらに大きな損失が出る可能性があるためなるべく早くその修正を行う必要がある。
ケースによっては、更なる商品やサービスの改善のヒントが得られる可能性もある。
不満をためたまま、何も言わず全く店に来なくなったり、商品を買わなくなってしまう客と比べれば、具体的な問題点を指摘するクレームはむしろありがたい場合もある。
そのため、クレーム対応は企業にとっても決して無視できない存在とされ、そのクレームを受け取る専門の部署を持つ所も多い。
しかし、近年ではこのクレームに関するトラブルも増えており、クレーマー側がきちんとした改善要望を出しても企業側がまともに対応しないというケースや、逆にクレーマー側の要求が理不尽かつ脅迫同然なものだったり、適切な使用法ではない扱い方をしていたり、実際には問題の無いものをさも大変な事態のように主張したりと言ったいわば“モンスターのようなクレーマー”の被害報告が増えている。
前記したとおりクレームが企業の改善のヒントになるケースがあるからこそ、企業もクレームに誠実に対応しようとするわけだが、結果として改善のヒントにならない単なる言いがかりや過剰要求が心理的に正当化されてしまうケースもある。
最悪、話が拗れていくと企業と消費者だけの問題ではなくなり、対応や賠償を巡って裁判沙汰にまで発展することもあり得る。
そのため商品を出している企業やサービスを提供している運営側にクレームを行う際には冷静かつ丁寧な語調で、内容も具体的かつ正確に、そして論理的な理屈で相手に伝える必要があることを忘れない方が良いだろう。
クレームを出すのではなく、別の商品やサービスに乗り換える選択肢も、消費者には与えられていることを忘れてはならない。