「任せろ。最短ルートを設定する」 (バクアゲ1)
演:葉山侑樹
概要
ブンブンジャーの一員で、ブンブルーに変身する青年。常にスリーピーススーツ(シャツはショートカラー、ネクタイは青)・七三分けという、堅めの風貌が特徴。
名前の本来の読みは前述の通り「いしろう」であるが、大也、ブンブン、未来からは、射の字を音読みにした「シャーシロ」のあだ名で呼ばれている。
当人は認めた人間以外に「シャーシロ」と呼ばれることを嫌がるのだが、すっかり定着してしまっており、錠からは当初「シャー・シロ」という本名と勘違いされており、そこから転じて「シロ先輩」と呼ばれるようになった。
本職はフリーのスパイで世界規模のネットワークを活用し情報を集めるのに長けた「情報屋」として「届け屋」ミッション遂行時の最短・最適ルートの構築、そして宇宙規模であるビッグバングランプリの情報収集を担当する。
そしてブンブンカー開発では、パーツ調達のハードウェア面でサポートする玄蕃に対してブンブンサファリやブンブンマリンに搭載する人工知能を自ら組み上げるなどソフトウェア面でのサポートを行っている模様。また本編開始直後で人手が少なかった頃には、運搬役を代理担当することもあった。
人物
本職のスパイ稼業で表と裏の世界を行き来してきた経験から性格はクールかつ無愛想な皮肉屋でポジティブ気質なメンバーが大多数のブンブンジャーでは数少ない常にリスク管理と情報収集を心掛けて動く慎重派である。
それ故に他人を初見では信用しないスタンスでブンブンジャーに新規加入した未来や錠に対しては当初「軽過ぎる」、「俺は信じない」と否定的な姿勢を見せていたが、大也の惚れ込んだ人材として一定の信頼を置くとともにハシリヤンとの共闘を経て態度を軟化させていく。
さらにバクアゲ6のトイレグルマーとの戦闘でトイレグルマーの本音を引き出す技「水洗ジャー」を浴びた際には、普段の皮肉かつクールな情報屋の顔はどこへやら、錠へ裏の顔がないか疑って尾行したことをブンブラック/錠の足に縋り付き、更に熱いハグで素直に許しを請うた挙げ句、本音の性格が表出して未来と錠を引っ張る(この時、大也は別件で不在だった)と半ばキャラ崩壊にも見えるレベルの熱血系な本心を隠しているギャップが明かされた。
更にバクアゲ14にて自分に心を開いてくれたブンブンマリンに青い薔薇で仕立てられた花束を贈ろうとして、これをマリンがエンジンを切りクラクションを鳴らして拒絶した際には「なぜだ!?一緒に敵を倒したばかりだろう!!?」と熱く訴える一面を見せる等、もはや初期のクールで無愛想な設定を忘れそうになる変わりようである。
なお変身後の名乗りに対しては当初抵抗があるような素振りを見せている…かと思えば、「変身合体講座(参考リンク)」ではブンブンチェンジャーのデザインなどを説明する際、前述したクールさはどこへやらなハイテンションぶりも見せており、この描写は上記の本性を反映したものであると考えられる。
さらにはバクアゲ19でのATMグルマーとの戦闘に於いて仲間の金銭事情まで把握しており、未来が最近バイトの給料が入ってることや錠は最近高い筋トレ道具を買って金欠なのを看破している。
大也とは物語開始以前からの付き合いであり、他のメンバーとは一線を画したとも言うべき信頼関係を築いている(下記参照)。
本業のスパイも含めて多忙な身であるが、思い入れが強い「しらうみ水族館」には年間パスポート(もちろん「継続」であり、数年間欠かさず通っていることが窺える)を作って、こだわりを持つサウナにも週3回ほど通う(演者の葉山氏も、週2のペースでサウナに通うれっきとしたサウナー)など時間を積極的に捻出して自分の趣味に費やすことを心がけている(チェンジャーはサウナ用のかばんに入れている。
これは数年前に生死をかけた過酷な潜入任務に従事していた際、仮眠時でもちょっとした音に敏感になる程に心が壊れかけていた中で、ふと訪れたしらうみ水族館の生き物に癒された(このときの回想シーンでは滅多に見られない自然と涙が流れている射士郎が描かれている)ことがきっかけである。
なお上記のサウナ好きに加えて職業柄か筋トレもしているのか、サウナグルマー戦では冷静にサウナの真髄を説きながら窮地を脱したり、ジムグルマー戦では強制的に筋トレさせられ、巨大で重いバーベルを持ち上げながらも「このあとのサウナが気持ちいいんだ···!」とものともしていなかった。
更にバクアゲ29では、親も自身と同業者だったらしく、その関係で幼少期からボクシングを始めとした武術の数々を叩き込まれて育ったと言う生い立ちが語られており、ブンバイオレットからも「自分と同じで余り良い育ちではない」と言われている。
情報屋故に重要な任務から日常の豆知識まで通じており、オワングルマーの蓋付きお椀にブンピンクが閉じ込められた時は苦戦していたブンブラックに対し「お椀の外側を押して空気を逃がすと良い」と冷静に開けて助け出している。
大也との関係
彼とはブンブンジャーとしてを差し引いても物語開始前の一番古くから共闘してきた仲であり、神の視点で見た視聴者からすると総じて異常なまでの信頼関係(どころか話が進んで明かされる毎に最早信頼を超えた何か)と絆で結ばれている。
バクアゲ1の時点ではあまり多くは語られていなかったが、実は元は大也の技術及びブンドリオを探るためにとある人物の命を受け範道邸に侵入してきたスパイであった。
侵入してきたところをピアノ線というアナログな罠で引っかけられてしまう、大也と一戦交えるものの、その潜入スキルに対し「惚れたよ···その腕。買った!」と抹殺せず引き入れられた。その後は大也と任務をいくつか共にこなしていた模様(コミカライズ等で掘り下げられている)。
故に玄蕃と共にブンブンジャー結成経緯も含めて認知し、多くを語らずとも互いの意図するところを読み取り、的確に行動に移すだけの関係を構築している。
そして大也への信頼がブンドリオと共にとりわけ強く、「リスク上等で、損得には頓着しない」という本来なら自身と真逆のスタンスを持つ大也には度々振り回され、参謀的役割として呆れた素振りや皮肉を交えた意見をやんわりと示すようにしているが、最終的にはそれすらも見通したような姿勢を見せる大也の決断を後押しするスタンスを通している。
一方で射士郎自身が大也を特別視するとともに周囲には逆に壁を作る振る舞い故に錠や玄蕃と立場が異なる両者から「(言葉が足らないのは)シロ先輩も」、「大也を甘やかす」と指摘されるなど「大也寄り」に映りがちなため、大也の余人の理解が及ばない性格を周囲にフォローする役割についてはブンブンに譲ることとなっている。
この信頼関係について最も“バクアガる”べきはバクアゲ38である。
かつての仕事仲間でもあり敵でもあった女スパイ・ステアの罠に嵌り捕らえられた上彼女が生み出していたカメラグルマーに“焼き増し”されて自身のコピーが作り出され、チェンジャーを奪われてなりすまされ範道邸に潜入されてしまう。
偽物はカメラグルマー対処で一同が出動した際に「戦闘のバックアップを取る」という口実で残り隙を見計らいブンブンジャーのシステムを破壊しようと試みるが、大也は最初から偽物と見抜いた上で泳がせてガレージに閉じ込め一騎打ちに持ち込む。
同時刻、射士郎自身はヘアピンで手錠を解いて拘束を外すとステアと戦闘を繰り広げる。
偽射士郎の「本物はもう死んでいるはずだ」と大也の動揺を狙う発言をする中、自身もステアから同じような言葉を投げかけられるが大也と同じく互いを信じ切る発言をしステアを追い込み拘束すると戦線復帰した(破壊されかけたプログラムに関しては予見していた本物が仕込んだカウンタープログラムにより守られた)。
なお大也が見抜けた根拠というのが「目を見て解った」とのことであり、どれだけ長年の付き合いであるかが示唆されている。
余談
- 名前は「メーター」と「シャーシ」に由来するものと見られる。「シャーシロ」というあだ名もこれを強調するためにわざと設定されていると思われる。
- 前述した大也との関係性については、番組公式サイトにて「何を隠そう射士郎は大也が大好き」とハッキリ明言されており、同時に過去の類似例を引き合いに出しつつ、「常に物事を楽しむ、圧倒的な男の隣には皮肉な理解者がいるもの」との説明もなされている。
- 衣装のうち、ネクタイとワイシャツはオリジナルブランドの紳士服専門店「ドクターベリー」のものが使用されている。ネクタイのデザインに当たっては、情報屋にしてスパイである射士郎の多面性を表現する形で、結び目で柄が切り替わるクレリックタイを基本としており(参考リンク1)、織り柄の異なる複数のパターンが考案された。
- バクアゲ37の予告では何やら大也と対峙しブンブンハンドルを交える意味深なシーンがあったが、実際はうまく編集されたミスリードであり、大也と対峙していたのはカメラグルマーが生み出した偽物であった。ちなみに拘束された姿に何やら目覚めかけた視聴者もいるとか。
- 大也とのその信頼や友情どころではない信頼関係について、視聴者からは掘り下げられる度に「湿度が高い」と感想が上がっている。
関連タグ
最上蒼太:過去作の車スーパー戦隊におけるスパイな戦隊ブルーの先輩。
ジョー・ギブケン:過去作のスーパー戦隊において1番立ち位置等が近い先輩。
メルト:名前でよくいじられる事が多い、冷静沈着で頭脳派な5年前の戦隊ブルーの先輩。探究心が強い、レッドを強く意識する点も共通する。
ヤンマ・ガスト←鳴田射士郎